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今月の米国盤:番外地
NO.14
堀切日出晴

 今夜も前夜に続いての本誌未紹介の作品特集。紹介作は4本。結構ヘビーですよ。御覚悟を。

 通常HiViの最新号はライターの特権で(ごめんなさいね)発売前に手元に届くんですが、最新6月号From Editors(編集後記)のページにあるHiVi-Web紹介を見て驚いた。「....5月第3週にアップ予定の第14夜では、まだこんなに! と驚くほどの注目ディスクを紹介します」ってなってるじゃありませんか。う〜ん、ホントはそうだったんですけどね、結局4枚しか紹介できませんでした。でも執筆文字数は10,000字を軽く超えてますので、許してくださいね。
 その前に、同6月号のVideo Soft Viewでの「セブン」について。どうしても紙面では字数制限がありますので、内容がカットされるときがあります。そこで、ここはDVDっぽく、番外の地初のサプルメント=Deleted-Sceneを掲載します。そのままのっけちゃいますので、本誌と照らし合せてくださいね。

「セブン」ホームシアター・マスタリング
堀切 日出晴

 残銀処理の次世代作「セブン」。公開時の処理はCCE(全米2500館中100数館のみに配布)で、テクニカラーのENRに対するデラックスの残銀技法。ENRと比べ残銀処理を強める程ざらつくルックスと漆黒を再現できるが、陰影部の階調表現、光沢のない映像情報でのグレーの表現に乏しくなる。公開直後デラックスは、ENRと同等に調整範囲を改善したACEを発表。DVDではそのルックスを踏まえ、CCEでの不自然さ、例えば中間調が濃くなり飽和混濁した色情報などを、撮影監督ダリウス・コンジを加え修正した。また、フォトケンのブリーチ・バイパスのルックスも参考に。これはオリジナルカメラネガから残銀処理ができ、コンジは「デリカテッセン」でも使用経験がある。(なお解説では、ブリーチ・バイパス=残銀処理総称として語られている。)

 う〜ん、文字だけのサプルメントって、ちょっと前後がわかりくいし、ありがたみも余りないようで、今回だけの企画になりそう.....。
 さて皆々様、気を取り直して本編スタート! レッツラ・ゴー!....って、死語でしょうがぁ、ホントに、もう。
 


SPARTACUS:The Criterion Collection

$49.95

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★☆

Disc One:
●Commentary by producer-actor Kirk Douglas、
 actor Peter Ustinov、
 novelist Howard Fast、
 producer Edward Lewis、
 restoration expert Robert A. Harris、
 designer Saul Bass
●Theatrical trailers
●New transfer of the 1991 fully restored Super Technirama version
●Screenwriter Dalton Trumbo's scene-by-scene analysis
●Additional Alex North score compositions
●Restoration demonstration

Disc Two:
●Rare deleted scenes
●Vintage newsreel footage
●1960 promotional interviews with Jean Simmons and Peter Ustinov
●1992 video interview with Peter Ustinov
●Behind-the-scenes 「gladitorial school」 footage
●The 1960 documentary 「The Hollywood Ten」、
 (with archival documents about the blacklist)
●Original storyboards by Saul Bass
●Hundreds of production stills, lobby cards, posters, print ads, and a comic book
●Sketches by director Stanley Kubrick

 来た、来た、来ましたよ、60年代の幕開けを飾る超大作「スパルタカス」。DVD再登場(米国盤はユニバーサル=ノン・スクイーズ、国内盤はSPE=スクイーズが登場している)の舵を握るは、嗚呼嬉しやクライテリオン。凄まじきはこの解像感。MPEG圧縮の弊害もありますけどね、あなた、そんなものはですね、この表現のしようがない凄みの前では蚊に刺されたが如く。さぁ、観なさい。聴きなさい。幼き頃の貧しさをバネに独力で成功を勝ち取った男、燃え尽きたかに見えた不屈の精神を持った男、反骨の精神と途方もない斬新な才能を溢れさす男、そう、彼らの執念の雄叫びを。
 貧しきはカーク・ダグラス。不屈の精神はダルトン・トランボ。そして溢れる才気はスタンリー・キューブリック。嗚呼、これにこれに、名優、サー“人を殺すが如き瞳”を持つ男、ロレンス・オリビエが絡みます。今から40年も前の作品とはいえ、これだけの硬派な才能の集結に触れられるだけでも本DVDを手にする価値はあるというもの。
 まぁ、あまりに有名な作品ですから今更、最初の監督が「ウィンチェスター銃'73」のアンソニー・マンだったとか、キューブリック自身、後にこの作品をフィルモグラフィから外したがっていたとか、そういったお話はまた別の機会にしましょうね。今夜はレストア=修復作業のお話を中心に進めますよ。はい、よろしいですか?
 クライテリオン独自のDVDレストア工程だけでなく、本作で驚かされるのは公開フィルム自身のレストア工程ですね。これは季刊「ホームシアター 2001春号」=「レストアDVD特集」で詳しく紹介しましたけど、ここではその一部を重複紹介することになります。ご了承くださいね。さぁ、本作、どんなお色直しがされたんでしょ?
 '91年に行なわれた修復作業、デジタル・クリーニングは勿論、テクニカラーの3色分解の領域まで立ちいってます。今でこそテクニカラー社で現像処理されたすべてのプリントをテクニカラー表記しているけれど、元は余りに有名な3色分解カラー映画方式。色の3原色に分解した3本のネガを使い、色素を3回転させプリントを染め上げていく現像法で、その工程は「DTPP=ダイ・トランスファー・プリンティング・プロセス」と呼称される。
 初期には3つの白黒ネガを使っていたが、1本のカラーネガで制作出来るようになると、更に経年変化の退色に強く、何より当時の多層式カラーフィルムに比べて、遥かにリッチな色再現性とディープに艶めく黒を表現できるようになった。でもね、多層式カラーフィルムの品質が向上するにつれ、現像コストがかかる、緻密な作業が要求される、そんなテクニカラー、スタジオは嫌がるようになっちゃった。「ゴッドファーザー Part2('74)」以降、純正テクニカラー作品が製作、公開されていないもの。でもその魅力は抗し難いものがあるから、テクニカラー復活の声も多かったんですね。
 さても'98年、デジタル技術の恩恵は正式にNew-DTPPを蘇らす事となります。テスト試写は'90年初頭から始まっており、'91年修復の本作はオフィシャルにNEW-DTPPを名乗っていないし、幾つかの工程は試行錯誤の後が伺えますね。特に暗闇の部分での、若干不安定な色のウェイビング(Color-Wave)。後述しますが、おそらくはフィルム色素のY(イエロー層)の経年変化、ヴィールス感染によるもの。
 そのNEW-DTPP、基本DTPP作業は変らないが、デジタルによる臨機応変な緻密さは比較にならない。オリジナル・ネガに記録されているRGB要素を完全転写するため(Y=イエロー、C=シアン、M=マゼンタごとにマトリックス・フィルムに記録)のコダック・デジタル現像技術の恩恵も大きいよ。最新の白黒マトリックス・フィルムに、プリンターでRGB分解した色彩情報をプリント。現像された各マトリックス・フィルムは、それぞれの情報を得た銀に輝くレリーフ像、言い替えれば印刷の版。
 この版にDTPP工程で染色、そしてレシーバーと呼ばれるブランク(空き)フィルムに色素(Y、C、M)を転写していく。当然転写時に一時保管される、CPU内部のデータ記憶の精密さが問われるが、観て御覧なさい、New-DTPPで復活を遂げた「スパルタカス」を。御年41歳のシャシンですよ、これ。旧作のNew-DTTPレストアは、「NTR=New TECHNICOLOR Restoration」とも呼ばれ、DVDやHDTVをもターゲットに入れたディスタンスでひじょうに注目度が高い。
 一部ネガ自体のヴィールス症状があるが、特に赤と緑の情報、そして黒、陰影のデイテイルに驚かされます。これは、復活したDTPPによってカラー情報のディスクリート記録が、正確無比に3つのマトリックス・フィルムに記録された事を示すもの。本作のレストレーターは、19ヵ月の歳月をかけた「アラビアのロレンス」に始まり、「スパルタカス」「マイ・フェア・レディ」「めまい」と復活させたロバート・ハリスとジェームズ・キャッツ。ハリスによると、New-DTPPは「すべてのテクニカラー作品にマッチするとは限らないが」とのエクスキューズしながらも、「通常のカラー・プリントより、シャープでありながら滑らかな仕上がりとなる。色数の豊富さは勿論、より深い黒と白によって拡大された階調表現が得られる」としています。
 こうした極上のマスターを得たクライテリオン、その後の工程は水を得た魚の如く。付着する埃や汚れを殆ど完璧に自動処理できるRevival Digital 社のResソフトウェアを、色彩とコントラスト修正のために高速画像処理ソフト「DaVinci」を搭載したDaVinciカラーコレクターを使い、1つ1つのショットを修正していく。はい、出来上がりは、もう、何度も言うようですけど驚きのテクニカラー絵画。旧作のお色直し作業をポスト・プロダクションで一からするには、時間も予算も膨れ上がり、現実には不可能と言ってよいでしょう。でも、お色直しが施されたマスターがあれば...。
 こうした工程は単に修復という作業に留まらず、映画芸術のデジタル保存という大きな使命をも背負っている、ということを覚えておいて下さいね。


LAWRENCE OF ARABIA

$39.95

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★

●Theatrical trailers
●4-original featurettes:
 「Wind, Sand and Star: The Making of a Classic」
 「Maan, Jordan: The Camels Are Cast」
 「In Search of Lawrence」
 「Romance of Arabia」
●Exclusive Documentary: 「The Making of Lawrence of Arabia」
●A Conversation with Steven Spielberg
●Original Newsreel Footage of the New York Premiere
●Advertising Campaigns
●Talent Files
●DVD-ROM ELEMENTS INCLUDE:
 「Journey with Lawrence: Map of Arabia & Military Strategy」
 「Archives of Arabia: Historic Photographs」
●Reproduction of the 1962 Souvenir Booklet

 '62年製作の、名匠デビッド・リーンによる不朽の名作「アラビアのロレンス」。映画史を飾る本作だけあって、DVDケースからして貫禄充分。
 リーン、いいですねぇ、好きですねぇ。それも40年代から50年代、戦後のイギリス映画に国際的な名声をもたらした頃の作品群、これがまたいいんですわ。「逢びき」「大いなる遺産」「オリヴァ・ツィスト」.....。そして彼の演出スタイルは、巨額な予算のプロジェクトの中で姿を変えていく。その転機が「旅情」であり、それ以後彼は50年代末にヨーロッパに押し寄せたアメリカの映画資本投資の大波に乗ることになります。
 そして「戦場にかける橋」(これもSPEから極上仕様で登場しましたね)に続く監督作品に選んだのが本作。さてさてこのロレンス、製作も難産だったが、完成後も荒波にさらされます。盛大に行なわれたロイヤル・プレミアの時の上映時間は222分。しかしこの長い長い上映タイム、プレミアや映画祭では取り沙汰される事はないが、劇場上映となると話は違ってくる。スタジオが強行する上映効率の循環のため、約20分ぶんの妙味が編集室の床に転がった。その後も、なんとさらに短い「短縮版」なる謳い文句で上映されたのね。60年代以降はもう目も当てられないほどの扱かわれぶり。これは、映画資本投資の大波に乗ったがための、聖林からの仕打ち。嗚呼、なんという皮肉。
 この不朽の名作のお色直しが検討されたのが'85年。お色直しの作業が始まったのが'87年だが、最終的に19ヵ月なる膨大な時間を要することになる。その間も予算の膨大で、完成すら危ぶむ声も。本作のレストアには、先述のロバート・ハリスとジェームズ・キャッツの他、リーン、編集のアン・V・コーツがお色直しの作業に加わった。さらに映画の修復、保存活動にもっとも熱心な映画作家であるスコセッシ、加えてなんとスピルバーグまでが各方面に働きをかけて、'89年、本作は「完全版」としてそのゴージャスな姿を魅せる事となる。
 本DVDは'89年にレストア公開されたマスターではなく、'97年にニュープリント再公開されたレストア版マスターが使用されている。アナログ時代のニュ−プリント上映と違い、デジタル・クリーニングされたマスターの恩恵は大きい。
 まずは色彩。優秀な色彩バランスとナチュラルさの再現。そしてとにかくリッチ。LD時代には茶色く変色していたスキン・トーンも、DVDのフォーマットを与えられて実に自然に描写されます。圧巻は黒。ディープ、かつ堅実なる黒。もうこの黒で、僕は本DVDが魅せる誠意がわかりました。LDと比較するのはLDが可哀相で仕方がないのだが、LD時代には栓をしたかのように密閉されていたディテイル描写、これが実に開放的で気持ちがいいですねぇ。もう、小躍りしたいくらい。
 たまにエッジ・エンハンスに代表する人工臭が鼻に付くところがあるが、それが視聴中のあなたの気を逸らすとは思いません。それどころか、全体的にフィルム・ジェネレーションが持ちうる映画のインパクトを見事に再現してます。これには驚きますよ。
 オリジナルのマルチチャンネル磁気サウンドトラックは、DVDのために施されたS/N改善により広大かつ緻密な音場を再現します。とは言え、新しい5.1chプレゼンテーションというよりは、栄光の70mm磁気6トラック・ステレオサウンドの香りを、現代の味付けで蘇らせたと考えるべきであろう。プレゼンス感たっぷりの、モーリス・ジャールのスコア然り。しかし同時に当時の、現代から見ればチープといわれても仕方がない録音技術による粗までも聴かせてしまう。ヒスノイズを伴うセリフの響きや、全体の音の調和という点で。
 しかし恐いのはここから。この音の存在感、前へ前へと飛び出してくる小手先抜きの響きは、最新のサウンド・デザインなるものを霞ませてしまうほどの、得体の知れぬ凄みを持ってるのね。これは、恐く、ショックです。
 とにかく、本作にしろ、「スパルタカス」にしろ、レストレーション・スタッフのプレゼンテーションは目を見張るものがあります。サウンドトラックが消失した部分は、オリジナル・キャストによるアフレコが行なわれたり、ダイアローグの劣化はデジタル技術で補正する。更には、「スパルタカス」で追加復元されたクラッスス=ローレンス・オリビエが、アントニウス=トニー・カーチスを誘惑するという、同性愛をほのめかすシーン。しかしサウンドトラックが消失しており、'91年のレストア時に再録音で対処するしか方法がない。
 再録? いえいえ事は簡単には進まないですよ。何故? '89年にローレンス・オリビエは死去しているのだ。さぁ、どうする。デジタル技術の恩恵は予想もしない方法へと行き着く。この歴史的大作を、別の俳優でアフレコしようというのだ。クラッスス役はアンソニー・ホプキンス! しかも、ホプキンスの入念なリサーチに支えられた上にコンピューター補正処理された声は、オリビエのそれとどこが違うというのだ! 言われなければ一生わかりませんよ、あなた。
 こうした気の遠くなるような功績が認められロバート・A・ハリスは'89年、ナショナル・ボート・オブ・レヴュー賞特別賞を受賞した。ラージ・フォーマット・フィルムをお色直しするユニヴァーサルが誇るレストア部隊。その作業は他社作品にも及び、近作には「80日間世界一周」「ベンハー」「ウエストサイド物語」「アラモ」がある。
 そして旧作を救う彼らについた呼び名が、「レストレーション・ポリス」!



CLEOPATRA

$26.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★

●Commentary by Chris Mankiewicz, Tom Mankiewicz, Martin Landau and Jack Brodsky
●New Two Hour Documentary: 「Cleopatra: The Film That Changed Hollywood」
●Original 1963 "making of" featurette: 「The Fourth Star of Cleopatra」
●Archival footage from New York and Hollywood premieres
●Extensive still gallery with Behind-The-Scenes photos、costume sketches、concept art and more.

 「アラビアのロレンス」が公開された'63年。その年の全米興行成績ベスト10をみると、錚々たる大作群が並んでます。「史上最大の作戦」「アラビアのロレンス」「西部開拓史」「戦艦バウンティ」.....。そして興行成績第1位が本作「クレオパトラ」。5年間に渡り世間を騒がした本作が興行成績第1位に輝いても、その天文学的な赤字を解消できなかったわけですが、良きにつけ悪しきにつけ時代を感じさせる1作であることは間違いない。
 やっとこさ'60年初秋、イギリスの名門パインウッド撮影所でクランクイン。もう、いきなりのエリザベス・テイラーの大女優お決まりのワガママ大会。熱が出て、風邪を引いて、歯が痛くなって、肺のうっ血になったそうな。半年後には撮影が中断。監督は「虚栄の市」「絹の靴下」のルーベン・マムーリアン。やがてプロデューサーのダリル・F・ザナックと対立、降板。続いてシーザー=ピーター・フィンチ、アントニー=スティーヴン・ボイドが降板。レックス・ハドソン、リチャード・バートンが後を継ぐが、テイラーの健康のために撮影場所は、ロンドンから暖かきローマへ。家族とペットと秘書を引き連れ、数えきれない部屋に埋め尽くされた豪邸でテイラーは撮影をバカンス(!)する。挙句はバートンとの熱愛、大不倫劇。トラブル続きで20世紀FOXの屋台骨が崩れかける。
 予定の何倍もの予算超過。当時の製作費で4,000万ドル! ちなみに衣装だけで26,000着! 出来上がった作品尺は6時間を越えた。先述の通り大ヒットするも、そりゃぁあなた、この天文学的数字の回収は不可能だったわけです。
 その4時間強に及ぶ本作がDVDで登場。自宅での視聴でも、一気の視聴はよほど健康状態がいい時でない限り遠慮したい。THX-DVDのマークが燦然と輝くジャケットの裏面には「All-New High-Definition Transfer」と謳われており、意外とこういう記述があるDVDはあるようでない。何気ないようだけど、こういうところにFOXの良心を感じてしまうのです。ケース仕様は「アラビアのロレンス」に一歩譲りますけど、ケース内に収められたリーフレットは本作に軍配が上がる。そのリーフレットの最後のページには3枚目のサプルメントDISCが収納されており、とにかくとにかく時代の超大作を徹底的にしゃぶり尽くせますよ、というありがたやありがたやの趣向となっております。
 たっぷりと色のりのよい映像はゴージャスそのもの。どちらかというとスタジオ撮影された室内シーンでその魅力が華開くと言っていいでしょう。S/N感、解像感では「アラビアのロレンス」の方が明快なプレゼンテーションとなっているけれど、フィルム・レストレーションを施されていない本作がここまで健闘した事に素直に拍手を送りたいですね。“☆”ひとつオマケは、そうしたポスト・プロダクションの気の遠くなるような作業に敬意を表して。
 アレックス・ノースのスコアが耳を蕩かす5.1chサウンドも心地よく、テイラーの声はまさに悪魔の囁き。悪魔悪魔、もう、悪女が目の前に佇みます。この蛇女の毒牙にかかったバートンですけど、ジャケットの写真も、画面の中の彼も、今見ると何処かラッセル・クロウの面影があって、なんだか面白可笑しき発見をしてしまいます。
 それにしても「スパルタカス」が196分でしょ、「アラビアのロレンス」が217分、そして本作が248分。絶対に皆さんには一日での視聴はお勧めしませんからね。体がおかしくなっちゃいますよ。
 と言いながらも、それでは最後に167分のこの作品を。



THE BIG COUNTRY

●$19.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★

 名匠ワイラー、'58年に撮り上げた西部劇大作「大いなる西部」。かつてMGMは名作秀作西部劇を数多く製作してきたが、あの作品! この作品! が「MGM WESTERN LEGENDS」シリーズDVDとして続々登場する予定。5月には待望久しい「荒野の七人(!)」がいよいよ登場しちゃたですもんね。いずれ西部劇特集もしなくては。
 さても西部劇、様々なスタイルこそあれど、開拓精神や正義心、友情や生活が、広大な風土の中にとらえられていなければならない。例えば、開拓地に蔓延する悪徳を撲滅して、再び新しい天地を求めて去っていく男の心意気も、それを支える女の、これまた心意気も、正統派西部劇のバックボーンとなっているのです。孤独な人間の雄々しさと寂しさ、根底に流れる勧善懲悪の精神、その人間が抱く永遠不変の夢を根気よく描き続けているのが西部劇なのであろう。開拓精神や正義感の描写。その表現は、激しい銃撃戦や追跡などの活劇として、17世紀の西部を描くための手段として転化される。アメリカの映像作家にとって、西部劇はあくまで輝かしき歴史の一コマなのである事を決して忘れないで欲しいの。
 でもね、ワイラーはここをちょっとだけ捻って魅せた。対立する2つの家族。そこにひょっこり現れるよそ者。ここにワイラーは、チャールズ・ビックフォードとバール・アイブスという老開拓者2人を登場させた。この2人、利権を巡って争いを続け、最後は1対1の決闘となる。その絵が語るもの−−暴力による古い開拓時代は終焉を迎え、テキサスの大平原に新しい夜明けを見る。この2人の悲劇的な人間像にこそ、本作のテーマは深く流れているの。
 西部劇の本質を語れる若い人が居なくなったのと同様に、こうした硬派な作風はもう、なかなか観られなくなりました。ちょっと寂しくもあるんですけど、DVDで大画面近接視聴、これで心も晴れ晴れですよ。ソウル・バス描くタイトルに流れる名スコアに心は躍ります。しかしこのDVD、おそらく収録フィルム・ロールによって24F収録の部分と60f収録の部分があるのではないだろうか? 以前吉田伊織さんが、HiVi本誌のソフト・レヴューでサム・ライミ監督の国内盤「シンプル・プラン」について同様な事を書いていらっしゃったが、いきなりシークエンスによって、ジャギーとかクロスカラーといったノイズが散見するのにはちょっと驚き。24F収録部分に関しては、えっ、ハイビジョン? と思わず見間違えるほどの高画質なだけに残念。
 本作にインスパイアを受けた'73年の「ロリ・マドンナ戦争」。同じMGMからの作品なだけにDVD化されないでしょうかね。「バニシング・ポイント」のリチャード・C・サラフィアン節もまた、西部の香り有り、なんですけど。
 そんなわけでロング・ヴァージョンでDVD紹介をしてきましたが、次回番外の地では、そういえば最近どーなってんの、EX&ESソフト? ということで、お送り出来たらいいな、と思っております。
 お〜っと、オマケですよ。最後に、New「ダイ・ハード」トリロジーBOXのスペックをつけておきましょうね。


Die Hard:The Ultimate Collection

$79.98

All 3-discs feature
●new anamorphic widescreen transfers
●English DD-5.1 and DTS-5.1
●English and French 2.0
●English and Spanish subtitles
●English Closed Captions.

1.DIE HARD:Five Star Collection
●2 extended scenes: Airplane Sequence and Power Shutdown Scene
●DVD-ROM feature with running script to screen comparison
●Deleted lines and outtakes reel、gag reel、newscasts and featurette
●Cutting room and mixing studio:
puts the viewer in the editor's chair by cutting and mixing Die Hard sequences allowing viewers to edit footage the way they want to see it
●Commentary by director John McTiernan
 production designer Jackson DeGovia
●scene specific commentary by special effects supervisor Richard Edlund
●Full length screenplay and interactive articles from American Cinematographer and Cinefex Magazine

2.DIE HARD 2: DIE HARDER:Special Edition
●HBO Special, EPK Feaurette
●4 Deleted Scenes
●「The Bad Guys」 Villains Profile
 2 behind-the-scenes looks at stunt sequences
 4 visual effect breakdowns
●Commentary and interview with director Renny Harlin
●Trailers & TV spots
●story board to film compressions
●still gallery
●DVD-ROM

3.DIE HARD WITH A VENGEANCE:Special Edition
●CBS and HBO Specials plus an original Featurette
●Alternate Ending
●Three studies of key stunt sequences
●Interview with Bruce Willis
●Engaging commentary by director John McTiernan
●Easter Egg 「Gag Reel」
●Trailers
●TV spots
●storyboard sequence
●6 greenscreen to final shot comparisons

 それでは、See You Soon。....はぁ〜、疲れた。

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