NO.18
堀切日出晴
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恒例:HiVi本誌未紹介米国盤DVD特集、その後編です。今夜は容量が許される限りのご紹介。
今夜はお噺のプロローグもなく、ソフト紹介です。さぁ、何本ご紹介できるでしょうか? 対象作は5月〜7月初旬に発売された米国盤です。さて、5月登場分からごった煮紹介!
$24.95
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★☆
 
邦題「すべての美しい馬」。原作は、現代アメリカ文学の最高峰の1人と評されているコーマック・マッカーシーのベストセラー小説。「越境」「平原の町」へと続く“国境3部作”の幕開き作で、3部作に共通する寓話に満ちた、荒々しくも美しい世界に酔います。当然全作映像が浮び上がる文体で、ビリー・ボブ・ソーントンが監督作に選ぶのも納得できます。
馬、馬、馬。馬を溺愛する青年ジョンがメキシコの土地で出会うは、狂おしき恋と容赦ない現実。絵と音は限りなく美しく、観る者を異郷の土地へと誘います。でも、まずは原作を読んでからの視聴をお薦めします。
$19.99
PICTURE ★★★
SOUND ★★★☆
 
映画の父デビット・ワーク・グリフィス=D・W・グリフィスが、1年の歳月を費やして1915年に発表した映画史を飾る超大作。舞台は南北戦争ですね。この映画で凄かった事は、このアメリカの、この歴史。どれだけ北軍が南部の黒人達を憎んだか、いう事。これが見事に出てますね。人種差別と人間愛を謳ってますが、それと合せ鏡的な醜い感情、これが恐いほど出てる。でもですね、グリフィス自身が北軍の人だったという事を思えば偽善の匂いもたっぷりしてくる。これが一番恐い。5月に発売されたDVDは175分の短縮版ですから気をつけて。買うなら昨年10月に出た200分のSlingshot/Lumivision盤を。歴史的な写真館「ジュージ・イーストマン・ハウス」に保管されていた、15年公開35mmプリントから完全レストア(16コマto24コマ、輝度調整)。カール・ジョセフ・ブレイルのスコアも、忠実にリオーケストレーション&リミックス。今日の全世界の映像作家に大きな影響を与えた映画の歴史書、この書を是非ご自宅のホームシアターで紐解いて下さいね。
$19.98
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★
 
インディーズの雄、ジョン・セイルズが'88年に発表した野球映画。そして会心のホームラン・ムービー。舞台は1919年。ワールドシリーズ。描くはホワイト・ソックスの八百長=ブラックソックス・スキャンダル。このホワイトソックス、“シューレス”ジョー・ジャクソンをはじめ、もう伝説的な名選手が揃ってた。だから八百長劇の波紋はもの凄かったんですけど、この映画でセイルズ、厳しくも決して彼等を突き放さない。この野球に対する厳しい愛情。これが、いい。子供たちが、あの有名な台詞を口にします。「嘘だと言ってよ、ジョー」。泣けますよ。
$34.95
PICTURE ★★★
SOUND ★★★
 
この作品を紹介していいものか? ユルグ・ブットゲライト。この名前を聞いて「死の王('90)」「ネクロマンティック('88)」「キラー・コンドーム('98/SFX)」を思い出したら、もうあなたは重度のホラー映画ファン。とにかくドイツ国内では過激なフィルム・メーカーとして当局のブラックリストに堂々列記されてるお人ですから、上映禁止やフィルム焼却処分などといった話題が絶えません。さぁ、本作「シュロム('93)」、「ネクロマンティック」ほどのインパクトはありません。でもその分ジワジワきますよ。凄く嫌な感じ。嗚呼、嫌だ嫌だ。主人公は「リップスティック・キラー」と呼ばれた実在のシリアル・キラー、ローザー・シュラム。タクシー運転手の彼の楽しみといえば、ダッチワイフを抱く事。彼の性的欲望は次第にエスカレートしていき、エロとグロの妄想の中で崩壊していく。さぁ、心してご覧あれ。貴重な特典映像も一杯。
$24.98
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
邦題「頭上の敵機('49)」。931爆撃隊に赴任してきた鬼准将。その強引な指揮は隊員の反感を買う。やがてドイツ本土爆撃...。お話のベースは実話。死と隣り合せの隊員、そして指揮官。その苦しさ、恐さが見事ですね。映画的サスペンスが、その苦悩に一杯ありますね。この頃の聖林戦争映画はホントに作りが上手かった。「パール・ハーバー」? 絵や音は凄いですけど、もう下手下手下手。ロバート・B・スティネットが書いた「真珠湾の真実〜ルーズベルト欺瞞の日々」という本を今読んでますが、こういうお話に何故にできなかったんでしょう。アメリカ側は単に襲撃を察知していただけでなく、むしろ意図的に日本をそこへ導いた、という本書の主張ですね。この映画的サスペンス。宣戦布告を出したその日(奇襲の前日)、ワシントンの日本大使館は人事異動に伴う送別パーティーをしていて電報を見るのが遅れた(今も昔も外務省さん...)とか、「トラ!トラ!トラ!」でクロサワさん、スタッフ、出演者全員に撮影外も敬礼せよとおふれを出して解任のきっかけになったとか、もうこっちのお話の方が断然面白い。話は戻りますが「頭上の敵機」、是非御覧なさいね。
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| ↑「真珠湾の真実−ルーズベルト欺瞞の日々」 |
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BIG TROUBLE IN LITTLE CHINA
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$24.95
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★☆
   
邦題「ゴースト・ハンターズ」。ジョン・カーペンターのB級ごった煮闇鍋ムービー。なんともたまらん魅力が一杯で、リミックスされたDTSサウンドも大はなまるマーク。DISC-2のサプルメントも飽きさせません。サプルメントには未収録ですけれど、妖魔皇帝の部下「雷お化け」の雷光がどんな文字を書いてるでしょう? こんなお戯びにもご注目下さいね。同時リリースされた「不法侵入」「ハートブルー」「チェイン・リアクション」のリミックスDTSも豪快緻密で◎です!
$24.98
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★
 
英国の名シネマトグラファー、クリス・メンゲスの監督作。「キリング・フィールド」「ミッション」(以上オスカー受賞)「マイケル・コリンズ」「ボクサー」の撮影、南アフリカのアパルトヘイトの現実を描いて各賞に輝いた「ワールド・アパート」の監督で名が知れるメンゲスだが、今回の題材はロンドンの闇にはびこる少年売春。私立探偵のロンバートへの依頼は30歳になる行方不明の息子の捜索。ここから幼児虐待、少年売春の裏社会へと吸い込まれていくストーリーテリングが出色。この巻き込まれ型主人公を演じるのが、ダニエル・オートゥイユ。「愛と宿命の泉」「八日目」「橋の上の娘」ホントに上手い俳優さん。フランス育ちのアルジェリア人で、若くしてオペラ歌手になった人ですね。だからどんな汚いシーンでもどこか気品がある。そしてその気品すら崩れる瞬間を映像は捕らえます。恐いですよ。
$26.95
PICTURE ★★★
SOUND ★★★☆
 
ドイツ表現主義映画を語る上で絶対に外せない作品。リードリッヒ・ムルナウが1924年に撮った「最後の人」、もう、映像の詩です。ムルナウ自身がクストーに匹敵する映像詩人ですから。撮影はカール・フロイント。ムルナウが詩人ならフロイントは絵師。「ジキル博士とハイド」「巨人ゴーレム」「メトロポリス」アメリカに渡っても「魔人ドラキュラ」「戦慄街」「裏町」「キー・ラーゴ」。もう錚々たるシネマトグラフ。主演はエミール・ヤニングス。ドイツの名優名優大名優ですね。「嘆きの天使」の教授、もう絶品。そして脚本が、嗚呼、カール・マイヤー! 「裏階段」「破片」「除夜の悲劇」といった主要な表現派映画の脚本家であり、後に室内劇映画として知られた準表現派映画への道を開拓していく。ドイツ表現派映画では、現実とは怪奇、恐怖、堕落、サディズム、マゾヒズム、そして圧政や虐待といったものの主観的、情緒的な体験なんですね。そして犯罪、独裁、拷問あるいは死が主要なテーマとなってきます。本作は表現派から準表現派への方向性を見つめる意味でも、映画史上とっても重要な作品なんですね。ほら御覧なさい。彼等が創り上げた、ある特殊なディフォルメは、今みんなが真似ている。誰も彼も。「セブン」なんてもう、まんまのスタイル。もっともっとお話したいですけれど、今夜はここまで(あまりに辛く厳しかったので、後年追加されたエンディング、その是非はご自身でご判断下さい)。最後にいいですか、「最後の人」必見ですよ、絶見ですよ。
$26.98
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★★
  
ドイツ表現派を模写したい! その気持ちもここまでくると、見事お見事の大拍手! お題は表現派映画の代表作「吸血鬼ノスフェラトゥ」。ムルナウを演じるは、ジョン・マルコヴィッチ。なんという冗談。なんという悪戯。公開当時、吸血鬼を演じた俳優マックス・シュレック、本物の吸血鬼! と噂されました。本作では、シュレックが実は本物の吸血鬼だった、という大胆極まりない発想。どうです、この食欲旺盛な想像力! 静謐極まりないDTS音声に唸りますよ。ジェット・コースター・ホラーなんて、まったく期待しちゃダメダメ。ジワジワ、ジワジワ、震えますよ。吸血鬼とのお約束。内緒内緒のお約束。いつかそれが破られますね。そのサスペンス。恐いですよ。お子様無縁の大人のホラー、それが「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」です。
$26.98
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★☆
 
今年のオスカーを含む各賞レースでも話題となった「トラッフィク」。喰い足りないところもありますが、これは堂々の骨太作。監督のスティーヴン・ソダーバーグ、こういう硬派な作品をとるとは思わんかったな。おそらく、ルメットやフランケンハイマーをやりたかったんでしょう。ソダーバーグのデビュー作「セックスと嘘とビデオテープ」、衝撃作ではありましたけど、まだ蒼かった。彼は'95年の「蒼い記憶」で変りました。映画が詩的になったんですね。でもそれ一度きり。今回はそんなソダーバーグ映画ではありませんけれど、アメリカの現実を、NOWを見せようとした。「エリン・ブロコビッチ」みたいに良心の押しつけもなく、実に真っ直ぐに撮ってます。そういう意味の舌触りはいいですよ。いいんですけど、ダグラス夫婦が出てくると商売ッ気が匂ってきて鼻につきますなぁ、やっぱし。
$39.95
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
ダグラス・サークといえば「風と共に散る(クライテリオン/HiVi8月号紹介)」となるのでしょうが、'54年の「心のともしび」で見出したスタイルを完成させたという点で、本作「天はすべてを許し給う」は外せません。後発ですがこれをクライテリオンがリリースをしたという事、さすがです。その彼のスタイル、50年代聖林メロドラマを語る上でサークの作品は欠かせないのだが、ドイツ時代に「世界の涯て」「南の誘惑」「夏の嵐」にみる近寄り難い厳しさ、その香りが漂っているところがサーク作品の最大の魅力。これをクライテリオンは再現しました。子持ちの未亡人。年下の青年との恋。ロック・ハドソンもいいけれど、「失われた週末」「小鹿物語」のジェーン・ワイマン、当時41歳、この彼女がいい。たまらなくいい。
$24.95
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
'49年の政治腐敗を暴露する問題作「オール・ザ・キングスメン」。翌年の内幕もの「サンセット大通り」「イブの総て」の登場を占う意味でも重要な作品。オスカー作品賞以外に、男優賞ブロデリック・クロフォード、助演女優賞マーセデス・マッケンブリッジと3部門に輝く。確かに2人の名演に支えられているとはいうもの、やはり観所は監督ロバート・ロッセンの演出力! 貧しさと暴力の中で育ち、プロボクサーの経験もある彼ですけど、己の実力を磨いたのは舞台の演出、そして脚本(ホン)書きとして。やがてワーナーの契約脚本家として聖林に進出。共産党に入党した彼の政治的関心は脚本書きにも滲み、社会問題や専制の恐怖などをしばしば題材とします。'40年代半ばには共産党と訣別しているんですが、運命が彼を迎えます。赤狩りですね。'47年本作製作前に非米活動委員会の尋問を受けますけど、聖林内部の党員の名を証言拒否したため、本作公開後の翌年には活動停止を余儀なくされます。その後苦悶の中で再び尋問に応じ、50人以上の同僚の名を報告するという、この悲しき裏切り。'60年代になって「ハスラー」で返り咲きますが、遺作「LILITH」は徹底的に無視されました。今度は裏切りの代償ですね。「LILITH」公開の年、後のヌーヴェル・ヴァーグの台頭となるフランスの「カイエ・デユ・シネマ」の面々は、年間ベストテンで「LILITH」を選びます。それを知らずに、その時には彼はこの世を去っていたという寂しい終幕。
$24.98
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
監督のジャン=ジャック・ベネックスのデビュー作「ディーバ」。その後「ベティ・ブルー」を撮りました。愛が恐かった。「ロザリンとライオン」。この幻想的なラブ・ロマンスも良かったな。「ディーバ」の次作「溝の中の月」も奇妙だが映画的サスペンスが溢れてました。寡作家ですけど、80年代の美味しい美味しいフランス映画を作ってる人。でもこの人、映画人ではなく文章作家的な気取りがあるんですね。時々映像を文章として読ませてしまいます。これが鼻につく人には「ディーバ」もダメでしょう。僕なんか主人公の男の子がナグラを持ち出すだけで許せちゃうんですが。ボリュウムに触れる手のアップ、これがホントにセクシー。本作の映像デザイン、特に色彩におけるそれはLDでは味わえませんでしたね。この色使い、これまた艶っぽく色っぽいですね。
$19.98
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
季刊「ホームシアター/2001年夏号」で名シネマトグラファー、ジャック・カーディフを取り上げましたが、本作「裸足の伯爵夫人」は脂が乗り切った彼の筆致が楽しめます。監督はジョセフ・L・マンキウィッツですね。「イブの総て」。恐い恐い名作の監督さんですね。しかも彼にとって初の総天然色映画。カーディフは本作の重厚さに躍動美を与えました。主演はハンフリー・ボガートとエヴァ・ガードナー。嗚呼、エヴァ。この大人の、成熟の艶やかさ! 満天の星の中でひときわ輝くスターさん、その彼女の悲しき生涯。なんともまぁ、色彩たちの、黒の艶かしい事!
$39.95
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
ジョン・シュレシンジャーの'63年日本未公開作。本作はデビュー作「或る種の愛情」と「ダーリング」の間に製作され、シュレシンジャー・スタイル構築の幕開け的な重要な作品。「或る種の愛情」は会社の同僚を妊娠させ、愛のないまま結婚。同居した姑さんと諍いが絶えず、家族を捨ててしまうというお話。グレース・ケリーをモデルにした「ダーリング」は、田舎町の文学少女ダーリングが、女優を目指して都会に出て最後には小王国の御妃になる寓話。男性中心社会をこてっりたっぷり皮肉って魅せるんですが、いずれも英国に根強く残る階級社会批判を、階級の違う登場人物を通じてそのズレを美味しく料理するんですね。そこに表出する若者達の怒りの代弁、いわゆるイギリス・フリーシネマの流れを汲んでいるのが見て取れます。本作も然り。夢想家青年役のトム・コートニー、いいですねぇ。「長距離ランナーの孤独」の青年ですね。それと彼が絡むジュリー・クリスティが、またいいの。2人は翌年「ドクトル・ジバコ」で共演してますが、オスカーに輝いたのはジュリー。しかも「ジバコ」ではなく「ダーリング」で。ここにシュレシンジャーの力量が隠されていて、そういう意味でもこの作品は重要なんですね。しかもリリースは、クライテリオン! やっぱリね。
$19.98
PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆
 
何も説明する必要はないでしょう。「白鯨」、そう、語り継がれる名作です。'30年版の「白鯨」も重厚でしたけど、完成度では'56年版に及びません。この作品、'98年に再びリメイクされてますが(ArtisanからDVDリリース済み)、実は実現しませんでしたけどロバート・デ・ニーロの念願の企画だったんですね。当然、監督、主演。三菱重工と実物大鯨の製作打ち合せまでしてましたけれど、結局資金繰りが出来ずOUT。規模縮小でTV版としてリリースされたわけです。デ・ニーロも手を引きました。'30年版のDVDは出てませんが、'56年版と'98年版を比べて観るのも一興でしょう。'98年版はグレゴリー・ペックも出てるんですが、う〜ん、やっぱり....。
$24.98
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★☆
 
ジョーン・ペン、ジャック・ニコルソン再び! ペン描くところのサスペンス・スリラーは、犯罪そのものより周囲の人々に視点が置かれます。これが恐いんですねぇ。少女ばかりを狙った猟奇殺人なんですが、犯人探しを中心に視点が置かれてないところがミソ。これが恐い。この猟奇殺人事件だけを追ってたらどこか他人事になりますね。映画ならではの他人事。しかし本作は、我々が体験しそうな恐い話になってます。主人公は殺人課の刑事、これをニコルソンが演じます。小さな小さな妄想がどんどん膨れ上がっていきます。弱さですね、人間の。権力の服を着てますが、心がとっても弱い。神経質な笑顔の下の孤独が滲み出ます。このニコルソン、上手い。開幕、終幕と映画通には素人っぽい語りに映るかもしれませんが、それをペンは逆手に取って魅せました。ペン、したたかなり。
$29.99
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★
 
主演のローラ・リネイが軒並み今年の賞レース(オスカー然り)に顔を出していたので、リリース前から興味があった作品です。リネイといえば「コンゴ」の初主演以来、「真実の行方」「目撃」「トルゥーマン・ショー」と美味しい役をこなしてきた人ですね。このレネイが自然体で、その透き通る肌の如き演技で姉弟愛を演じるのが本作です。監督、脚本はケネス・ロナーガンです。監督デビュー作ですが、デ・ニーロの「アナライズ・ミー」のメチャオモ(しろい)脚本を手がけたお人です。覚えてますか? 今回は打って変って、柔らかな情感に溢れた宝石箱のような作品を創り上げました。リネイの父親のいないお坊ちゃん(カルキン兄弟の末っ子、ローリー)ローリー・カルキンが、リーニー演じる女性の子供役を、控えめながら洞察に満ちた演技力で魅了している。大物量作戦映画ではありませんが、感情のボリュウムがきっちり詰まってます。
$29.98
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★
 
さぁ、第十八夜、トリ、大トリの登場です。このDVD、NC-17リストに入っていたので発注し忘れてました。今年1月にリリース済です。ペドロ・アルモドヴァルが'89年に監督した「アタメ/私をしばって!」。アルモドヴァルといえば日本では「オール・アバウト・マイ・マザー」で大ブレイクしましたが、それまでの作品も全部面白い。ヒロインはヴィクトリア・アブリル。前述の「溝の中の月」でもいい女ぶりを見せてましたけど、やっぱりアルモドヴァルとのコンビ作の彼女が光ってますね。彼女扮するポルノ女優をストーカーし監禁するお兄ちゃんが、若き日のアニトニオ・バンデラス。彼は結婚してまともになろう! とするんですけど、その方策が監禁。恐い映画的な悪戯をしますよ、アルモドヴァル。彼女がお兄ちゃんにむかって吐く言葉、「アタメ!」=「縛って!」。この愛の言葉。愛の告白。ここに至るお話がホントに美味しい。しかもアルモドヴァル、カンターレまで歌わせる。「分って欲しい、この切ない恋心。あなたの傍らにいると希望に満たされるの。ひたすら耐えるあなたのいない日々。どれだけじっと待てばいいの? 絶望と悲しみに私の胸は張りさける」とやってみせる。ね、美味しいでしょ、このイタリアど演歌映画。
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J'AIMERAIS PAS CREVER UN DIMANCHE
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$24.95
PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★
 
最後はPAL盤の紹介です。邦題「日曜日の恋人たち」。監督のディディエ・ル・ペシュール、日本初見参ですね。主演のお兄ちゃんは「グラン・ブルー」のジャン=マルク・バール。ヒロインのお嬢ちゃんは「天使が見た夢」(HiVi本誌でも紹介しましたね)で、'98年カンヌ映画祭で主演女優賞をダブル受賞(「天使が見た夢」のもう一人のヒロイン、ナターシャ・レニエと)したエロディ・ブシェーズ。そう言えばバール、初監督作「ラヴァーズ(昨年公開/国内盤有り)」でブシューズを使ってました。本作、今年の2月に「Don't Let Me Die On a Sunday」のタイトルで、NTSC/米国盤が発売されたんですけど、これがもう惨い仕上がりになってまして。別にスクイーズ仕様でなくても構わないんですよ、作品の匂いが伝われば。例えばペシュールが挑戦した−絞りを開放にしたフィルターなしのカメラをカメラマンが抱えて撮影−の妙味など霧散していました。人物が浮き上がるんですね。しかも色彩デザインが計算されているので、とってもPOP。それでいてどこか不気味で。映画館で観た時は美味しかったなぁ、この絵。そんなわけで、この妙味を味わうにはPAL盤でしょう、となりまして...。結果、これが又、綺麗! 凄い! 美味しい! そして恐い! の釣瓶打ち。但し現在PAL盤は店頭&メーカー在庫のみのようですので、お気をつけて。お話は、って? これまた長くなっちゃいますので、オフィシャル・ページをご紹介しておきましょう。
「日曜日の恋人たち」オフィシャル・ページ
http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/new2000/crever_un_dimanche/
ほら、あなた、お仏蘭西のお味を愉しみたくなったでしょ? ひじょうにデリケートなのに残酷なものを好む癖もありますからね、お仏蘭西の方達は。
さぁ、いかがでしたか、恒例未紹介DVD特集? あらあら、今夜も夜更かししてしまいましたね。さてさて次回はどんなお話をしましょうか...?
それでは、また明晩。
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