HOME > 連載 > 麻倉怜士のまるごと好奇心 > 70回 即買いしたエクササウンドのD/Aコンバーター「e32」(前編)
2016年12月13日/麻倉怜士
exaSound Audio Design(エクササウンド)の新型D/Aコンバーター、e32がいよいよ発売となった。麻倉さんは2014年のe22を聴いた瞬間に即買い。以来、さまざまなメディアやイベントでこのモデルを高く評価してきたが、このたびその遺伝子を受け継ぐ最新モデルのe32も即買いしたという。現在発売中のHiVi12月号「冬のベストバイ2016」D/Aコンバーター部門2(20万円以上)のカテゴリーにおいても2位に大差をつけて1位を獲得したe32。その魅力はどこにあるのか? 前編では麻倉さんがe22を導入後、e32に出会うまでの経緯をお話しいただいた。(編集部)
今回は、最近導入を決めたばかりのエクササウンドのD/Aコンバーター、e32についてお話ししたいと思います。私は以前からこのブランドには大いに注目していました。2014年のモデル、e22は同じ評論家の和田博巳さんや潮晴男さんも導入されていますが、私のちょっとした自慢は、このモデルを聴いた瞬間に購入しようと決めたこと。つまり、一番早い購入者だったということです。
ちょうどその頃は、ハイレゾ市場に出はじめた11.2MHzのDSDファイルを聴ける環境を作るため、対応モデルを物色しはじめているタイミングでした。その候補の1台として、何の気なしに試聴してみたのですが、音が鳴りだしてすぐに「これは凄い!」と思いました。何が凄かったかと言うと、ただ単純に11.2MHz DSDが再生できるというだけでなく、その再生能力、音楽再生機としての能力がずば抜けていると感じたんです。ひと目惚れならぬ、ひと聴き惚れです(笑)。
2014年当時は、このe22に搭載されているESSテクノロジー社のES9018というDACチップがオーディオコンポーネントの世界でリファレンス的な人気を博していました。ただ、AVセンターやプリメインアンプに搭載されている場合、DACチップだけを採り上げて評価することはできません。こういう機器の場合は、まずアンプとしての性能がどうなのか、ということが大きな評価ポイントになりますから。いっぽうでe22のようなUSB DACと呼ばれる製品は専用機ですから、DACチップそのものの力が前面に出てきます。
e22を最初に聴いた時は、解像感が高いとか、音のヌケがいい、透明感が高い、見晴らしがいいなど、いわゆるオーディオ的な、ハイレゾを聴く喜びを存分に届けてくれるという意味で感激しました。その段階ですでに購入を決意したのですが、実はその時の試聴は、純正のACアダプターを使用していました。いかにも安っぽい代物で、これをもっと上質なものに替えてやれば必ずもっと音はよくなるだろうと、試聴しながら思っていたんです。
それを察してか、代理店の担当者が「こんなものがあるんですが」と、オーディオデザイン社製のDCアダプターを私に差し出しました。それに替えてみて案の定、またびっくりしました。低域の馬力感や安定感が格段に上がり、ヴェールが何枚か剥がれたかのように感じたんです。造形力がさらに上がったなと。それでこのDCアダプターも合わせて買うことにしました。その時の試聴に使ったのはスタンダードクラスのものだったのですが、どうせならいいものを買おうと思い、同社のハイグレードクラスのDCアダプターを買ったんです。
このe22の何が気に入ったかと言うと、もちろん音がいいことは大前提ですが、加えてコンパクトなことです。私はさまざまなハイレゾオーディオのイベントに出演するので、そのたびに自前の機器を持って行くことになるのですが、e22はキャリーバッグにもすっぽり入ってしまう大きさです。これが実はとてもありがたい(笑)。2014年末から2015年にかけては、このモデルのおかげでずいぶん楽しいリスニング生活を送ることができました。
そうこうしている間に、コードのDAVEやマイテックデジタルのMANHATTANなど、さらに上の価格帯に魅力的なモデルが出てきました。それぞれにたいへん素晴らしいモデルなので、そろそろ買い替えかなと、また迷いが生じはじめました。そんな時にちょうど出てきたのが、このe32でした。
後編に続く
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