2012年4月 2日/Auto Sound 編集部
オートサウンドのウェブ特別企画"測車!"、7台の車両について音響特性を紹介しSeason1とした。特性グラフを見ずとも「車によって音が違うのは当たり前」とおっしゃる方もいれば、「こんなに違うものなの?」と感じられた方もいたかもしれない。また、個別にグラフを見せられてもよくわからないという方もおいでのことと思う。そこで今回は、Season1の締めくくりとして、各車両で得られたデータを比較しやすいようにまとめてご覧いただこう。
Season1では、毎年開催されているJAIA(日本自動車輸入組合)主催の試乗会の場でおこなった。話題の輸入車が一堂に会するとあって、自動車雑誌を中心に取材が行われる。オートサウンド編集部も毎年参加して輸入車の純正オーディオをチェックしており、今回の"測車!"とは異なるフィルター設定の測定データながら、音響測定を実施していた(バックナンバーをお持ちの方はオートサウンドVol.77をご参照いただきたい)。
本来であれば、測定値は再現性のあるものでなければならないが、ここで紹介しているデータは屋外で測定していることもあり、まったく同じデータを再現することはできない内容だ。とはいえ、近似のデータをとることは可能であると予想できるので、ある程度の目安として見ていただけるものと判断し紹介している。
さて、Season1で登場した7台は、いずれも車のサイズや形状、オーディオシステムの内容がバリエーションに富んでおり、一概に比較することはできない。本来は測定したスペクトラムに山や谷ができないことが理想的なのだが、結果はかなり興味深いものになった。
特性上、もっとも綺麗に出ていたのはアルファロメオ・ジュリエッタSprint。再生している信号を忠実に再生というわけにはいかないが、大きなうねりや極端な山や谷ができていないのはかなり優秀な結果といえる。次に続くのはメルセデスベンツ・GL550だろう。GL550は純正システムとしてオーディオメーカーのハーマンカードンが手がけたロジック7というシステムを導入していることもあり、これが功を奏しているのではないかと思われる。
各車両ごとのリポートにも書いたが、これは元々装備されているオーディオシステムが再生する音についての結果であるため、走行中に聴く事ができるサウンドを想定してチューニングされている可能性もあり、一概にどれが“いい音 "であるかを判別できるものではない。実際に音楽を再生してみると、測定で得られたデータどおりの部分もあれば、意外と破綻なく聴くことができるという部分もあるのだ。
また、今回のデータは基本的にオーディオシステムの調整値をデフォルトの状態にして測定しているため、ある程度調整してから測定すると、大きく違った結果を得ることもできそうである。加えて、走行中のノイズについても、オーディオ再生で重要なファクターのひとつである静粛性を知ることができるため、大いに参考にしていただけたと思う。純正オーディオの特性はさておき、市販カーオーディオへシステムを換装しようと目論む方にとっては、こちらの方が重要視するべきポイントとなったかもしれない。
今後、国産車、輸入車にかかわらず。話題の車を取り上げて“測車!”していく予定。Season2もご期待いただきたい。
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