NO.43
堀切日出晴
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第四十三夜
HiVi誌面で紹介し忘れた&紹介し切れなかったDVD特集(下)
さて続いては、新旧作品(オリジナル&リメイク作品)を2タイトルご紹介。
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THE ITALIAN JOB GIFT SET:includes 1969 and 2003 Versions
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まずは「ミニミニ大作戦」、そのリメイク盤とオリジナル盤のご紹介です。
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THE ITALIAN JOB(03):Widescreen Edition
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PICTURE ★★★★☆
SOUND ★★★★★
 
■Studio:PARAMOUNT
■Release Date:07.10.03
■Number of Discs:1
■Running Time:110 min
■Retail Price: $29.99
■Documentaries
■Trailers
■Deleted Scenes
69年にマイケル・ケイン主演で製作された同名映画のリメイク版。オリジナルの舞台はイタリアのトリノ。今回は水の都ヴェニス、そしてLAに舞台を変更。主演はマーク・ウォールバーグとシャーリーズ・セロン(決して“健康美”だけでは終らないイヤらしさがあっていいんだなぁ)に、エドワード・ノートンが絡みます。いやぁ、オシャレで粋で、好きだなぁ、この作品。
そしてもう“一人”の主人公が、最新型のミニ・クーパー。オリジナル作品のクーパーより車体はやや大きめ。しかし、このクーパーが街中や地下鉄構内を小気味よく走り回る姿は、ジャッキー・チェンを髣髴させるかのようなアクション俳優ぶり。




スコープサイズで収録された本盤は、クリーンで柔和な映像。陰影情報も滑らかに再現されます。カラーパレットも艶やかで、特に車体の艶色は見事。スキントーンには、暖色(イエロー系)が若干強めに混ざりますが、この配色デザインはフィルムリソースに起因するものと思われます。屋内(特に暗部)シーンにおいて圧縮の弊害が散見するところもあリますが、映画の集中を欠くレベルではありません。




この円盤はサウンド面での魅力が、映像の魅力を上回ります。フロント側のサウンドステージは、躍動感に溢れ、パンニングの滑らかさも良好で、奥行感の豊かさに支えられた広いステージを持っています。ダイアローグは、常にきわめて明快。低音域のレスポンスも(派手さはないが)卓越しており、LFEもSEを更に引き立たせるために巧妙なデザインがなされています。
サラウンド・チャンネルはアクティブですが、フロント側に比べ若干低めのレベルで収録されています。どちらかと言えば、アクティブ・サラウンドの魅力よりも、暗騒音、雰囲気音の効果を高めるためのサラウンド−−これに魅力を感じてしまうんですけれど。
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THE ITALIAN JOB(69):Widescreen Edition
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PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★
 
■Studio:PARAMOUNT
■Release Date:07.10.03
■Number of Discs:1
■Running Time:99 min
■Retail Price: $29.99
■Audio Commentary
■Deleted Scenes
■Documentaries
■Trailers
「密室(67)」「そして誰もいなくなった(75)」のピーター・コリンソンが監督した、69年オリジナル版。マイケル・ケイン、ノエル・カワード、ラフ・ヴァローネと渋い役者陣も魅力。イキの良いリメイク版に対して、本作のリズムは驚くほどゆったり。ミニ・クーパーの元気の良さはオリジナルでも十分味わえるのですが、クーパーがマイケル・ケインのクールさと絡まって実に美味しい雰囲気を醸し出しています。



これが34年前の作品と考えると、そのクォリティの高さに驚いてしまいます。シャープな映像、ディテイルの再現も優秀。ただし、陰影再現においては、黒が早く引き込む傾向にあります(当時のフィルム感度に起因する)。カラーパレットは退色もなく、その色の純度も高い。
惜しむらくは、完全レストア版ではないため、傷や塵が散見するシークエンスがあるという事。オプチカル処理による粒状ノイズも散見されます。ただし、これらは許容範囲。




サウンドはリミックスDD-5.1。LFEの活躍場所は限られますが、スコアや雰囲気音のアンビエンス効果が楽しめます。問題はオリジナルDD-MONOトラック。裏ジャケットにはMONOトラック収録の表記があるのですが、実際は未収録。これって、どういう事?
パラマウントに照会中ですが、未だ回答は貰っていません。
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SCARFACE:Universary Anniversary Edition Gift Set
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続いては「スカーフェイス」、そのリメイク盤とオリジナル盤のご紹介です。
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SCARFACE(83):Widescreen Anniversary Edition
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PICTURE ★★★★
SOUND ★★★★
   
円盤の仕様はこちら。
ポスター&ロビーカードGalleryは下記の写真をクリックして下さい。

本誌でも紹介済みですが、ここではもう少し詳しく内容をご紹介しましょう。まずは、とにかくこのBOXセットの重量感に驚かれるはず。特典ディスク付きの「スカーフェイス(83)」と「暗黒街の顔役(32)」のカップリング。豪華宝箱には8枚のロビーカードとマネークリップが同梱。
リメイク版はデ・パルマが32年版をコテコテの(なんせ脚本はオリバー・ストーンだ)華美な演出でリメイク。なんたって観所はパチーノ。アクの強いオーバーアクト。F○○K! F○○K!と映画史上最高の回数を叫びまくり、クライマックスはM-16とグラネードランチャーの乱れ撃ち! あんた、そりゃぁやりすぎよ、とわかっちゃいるけど魅せられる。
ミッシェル・ファイファー、このチープなヤク中の雌犬ぶりがまたいいのだ(後年、パチーノと再共演した「フランキー&ジョニー」に拍手しちゃいましたけれど)。
作品の裏側、その詳細は下記のHP(英語サイトですが)で楽しめます。ご興味のある方は辞書片手に、どうぞ。
『The Making of SCARFACE』
転送レートは下記の通り。
Average Bitrate: 6.14Mbps
ちなみにリリース済みのコレクターズ・エディション盤=C.E盤(レターボックス盤)の転送レートは下記の通り。
Average Bitrate:4.48Mbps
MENU-GALLERYは下記の写真をクリックして下さい。

DVD-SHOT拡大版は、青い文字をクリックして下さい。
正直をいうと、本盤のクォリティはモロ手を上げて喜べるものではありません。しかし、なんせ先行のコレクターズ・エディション盤の出来が酷すぎましたから(LB仕様、MPEG圧縮の弊害の巣窟)、スクイーズ仕様の恩恵だけをとっても小躍りしてしまいます。
パチーノのアップ。スクイーズの恩恵で、表情の凄味が浮き上がる!
コントラストが確保され、C.E盤において終始へばりついていたシュートも少なくなっています。ロングショットの情報量は、やはりスクイーズの恩恵。
続いて暗部の再現です。スクイーズの恩恵は暗部階調の表現も豊かに変えました。
まずはこのテロップをご覧下さい。
続いてC.E盤との比較です。C.E盤とアニヴァーサリー・エディション盤(=A.E盤)の差異。文字の再現にしてもこれだけ違います。
C.E盤とA.E盤の差異。
C.E盤
A.E盤(以下を
サウンド面では、リミックスDTS音声が収録された事に注目。極上サウンドとはいえませんが、暴力的なパワーを十二分に伝えてくれます。C.E盤はとにかくS/Nが悪かった。この改善だけでも嬉しいなぁ。ただし、本作が20年前の作品であり、サウンド・リソースの仕上りもあまり良くなかった事を頭に入れておいて下さい。
PICTURE ★★★☆
SOUND ★★★
 
円盤の仕様は以下の通り。
■Alternate Ending (8:19)
■DVD Release Date: 30.09.2003
■Chapters 18
こちらはギャング映画史上に燦然と輝く、ホークスの不朽の名作「暗黒街の顔役」。
“スタジオの意向?そんなもん忘れちまえ!”と製作者のハワード・ヒューズは新鋭監督ホークスのケツを叩き続け、“可能な限り生々しく、刺激的で、怖い映画に仕上げろ!”とハッパをかけまくりました。
結果はご覧の通り。70年を経た今も、本作が魅せる大胆でシニカルな暴力性が観る者を熱くする。名手リー・ガームスが彫刻する冷徹なカメラ美術は必見!
ポスター&ロビーカードGalleryは下記の写真をクリックして下さい。

転送レートは下記の通り。
Average Bitrate: 8.68Mbps
MENU-GALLERYは下記の写真をクリックして下さい。
スタンダード。モノクローム。モノーラル。トーキー初期作品の魅力、そして映画の基本の魅力がたっぷり詰まっています。
御年71歳の作品ですから、ハイファイな映像を期待するのが酷というもの。しかし、クローズアップの凄味など、ハッとさせられる事しきり。

こういう細かいカットの再現性に注目です。
ちなみに本盤は単品売りナシ。BOXセットのみの贈り物です。別エンディングは必見ですぞ。
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CASABLANCA:2-Disc Special Edition
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PICTURE1★★★★☆
SOUND1★★★★
  
旧き良きものは、常に新しい。
ワーナーが贈る名作「カサブランカ」、その公開60周年記念特別盤。更に本盤はR-ALL仕様。幾度も再発されてきた本作ですが、クォリティはその頂点に立ちます。
今回、作品の完全修復に挑んだのは、名盤「北北西に進路を取れ」、「白雪姫」から「サンセット大通り」、そして「アドベンチャー・オブ・インディアナ・ジョーンズ」のローリー・デジタルイメージ。深い陰影の端正な映像。厳密なフレーミング。古典的なソースライティング。円盤から溢れ出す新たなる発見が一杯です。
 

「アドベンチャー・オブ・インディアナ・ジョーンズ」を例に挙げれば、傷痕や塵をデジタル修復する"パラ消し"箇所、3部作でなんと総数97万箇所以上。更にカラーコレクションによる精密な色調補正、コントラスト、ガンマの見直し、と映画の年月を感じさせません。
DVD-SHOTをご紹介しますが、HiVi誌面でも早くから取り上げていた、“スピルバーグが最も気にしていた、コブラのショット(ハリソン・フォードと蛇との間にガラスがあるのがわかる)”、このカットのデジタル修正も見事に行なわれていました。
さて「カサブランカ」のお話に戻りましょう。
このR-ALL盤に関してロバート・ハリス(「スパルタカス」「アラビアのロレンス:完全版」等の、有名な修復監修者)は、以下のように本盤を絶賛しています。
「これは、劇場公開の美しいプリントに、最も近い状態にまで磨き上げられた傑作盤です。特に、グレーの階調、ガンマの見直し、コントラストの向上と、息を呑むショットが連続します。映像面においても、音声面においても、『カサブランカ』は賞賛に値します。私がこの10年間で見た最高の修復作品だと言えるでしょう。」
それではこのR-ALL盤と、既にリリース済みの通常盤との比較を行ってみましょう。
まずはポスターGalleryです。各DVD-SHOTをクリックして下さい。

各円盤の仕様は以下の通りです。
通常盤
R-ALL盤
転送レートは下記の通り。
通常盤
Average Bitrate:4.95 Mbps
R-ALL盤
Average Bitrate:6.10 Mbps
MENU画面比較です。以下青い文字をクリックしてください。
通常盤
R-ALL盤
比較DVD-SHOT拡大版です。
紙の光沢感と共に、そこに書かれる鉛筆文字の力感の違いに注目。ミシン目の立体感の差異も大きいですよ。
通常盤
R-ALL盤
鳥の立体感。壁面に描かれる文字のシャープさ。壁面の陰影描写の違いをご確認ください。
通常盤
R-ALL盤
髪の毛のディテイル、衣服の質感に注目して下さい。静止画面では伝わりにくいかもしれませんが、(動画再生すると)室内の空気感の違いが明確です。
通常盤
R-ALL盤
屋外の人物ショットは、とりわけモノクローム映像となると、その再現は難しいものとなります。強い陽光が当たっている部分。陰になっている部分。特にボギーとバーグマンの表情(陰影部)の再現に注目です。
通常盤
R-ALL盤
バーグマンのクローズアップです。美しいなぁ。
通常盤
R-ALL盤
さて本作は同様の仕様で国内盤もリリースされています。国内盤の平均転送レートは米国盤と同様の6.10 Mbps。ただし、ご注目。
本誌でも触れましたが、米国盤と国内盤には若干の差異があります。先程紹介した「鳥のカット」で3種の差異を比較してみましょう。国内盤に比べて米国盤の方が、若干クォリティが高いのがわかるはずです。
通常盤
国内盤
R-ALL盤
さてさて、気がつけば今年もあと僅か。皆さんがこの番外の地「四十三夜」をご覧になる夜は03年、それとも04年?
良いお年を。そして、あけましておめでとうございます。
いずれにせよ、それでは次夜まで、おやすみなさいませ。良い夢を。
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