2016年5月20日/伊藤隆剛
話題のデジタルガジェットを長期使用してその印象をお届けする「毎日ハイレゾ実践中」。第3回はEARIN(イヤーイン)のBluetoothイヤホンをご紹介します。
ハイレゾ対応モデルではありませんが、再生機器と接続するためのケーブルはもちろん、左右のハウジングをつなぐケーブルもいっさいなし。完全なワイヤレスを実現した超小型イヤホンということで、発売から半年近く経った現在も好セールスを続けているようです。
製品名は、ブランド名と同じEARIN。同社は2013年にハイファイオーディオの設計や開発、デザインに関わった専門家らによって設立されたスウェーデンのベンチャー企業で、これがブランドとしてのデビュー作になります。
2014年にアメリカのクラウドファンディングサービス「Kickstarter」で資金調達を開始。最終的には150万ドルという北欧では最大規模の出資額を得て、昨年末から日本でも発売が開始されました。
EARINのイヤホン本体と充電用カプセル。カプセルのサイズは直径21mm×長さ95mm。製品にはこのほかUSBケーブル1本(MicroUSB/USB Type A)、スタビライザー1ペア、イヤチップ2種(3ペア)などが同梱される
世界最大のサブスクリプション型音楽配信サービス、Spotify(日本には未上陸)の本拠地である音楽先進国のスウェーデンからこういったコンセプトのイヤホンが出てきたことには大いに納得できますし、余計なものがないシンプルなデザインにも北欧のプロダクトらしさを感じます。
再生機器と接続するためのケーブルが不要なBluetoothイヤホンなら、すでにたくさんの製品が発売されています。サイズや音質を問わなければ2,000円台から買うことができるので、30,000円前後のEARINはこのジャンルでは高級モデルに入りますが、先述のように左右のハウジングをつなぐケーブルまでなくし、一見すると耳栓ぐらいの大きさでありながら完全ワイヤレス、完全セパレートというのがEARINの最大の特長です。
EARINの主なスペック
●寸法/質量:直径14.5mm×長さ20mm/3.5g
●ドライバー:BA(バランスドアーマチュア)型
●周波数特性:20Hz~20kHz
●出力音圧レベル:105dB
●インピーダンス:25Ω
●対応コーデック:aptX/AAC/SBC
●再生可能時間:ステレオモード最大3時間
(モノーラルモード最大11時間)
●フル充電時間:70分
EARINのイヤホン本体のスペックは上記の通り。BAドライバーを採用するなど、音づくりにもブランドのこだわりが反映されているようです。
また、このEARINには写真のような収納用カプセルが付属しています。短めのペンライト、もしくは少し大きめのリップスティックぐらいのサイズ感で、先端部を引き上げると向かい合った状態で収納されている左右のイヤホンが現れます。
このカプセルに本体を収納した状態でmicro USB端子を経由して充電するため、カプセルとイヤホンはつねにペアで持ち歩く必要があります。カプセル自体、フル充電することで独立した充電器として約3回分の充電が可能だからです。
詳しくは後編で書きますが、ステレオモードで最大3時間という再生可能時間はやや微妙で、都心で通勤の往復に使うという方にとってはギリギリ、もしくは足りないぐらいではないかと思われます。
次にイヤホンの装着感。これはとてもいい感じです。音道部分に少し角度がつけられていて、耳甲介にハウジングが違和感なく乗っかる格好になります。コンパクトな見た目の通り質量も軽く、思った以上に快適です。
屋外に持ち出していろいろ使ってみたのですが、普通に歩いている時はもちろん、軽いジョギングでも耳から脱落するようなことはありませんでした。でも、安くないイヤホンだから紛失してしまうのが心配、あるいはジョギングよりもさらにアクティブなエクササイズで使いたい、という方は、付属のスタビライザーを使えばより確かな装着感を得ることができます。
ただ、いずれにしても使い始めて30分ぐらい経つと内蔵バッテリーがほのかに温かくなり、軽いとはいえ普通のカナル型イヤホンと同じように耳が疲れてきます。個人差はありますが、スタビライザー使用時は耳甲介をグッと押さえつける感じになるので、より早く耳に疲れや違和感を覚えます。特に必要性を感じなければ、スタビライザーは使わなくていいでしょう。
イヤホン本体とカプセルには、操作ボタンやツマミなどはまったく装備されていません。すべての操作はスマホの無料アプリ「EARIN」で行ないます。といってもアプリの操作もシンプルなもので、できることは低音のブーストや左右の音量バランスの調整、モノーラル再生の設定ぐらい。カプセルからイヤホンを取り出し、アプリを起動してペアリングすれば、すぐに音楽を楽しむことができます。
というわけで、音質についての印象は次週の後編で詳しく紹介していきます。イヤホンとしてどのくらいの音を聴かせてくれるのか。完全ワイヤレス、完全セパレートを実現するにあたって、音質や継続再生にどのような影響があるのかなどに注意してチェックしてみましたので、来週もこのページを覗いてみてください!
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