2012年5月 9日/スズキハルコ
わたしの中で、アメリカ人は"とにかく陽気でフレンドリー"というイメージがある。経済の悪化や格差社会といった問題を抱えながらも、人々はつねに明るく前向きで、どんなに絶望的な状況でもプラス思考で乗り越えようとするパワフルさがあるように思う。
そんな"陽気なアメリカ"を体現している俳優が、わたしにとってはトム・ハンクスその人だ。これは、ひとりの人物を通して"現代のアメリカ"を描いた「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)のときの彼の印象が、未だに抜けないからかもしれない。
そしてトム・ハンクスが主演する「幸せの教室」が、5月11日(金)より公開される。ジュリア・ロバーツと共演したことでも話題の本作で、彼は監督・脚本・製作・主演の4役をこなす(脚本と製作は共同名義)。これがもう、"トム・ハンクスのイメージそのまま!"といった作品なのだ。
主人公のラリーは、「大卒ではない」という理由で長年務めた大型スーパーを解雇されてしまう。もちろん激しく落ち込むけれど、切り替えも早い。「学歴が理由で解雇されたなら、学歴を持てばいいんだ!」とばかりに短大のパンフレットを読んでいたかと思ったら、もう受講の手続きをしている。「いやいや、学歴はリストラの口実でしょ……」などと、つい皮肉めいた指摘をしたくなるわたしにはない前向きさだ。
そうして始まった学生生活を、心から満喫するラリー。どんなときでも明るく陽気でテンションが高く、「落ち込んでいるときにこの調子で励まされたら、正直ちょっと鬱陶しいかもな……」と思ってしまうほど。でも、そんなラリーを見ているうち「自分次第で生き方はどんなふうにも変えられるのだ」ということに気づかされていく。
前向きなラリーの周りには、前向きな人たちが集まる。くるくるとよく動く瞳が魅力的な女子学生タリア(ググ・バサ=ロー)の手で外見的にも磨かれ、自信を付けていく。勉強の面白さに目覚め、初老の教授(ジョージ・マツタニ)から目をかけられるようになる。そして彼の明るさは、やがて人生に行き詰まっていた仏頂面の教師メルセデス(ジュリア・ロバーツ)にも明るい光をもたらしていくのだ。自分がどんな人間であるかで、周りの人たちも変わってくるのだろう。
「どうせ自分には学歴がないから……」とコンプレックスを感じている人にも、「それなら学歴を獲得しよう!」と心機一転を図る人にも、時間は平等に流れていく。それならば、何かのせいにして落ち込んでいる時間がもったいない。空回りしても失敗しても、思いついたことにはどんどんチャレンジしていくほうが、よっぽど有効的だ。
ただ待っていたって、幸せはやってこない。よし、自分の人生にも何か見つけてみよう! ……映画が終了する頃には、きっとそんな気持ちになっているはず。「幸せの教室」は、日々の生活で忘れがちな、シンプルだけど大切な事柄に気づかせてくれる、明快かつストレートな作品に仕上がっている。
なんといってもアカデミー賞受賞2大スター、トム・ハンクスとジュリア・ロバーツの素晴らしい演技にご注目! また、どんな苦難があっても、新しい事にチャレンジし続けることで自らの幸せをつかんでいくことを描いた、トムらしい心温まるストーリーも楽しみください! 30代から40代の男女必見です!
■「幸せの教室」作品情報
監督・製作:トム・ハンクス
出演:トム・ハンクス/ジュリア・ロバーツ/ブライアン・クランストン/セドリック・ジ・エンターテイナー/タラジ・P・ヘンソン/ググ・バサ=ロー/ウィルマー・ヴァルデラマ/パム・グリア
脚本:トム・ハンクス/ニア・ヴァルダロス
原題:Larry Crowne
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C) 2011 Vendome International, LLC. All Rights Reserved.
2011年アメリカ映画/1時間38分/ドルビーSRD/シネスコサイズ
5月11日(金)ロードショー
編集部が厳選したおすすめアイテム












オリジナルコンテンツも充実