spacer.gif spacer.gif r_top.gif
今月の米国盤:番外地
NO.38
堀切日出晴

第三十八夜
「お流れになってしまったマックイーン作品:そのDVD特集」〜その後編〜

 まずはDVD-NEWSLETTERから。

KING KONG:70th Anniversary Edition(33)

£17.99

PICTURE ★★★
SOUND ★★☆

●"It was Beauty who killed to Beast" - The Making of King Kong
●The films of King Kong

 あらら、このコーナーは「ひでPAL通信」ではありませんよ、と言われそうですが、現在は権利問題でNTSC盤がリリースされていませんので、ここではPAL-UK盤のジャケットだけ表記してみました。
 その33年版「キングコング」、いよいよ2003年中にリリース予定!……だったんですが、どうやら2004年に延期になった模様。2003年は公開70周年に当るんですがねぇ。これには権利問題が絡んでいます。「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督の「ロード・オブ・ザ・リング」3部作後の監督作が、「キングコング」の2回目のリメイク版になると報じられているのはご存知でしょう。今回の配給はユニバーサル。ワーナーとしては何とか2003年中にリリースしておきたかったのでしょうが……。
 既にユニバーサルとジャクソンは、NEWコング・プロジェクトでブリーフィングに数ヶ月(数百万ドル)を費やしていまして、脚本も大筋が完成しています。ユニバーサルでは、2003年クリスマスに「ロード・オブ・ザ・リング:The Return of the King」が公開されてから本格的にプロジェクトを始動させるようです。
 ここではジャクソン版の脚本草案全文と、英語Webサイトでしばしお過し頂こうと思います。下記のクライテリオンLDの写真をクリックして下さい。

 続いてこのNEWクライテリオン・タイトルのジャケットを御覧下さい。すばらし〜い!
BOXセット「The Adventures of Antoine Doinel」。5枚組のフランソワ・トリュフォー・クラシック集。各作充実の特典付でプレゼントされるタイトルは、「The 400 Blows/大人は判ってくれない(59)」「Stolen Kisses/夜霧の恋人たち(68)」「Bed and Board/家庭(70)」「Love on the Run/逃げる恋(78)」「Antoine and Colette(62/未公開短編)」。価格は$99.95。 4/29リリース予定。



BOXセット「The Adventures of Antoine Doinel」

「大人は判ってくれない」 「夜霧の恋人たち」

「家庭」 「逃げる恋」

 さぁ今夜の夜話も前回に引き続きまして、「お流れになってしまいましたマックイーン作品:そのDVD特集」後編をお贈りいたしましょう。前回は「フレンチ・コネクション」までいきましたが、今夜はどんな作品が飛び出しますやら。



 その前にこのお話を。「ブリット」以降、「ダーティー・ハリー」「フレンチ・コネクション」と刑事(警官)モノのオファーが殺到したのですが、マックイーン自体「ブリット」のプロデュースは(自社ソーラープロ第1作)ノル気でしたが主演はためらっていたという事実があります。これは最初の夫人ニール・アダムスが語った事で、同時に主演する事を説得したのも彼女。


 彼女曰く「彼は主演を渋っていました。“ブタを演じるのはどうもな”って。あの頃は警官はブタって呼ばれていたんです。私は言いました。“クールなブタにしちゃえばいいのよ”」。こうして「ブリット」が生まれるのですが、その後彼が警官モノを避けていたのは仕事上の理由だけではない事は間違いないでしょう。



 そして極めつけは69年に起きたチャールズ・マンソン率いるカルト教団による惨殺事件。殺されたのは女優シャロン・テイト(お腹にはロマン・ポランスキー監督の赤ちゃんがいた)を含む数人。実はこの晩、マックイーンはテイト家を訪れる予定でした。ニール曰く「どこかの女と他の場所にシケ込んでいたおかげで、命拾いしたの」。
 マンソンの殺人リストにはマックイーンの名前も挙がっており、この時期に狂人を刺激するような企画を避けていたと言われるのも納得できます。警察官役などもっての外だったのでしょう。
 少し話が暗くなってしまいましたが、はい、気を取り直して後編の開幕です。前回もお話しましたが、もしマックイーンのファンの方でなくても、この前編&後編で映画史の一部を垣間見て頂ければ幸いです。ではまずはこの作品から。

HEAVEN'S GATE(73)

$24.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

 邦題「天国の門」。80年1月に公開された本作は僅か1週間で打ち切り。回収不能の膨大な製作費。経営が傾きかけていたユナイテッド・アーチストを倒産に追い込んだ、狂気の監督主義(マイケル・チミノ!)映画。これが「ダンス・ウィズ・ウルブス」の時代に公開されていたら、その興行結果は変っていたかも知れませんが……。
 73年の企画時のスタッフィングは、監督=マイケル・ウィナー(「追跡者」「狼よさらば」)、脚本=ジェラルド・ウィルソン(「追跡者」「スコルピオ」)。キャスティングはマックイーンとチャールズ・ブロンソン。それにアリ・マッグロウ。チミノ監督&脚本版では、マックイーンの役はクリス・クリストファーソンに、ブロンソンはクリストファー・ウォーケン、マッグロウはイザベル・ユペール(今や名女優だ)に。マックイーンの「パピヨン」の撮影が延び一時企画中止となりますが、マックイーン自体も73年時の脚本に対しては「気乗りしない」と述べています。
 米国盤はLB仕様。ヴィルモス・ジグモンドの凝りに凝った琥珀色の映像絵画、その土埃までも美麗に描いたルックスは到底LB仕様では再現し切れません。(これは録音の不備ではないのですが)俳優たちのおそろしくもリアルなアクセント=訛り、当時英語が殆どダメだったユペールの不可解な英語発音といった要因も、本作のサウンドを聴き苦しいものにしているのは確か。およそ80分長尺のディレクターズ・カットはDVDのセールス・ポイントなのですが、スクイーズ全盛の今ではちと辛すぎる。映画に集中すれば様々な弊害も見えなくなりはしますけれど……。う〜ん、なんとしてもハイビジョンの登場、これに期待しちゃいますなぁ。

THE LONG GOOD-BYE(73)

$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★

 邦題「ロング・グッドバイ」。監督はロバート・アルトマン。彼がフィリップ・マーロウ役に欲しがったのがマックイーン。マックイーンはこの企画に興味を持ちますが、当時のアルトマンにはマックイーンが提示した150万ドルのギャラは余りに高価。結局マーロウ役はエリオット・グールドに。今にして想えば、アルトマン&マックイーンのコンビ(どうやって即興演技をさせたことでしょう)も、マックイーンのマーロウ役も是非実現して貰いたかったのですが。旧友を撃ち殺すという原作にない終幕(この終幕は全米の一部州ではTV放送時にカット)もマックイーンのために用意されていたものですし、ソフト帽もトレンチコートも羽織らないキャラクター設定も同様。特にニコチン中毒の設定など、マックイーンの死因を想うとやけに生々しくも映ってきます。
 本作のカメラ美術もヴィルモス・ジグモンド。本作の流動的なカメラワークは出色ですが、このオペレート(殆どがジグモンド自身)には大きなわけがあります。彼はアルトマンとのコンビ3作目で、アルトマンの即興演技、その撮影にとことん夢中になってしまったのです。即興演技を写し撮るカメラは瞬時にあらゆる事を決定しなければなりません。そのためにはジグモンド自らがオペレートをする方が、撮影時の多くの手間が省けるから。この作品で常にカメラが軽くフットワークしているのはそのため。役者が何をやるのかわからない。その緊張感。その興奮。そして確かなテクニック。
 この妙味を米国盤が全て描き出しているかと言われれば、解像度やS/N感でマイナス点もあります。但し時代の空気_これは確実に伝わってきますからご安心ください。

FORT APACHE,THE BRONX(74)

$14.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

 邦題「アパッチ砦・ブロンクス」。監督は「コクーン2」のダニエル・ペトリ。ニューヨーク/サウス・ブロンクスの警察分署=通称“アパッチ砦”を舞台に、実に硬派なポリス・ストーリーが展開します。硬派と言っても女性陣もパワフルな演技。パム・グリア(「ジャッキー・ブラウン」)も、レイチェル・ティコティン(「トータル・リコール」)も光ってます。実際に起きた数エピソードを散らばせて妙なリアルさがあるのですが、米国盤は悲しくなるほどひっそりとリリース。う〜ん、なんなんでしょ、この過小評価ぶりは。
 74年の段階でマックイーンは主演の警官マーフィにオファーを受けます。スケジュールの調整が出来ずにパス。81年にポール・ニューマン主演で完成しますが、74年時にスケジュール調整がとれなかったのは「タワーリング・インフェルノ」によるもの。ニューマンとの初共演作ですね。そして映画はマックイーンの死後、ニューマン主演で完成するという時代の悪戯……。



BITE THE BULETT(74)

$19.95

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★

 邦題「弾丸を噛め」。監督リチャード・ブルックス。マックイーン、ジェームズ・コバーン、キャンディス・バーゲンで当初キャスティングされていましたが、途中マックイーンは降り、ジーン・ハックマンに変わります。映画は74年完成。「フレンチ・コネクション」以来の因縁というわけではないでしょうが、ハックマンとの共演で企画された作品は非常に多く、同時にその全てがお流れとなっています。
 75年の「追跡」はFOX配給。ハックマン、ハックマン、オスカー・ウェルナー共演、監督ダグラス・ヒコックス(「ブラニガン」)で、撮影がギリシャで行なわれるところまでいきながらお流れ。「地獄の黙示録」は後でふれるとして、78年の「タイガー・テン」は、ウィリアム・D・ブランケシップの原作(「タイガー・テン/零戦捕獲作戦」。三笠書房から出てるんですが、まだ絶版ではなかったと思いますけど)の映画化。パラマウント映画。監督はジョン・フランケンハイマー。製作費2500万ドルでタイロケの予定が企画流れになります。第二次世界大戦の実戦記を映画化するには、とても予算が収まらないとの判断によるもの。原作は面白いですよ。この副題を見れば想像できると思いますが。CG全盛の今この時、是非とも実現させてもらいたい胸ワクの企画です。
さてDVD「弾丸を噛め」。以前もお話しましたが、本盤の解像度は非常に高くカラーパレットも豊富です。サウンドはモノーラルですがダイアロ−グも明快。SEも力強い。

TARA:THE CONTINUATION OF GONE WITH THE WIND(75)

$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆

●Special Behind-The-Scenes Making Of

 94年に原題「SCARLETT」/邦題「スカーレット/続・風と共に去りぬ」でTVミニシリーズ化。マックイーンはレット・バトラーをオファーされます。エージェントは強く説得しますが、本人は全く興味なし。当時はマックイーンの初監督作「DEAJUM'S WIFE」の企画が挙がっていて(結局中止。理由は発表されず)、彼にはレット・バトラーどころではなかった様子。しかしいずれの企画も実現しませんでした。
 TVミニシリーズは製作費4千万ドルの超大作。バトラー役はティモシー・ダルトン。この400分の長尺を鑑賞しましたが、いくらなんでもこの脚本でこの長尺は辛い。

THE BETSY(75)

$14.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

 邦題「ベッツィー」。ヨーロッパ車と日本車。この勢いに苦闘する老自動車王。引退していた彼は、低燃費車ベッツィーを開発し起死回生を図ろうとするのですが……。監督は「アパッチ砦・ブロンクス」のダニエル・ペトリ。老自動車王にローレンス・オリビエ。その息子で自動車会社の社長にマックイーン。その妻にアリ・マッグロウで企画。マックイーンの役はロバート・デュヴァル(「ブリット」で脇役だった彼はこのオファーをいたく喜んだ)、妻役はキャサリン・ロスに。共演はトミー・リー・ジョーンズ、レスリー=アン・ダウンマックイーン&オリビエの共演は興味深かったのですが、企画変更後完成した本作はどこかTVムービー的。DVDも少し色褪せて見えるから不思議なもんです。

FIRST BLOOD(75)

$35.99

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★



First Blood:
●New Documentary: DRAWING FIRST BLOOD reating John Rambo: 20 years later, the creators of First Blood recount their tales of launching David Morell's groundbreaking novel to the big screen and developing a powerful new franchise
●Production Notes
●Cast and Crew Information
●Theatrical Trailer and Teaser
●Audio Commentary with Writer David Morell

First Blood Part II:
●New Documentary: We Get to Win This Time_THE RAMBO PHENOMENON
Brand New Interviews with the film's creators reveal the making of this historic film and how "Rambo" became a household name
●Production Notes
●Cast and Crew Information
●Theatrical Trailer
●Audio Commentary with Director George Cosmatos

Rambo III:
●New Documentary: Afghanistan_LAND AND IN CRISIS
An in-depth look at Rambo's fictitious involvement in Afghanistan, in light of America's role almost 20 years later
●Production Notes
●Cast and Crew Information
●Theatrical Trailer
● Audio Commentary with Director Peter MacDonald

Bonus Disc: Rambo "Supplemental Materials":
Featurettes:
●First Blood: A Look Back
●Rambo III: Full Circle
●Those That Wanted More
●The Forging Of Heroes: America's Green Berets
● Rambo-nomics
●Suiting Up: Rambo's Survival Hardware
●Selling A Hero
Documentaries:
●An American Hero's Journey
●The Real Nam: Voices from Within
●Guts and Glory
Trivia Game

 邦題「ランボー」。えぇっ! と驚きなさる方も多いかもしれませんが、デヴィッド・マレルの原作を読んだ方は、逆になるほどと首を縦にふるに違いないでしょう。マレルの原作の映画化脚本は、スタローンが82年に主演を引き受けるまで何年もの間聖林のスタジオを浮遊。マックイーンは(出演依頼を受けた幾人ものスターの中で)最初にオファーを受けました。オファーを断った理由は、「タワーリング・インフェルノ」の出演が控えていた事と、ジョン・ランボーを演じる年齢ではなかったため。
 昨年ARTISANからリリースされたトリロジーDVDは、全作DTS音声を収録。勿論単品購入も可能。トリロジーの中ではPart3が一番クォリティが高い。ジャック・カーディフが撮影監督を務めたPart2も色乗り良好。Part1の映像は甘めの軟調。色彩度、S/Nも良好なのに惜しい。DTS音声は公開年代が新しくなるに連れてレンジ感の向上が確認されます。さてさて、一体全体「ランボー4」はど〜なりますやら。

ISLANDS IN THE STREAM(75)

PICTURE Not Yet
SOUND Not Yet


 邦題「海流のなかの島々」。原作はヘミングウェイ。「パピヨン」の成功後に、同作の監督フランクリン・J・シャフナーがマックイーンに次回作の手助けを依頼。ヘミングウェイものを演りたかったマックイーンはこの企画に強い興味を持ちますが、自分にとって適切な役柄ではないと悩みます。結局マックイーンは「自分より相応しい役者を探した方がいい」と辞退。
 シャフナーは当時を振り返りこう語ります。「スティーブを一つの作品プロジェクトに引き付けておく事は難しい。彼がこの作品を降りたのは残念だ。彼はこの企画に大変強い興味を抱いていたのに」。本作は77年にジョージ・C・スコット主演で完成。撮影は「タワーリング・インフェルノ」のフレッド・J・コーネカンプ、音楽は「パピヨン」のジェリー・ゴールドスミス御大なのですが、興行、評価共に不振に終わっています。DVDはパラマウントから2003年Midにリリース予定。

ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST(75)

$19.98

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆

●Commentary by director Milos Forman,producers Michael Douglas and Saul Zaentz
●Theatrical trailer
●"The Making of ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST" a 48-minute documentary featuring the actors, the moviemakers, and writer Ken Kesey recounting the history of the original novel to its stage and movie adaptations
●8 additional scenes

 邦題「カッコーの巣の上で」。監督はミロス・フォアマン。75年のアカデミー賞の9部門でノミネートされ、作品、監督、主演男優、主演女優、脚色賞を受賞した秀作。マックイーン独特の控えめな演技は、後に主演が決まるジャック・ニコルソンとは正反対のもの。マックイーンがマクマ−フィーを演じていたならまた別の味わいがあったのでしょうが、この役も自分に合っていないと辞退しています。DVDの仕様は「番外地:三十五夜をご覧下さい。

APOCALYPSE NOW(76)

$19.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★☆

 邦題「地獄の黙示録」。黙示録のお話_オリジナル・キャスティング、ジョン・ミリアス75年版脚本草案(80年版とも、特別完全版とも全く異なるシナリオ)、更に現存する5時間バージョンの詳細は、発売中の季刊「ホームシアター」をご覧下さい。特にマックイーンをカーツ大佐に想定した75年脚本は、驚くほど魅惑的。現実と幻想の境がいつの間にか失われ、2つの世界を行き来するようなオデュッセイを戦争スペクタクルでごってり味付けしています。
ハックマンとの共演のお話を前述しましたが、この脚本には当初の予定のハックマン=キルゴア少佐を意識した設定が残っていて、例えばロサンジェルス・ドジャースの野球帽をかぶって戦闘ヘリに乗って登場するシークエンスは必読。これは当初のマックイーン=ウィラードを想定して読んでみると実に興味深い展開ともなります。野球帽をかぶってヘリから降りて(サーフィンの話かしない)くるハックマンを、あの独特の表情で見つめるマックイーン...。見たかったなぁ。
詳細は季刊「ホームシアター」にて。

RAID ON ENTEBBE(76)

PICTURE Not Yet
SOUND Not Yet  

 邦題「特攻サンダーボルト作戦」。76年6月27日にエンテベ空港で起きたハイジャック事件。その1週間後の7月4日。イスラエル軍特殊部隊による電撃救出作戦。本作、そして「エンテベの勝利」、「サンダーボルト救出作戦」の3作が競作。日本では本作と「エンテベの勝利」が政治的理由で公開中止に。
 いずれもTVムービーですが、キャスティングは滅法豪華。「エンテベの勝利」が_カーク・ダグラス、エリザベス・テーラー、バート・ランカスター、リチャード・ドレイファス、アンソニー・ホプキンス、ヘルムート・バーガー、リンダ・ブレア。対する本作は_ピーター・フィンチ(遺作)、マーチン・バルサム、チャールズ・ブロンソン、ホルスト・ブッフホルツ、ジョン・サクソン、ジェームズ・ウッズ、ジャック・ウォーデン。スタッフに関して言えば、監督=アーヴィン・カーシュナー、撮影=ビル・バトラー、音楽=デヴィッド・シャイアといった顔ぶれを揃えた本作のほうが1歩リード。
 マックイーンの役柄はピーター・フィンチが演じたイスラエル軍の作戦指揮官。監督はフランクリン・J・シャフナーの予定でした。マックイーンがパスしたのも政治的な悪影響を危惧しての上。TV版の「特攻サンダーボルト作戦」は150分の大作ですが、オリジナルの草案は3時間半の超大作。

(046.jpg)

WAITING FOR GODOT(76)

$149.95

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆


●19 films x 19 directors(Directors include Atom Egoyan, Damien Hirst, Neil Jordan, Conor McPherson, Damien O'Donnell, David Mamet and Anthony Minghella. The exceptional acting talent involved includes Michael Gambon, the late John Gielgud, John Hurt, Jeremy Irons, Julianne Moore, Harold Pinter, Alan Rickman and Kristin Scott Thomas.)
●Documentary: "Check the Gate: Putting Beckett on Film" (52 min.)
●Stills gallery
●Special souvenir book
●Interviews with John Crowley, John Hurt, Richard Eyre, Charles Garrad, Michael Lindsay-Hogg, Enda Huges, Neil Jordan, Anthony Minghella, Patricia Rozema, Charles Sturridge, and Kieron J. Walsh

 監督は「レット・イット・ビー」のマイケル・リンゼイ=ホッグ。
 魂の深淵を掘り起こす「ゴドーを待ちながら」。サミュエル・ベケットの戯曲。53年にパリで初演され、ベケットの名を一躍世に知らしめた本作は、見事なトラジ・コメディー。救済を待つ人間。滑稽な笑いの中に描くは、希望と絶望。孤独と虚無感。
 夕暮れの田舎道。二人の浮浪者がゴドーという人物を待っている。ところが、通りかかるのは奴隷を従えた暴君だけで、いつまで待ってもゴドーは現れない。二人が語らい尽くす滑稽なやりとり。高尚なる“時間つぶし”。ど〜なる、ゴドーを待ち続ける二人。
 「ゴドー」とは? ゴドーとは何物? その名のとおり“神(ゴッド)”の概念を表したもの。この解釈が一般的なのでしょうが、「ゴドー」の解釈、その実は観客一人一人の想いに託されています。誰もが何かを待ち望んでいる。さぁ、問うてきますよ、その普遍的なテーマを。これにマックイーンはチャレンジ。
 この時期、マックイーンは彼のイメージを変えようと試みた時期。それにはイプセンから、という意見もあったのですが、彼はシェイクスピアからチェーホフまであらゆる古典を読破する事に。マックイーンが最終的に選択したのは、不条理劇の前衛作家サミュエル・ベケット。

 ベケットはアイルランドのダブリンに1906年に生れ、1989年パリで死亡。フランス語と英語で作品を書き、日本では1952年に書かれた、この「ゴドーを待ちながら」で最もよく知られています。1969年ノーベル文学賞受賞。しかし彼の作品の映画化に当って2つの問題が。ひとつは、(その当時)それまで彼は映画のために権利を売らない作家(TV化は一回)で有名。そして二つ目の理由は、彼はマックイーンを知らなかった、という事。あらま、なんと。
 本BOX盤は19人の監督よる19作品を収録。本作のオフィシャル・サイトはこちら。 

RAISE THE TITANIC!(76)

EUR 17.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

 邦題「レイズ・ザ・タイタニック」。監督スタンリー・クレイマー、オールスター・キャスト、マックイーン主演(300万ドルの出演料)で企画が進行。マックイーンとクレイマーは、脚本が単調で気に入らないとパス。同時に映画もタイタニック同様に沈没。
 映画は80年にジェースン・ロバーツ主演で公開。この年はマックイーンの遺作「ハンター」が公開されるという、なんとも皮肉なオチがつきます。DVDはPAL独盤がリリースされていますがあまりよい出来ではありません。ラズベリー(ワースト作品、助演男優、脚本)賞にもノミネートされた本作ですが、僕は結構好きなんですけれど。肩の力を抜いたジョン・バリーのスコアもよし。ご興味ある方は下記をクリック!

RAISE THE TITANIC

THE BRIDGE TOO FAR(76)

$14.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

●8-Page Booklet Featuring Trivia, Production Notes and a Revealing Look at the Making of the Film
●Theatrical Trailer

 邦題「遠すぎた橋」。監督が「大脱走」「砲艦サンパブロ」で共演したリチャード・アッテンボローと聞いて出演を検討。マックイーンは2週間の出演で300万ドルを受け取る契約でしたが、結局は降りる事に。マックイーンの役はロバート・レッドフォードに(出演料200万ドル)。レッドフォード曰く「2週間で200万ドルをくれると言うのに出演しないテはないでしょう」。
 マックイーンが降りた理由は私的な部分から。オールスター・キャストの中にマクシミリアン・シェルがいたのをご存知でしょう。以前シェルは、マックイーンの最初の妻ニールと不倫関係にあった事があります。マックイーンはこれが気に喰わなかった。なにしろ妻の浮気を知ったマックイーンは、彼女に拳銃を突きつけて何度も殴りつけた、と伝えられていますから。
 DVDは再発盤/Special Editionが2003年夏以降に登場予定。これから本作のDVDを購入を予定している方は、Special Edition登場まで待つべし。作品の紹介はこちらをクリックしてください。

GRACE QUIGLEY(76)

PICTURE Not Yet
SOUND Not Yet

 邦題「愉快なゆかいな殺し屋稼業」(ビデオ/日本劇場未公開)。主演キャサリン・ヘップバーン。「冬のライオン」の監督でも知られるアンソニー・ハーヴェイによる犯罪コメディ。ある日殺し屋による殺人を目撃してしまった、元気でおチャメなおばあちゃんのお話。
 新人マーティン・ツェイバックが書き下ろした脚本にヘップバーンが惚れこんだのは70年代前半。企画当初からヘップバーンは共演にマックイーンを望みます。彼女はマックイーンに面会を申し入れマックイーン邸に赴きますが、彼は約束の時間が近づくとオートバイで出かけてしまいます。当時の妻でもあったアリ・マッグロウを残して。
 マックイーンの不在を知るとヘップバーンは急にいらつき始め、やがて落ち着きを取り戻すと、「お腹がすいたわ」と自らの空腹をマッグロウに告げます。興奮とナーバスの渦中にあったマッグロウは、彼女に(彼女が欲しがらなかった)サラダと缶詰のスープを出してしまいます。 そこに帰ってきたマックイーン。ヘップバーンは改めて彼に魅了されます。マックイーンもヘップバーンに……。しかし彼女はマッグロウの出した缶詰のスープに不平を行って帰宅します。企画はそれでお流れ。

 ヘップバーンが映画化を実現するのは77歳の時。これは彼女の最後の劇場用映画(「黄昏」の次作)でもあります。マックイーンが演じるはずだった殺し屋の役はニック・ノルティに。この興味深い作品のDVDは、権利問題(倒産したキャノン・グループ作品)がクリアになり次第GOがかかります。現在可能な視聴は米国版VHSのみ。

THE MISSOURI BREAKS(76)

PICTURE Not Yet
SOUND Not Yet


 邦題「ミズーリ・ブレイク」。監督は「俺たちに明日はない」のアーサー・ペン。この馬泥棒と賞金稼ぎの異色西部劇の脚本は新人トーマス・マクゲインで、彼はマックイーンとマーロン・ブランドを想定してシナリオを書き上げました。これを「チャイナタウン」の脚本家ロバート・タウンがアンクレジットでディライト。“「地獄の黙示録」で実現しなかった、支配的な存在感の俳優2人の共演”と噂が先行。マックイーンは途中で興味を無くします。巨額な製作費と共に進行していた企画は脚本を煮詰める間もなく、マックイーンが演じるアウトローの役をニコルソンが演じる事となり76年に完成。興行は失敗。


 マクゲインとマックイーンは2年後「トム・ホーン」で顔をあわせる事に。「トム・ホーン」のDVDは2003年後半ワーナーからリリース予定。「ミズーリ・ブレイク」のDVDは2003年後半にMGMからリリース予定。
 ちなみにこの時期にマックイーンにオファーがあった作品に「タワーリング・インフェルノ」の続編があります。消防隊長マイケル・オハラハンを主人公にしたオリジナルですが、アーウィン・アレンからの依頼をマックイーンは完璧に無視します。これは正解。

THE INSPECTOR GENERAL(76)

$7.95

PICTURE ★★☆
SOUND ★★☆

●Newsreel
●Blooper Reel
●Original Lobby Poster
●Trivia Quiz

 原作はニコライ・ゴーゴリ。映画化も数多く写真紹介の「ダニー・ケイの検察官閣下」などが有名。製作当初から興行面での失敗が噂されていたのが「民衆の敵」。結局アメリカではマックイーン主演にも拘らずおクラ入り(日本では限定公開)。この「民衆の敵」の準備段階で嫌な噂を気にしたマックイーンが、「民衆の敵」を白紙に戻して監督のジョージ・シェーファーに本作のリメイクをどうか、と提案。シェーファーは「そのアイデアは良くない」と説得。結果的にはマックイーンの本能的な選択が正しかったのですが……。

OLD TIMES(77)

PICTURE Not Yet
SOUND Not Yet

 原作はハロルド・ピンターの劇作。ピンターはイギリスの劇作家で、ロンドンでユダヤ人の洋服屋の息子として生まれました。カフカやヘミングウェイの小説にインスパアを受けたというピンターの作品ですが、映画化作品も数多い。これは、ピンターの脚本家としての特性が、ストーリーよりプロットに対する工夫に見出せるからかも知れません。
 DVD化された米国盤ハロルド・ピンター作品は、「召使(63/脚本)」「BUTLEY(74/監督)」「フランス軍中尉の女(81/脚本)」「侍女の物語(90/脚本)」「Mansfield Park(90/脚本)」。変わったところでは、「エマ・トンプソンのウィット/命の詩(01/TV/出演)」「テイラー・オブ・パナマ(01/出演)」。




 本作は(マックイーン自らの製作会社)ソーラー・プロが、ファースト・アーティスト・プロダクションとの最後の作品として準備していた企画。ソーラーはファースト・アーティストとワーナーを相手取って、契約違反の訴えをLA最高裁に提出。ファースト・アーティストが契約した25万ドルの準備金を出さなかったため、マックイーンは本作の準備に5万ドルを使ってしまっていたのです。そしてこの企画は、結局は中止に。共演は、なんとオードリー・ヘップバーンとフェイ・ダナウェイだっただけに実に残念。
本作は91年にTVムービー化。マックイーンの役はジョン・マルコビッチ。ヘップバーンの役は「針の眼」のケイト・ネリガン。ダナウェイの役は「クランング・ゲーム」のミランダ・リチャードソン。

THE BODYGUARD(77)

$14.98

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★

 邦題「ボディガード」。オリジナルはローレンス・カスダンがマックイーンを主人公に想定して執筆。共演はダイアナ・ロス。マックイーンが降りた後に、ライアン・オニール主演で企画が進行するも映画化ならず。15年後、ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの共演で完成。DVD黎明期の本盤ですが、さすがに最新DISCと比べるとブロックノイズ等のMPEG弊害が目立つ場面も。サウンドはダイアローグ、SE共に明快。スコアの響きも印象に残ります。
 さてさて残念なのはその続編のお話。続編は、ケビン・コスナーとプリンセス・ダイアナと共演になるはずでした。後は最後の出演契約書にサインをするだけ。しかし、コスナーが続編の最終稿を受け取った日=97年8月、ダイアナは事故死してしまいます。


THE SCORCERER(77)

$24.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

 邦題「恐怖の報酬(77)」。クルーゾーの傑作サスペンス「恐怖の報酬」のリメイク。監督はウィリアム・フリードキン。本作はマックイーンが非常に興味を持って接した作品。海外ロケが必須であるため、マッグロウの側を離れたくないマックイーンはフリードキンにひとつの条件を出します。彼女と一緒にこの映画に出れないだろうか−−と。彼女の銀幕での仕事を嫌ったり、共演を依頼したりとマックイーンお得意の気紛れが顔を覗かせるエピソードですが、フリードキンはこの提案について躊躇します。
 マッグロウの役は、53年=クルーゾー版の中に見るヴェラ・クルーゾー(クルーゾー監督の奥さんでも)のキャラクターが想定されました。しかしフリードキンは、それでは余りにオリジナルと似かよってしまう事と、中版以降のサスペンス描写に時間を割きたかったために、マッグロウ起用をあきらめます。それはマックイーンの降板も意味したのですが...。
 結局マックイーンの役(オリジナルはイブ・モンタン)はロイ・シェイダーに。しかしフリードキンは後年こう語っています。「マックイーンを主演にしなかった事を後悔しています。彼がこの作品に出ていれば間違いなく傑作になっていたでしょう。考えてもみて下さい。彼は絶対に闘いをあきらめるようなキャラクターではないわけですから」
 日本での劇場公開は92分の短縮版で、何だかつじつまの合ない部分が多々あったの劇場の記憶が蘇ります。オリジナルは122分。完全版DVDは登場済みですが、2003年後半に「Special Edition」が登場予定。スクイーズ、DD-5.1仕様。2-DISC仕様というアナウンスもありますがこれは未定。

THE GAUNTLET(77)

$14.98

PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★☆

●Theatrical Trailer

 邦題「ガントレット」。監督&主演クリント・イーストウッド。脚本草案は、バーバラ・ストライサンドとマーロン・ブランドの共演作として書き上げられました。ブランドが辞退した時点でマックイーンにオファーが回ってきます。この時点で脚本は完璧にマックイーンを想定して再考、仕上げられていました。
 しかしストライサンドはマックイーンとの共演を拒否し、代わりにクリント・イーストウッドを指名。イーストウッドはこの脚本に興味を示しますが、今度はストライサンドの作品への興味がさめてしまいます。結局イーストウッドは、当時の恋人サンドラ・ロックを共演させて完成。77年12月に全米スマッシュ・ヒットを記録します。
 数年前にリリース済の米国盤は、もう少し解像感が欲しいところ。スキントーンはナチュラル。屋外シーンにおけるコントラスト感もたっぷり保たれます。サウンドは5.1chリミックスとはいえ、レンジ感は期待できません。それでも銃撃戦はかなりの迫力。ダイアローグも力強く明快。

CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND(77)

$27.95、16×9、2.35:1、DD 5.1、DTS 5.1、2-DISC、THX

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★☆

●Making-Of Documentary
●1977 Featurette "Watching The Skies"
●11 Deleted Scenes
●Filmographies
●Theatrical Trailers

 邦題「未知との遭遇」。「スター・ウォーズ」がPLAY=遊びの映画なら、本作はPRAY=祈りの映画。「E.T.」が子供の中の大人に語りかけるのなら、本作は大人の中の子供を覚醒させてくれます。これはSFX映画の名作。監督はスピルバーグ。彼はマックイーンに直接交渉を試み実現しますが、「残念ながら、家族の前で涙するようなキャラクターは自分のイメージと違う」と断られます。
 またマックイーンは、この企画が大して話題にならないだろうとも感じていて、製作のコロンビアもまた重要な題材ではないと思っていました。ところが蓋を開けてみれば大ヒット。皆をアッと驚かす事となるのです。
 DVDはどこか軟調な解像感。ハイビジョン放送の映像を観るとその差は余りに大きい。しかし黒再現はディープ。黒階調は多少詰まり気味ですが、スキントーンはナチュラルに再現されています。スピルバーグは、黒色から、あらゆる色彩のスペクトルを経て白色までの、色度図全域を網羅するかのようなルックスを求めました。そのために撮影監督のヴィルモス・ジグモンドは、たっぷりと露光された鮮鋭なネガを作りました。芸術的なルックスと言うより、技術的なルックス。この妙味をたっぷり味わうなら、やっぱりハイビジョン、となっちゃうんですけれども。
 サウンドはDTSが魅力。サラウンドはアグレッシブに活躍するわけではありませんが、音場空間は広大。特にスクリーン奥へと広がる音場は気持ちがいい。LFEエンハンスもパワフル。

THE DRIVER(78)

PICTURE Not Yet
SOUND  Not Yet  


 邦題「ザ・ドライバー」。監督はウォルター・ヒル。マックイーン・シンパのヒルにとっては、この“ゲッタウェイ・ドライバー”役からマックイーンを外したくない。絶対欲しい。脚本もまさに手袋のようにマックイーンのキャラクターにフィット。それ故にマックイーンが降りた後にキャスティングされたライアン・オニールは、どうにもこうにもマックイーンの雰囲気を意識するしか演技方法がなかったといいます。
 米国盤は未発。PAL盤はリリース済。国内盤は16:9/スクイーズ仕様。この国内盤、なかなかお見事。フジフィルム撮りのナイトシークエンス、そのニュアンスを美味しく伝えます。撮影監督は60年代〜70年代にかけて聖林で活躍したフィリップ・H・ラスロップ。代表作は「酒とバラの日々」「卑怯者の勲章」「夕陽の挽歌」「ハメット」等。マックイーンとも「雨の中の兵隊」「シンシナティ・キッド」で顔を合せています。

CONVOY(78)

」12.99

PICTURE ★★★★
SOUND ★★★☆

 邦題「コンボイ」。監督サム・ペキンパー。C.B.マッコールのカントリー・ソングからインスピレーションを得たという本作ですが、マッグロウ(本作に出演)によると数年前からペキンパーとマックイーンが温めていた企画だと言います。健康上の理由で降りたマックイーンの代役はクリス・クリストファーソン。
 日本でもヒットした本作ですが、この作品でペキンパーは最終編集権を奪われ、あの独特のペキンパー風味が霧散してしまいました。これは残念。まぁこの時期のペキンパーはアル中おじさんでしたから、う〜ん、仕方なかったかもしれませんねぇ。

TAI-PAN(78)

PICTURE Not Yet
SOUND  Not Yet

●Theatrical Trailers

 「将軍」のジェームズ・クラベルのベストセラーの映画化。香港の貿易港開発をめぐる活劇。製作費は当時破格の4000万ドル。完成は2部作になる予定で、監督は「ミクロの決死圏」リチャード・フライシャー。10ヶ月の長期ロケをカリフォルニアと東洋で敢行するというスケジュールが組まれ、マックイーンの元にはギャラと利益歩合配分を含めて1000万ドルが入ると言われました。
 1000万ドルの収入を想定しその1割が前払いされる、という契約が実行されなかったため出演を降りる事に。その後、ショーン・コネリー主演、ジョン・ギラーミン監督で撮影に入る事となりましたが、この組み合わせも結局はボツに。映画は86年、監督ダリル・デューク(「サイレント・パートナー」という佳作がありました)、ブライアン・ブラウン主演で完成するものの、ものの見事に失敗。唯一の救いは、撮影監督を“テクニカラーの父”ジャック・カーディフ御大が担当した事か。

QUIGLEY DOWN UNDER(78)

$14.95

PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★

●"The Rebirth Of A Western" Featurette
●Original TV Spots
●Original Theatrical Trailer

 邦題「ブラッディ・ガン(ビデオ題/劇場未公開)」。この作品は大穴の面白さ。オーストラリアの大牧場主=アラン・リックマンが、腕がたつ男を探していると聞いてアメリカから、はるばるオーストラリアにやってきたガンマン=トム・セレック。しかしガンマンは、実は牧場主の目的が原住民狩りであると知る。なんと牧場主は人種差別の極悪人だったのだ。
 このガンマンを演ずるはずだったのがマックイーン。当初の監督は「ハンター」のバズ・キューリック。
 米国盤DVDはMGMから登場。これがまた優秀盤。ルックスは実に柔和。色彩感も鮮明。S/Nも良い。コントラスト感も優秀で、ナイトシーンにおける陰影情報も見事。サウンドはDD-2.0。サラウンド効果は控えめですが巧妙。SEも力強い。

SUPERMAN(79)

$79.98

PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★☆


 邦題「スーパーマン」。マックイーンがオファーを受けたのはスーパーマン役と言われていますが、実はスーパーマンの父親役。マックイーンがパスした後にマーロン・ブランドの出演が決定します。超大作ではあるんですが、こうしたSFXムービーとマックイーンって、イメージが重なってこないんですよねぇ。
 DVDは超大作らしく、豪華限定BOXがお薦め。

 さてさて、前編後編と2回に分けてお届けした「お流れになってしまったマックイーン作品:そのDVD特集」、如何でしたでしょうか? 今年の1月に亡くなった英国の冒険小説家ギャビン・ライアルの「深夜プラス1」の映画化権、これも暫くマックイーンが所有していました。このハードボイルドの教本の如き小説がマックイーン主演で実現して欲しかったとも思いますが、実現せずもまた映画の運命、それもよし、なのかもしれません。
 それでは次夜まで、おやすみなさいませ。良い夢を。

r_bottom.gif
footer.gif