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今月の米国盤:番外地
NO.32
堀切日出晴

第三十二夜 「HiVi本誌未紹介DVD特集」:Part 2

  お暑うございます。
 そんなわけで私、マルコメ頭になってしまいました。8/20売りのHiVi、8/27売りの季刊「ホームシアター」ではマルコメ頭で登場してますが、お気になされないように。本人は小野伸二のつもりでいるんですから。えっ? 太った牧伸二ですって? あぁ〜あ、やんなっちゃった♪ あぁ〜あんがあんが、おどろいた♪

 ・・・というわけで、三十二夜は、新作DISCアートで幕開けです。

「美女と野獣」 「コラテラル・ダメージ」 「E.T. 20周年アニバーサリー特別編」
「ジャッキー・ブラウン」 「シェルタリング・スカイ」 「エクソシスト2」
「タイム・アフター・タイム」 「ワンダラーズ」

 う〜ん、「ワンダラーズ」なんてEP盤のデザインだもんなぁ。泣けちゃう人、一杯いますよ、これには。

 さてさて、前夜でお約束のアンカーベイ盤、アルファベット順に8本ばかり一気に。クライテリオンは定期的に本誌で紹介してますけれど、アンカーベイはあまり機会がありませんからねぇ。リミックスDD-EX & DTS-6.1ES盤だけがアンカーベイじゃありませんぜ、だんな方(アンカーベイEX & ES盤は、季刊「ホームシアター:EX & ES-DVD特集」中でご紹介いたしますのでお楽しみに)。ではでは、まずはこの作品から。



TITLE:CRIMES OF PASSION

●$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND  ★★★★

●Audio Commentary with Director Ken Russell and
 Writer/Producer Barry Sandler
●Deleted Scenes-featuring audio commentary with
 Writer/Producer Barry Sandler
●Theatrical Trailer

 今や貫禄のおばさん、キャスリーン・ターナー。その妖美を観るなら「クライム・オブ・パッション」。REISSUEされた本盤は、昨年発見されたカット・シークエンスを追加編集したUNRATEDヨーロッパ公開版(復活したのは米国ではX-RATEDを免れるためカットされたSEXシーン)。当然再発盤におけるクォリティは著しくUPしています。再見するとこの作品、現代の日本に通じる病巣で一杯。



TITLE:EYEWITNESS

●$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND  ★★★★

●Audio Commentary with Director John Hough and
 Writer (uncredited)/Executive Producer Bryan Forbes.
 Moderated by Journalist Jonathan Sothcott.
●John Hough Bio
●Theatrical Trailers

 「ヘルハウス」のジョン・ハフの長編劇場映画デビュー作「小さな目撃者」。小品でこそあれ、サスペンスの観せ所に非凡な才能を感じさせます。本作の後、マーク・レスターは「小さな恋のメロディ」で大ブレイク。「エッチなBODY度」で言えば歴代女優ベスト10には入るだろうスーザン・ジョージは、次作「わらの犬」でエロエロ度が更にパワーアップ。好きだなぁ、スーザン。再見してみると、「理想の結婚」で従順な執事を演じたピーター・ヴォーンがおっかなぁ〜い悪役を演じていて、時代を感じてしまいます。と言ってもヴォーンは英国産の性格俳優ですし、名バイプレーヤーで、翌年のペキンパーの秀作「わらの犬」でも粘性で湿度感がある悪役を楽しそうに演ってましたなぁ。そういえば「わらの犬」もスーザンが出てたし(彼女の代表作ですね)。



TITLE:THE SERVANT

●$19.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★

●TALENT Bio
●Theatrical Trailer

 邦題「召使('63)」。英国アカデミー賞3部門受賞(8部門候補)作。この後「できごと」「恋」へと続く、監督ジョセフ・ロージー&脚本ハロルド・ピンター、その記念すべきコラボレーション第1作。1960年後半にフランス永住権を取得した後のヴィスコンティとの名コンビで知られるダーク・ボガート、その粘質的怪演が圧巻! 当時42歳で、若き日から肺結核を病んでいたという私生活の陰の部分が、言葉では喩えられないような凄味に繋がっていると感じるのは僕だけでしょうか? 当時22歳の怪女サラ・マイルズの不気味。喰いものにされる貴族に扮した(ウィリアム改め実質劇場映画デビューの)ジェームス・フォックスの哀れ。「ジュリア」「インディ・ジョーンズ・トリロジー」等の名手ダグラス・スローカムによるモノクローム・カメラ美術が、更に追い討ちをかけます。恐い!
ジャケットの表裏を写真のように並べてみると、ダーク・ボガートの顔が左右対称になってたんですね。裏面は薄く扱われていて、まさに男の裏の顔。ロールハッシャ・テストにも見えるし、う〜ん、隠れた名デザインですなぁ。監督のジョセフ・ロージーといえば、ブラックリスト・システムの犠牲者。ヨーロッパに亡命し、アンドレア・フォルサーノなどの匿名で作品を創っていた時期もあります。先頃FOXから「唇からナイフ」が登場しましたので(作品鮮度が全く色褪せていない!)こちらも是非是非。



TITLE:SISTER SISTER

●$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND  ★★★★

●Audio Commentary with Writer/Director Bill Condon
●Deleted Scene
●BILL CONDON Bio
●Theatrical Trailer

 「フランケンシュタイン」の監督、ジェームス・ホエールを描いた「ゴッド・アンド・モンスター」を愛する人なら必見。「ゴッド〜」を演出したビル・コンドンの劇場用映画デビュー作。実は昨年にリリース済みだったんですけど買いそびれていまして、改めましてのご紹介。邦題がなんせ「地獄のシスター」ですからね、弱っちゃうよなぁ。精神病院を退院したばかりの妹に、ますますビック・モローに似てきたジェニファー・ジェイソン・リー嬢。そのお姉ちゃんに――「ディアボロス/悪魔の扉」で再会した時は驚いた――ジュディス・アイヴィ。この姉妹が経営するホテルに宿泊する客=獲物にエリック・ストルツ。これだけでも興味をそそるでしょ。後は買ってからのお愉しみに。



TITLE:SLEUTH

●$19.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★

●「A Sleuthian Journey with Anthony Shaffer」:An All New 23 Minute Featurette
●Talent Bio
●Theatrical Trailer
●TV Spot

 邦題「探偵<スルース>」。原作はアンソニー・シェイファーの大ヒット舞台劇。メガホンを握ったのは、嗚呼、懐かしや「イヴの総て」のジョセフ・L・マンキウィッツ。彼が最後に監督した傑作ミステリーです。登場人物は探偵作家(ローレンス・オリヴィエ)と、探偵作家の屋敷に招待された妻の浮気相手の美容師(マイケル・ケイン)、この2人。たった2人だけ。ミステリーを知的ゲームととらえたダントツの面白さ。場所が限定された密室劇でもありますので、どのサイズ(タイプ)の映像機器でご覧になっても遜色なく愉しめるはず。国内盤は未発。「白鯨」「ロリータ」「ナバロンの要塞」「屋根の上のバイオリン弾き」といった数々の名作の撮影を担当した英国の名手オズワルド・モリス、その彼の湿気たっぷりの映像は必見ですぞ。



TITLE:THE CLIFF RICHARD COLLECTION

●$31.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★

The Young Ones:
●Audio Commentary with Director Sidney J. Furie and Filmmaker Paul M. Lynch, Moderated by Journalist Waylon Wahl
●Theatrical Trailer
●Cliff Richard Bio
Summer Holiday:
●Audio Commentary with Director Peter Yates and Journalist Jonathan Sothcott
●Theatrical Trailer
●Cliff Richard Bio
Wonderful Life:
●Audio Commentary with Directory Sidney J.Furie and Filmmaker Paul M. Lynch. Moderated by Journalist Waylon Wahl
●Theatrical Trailer
●Cliff Richard Bio

 ジャーン♪ クリフ・リチャードの登場です。こりゃ泣ける! 収録は「若さでぶつかれ!」「太陽と遊ぼう!」「Wonderful Life(日本未公開)」。勿論、単品購入もできます(得点は「太陽と遊ぼう!」から)。いやぁ、もう何といったらいいのでしょう。岡田可愛や酒井和歌子が出てきちゃいそうなタイトル。たまりませんなぁ。お話は全作いたって簡単。もう、難しいことなしナシ。でもですね、「若さでぶつかれ!」の監督がシドニー・J・フューリー、撮影が前出のダグラス・スローカムだったり、「太陽と遊ぼう!」の監督がピーター・イエーツだったりと、新たなる発見も一杯。



TITLE:TOY SOLDIERS

●$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND  ★★★★

●Theatrical Trailer

 もはやカルト化している日本未公開作「トイ・ソルジャー/壮絶! ゲリラに挑むアマチュア決死隊」。中央アメリカに旅行中のティーンがテロリストに誘拐されますが、救出にきた傭兵と一緒にテロリストと戦っちゃうという、なんとも凄まじいお話。当然、主演のティーン(30代に見える女もいる!)たちは、その後もB-MOVIEスターの座に君臨するのですが、キャストの中に「エクソシスト」の故ジェイスン・ミラー(合掌)や「バニシング・ポイント」のクレイヴォン・リトル、挙げ句はティム・ロビンスまで居たりするから、ああ、やんなっちゃう。今のアメリカが観たら大喜びでしょうが、カルト・ムービーはカルトらしくご覧になることをお薦めいたします。



TITLE:VIOLENT CITY

●$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND  ★★★★

●「Shooting Violent City」:An all-new 15 minute interview with
 Director Sergio Sollima
●Theatrical Trailer
●Poster & Still Gallery
●Talent Bios

 邦題「狼の挽歌」。70年代の幕開けを飾る、男ブロンソンの代表作。2年前の「さらば友よ」でブレイクしておよそ10年間、特に1960年後半から1970年前半のブロンソン人気はもの凄かった。今は絶対ウケないこのお顔も、イコール男の渋さとされ、マンダムを体に塗りつけなきゃ男じゃない! と、みんな風呂上りにビチャッ! ビチャッ! 共演のコジャック=テリー・サヴァラス、ブロンソン夫人=ジル・アイアランド、エンリオ・モリコーネのスコアと、かなり刺激されますよ、懐かしさの涙腺が。必見絶見はクライマックスのエレベーター狙撃シーン。ブロンソンでなくとも男泣きの名場面です。劇場未公開シーンを収録してますが(イタリア版のみしか存在しないため)、音声はその部分だけイタリア語吹替えとなります。


 さて、最後は以前、本誌SUPPLEMENTコーナーでご紹介したままだったこの作品。アンカーベイ作品ではありませんが、ここで簡単にご紹介いたしましょう。とは言ってもアンカーベイ以上にカルトですけれど。



TITLE:OF FREAKS AND MEN

●$24.99
(RUSSIAN)

PICTURE ★★★★☆
SOUND  ★★★★☆

 邦題「フリークスも人間も」。「ロシアン・ブラザー」のアレクセイ・バラバーノフ監督作。舞台は20世紀初頭のロシア、2つのブルジョアジーの陰密な欲望。そして人間の崩壊。さてお話は? ここでは申しません。是非DVDで。えっ、話してくれですって? 詳細を知らずに観ていただく方が良いかと思うのですが、どうしてもと言う方はこちらをご覧下さい。極端に色彩を洗い流したセピア映像。これが恐い。



TITLE:VINTAGE EROTICA ANNO 1930

●$24.99

PICTURE ★★★☆
SOUND  ★★★☆

 「フリークスも人間も」を観た後なら是非とも押さえておきたくなるDVD。20年代から30年代にかけての仏蘭西の、実に貴重なヴィンテージ・エロティカ。内容は23の短編から構成され(116分)、ソフトコア、ハードコア、バイセクシャル、ゲイ、フィティッシュに至るまで、ヴィンテージ・エロティカのオンパレード。作品も8mm、9.5mm、16mm、35mmに分かれ、レストアされた映像と音楽は長い年月を飛び越えて観る者に迫ってきます。現在では通常ルートでは手に入り難くなっていますが、これは貴重な文化史でもあるため是非とも手に入れて欲しいものです。イヤらしさ、暗さ、下品といったイメージが全くない「裏」の映画年鑑。

 さて、「HiVi本誌未公開DVD特集」Part 2、今夜はここまで。次回Part 3での紹介作品は、やっぱりごっちゃ煮の味わいでお贈りする予定です。
 それでは次夜まで、おやすみなさいませ。良い夢を。

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