NO.34
堀切日出晴
|
|
第三十四夜 「HiVi本誌未紹介DVD特集」:Part 3
まずは恒例行事になりつつあるFeatured-DVD、そのMENE&DISCアートをご紹介。
■MENUアート
MENU-1:「刑事バレッタ(75/TVシリーズ)」
MENU-2:「ET:25周年アニバーサリー特別盤 (Disc-1)」
MENU-3:「メン・イン・ブラック 2」
MENU-4:「ロード・オブ・ザ・リング:Extended Edition」
MENU-5:「スチュワート・リトル」
■DISCアート
DISC-1:「美女と野獣 (Disc-1)」
DISC-2:「ET:25周年アニバーサリー特別盤 (Disc-1)」
DISC-3:「インソムニア」
DISC-4:「MURDER BY NUMBERS」
DISC-5:「スクービー・ドゥ」
DISC-6:「メン・イン・ブラック 2」
続いて「THE NEWS ARCHIVE」をお届けしましょう。
■DANCE WITH WOLVES:Special Edition

本誌NEWS欄でもお話しましたMGMからの「ダンス・ウィズ・ウルブス:特別版」。2003年初頭に登場予定です。内容は70mmフィルム・マスター(ブローアップ)からのFilm−to―Tape変換で、2-DISCセット。収録される2ヴァージョンは181分のUS公開版と、236分のヨーロッパ公開版。98年に登場したDD-5.1盤(R-ALL盤)、99年に登場したDTS盤(R-1盤)共にUS公開版でしたから、ヨーロッパ版はDVD初登場となります。但しLDではこのヨーロッパ版が収録されていましたから、決して初見参というわけではないのですけれど。収録される特典はケビン・コスナー他のコメンタリー、behind-the-scenesドキュメンタリー、予告編他盛り沢山。
details for you in a future update.
■PARAMOUNT presents

パラマウントがお届けする2タイトル。まずはリドリー・スコットの77年監督作「デュエリスト/決闘者」。16×9/2:35.1。DD-5.1&2.0。リドリー・スコットのコメンタリー・トラック。音楽監督ハワード・ブレイクのコメンタリー&スコア・トラック。「Dueling Directors」:featurette。スコットの短編作「A Boy and his Bicycle」。フォト・ギャラリー。予告編他収録で12/3登場予定。

もう1本は国内盤が先行しましたシドニー・ルメット&アル・パチーノのコンビ作「セルピコ」。この73年の秀作の登場も12/3。16×9/2:35.1。DD-5.1&1.0。特典はコメンタリー、ドキュメンタリー「Inside Serpico」、フォト・ギャラリー、予告編他と国内盤以上に充実。
■MARTIN SCORSESE-directed films

続いてはクライテリオンも短編作品を集めたDVDを企画中のスコセッシ(with ロバート・デ・ニーロ)作品を4タイトルご紹介。まずは83年監督作「キング・オブ・コメディ」。これは5月にFOXから登場予定だったのですが延期されています。本編ディスクは完成されているのですが、スコセッシのコメンタリー収録がペンディングになっています。2003年初頭までには登場の予定。16×9/1.85:1。DD-2.0。特典はコメンタリー、ドキュメンタリー、スチル・ギャラリー、予告編を収録予定。

続いてはワーナーからの2作品をご紹介。「ミーン・ストリート」:REISSUE、と「グッドフェローズ」:REISSUE。共に映像とサウンドのトリートメントを施しての登場。特典もコメンタリー他全てがリニューアル。予定では今年末にリリースと発表されていますが、どうやら年を空けてからのリリースになりそうです。
 
最後はMGMから登場の「レイジング・ブル:公開20周年記念特別版」。PAL-UK盤同様の2-DISCセットですが仕様は16×9/1.85。DD-2.0。特典は26分のメイキング「The Bronx Bull」、ラモッタ本人のジョーク集、ラモッタ本人の試合映像、予告編他が収録される予定。コメンタリーも収録されますが、クライテリオンLDに収録されていた素晴らしいスコセッシ節はおそらく収録されないでしょう。
最後にスピルバーグ&クルーズの最新作「マイノリティ・レポート」のジャケットデザインを。「ひでPAL通信」でPAL-UK盤(11月リリース予定)のお話をしましたが、こちらはNTSC盤。ポスター・デザインと殆ど変わらないシンプルな物のようです。

はい、今回のイントロダクションはここまで。それでは未紹介DVD特集:Part3に移りましょう。今回取り上げるのはMGMから昨年登場しました「MGM MIDNITE MOVIES」シリーズ。DVDコレクターがまさにインソムニア(不眠症)に陥る、天下無敵のB-MOVIE群。中心となるジャンルは旧作ホラー、SF作品、カルト・クラシックといった実にビザールな作品ばかり。DVD時代が到来してあらゆるDVDレーベルがB-MOVIEをラインアップしていますが、その大半が(貴重なアイテムであるのですが)映像とサウンドのクオリティが低い。貴重だからこそ_可能な限り高品位なクオリティであって欲しい・・・これがDVDコレクターの正直な願いでしょう。
既に多くの作品がリリース済みの「MGM MIDNITE MOVIES」シリーズですが、最近また一段とクオリティを上げたんですね。8/27にリリースされた数タイトルを観ると(これは少しもオーバーな表現ではなく)作品によっては、(映像クオリティで)SPEのSUPERBIT-DVDを上回るクオリティを観せるから驚いちゃいます。今回はシリーズ最新作をご紹介しますが、ホントは全作紹介したいんですけれどねぇ。
でもこれだけでまた別の連載モノ(もう収拾がつかなくなっちゃう)になってしまいそうですので、ここではMGMのサイトをご紹介しておきましょう。過去リリース作品が紹介されていまして、作品データ(劇場公開日まで)、DVD仕様データ、スクリーン・ショット等々、細かい情報が閲覧できます。ご興味ある方は下記のロゴをクリックして下さいね。

今回ご紹介するのは下記の5作品。
シリーズ全作$14.95で購入できまして、アマゾンあたりのサイトで購入すれば$10前後ですからねぇ(凄い時代になってしまいました)。シリーズ全作、ミニマムアイテムでも予告編は収録されていまして、作品によってはコメンタリー等の特典が収録されています。しかし先ほどSUPERBITと書きましたが、特典収録が少ないタイトルは共通して高画質です。


|
TITLE:THE ATTIC/CRAWL SPACE
|
■THE ATTIC
(1980, 101min, PG)
  
PICTURE ★★★★★ SOUND ★★★☆
●Theatrical Trailer
ATTICとは「屋根裏」の事で、本作は恐怖映画の定番的な、いわゆる“屋根裏モノ”スリラーでもあります。主人公は図書館員のハイミス。彼女は結婚直前にフィアンセに逃げられて以来、車椅子生活の父親を15年もの間に渡って世話してるんですね。この父親が彼女をサディスティックに拘束しているんですが、彼女も父親を殺す夢想に耽ったりしてる。この綱渡り関係が恐いですよ。主演はキャリー・スノッドグレス。古くはデ・パルマの「フューリー」から最新作「ヴァンパイア・ハンター」まで、一度は必ず観た事があるはずのバイプレーヤー。父親役にはオスカー男優レイ・ミランドで、この人は決して器用な役者さんではないんですが奇妙な凄味があるんですね。監督はジョージ・エドワーズ。60年から70年代にかけてB-MOVIEホラーの製作、脚本に携わってきた人で、本作は唯一の監督作。遅咲きの映画人で、91年67歳で他界。
さてその映像。これはちょっと凄すぎ。解像度、S/N、色彩感と、全てに渡ってフィルムのニュアンスがたっぷり伝わってきます。MPEG、エッジエンハンスの弊害が極々僅少。スキントーンも実にナチュラル。SUPERBITでもここまでクリアーな映像はそうは観れません。サウンドはヒスノイズ等から解放されませんでしたが、クライマックスの恐怖は十二分に伝えます。
■CRAWL SPACE
(1986, 80min, Rated R)
  
PICTURE ★★★★☆ SOUND ★★★☆
邦題「クロール・スペース」。アパートメントに美女達を住まわせ、秘密の通路(と言っても通気口なのがB-MOVIEだ!)を行き来しながら彼女達を覗き見するオーナーに、怪優クラウス・キンスキー。やっぱ異様だわ、この人。乱歩の「屋根裏の散歩者」を思わせますが、こういう役をやらせたら光る光る。殺人淫楽症とでも言うのでしょうか、何ちゅうかなぁ、攻撃的な恐さじゃないんですよね。ナメクジみたいな感じ。新宿の西口公園でコートをパッと捲ってイチモツを見せるような変態じゃなくて、かつての銀座ロキシーや牛込文化劇場あたりで映画少年の股間に手を伸ばしていたようなおっさん。そしてこの変態親父の毒牙が向けられるヒロインにタリア・バルサム。懐かしきマーティン・バルサムの娘さんですね。B-MOVIE女優をいまだ脱皮できないでいるのが残念ですけど、何だかわかる気も。何だか全然恐がってないようなお芝居。凄いんだ、この恐がり方がまた。「きゃぁ〜っ、きゃぁ〜っ」ってひらがな的なんだよなぁ。いいなぁ、これ。松嶋菜々子も真ッ青の、愛すべきB-MOVIE女優さんだなぁ。
監督はデビッド・シュモーラー。「デビルズ・ゾーン」「パペット・マスター」といったカルト・ホラーを産み出し、恐怖映画界では根強い人気を持つ人。「未来娼館ネザーワールド」なんて凄い作品もありましたし、「悪霊基地カターコム」ではタリアの従兄弟ティモシー・ヴァン・パタンを主演に迎えていました。Midnite Movieの代表選手みたいな監督さん。
本盤の映像クオリティもB-MOVIEとしては並外れています。滑らかさという点では「THE ATTIC」に軍配が上がりますが、キリッと引き締まった輪郭描写は実に心地いい。「THE ATTIC」より美人、美肌がワンサカでてきますので、スキントーン描写の多種多様ぶりを愉しんで。サウンドはナロウですが、モノーラル音声による遠近感描写がお見事。キンスキーのダイアローグの響きが恐いよぉ〜っ。
予告編を御覧になりたい方は下記の写真をクリックして下さい。


|
TITLE:WHAT'S THE MATTER WITH HELLEN?/WHOEVER SLEW AUNTIE ROO?
|
■WHAT'S THE MATTER WITH HELLEN?
(1971, 101min, PG)
  
PICTURE ★★★★☆ SOUND ★★★☆
●Theatrical Trailer
脚本のヘンリー・ファレルといえば「何がジェーンに起ったか?」「ふるえて眠れ」が思い浮かびますが、本作「ヘレンに何が起ったのか?」もオールド聖林の女優コンビで贈るニューロティック・スリラーに仕上がっています。今回のコンビはデビー・レイノルズとシェリー・ウィンタース。彼女達と絡むのが本作公開後すぐに「警部マクロード」でブレイクするデニス・ウィーバー。余談ですがファレル脚本作には「戦慄の悪魔払い」というTVムービーがありまして(主演はバーバラ・スタンウィック!)、ここで悪魔に憑かれるのがキティ・ウィン(彼女のデビュー作)。ウィン嬢と言えば、「エクソシスト」「エクソシスト2」で悪魔憑きの恐怖を目の当たりにするサラ・スペンサー役を思い浮かべます。この時悪魔に憑かれていた事を考えると、「エクソシスト2」での悲惨な死も必然?映画の不思議な繋がりって、ねっ、面白いでしょう?
前出の80年代作2作品と70年代初頭の本作では、映像クオリティ(=フィルム・エレメント)の差がどうしても表出してしまいます。とは言っても、それを差し引いても本盤の映像クオリティは5ツ★をあげたくなるほどのインパクトがあります。黒情報が実に艶やかで(黒ツブレが殆どない)、現在ほどの高感度フィルムのなかった時代を考えれば、本盤のfilm-to-Tape変換が高品位に行なわれた事を意味しているのがわかります。スキントーンも熟女2人の微妙な差異を見事に表現しますし、デビー・レイノルズの舞台化粧の異様さも強烈です。舞台劇にも似た本作のサウンドの命はダイアローグ。30年前の作品とは思えない鮮明さがあります。感情の機微を伝える発声法の妙味が美味しく耳に届きますよ。
■WHOEVER SLEW AUNTIE ROO?
(1971, 92min, PG)
  
PICTURE ★★★★ SOUND ★★★☆
邦題「誰がルーおばさんを殺したか?」。脚本は、コニー・フランシス(!)主演のコメディ「渚のデイト」のデビッド・オズヴォーンですが、お話のベースには古典童話「ヘンゼルとグレーテル」があります。「ヘンゼルとグレーテル」は童話とは言っても・・・両親に森に置き去りにされたヘンゼル&グレーテルがお菓子の家をつまみ食いしたうえに、中に住んでた魔女を虐殺してしまうお話・・・ですから、ディライトされたこの映画の異様さも窺い知れるというもの。監督は「ヘレンに何が起ったのか?」のカーティス・ハリンソン。主演も引き続きシェリー・ウィンタース。少年に「小さな恋のメロディ」(製作は同年)のマーク・レスター。
映像は残念ながらノン・スクイーズ。このハンディは非常に大きいのですが、マスターの品質管理はきっちりと行き届いています。撮影はデズモンド・ディキンソンで、トーキー初期から活躍し名作「ハムレット」でヴェネチア国際映画祭最優秀撮影賞を受賞するも、その後もB-MOVIEの世界にどっぷり浸かって行った人。彼のカメラワークをスクイーズ映像で観たかったなぁ。

|
TITLE:MASQUE OF THE RED DEATH/THE PREMATURE BURIAL
|
■ MASQUE OF THE RED DEATH
(1964, 89min, NR)
  
PICTURE ★★★★☆ SOUND ★★★☆
●Roger Corman Interviews
●Theatrical Trailer
邦題「赤死病の仮面」。原作エドガー・アラン・ポー、監督ロジャー・コーマン、主演ヴィンセント・プライス、しかも撮影監督は監督業に転進する前のニコラス・ローグ、となれば面白くないわけがなぁ〜い! 舞台は赤死病の恐怖が蔓延する中世イタリア。城内で繰り広げられる仮面舞踏会。暴君プロスペロ公、そして美しい娘フランチェスカが絡む狂乱の宴。ローグのカメラ美術に加え、プロダクション・デザインが(これまた後にTV演出畑に進出する)コーマンとのコンビで数々のB-MOVIEホラーを贈り出したダニエル・ハラーで、古城にレイアウトされる原色を基調にした鮮明なカラーパレットが観所の一つ。今までのトリミング版ビデオではこの妙味はとても伝わりませんでしたので、2.35:1アスペクト&スクイーズのプレゼンテーションはファン垂涎の贈り物。再見して気づいたのがフランチェスカ役がジェーン・アッシャー!という事。「早春」「きんぽうげ」のEarly-70ユs代表する英国美人。本作でもやっぱ綺麗だわ。
彼女の美麗ぶり、色彩設計を含むプロダクション・デザインの妙味をきっちり伝える映像クオリティ。目に飛び込む豊穣な色彩が、目に見えない恐怖を演出するんですね。いやぁ、お見事です。コーマン自身の演出作の最高傑作とも賞されるのに、日本劇場公開は第2回東京国際ファンタスティック映画祭だけというのもちょっと悲しいなぁ。
ポー原作の「赤死病の仮面」は89年にTV「暗黒の戦士/ハイランダー」のエイドリアン・ポール主演で、また90年には(原作を大きく改稿した)スタローンの実弟フランクの主演でリメイクされています。今なら聖林大作として蘇りそうなところなんですが、この2作、これまた強烈なB-MOVIEでしたねぇ。
■ THE PREMATURE BURIAL
(1962, 101min, NR)
  
PICTURE ★★★★☆ SOUND ★★★☆
●Theatrical Trailer
公開時の邦題「姦婦の生き埋葬」。だんだんタイトルが凄くなるなぁ。こちらの原作もポー(映画も後に「早すぎた埋葬」に改題)。コーマン演出のポー原作もの第3弾。主演は「THE ATTIC」のレイ・ミランド。硬直症を持病に持つ男が、埋葬後に息を吹き返す妄想に怯え(生きたまま埋葬されるのではという妄想でもあるんですが)、やがてその妄想が事件を呼び込んでしまうというのが大筋。語り口はいたって真面目で、随所に挿入される古典ホラーのお戯びも羽目を外す事はありません。
映像は「赤死病の仮面」より多少甘口に映ります。発色の良さも「赤死病の仮面」に譲りますが、なんせ本作のカメラ美術はフロイド・クロスビーですからシネスコ画面が実にリズミカルな呼吸をしてるんですね。クロスビーといえば、アメリカに渡ったムルナウの遺作「タブウ」でオスカーを受賞し、その後「真昼の決闘(オスカー受賞)」「老人と海(ノミネート/共同)」といった作品を贈り出しました。その後はコーマンとのコンビ作が多く、B-MOVIE作品にどっぷり使っていく事となる、まさにMidnite Movieな人。彼のカメラ美術を観るだけでも充分満足できますよ。

|
TITLE:DERANGED/MOTEL HELL
|
■DERANGED
(1974, 78min, R)
  
PICTURE ★★★☆ SOUND ★★★☆
●Theatrical Trailer
邦題「ディレンジド」。ビデオタイトルは「人肉工房」なる副題が付くんですが、勘のいい方なら「モデルはエド・ゲインだな」と気づくはず。この「サイコ」のモデルともなった連続殺人鬼はいまだ映画の殺人鬼創生に少なからず影を落としています。同じく74年公開で、やはりゲインをモデルにした「悪魔のいけにえ」の注目度に対して、本作の注目度はどうです?悲しいほどに陽の当たらないB-MOVIEですもんね。共同監督のジェフ・ギレンは役者業に戻っちゃったし、アラン・オームズビーも脚本業に専念して2人ともその後の監督作は皆無。プロデューサーのトム・カーに至っては18年間消息が不明だったし、フィルム自体もカーと同じ運命に。95年にカーがB-MOVIEホラー「CREEP」の製作補&助演者でカムバックすると同時に、なんとフィルム・マスター発見される事に(日本では95年に念願の初公開)。いずれにせよ、何とも摩訶不思議でとってもレアなB-MOVIE。
特殊メイクはまだ名が出る前のトム・サビーニ。このあたりの演出もどこかドキュメンタリー・スタイルで、映像のザラザラ感が(クオリティとしては少し悲しいんですが)何とも時代の雰囲気を伝えて美味しいですよ。
■MOTEL HELL
(1980, 102min, R)
  
PICTURE ★★★☆ SOUND ★★★
●Theatrical Trailer
邦題「地獄のモーテル」。幻のB-MOVIE化しつつあった「ディレンジド」と本作のカップリング・・・こりゃ、マジで泣く人いるんだろな。こちらは70ユSの陰鬱さが影を潜め、VIVA、80ユSのノリの良さが花開きかけるホラー・コメディ。なんせこの人肉モーテルの経営者のおっさんがロリー・カルホーンですからね。モンローと共演した「億万長者と結婚する法」「帰らざる河」や「黄金の銃座(懐かしい!)」「ロード島の要塞」「ガン・ホーク」といった作品で知られるオールド聖林を代表する役者さん。彼を迎えて70年代英国特撮モノで知られる監督ケヴィン・コナー、これまた気合が入りました。しかも(再見して気がついたのですが)撮影が「スタンバイ・ミー」のトム・デル・ルース。60年代と70年代と80年代を、それこそミンチしたような妙な懐かしさがあるんですねぇ、このB-MOVIEには。
映像、サウンド共に今回紹介した作品の中ではブービー賞ですが、よく観ていて下さい。次第にアブナイ臭気が漂い始めますよ。

|
TITLE:THE OBLONG BOX/SCREAM AND SCREAM AGAIN
|
■ THE OBLONG BOX
(1969, 97min, NR)
  
PICTURE ★★★★ SOUND ★★★☆
●Theatrical Trailer
邦題「呪われた棺」。ポーの「長方形の箱」を原作にハマー・プロが映画化。ヴィンセント・プライスとクリストファー・リーの共演なんてハマーならではの企画でしょ。ブードゥの呪いをかけられた醜い兄と、彼を幽閉する弟。この兄弟に良心的な医者が絡みノ。弟にプライス、医者にリーが扮するのですが、残念ながら彼らのベスト・アクトには数えられないでしょう。
■ SCREAM AND SCREAM AGAIN
(1969, 95min, PG)
  
PICTURE ★★★★ SOUND ★★★☆
●Theatrical Trailer
邦題「バンパイアキラーの謎」。「呪われた棺」のゴードン・ヘスラーが同年に撮り上げた、米国AIPと英国アミカス・プロの合作。アメリカで起きた奇妙な殺人事件。体内に血がないのだ。吸血鬼の仕業?それとも?ヴィンセント・プライス、クリストファー・リー、更にピーター・カッシングと、ホラー・スターBIG3の共演、狂演、饗宴。
それにしても、ポーの小説はホラー映画にするには格好の題材であるのですが、最近では殆どその名前を聞きません。勿体ないなぁ。今から13年前の89年にB-MOVIE界でブームが起きたようにならんもんですかねぇ。先述の「早すぎた埋葬」など「赤死病の仮面」同様89年にリメイクされていて、いやぁB-MOVIEの楽しさが一杯。舞台を少女鑑別所に設定して、そこを支配する所長の狂気の描写がメインとなっています。出演者がまたグー!ジョン・キャラダイン御大、ロバート・ヴォーン、ドナルド・プレザンスの競演に加え、ポルノ・クイーン=ジンジャー・リン(!)おネエまで出ているもんね。カレン・ウィッター嬢のおみ脚にもクラクラ。
いやぁ、それにしてもMGMからの旧作DVDのクオリティは目を瞠るものがありますよ。フィルム・エレメントに傷みや劣化があってハイクオリティ盤にならなかった作品もありますが、非常に高確率でハイクオリティ盤として蘇っています。最後に紹介するのが愛しのB-MOVIE・・・ゾンビもの「バタリアン」。
 
|
TITLE:THE RETURN OF THE LIVING DEAD
|
    
PICTURE ★★★★☆ SOUND ★★★★
●Commentary with Director/Writer Dan O'Bannon and Production Designer
William Stout
●Designing the Dead Featurette
●Theatrical Trailer
●Conceptual Art by William Stout
●TV Spots
LAにある化学資料倉庫から漏れ出したガス。このガスには死んだ生物を生き返らせる力があり、やがて墓場の下の死体が動き始める.....。本作はB-MOVIEホラーの傑作だと思ってるんですが、如何でしょう?「エイリアン」のダン・オバノンの初監督作品で、B-MOVIEのツボをきっちりと押さえています。「オバンバ」や、まるで運動会の棒倒しのように疾走して群がるゾンビ軍団といい、愉しい仕掛けが一杯。
仕掛けといえばジャケットにも。シアターの部屋を暗くしていざ視聴、という時になにやら薄く光るものが。ジャケットが蓄光仕様になっていて、ゾンビが薄緑色に光っているのだ。これは裏面も同仕様。
さてこの「バタリアン」、いろいろお愉しみはあるにせよ、個人的にはリネア・クィグリー嬢との再会、これに尽きちゃいます。墓場乱舞裸女、リネア!
(下記の写真をクリックして、彼女のオフィシャルサイトに、ど・う・ぞ。)

いきなり墓場で脱いじゃう。踊っちゃう。パンツを剥ぐとスッポンポン。超薄地のラバーを履いて特殊メイクを施されていたとはいえ、剃毛した局部を浮き上がらせながら大熱演。ホラー・ファンの観音様的エロバイラこそ、リネア!「バタリアン」以降その脱ぎっぷりもあって(ピンナップ・ガールでもありますからねぇ)、新ホラー・クイーンとなっちゃいました。B-MOVIEにはなくてはならない女王様。大ファンです。いいなぁ、リネア。
X-RATED作品では、ジェシー・ダルトン、バーバラ・ゴールド、リネアと名前を使い分けていますが、その出演作は80本以上に及びます。B-MOVIEからZ級映画まで何でもござれ。ジンジャー・リンとコンビを組んだ「バイス・アカデミー/LA風俗最前線」「バイス・アカデミー2/LA風俗特捜隊」の彼女を覚えている方も多いのでは?
85年の「バタリアン」以降の作品(日本公開作/ビデオ含む)でDVDで鑑賞できるB-MOVIE代表作(主演クラス)は以下の3作品があります。
 
|
TITLE:SORORITY BABES IN THE SLIMEBALL BOWL-O-RAMA
|
  
邦題「ザ・インプ」。インプとは小鬼の怪物。「アニマル・ハウス」と「アラビアンナイト」を足して2で割ったようなお話で、作品的にはかなり退屈なんですけどね。退屈=B-MOVIE=カイカン、という方程式が身に染みてしまえば、もうあなたも立派なミッドナイト・ムービーズですよ。
 
|
TITLE:HOLLYWOOD CHAINSAW HOOKERS
|
  
邦題「女切り裂き狂団/チェーンソー・クイーン(87)」。監督のフレッド・オーレン・レイは、SFホラー雑誌編集長出身、とな。LDリリース時のインパクトも相当のものでしたけど。

   
邦題「悪霊たちの館/呪われたハロウィン・パーティー(87)」。「ハロウィン」のヒットに便乗して低予算ながらヒットしたオカルト・ホラー。特殊メイクは「バタリアン」のスティーヴ・ジョンソン。リネアはまたまた立派な裸をご披露。
さて「HiVi本誌未公開DVD特集」Part3、今夜はここまで。後半はかなりコアなお話になってしまいましたけれど、お楽しみ頂けましたでしょうか?次回Part4、まだまだ未紹介DVD特集が続きますよン。
それでは次夜まで、おやすみなさいませ。良い夢を。
|