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今月の米国盤:番外地
NO.20
堀切日出晴

魅惑のPAL盤特集−前編

今夜は、お待たせ、PAL盤特集です。
極上盤勢ぞろいの、2夜連続特集です。

 「インターナショナル・オーディオショウ2001」、「オーディオEXPO 2001」とAVイベント真っ盛り、連チャン連チャンの過密スケジュール。だからというわけではないのですが、忙しさにかまけてしまいまして、気がつけば第19夜から1ヶ月後の更新。全くもって、ゴメンナサイ、です。ならば今夜と明晩、2夜連続でお届けするPAL盤特集。ご期待くださいな。えっ? うちはPALなんぞ映らんもん、ですって? もう、あなた、それは言わんの。一つの知識として頭の片隅に入れていただけるだけでもいいんですから。
 それにしてもPAL盤、この響き。う〜ん、米国盤の番外の地、このタイトルにピッタリではありませんか。世界中で使われているテレビ方式は、NTSC、SECAM、HDTV等がありますが、イギリス、アジア、オーストラリア、そしてドイツ、イタリアなど欧州の一部で採用されているのが番外の地「PAL」ですね。
 西独テレフンケン社によって開発された「PAL」とは、Phase Alternating Lineの略。輝度信号Yと二つの色差信号B-Y、R-Yを伝送するシステムですが、B-Yのカラーサブキャリアの位相は90度固定、R-Yの位相は走査線ごとに0°、180°切替えとなります。
 カラーサブキャリア(色副搬送波)とは、ビデオ映像信号において、彩度、色相を直角二相変調する搬送波のこと。その位相と振幅によって、色相、彩度の色信号を符号化し、輝度信号にカラー信号を重畳した形で伝送されています。まぁ、こういう宇宙人の会話! は、番外の地ではちょっと不釣合い? でもですね、下記のNTSCとPALとの簡単な比較仕様は頭の隅に入れておいてくださいね。


NTSC PAL
水平走査線数525625
毎秒フレーム数3025
インターレース2:12:1
映像信号帯域幅(MHz)4.25.5
音声変調FM FM
カラーサブキャリア 3.58 4.43
周波数帯域(含音声MHz)67
PALライン周波数=15.625kHz

 525本の水平走査線数で構成、毎秒30(正式には29.97)フレーム、60フィールド/秒で送信されるNTSCに対して、PALでは水平走査線数625本、25フレーム/秒、50フィールド/秒となります。
 かつてPALでは、この1秒間のフィールド枚数の少なさ=フリッカー弊害につながっていました。フリッカーとは(おさらいですよ)、ほら、映像を見ている時に眼に感じるチラツキを思い出してください。パルス状に繰り返される映像を見る場合、その繰り返し速度の遅延によって、眼の残像現象が十分これをカバーできないんですね。映像の明るさに対して周期的な変化を感じるわけで、特に画面上の高輝度部分でフリッカー弊害が明白になってしまう。日常でも、蛍光灯の発光にフリッカーを感じる、という目のいい人もいますもの。
 しかし近年、I/P変換の精度が向上してきており、I/P変換回路を経由することで非常に巧みにフリッカー弊害が抑えられるようになりました。さぁ、そうなるとNTSCに比べて走査線100本増の恩恵、この麻薬的魅力に釘付けになってしまうわけです。
 またプログレッシブの処理も625P、すなわちNTSCの2-3プルダウンに対して、2-2プルダウン=フィルム等倍速処理されます。ただし、2フィールド=1フレームが1サイクルのため、PALでは1/25秒=0.04秒の誤差が生じます。簡単に言えば2-2プルダウンで25コマ/秒の容積の中に24コマ/秒の情報を入れるわけですから、次の1コマの処理が前倒しになるということ。例えば120分の映画なら約115分の収録時間に。同じ作品でもNTSC盤とPAL盤では、ジャケット裏の収録時間表記が変っているのはこういう理由なんですね。DVD以前はパッケージに「NTSC版より収録時間が短くなっております」といった、お断り表記があったのを覚えている方もいるんではないでしょうか?
 この時間差、NTSC盤と比較しなければその差異はわかりにくいんですが、当然サウンド・トラックは若干ピッチが上がって聴こえることもあります。それより何より、時間差異ヴァージョンを映画スタジオ認知のもと、前述したリージョン2地域の膨大な数の人が観ている――これはこれでNTSC圏の我々には、PAL盤視聴は頭の柔軟性が必要かもしれません。
 「地獄の黙示録」の撮影監督ヴィットリオ・ストラーロは、こうした時間差異を解消するために、撮影時から25コマ/秒でフィルム収録できるシステムを開発しました。これは巧みに24コマ/秒での互換性が考えられています。いずれにせよ、今年中にはPALマクロビジョン規格も決定するでしょうし(再生不具合の現状機器も出るんでしょうなぁ)、実はこれからがPAL第2幕開幕と考えるべきでしょう。
 それならばですよ、今はPALならではの長所を愉しむべき。もうこれって典型的なB型人間のお考え。そんなわけで、せっかく愉しむんなら極上盤! ということで、はい、PAL盤特集前編の始まり始まり。

SILENCE OF LAMBS

●$24.99
●PICTURE ★★★★★
●SOUND  ★★★★☆

●More than 20 minutes worth of newly discovered deleted scenes
●「Inside The Labyrinth: The Making Of Silence Of The Lambs」
Hour-long documentary on the film featuring interviews with Jodie Foster and Anthony Hopkins
●Original Featurette
●Anthony Hopkins Phone Message
●Outtakes Reel
●Stills Galleries
●Teaser Trailer
●「HANNIBAL」 Trailer
●Original Theatrical Trailer
●TV Spots
●Collectable Booklet






HANNIBAL

●$24.99
●PICTURE ★★★★★
●SOUND  ★★★★★

●Over 3.5Hours Of Special Features
●Never-Before-Seen Alternate Ending
●Over 34 Minutes of Deleted Scenes
●Feature-Length Audio Commentary by Director Ridley Scott
●「Breaking The Silence」
: 5 Unique Making-Of Featurettes Including Special Effects Footage
●A Multi-Angle Featurette on the Art of Storyboarding
with Ridley Scott Exclusive Interview
●「Anatomy Of A Shootout」
: A 5-Camera Multi-Angle Breakdown of the "Fish Market" Action Scene
●Multi-Angle Exploration of the Filmエs Opening Title Design
●Marketing Gallery Featuring Trailers
●TV Spots
●Rare Production Stills
●Unused Poster Concepts And More !

 HiVi10月号「今月の米国盤」や11月号の「ハンニバル」特集でも紹介しましたが、まずはこの2本。「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」。ここでは簡単に紹介しますが、この2本がまた凄い映像クォリティ! ともにPAL盤群の中でも五指に入っちゃいます。PICTURE評価が5★ですが、単純にNTSC盤評価とイコールになりません。以下紹介作品群を含めPICTURE評価は、少なくとも☆一つ分の差(クォリティが高い)があると理解していただいて構わないでしょう。「羊たちの沈黙」はNTSC盤、イマイチでしたしね。あまりの差異に腰が砕けちゃいますもん。
 しかも「羊たちの沈黙」は、マルチ・オープン・ジャケットケース(「セブン」と同様ですね)。「ハンニバル」より本作のデザインの方が凝っているところに、ちょっとばかり小躍り状態。本PAL盤の再現テーマは「眼」「瞳」、ここにあります。凄い! 恐い! 怖気ますよ。
 「ハンニバル」は内容が内容ですからね、生理的に嫌っちゃう人もいると思いますが、そんな人でも本盤のクォリティだけは文句の付けようがないでしょうね。ただし625Pの視聴で気になるカットもないわけではありません。最近ではDVD制作時に、劇場公開時の上映アスペクトとは異なるトリミングを施す映画が少なくありません。当然監督、プロデューサーの認知の下なのですが、シーンごとというよりカットごとで微妙なトリミングをするんですね。当然微妙にブローアップ、なんてことも。DVD時代からHDTV時代を迎え、劇場公開版が全てという方式は崩れているのが現状です。劇場公開を経て、その後のパッケージ・ソフトの登場において、よく「映像作家の意図」と語られますが、パッケージ・ソフトこそやりたいことが実現した、なんて監督もいますから。
 最新作において今までの、映像作家の意図云々の図式が過去のものとなりつつある今、意外とPAL盤の盲点があったりします。「ハンニバル」では――NTSC盤は1.85:1アスペクト表記があるんですが、実は16:9=1.78:1のFilm-to-Tape変換――NTSC再生用にトリミングした映像が、純正1.85:1アスペクトのPAL盤では凄いことになっちゃう。例えば中半でレクター博士が例によっての自然体=直立立ちで会話するシーンがでてきますが、1カットだけ鼻から上が画面上にありません。口だけが動いてる! これが一番恐い?
 またDD-5.1のクォリティは凄いんですが、DTS-5.1はリップシンクしていません。豪快にズレてますねぇ。うちではカサブランカIIの「リップシンク補正機能」で事なきを得るんですが――DTS音声自体のクォリティは凄まじい――こうした微妙なクォリティ管理ミスがPAL盤にはあることも知っておいてくださいね。
 DTSの話が出たところで、この「ハンニバル」はいかかが? えっ、どの「ハンニバル」?




HANNIBAL:FSK 18 Special Edition

●nur sFr.39.90
●PICTURE ★★★★★
●SOUND  ★★★★★

 どの「ハンニバル」って、こちらはドイツ盤。サプリメント他の仕様はNTSC盤、UK-PAL盤と変りませんが、Deutsch-PAL盤では音声仕様が違います。Deutsch Dolby Digital 5.1 EX、Deutsch DTS ES Discrete 6.1と、ここまではDeutsch-PAL盤「スリーピー・ホロー」と同じ。ところが、あらあら、Englisch Dolby Digital 5.1 EX! さらに、Englisch DTS ES Discrete 6.1!! この最新マルチサウンドの、吹けよ、聴けよの暴風雨DVD。これは是非とも手もとにおいておきたいDVD。
 ただし映像クォリティは、僅かながらUK-PAL盤の方に軍配が上がります。これは音声部分にかなりの容量を取られているから、と考えてもいいかもしれません。といっても、NTSC盤のクォリティは軽く超えてますから安心してくださいね。
 しかしDeutsch-PAL盤、よっぽどの輸送ルートを知っていない限り、通常では非常に輸入に時間がかかります。これは個人輸入でも、輸入盤専門店でも同じです。まぁ、ゆっくり待ちましょう。その価値は十二分にありますよ。



ARMAGEDDON:Special Edition

●$19.99
●PICTURE ★★★★★
●SOUND  ★★★★★

Disc 1
●Audio Commentary 1
- featuring Michael Bay, Jerry Bruckheimer, Bruce Willis, Ben Affleck
●Audio Commentary 2
- featuring Cinematographer, Nasa Consultant, and Asteroid Consultant
Disc 2
●5 deleted scenes
●Storyboard and Production Design Drawings
●Analysis of Special Effects x 3
SFX: Richard Hoover
SFX: Hoyt Yeatman
SFX: Pat McClung
●Featurette by Production Designer
●Teaser Theatrical Trailer●Aerosmith Music Video - I don't Want to Miss a Thing

 さぁ、ここからが本番!「アルマゲドン」です。お話はもはやここで語る必要もないでしょう。しかし声だかに語らねばならないのは、マスターがなんとクライテリオン・マスターと同じ、ということ。サプリメントも同様。さらにさらに映像仕様は、誰もが熱望した16×9アナモフィック=スクイーズ! もともとクライテリオンではHDマスターが制作されていましたから、いずれ何らかの形で、と思っていたんですが(ハイビジョン放映版もクライテリオンからタッチストーンに渡ったマスターでしたけど)、これがPAL盤で実現するとは正直考えも及びませんでした。
 もともと本作は屋外のデイライト撮影シーンで、かなりデジタル臭が強い――特にエッジエンハンスに伴うシュート等の弊害――出来となっていたんですけど、PAL盤でも完全に消臭されたわけではありません。……ありませんけれどね、そんなDVD視聴に伴う気を散らす要因も開幕と程なく霧散するんですなぁ、これが。いやぁ、数カットを除いてホントに綺麗! 凄い! 特にシャトルがテイクオフしてからは、圧巻の映像の連打連打連打。
 ほら御覧なさい。状況が絶望に近づくにつれ、画面=キャンパス上の色彩が消えて行く。打ち上げ時に――期待を一心に背負って希望とともに打ち上げられた時には、コックピットも管制センターも赤やグリーンや、もう、様々な色彩が配置されてるんですね。これが、ふっ、ふっ、ふっ、と消えていきます。希望の光が、ふっ、ふっ、ふっ、と消えていきます。映像が魅せるサスペンスですねぇ。確かに興行価値への狙いがあざといところもありますよ。でもですね、個のPAL盤を観ていると、ただのドンパチSFX映画やそろばん勘定だけの聖林肥大映画ではない――だからこそクライテリオンが認めた――という美味しい美味しい姿が見えてくるんですね。その映画の匂いに酩酊するんですね。
 ジャケット仕様はブックケース式のケースの中に、トールケースが入っています。トールケースのデザインはタッチストーン版とほとんど同じ。NTSCクライテリオン盤のデザインを再現してもらいたかった、などと嘆くお人もいるでしょうけれど、嘆くなかれ、皆の衆。だってですね、この絵、この音、200%の満足度ですもん。開幕間もなく登場する今はなき世界貿易センタービルが映し出されるだけで、ホントに泣けてくるほどの、一種異様なインパクトが充満している問答無用のPAL盤です。


SHAKESPEARE IN LOVE

●$19.99
PICTURE ★★★★★
SOUND  ★★★★☆
 

●Making Of Documentary: 「SHAKESPEARE IN LOVE And On Film」
●John Madden Commentary
●Cast and Crew Commentary
●Theatrical Trailer●21 TV Spots
●Academy Award winning Costumes
●Deleted Scenes

 お馴染み「恋に落ちたシェイクスピア」。1999年の12月にリリースされたスペシャル・エディションがマスター――特典がたっぷり――なんですが、このクォリティは“お馴染み”とは無縁の、美麗、絢爛の極上DVD。走査線100本増の優位は、衣装や美術のディテール描写、光沢と陰影の階調感、色彩の微妙な表現の差異に表われていて、意外やNTSC盤では多見されたブロックノイズも実に僅少となっています。この抜けの良い映像は、もう、カ・イ・カ・ン! 本作を見慣れた人ならばこの違いに驚嘆するはず。本作NTSC盤をリファレンス・ディスクにしている人、多いもんなぁ。だからこそ、この静かなる重量感に震えちゃうんでしょうなぁ。
 例えば、舞台稽古やクライマックスにロミオとジュリエットを演じるシアターは、青空シアターでしょ(これを観ている人は意外と忘れちゃう)。この天空から降り注ぐ光を、舞台照明的に処理したところが本作の撮影の妙味。これに照らされる肌や衣装や装具の、微妙な光の階調が描く質感再現。この妙味はPAL盤で一気に高みに行っちゃいますよ。
 繊細にして骨太。これをたっぷりと味わってください。


LAST TANGO IN PARIS

●$19.99
PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★☆

●Uncut and Uncensored
●Original Theatrical Trailer
●Eight-page booklet

 ベルトリッチ、32歳の快挙。「ラストタンゴ・イン・パリ」、これまたスクイーズでの登場です。米国盤、国内盤ともにノン・スクイーズで、肩をどっとおとされた方も多いでしょう。
 これは凄いですよ。実は実は、HiViの原宿ファクトリー(「原宿メッセンジャー」と変名された今も、僕はこう呼んでます)のご主人、勝見洋一大人に観せた〜い。マーロン・ブランドとマリア・シュナイダーが愛を交わすアパートメントに住まわれていた、などという遍歴の持ち主ですから、この絵を観た時の勝見さんの崩れた笑顔が目に浮かびます。
 シュナイダーがブランドに言いますね。「映画館に行って愛を観てらっしゃい」。そして出口のない愛欲地獄に。「ラストタンゴ・イン・パリ」は「映画館」を、剥き出しの肉欲と、背筋が凍るほどの虚しさが詰まった愛、これらを突きつける場所に変えました。あなたのホームシアターも変るでしょうか? 恐いですよ。その覚悟がありますか?
 本作の話をしだすと特集号が出来上がっちゃいますので、今回は前述のシネマトグラファー、ヴィットリオ・ストラーロのお話を少しばかり。彼はこの撮影のロケハンで、冬のパリを初めて訪れました。夜でもないのに街中に明かりが灯っているんですね。つまり冬のパリの街角では、自然光がとっても弱い。
 ストラーロの撮影テーマである「自然」と「人工」、この二つのエネルギーの衝突がここにあったんですね。しかも、とても静かな波長の衝突。この街を舞台に物語を語ること、その重要さに改めて気づいたストラーロですが、それは彼曰くの「静かな波長エネルギーでしたが、その一番高い部分は確実に“情熱”に結びついていく」ということ。それは彼にかつてない色温度と色彩への解釈を与え――この作品では柑橘色=橙色に結びついていくのですが――例えば、アパートメントの空き部屋を橙色に塗装し、日中でも非常に弱い陽光を使っての撮影と姿を変えます。
 同時に室内での撮影照明による色調も、それを示唆します。つまりは、橙色、柑橘系暖色、情熱、そして感情の色。これが比類ないリアリズムでセックスの心理を切り取っていくんですね。恐い恐い恐い色ですよ。
 さぁ、この色彩汁、PAL盤でたっぷりとお飲みください。




SEVEN

●$19.99
PICTURE ★★★★★
SOUND  ★★★★★

Disc 1:
●There are 4 commentaries available on Disc 1 as well as David Fincher talks to the cast and crew about various aspects of the film:
1.The Stars
David Fincher and actors Bradd Pitt and Morgan Freeman discuss their experiences on the production
2.The Story
Author Richard Dyer analyses the cop thriller genre while Fincher discusses the script and project history with screenwriter Andrew Kevin Walker, editor Richard Francis-Bruce and New-Line President of production Michael DeLuca
3.The Picture
David Fincher, Richard Dyer, Richard Fancis-Bruce, director of Photography Darius Khonjio and production designer Arthur Max discuss the look and feel of the film
4.The Sound
David Fincher, Richard Dryer, composer Howard Shore and sound designer Ren Klyce discuss the music and sound effects over an isolated 5.1 score with effects cues.
Disc 2 is packed with extra features:
●Exploration of the Opening Title Sequence with optional commentaries by designed Kyle Cooper and sound engineers Brad Biles and Robert Margenleff
●Deleted scenes and extended takes
●Around 20 minutes that didn't make it into the film with optional directors commentary
●Alternative Ending, again with David Fincher commentary
●Still Photos with Commentary
●John Doeエs Notebooks
●An 8 minute feature with optional commentary by the design team examining the fine detail devoted to producing the notebooks kept by John Doe
●Promotional materials, including a 7 minute making of Featurette, filmographies and the theatrical trailer
●Mastering for the Home Theatre - A look at the painstaking process of producing the DVD including features on Audio mastering, Video Mastering and a colour correction demonstration
●This section also includes a Telecine Gallery which allows the viewer to compare two versions.

 よく国内盤で見かける、米国盤とは違った仕様――例えば2-Disc仕様――は、そのほとんどがPAL盤の仕様を継承したもの。それだけPAL盤の仕様は凝っていると言えます。メニュー画面なんて、驚くほど時間をかけて、しかも作品の雰囲気、テーマから逸脱していません。忙しい時にはメニュー画面を省略してしまいがちですけど、ここまで凝ってくれると腰を落ち着けて見入ってしまいます。
 さて、「セブン」。もう、このDVDについては、HiVi本誌、季刊ホームシアター、番外地、と徹底レポートしてきましたので、ここではクォリティ・レポートに関しては割愛させていただきますが――う〜ん、この品質管理の見事さは何なんだ!――「セブン」に関しては、先にWOWOWで放映されたハイビジョン映像の、問答無用の存在感が光っていますが、映像、サウンド、サプルメント、といったクオリティ・バランスの点でPAL盤に軍配が上がります。
 もう、こうなると、ディスクの粗を探すしかないんですわ。その粗捜し、じゃぁ、行きましょうか。まず、米国盤の方が(米国盤にならった国内盤も)ジャケット・デザインがいいですねぇ。米国盤のようにマルチ・オープンケースになってませんし、ジョン・ドウのノートの表紙デザインでもありません。
 そして2カットばかり、I/P変換時の誤検をフォローするためにわざとフォーカスを甘くしているカットがあります。まずはジョン・ドウのシーンで、ドウが初めて廊下に現われるカット。廊下奥の小窓の上辺のちらつきを抑えるためで、その後の同サイズカットではカット内に人物の動きがあり目に付き難いため、フォーカスがピッタリあっています(小窓の上辺はちらつきます)。
 次はミルズとサマセットが覆面パトカーから降りて、警察署内に入っていく移動カット。いずれにせよ、ビデオ映像再現では難しいカットなのですが、ここでは様々な弊害を緩和しています。こうした処理はPAL盤ならではなのですが、特に「セブン」に限ったことではありません。ビデオ方式の違いによる弊害に対する苦肉の対策ですが、決して視聴の集中を欠くほどの処理ではなく、その大半は見逃してしまうレベルです。
 NTSC盤においてもテレシネ時に、16×9ディスプレイに対応した映像トリミング、ブローアップ、移動配置が当然のように行なわれていますし、こうしたホームシアターに対応した変更、補正はこれからも微妙なレベルで行なわれていくでしょう。
 さてさて粗捜しの旅、えっ、これでお終い? はい、お終いです。後はたっぷり、ダンテとチョーサーと殺人事件の、それはそれはおっかないお話をお愉しみください。




STARSHIP TROOPERS

●$17.99
PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★☆

●Making Of Featurette
●Audio Commentary
●Scene Development
●Deleted Scenes
●Screen Tests
●Trailer

 おお、ポール・ヴァーホーベンおじさんですねぇ。変態おじさんの誉れも高いヴァーホーベンですが、いやぁ、まだまだ可愛い変態ぶりですよ、ポールおじサマ。さぁ、ポールおじサマの作品群の中から、97年に監督した「スターシップ・トゥルーパーズ」をご紹介。
 まずジャケットに1枚のシールが貼られて、本作は送られてきます。そこには「Reissue」の文字。「再発」という意味ですね。DVD黎明期に登場したPAL盤は、品質クォリティがバラバラでした。つまり、ある作品は極上盤で、ある作品は観るに絶えない酷い品質。しかも極上盤の数が非常に少ないというオマケ付き。
ところが2000年を境に品質管理が見直され、それに伴うクォリティのアップにつながりました。本作も初期盤はホントに酷かったんですよ。そこで登場した再発盤。特にSPE作品が中心なんですが、とにかく全再発盤(例えば「エアフォース・ワン」なんかもそうですね)、このクォリティ・アップに驚かされます。
 しかも本作はスクイーズ仕様。上記作品の何作かのように、米国盤、国内盤はともにノン・スクイーズ盤。ほら、あなた、エイリアン・バグスの襲来シーンにがっかりさせられませんでした? なんせPAL盤、スクイーズ仕様+走査線100本増の優位でしょ。気色悪いほどに凄まじいんですわ、エイリアン・バグス。シーンによっては、CGの粗が見え過ぎちゃうほどにクリアーな映像です。
 サウンドの方はNTSC盤に比べて明らかに音場系サウンド――サラウンド・チャンネル側に情報を多くふっています――になっていますね。例えば、ジェリー・ゴールドスミス御大!――彼のスコアあっての本作といったら言い過ぎでしょうか?――のスコアの響きをリア側に多めにまわすとか、LFEレベルが2〜3dB大きく収録されているとか、この辺のサウンド・デザインもNTSC盤だけでなく、初期PAL盤と比べてもReissueされているといっていいでしょう。映像もサウンドも緻密になると、こうした活劇でも「時間をかけて作っているなぁ」と感心させられる部分が一杯見えてくるんですね。

 さてさて、PAL盤特集・前編、如何でしたでしょうか?
 僕はPAL盤の購入においては(最新作は別として)、まずNTSC盤ではノン・スクイーズであったものを選択します。こうした作品が意外と多く(時に購入して失敗する作品もあるんですが)、このクォリティ倍増のインパクトは魅惑的です。
 次夜はそうした作品を中心にお贈りします。う〜ん、いえいえ、ノン・スクイーズPAL盤も走査線100増の恩恵で目を見違えますからね、これも紹介しちゃいましょう。おっと、忘れちゃいけない「スター・ウォーズ/エピソード1」、そして「ゴッドファーザー・トリロジーBOX」、これも紹介しちゃいましょう。
 意外と前編、中篇、後編のトリロジー企画になったりして。
 それではまた明晩、番外の地でお会いしましょう。今度はすぐすぐお会いできますからね。お楽しみに。皆さん、いい夢を……。

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