小原由夫 |
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最初にシステムを説明します。スピーカーにはHiVi視聴室の最新リファレンスにも選ばれたパイオニアS-1EXを5本、サブウーファーにパイオニアS-W1EXをデュアル設置しました。ユニバーサルプレーヤーとAVセンターにもパイオニアの最新モデルをチョイスしています。またパワーアンプには、コンパクトで扱いやすいステレオパワーアンプ、ジェフ・ロゥランドDGのモデル102を3台用いています。
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超高音質DVDオーディオ「BIG BAND STAGE」を
フェイズコントロール対応システムで聴く ゲスト:MALTAさん、角田健一さん、内沼映二さん
ホスト:小原由夫 名曲の数々を、目を見張る高音質サラウンドで収録した「BIG BAND STAGE」。このオーディオファン必須の1作をソースに、アレンジャーでコンダクターの角田健一さん、録音エンジニアの内沼映二さん、そして日本が誇るサックスプレーヤーのMALTAさんという、製作に携わった3人を迎えて5.1chサウンドを体験していただいた。日頃、生の音に囲まれている方々には、最新オーディオが奏でる音はどのように感じられただろうか。ホスト役の小原由夫さんを交えて楽しい視聴が始まった
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最初にシステムを説明します。スピーカーにはHiVi視聴室の最新リファレンスにも選ばれたパイオニアS-1EXを5本、サブウーファーにパイオニアS-W1EXをデュアル設置しました。ユニバーサルプレーヤーとAVセンターにもパイオニアの最新モデルをチョイスしています。またパワーアンプには、コンパクトで扱いやすいステレオパワーアンプ、ジェフ・ロゥランドDGのモデル102を3台用いています。 ●
MALTA いやあ、素晴らしい。家庭用といっても、本当に生活空間の中でここまでの音で聴いている人がいるのかという気もしますが……(笑)。でも買えるんですね。 小原 ええ。この曲はMALTAさんのソロも入っていますが、ご自身のエモーショナルなソロは、意図した通りに再現されていますか? MALTA そうですね。細かい息使いまでよく聴こえる。個人的には、ミキシングでもっと分離して前に俺を目立たせてくれよ、とも思うけど(笑)。ビッグバンドですから、各楽器の調和を重視して内沼さんがミキシングしているのがよくわかります。 角田 MALTAさんがノリノリで、実は本来アレンジ上では吹くべきでないパートまで吹いちゃっているんですよ。なのでミキシングは難しかったんじゃないかなあ。 内沼 全体のバランスをみながら、それぞれの個性が活きるように配慮しています。たしかにスタジオモニターで調整した時には、もう少しMALTAさんのサックスが前に出ていた気がするけれど、このシステムで聴くと楽器の距離が適度に揃っている印象です。その分、自然な包囲感がありました。 小原 続いて4曲目の「エアメイル・スペシャル」を聴きました。名曲揃いの本作のなかでも、特に私自身好きな曲です。すごくハイスピードでレベルの変化もダイナミック。オーディオシステムの潜在能力を図るには格好の曲調でもあります。本盤のハイライトですね。 MALTA やっぱりサラウンドっていいものですね。ステレオと比べてエアー感が全然違う。音にならない音が風になって、肌に触れる感触。そんな現場ならではの雰囲気がここでも味わえるとは思わなかった。 小原 確かに演奏スタジオにいるような臨場感を感じます。しかもこの曲はゴージャスで低域がリッチ。聴いていて楽しいですよ。 内沼 コンパクトスピーカーで聴いてもエネルギー感が損なわれないように、若干ウッドベースの低域を持ち上げた部分はあります。演奏自体もウッドベースが前にでる力感のある曲だし、そういった音楽性を理解したうえでバランスをとっています。このS-1EXくらい大きなスピーカーだと、仮にサブウーファーレスの5.0chでも問題はないかもしれませんね。 角田 確かにバランスはスタジオのマスター音源そのものというわけではないけれど、演奏のニュアンスは豊かに再現されるし、これが家庭で聴けることは驚きですよ。「エアメイル・スペシャル」は何しろテンポが速いので、みんな前のめりの姿勢で弾いているんです(笑)。そういったレコーディング現場の緊張感まで伝わってきました。 MALTA 実はこの曲、レコーディング一週間前の練習ではゆっくり演奏してたんですよ。それで安心していたら、本番でいきなり倍くらい速くて騙された(笑)。遅れないように集中して、無心で吹きましたよ。これだけハイテンポで、なおかつピッタリと息があっているビッグバンドの曲は貴重じゃないかな。
フロント重視のサラウンド。
小原 続いて7曲目「イン・ア・センチメンタルムード」を聴きました。デューク・エリントンの代表曲ですね。とてもムーディで雰囲気たっぷりのMALTAさんのサックスがサラウンドサウンドで見事に再現できました。
MALTA やっぱり自分の演奏を冷静に聴くのは難しいなあ。反省点ばかり耳につく。でも、それと同時にデューク・エリントン、ジョン・コルトレーン、チャーリー・パーカーといった偉大な先人達の音楽的遺産を少しでも受け継ぐことができている、ということに幸せを感じます。彼らの時代はアナログレコードだったけれど、僕らにはDVDオーディオのような素晴らしいメディアがあるのだから、なおさらいい音で記録された、いい作品を次代に遺しておくべきなのでしょう。
小原 そうですね。この曲ではMALTAさんのほうから、ビッグバンドに積極的に入っていこうという気持ちが、再生していて感じられました。アンサンブルとサックスとが優しく溶け合っていますね。
MALTA 演奏にデューク・エリントンサウンドの現代的解釈を含めたつもりです。多様に変化しながらもムーディーでしょう? 小原 ええ。香気漂うような楽器の響きもサラウンドの醍醐味ですね。 角田 ナイトクラブで聴くような感じで水割りが欲しくなる(笑)。ステレオ再生ではこのしっとりとした情感はでにくいかもしれませんね。 内沼 リアchにはアンビエント成分だけを回しています。あくまで直接音はリスニングポイントから前面120度の範囲だけでミキシングしているので、フロント重視の音場表現には変りありません。しかしそれでも空気感の出方がまったく違ってくるんです。 小原 本作は、低域の位相を合せこんだ「フェイズコントロール」処理がなされていますね。とくに4曲目などのハイスピード感は、この俊敏な低域あってこその表現だと感じました。 内沼 そう。タテのピッチがしっかり揃った、タイトな低域をしっかり出すために位相管理は厳密に行なっています。また、MALTAさんと打合せを重ねて、サックスにわずかながらディレイやホールリヴァーブなどのエフェクトをかけています。ただ録りっぱなしでもいい音ですが、よりよいバランスをめざして作業するのがエンジニアの性ですね。 MALTA 僕もスタジオ録りを重ねてきた経験から、サックスにより色気を出すための手法を得ているんですよ。それで、もちろん不自然にならない範囲で加味している。ただ音楽全体のデザインは角田さん、録音全体の音場デザインは内沼さんに任せてあります。僕はプレイヤーだから、音源としてはほぼモノーラルな存在。それをどう音場の中で、音楽として組み立てるかは、信頼できるミュージシャンやレコーディング&ミキシングエンジニアと巡り合うしかない。本作は全体を通してビッグバンドジャズのサウンドがうまく展開できた、なかなかいいアルバムになっていると思いますよ。ぜひ今日のような音のよいサラウンドサウンドで体験してビッグバンドならではのスケールの大きな空気感を味わっていただきたいですね。
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