第四十六夜
◆PICK UP DISC:CHARADE
TITLE:CHARADE:Criterion Collection
| Studio |
Criterion Collection |
| Year |
1963 |
| Running Time |
1:53:24 |
| Aspect Ratio |
16x9 encoded 1.82:1(Original Aspect Ratio) |
| Audio |
MONO DD English |
| Subtitle |
ENGLISH,FRENCH,SPANISH and NONE |
| Special Features |
■Commentary by director Stanley Donen and screenwriter Peter Stone
■Theatrical trailer(s)
■New anamorphic transfer with restored image and sound
■「The Films of Stanley Donen」:a selected filmography with an introduction by Donen biographer Stephen M. Silverman, plus Peter Stone career highlights
■Chapters 22
■Accompanying booklet with an essay by Bruce Eder
■Color bars |
| Release Date |
2004.04.06 |
邦題「シャレード」。
主演はオードリー・ヘップバーン。そして、ケーリー・グラント。
聖林ミュージカルを語る上で外せないのが、スタンリー・ドーネン。「踊る大紐育」、「雨に唄えば」、「掠奪された七人の花嫁」といった聖林ミュージカルの代表作を手掛け、ヘップバーンとのコンビ作も「パリの恋人」、「シャレード」、「いつも二人で」と多彩。その彼が63年に監督したのが本作だが、もとはと言えばヒッチコックとヘップバーンの初コンビ作として企画された作品。
演出がヒッチコックからドーネンに変り、聖林はみんな心配した……ドーネンがサスペンスを撮れるんだろうか?映画ファンも、この作品は作らん方がいいんではないか、とウワサした。果して仕上がりは?
結果はとても肌触りのよい、粋で、モダンなサスペンスに仕上がった。ドーネン、見事。ヘプバーン34歳。グラント59歳。いやぁ、魅せる、魅せる。名曲「ムーン・リバー」(ヘンリー・マンシーニ、ベスト・ワーク!)を聴くだけでもお釣りがくるサスペンス・ロマンの名作。共演はウォルター・マッソー(絶品)、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディ。う〜ん、なんたる贅沢。
なお本作はその後2作品がリメイク。N.Y.を舞台にファラ・フォーセット、ジェフ・リッジスが繰り広げるサスペンス・ロマンス。「Somebody Killed Her Husband/邦題:シャレード79」のタイトルで公開された78年版。監督は「リップスティック」のラモント・ジョンソン。そして「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミがオリジナルに忠実に演出した 02年版「The Truth About Charlie/日本劇場未公開(DVDタイトル「シャレード」)」。主演は マーク・ウォールバーグ、サンディー・ニュートン、ティム・ロビンス。ヒッチコック版はこちらに近い仕上がりになっているはずですが、いかんせんヒロインがニュートンでは弱い。
99年にクライテリオンから登場した「シャレード」ですが、4月に再発された本盤の最大の魅力はスクイーズ仕様になっているということ。両盤の比較画面は後述するとして、ここではマスターの違いを記しておきましょう。
99年版CRI-DVDは、オリジナル63年公開マスターからのFILM-to-TAPE変換。04年CRI-DVDは、02年限定公開/ニュープリント・マスターからのFILM-to-TAPE変換(このプリントは、フランス他ヨーロッパ地区、及びニューヨークにおいて限定公開)。
全体的な傾向はカラーパレットの見直しが施され、より自然なトーンが再現されました。が、フィルム・リソースの経年変化による傷痕は、完全には修復されていません。時折、傷痕や付着塵、粗粒子のカットも見受けられるのですが、明らかに映像トリートメントの効果が確認でき、一貫して鮮度の高い映像をプレゼンテーションしてくれます。鮮鋭感の向上に伴って懸念されたシュート等のエッジエンハンス弊害も僅少。
■score;A−
同梱のDISC-BOOKLETにはThe sweetened sound was created from the 35mm magnetic tracksと記載があります。02年公開版でドルビーデジタル(MONO)ミックスされたサウンドトラックですが、クライテリオンではサウンド・マスターをトリートメント。「sweetened」には「和らげる」という意味の他に、「より魅力的にする」という意味があります。
製作年度を考えればDレンジ感は期待できませんが、ミッドレンジの濃厚さには好感が持てます。ダイアローグは若干平坦に聞こえる部分もありますが、常に明快で混濁がありません。ヘンリー・マンシーニのスコアをステレオ再生したい! という「ムーンリバー」症候群の方もいるでしょう。でもちょっと待って。まずはモノーラル音声が醸出す(こけおどしとは無縁の)音場空間に酔い痴れてください。美味ですよ。
■score;B+
本作の「HiVi-SHOWCASE」は、クライテリオン旧盤との比較を行ないましょう。
クライテリオン旧盤のスペックは、以下の通りになっています。
■Running Time=1:53:12
■Aspect Ratio=Widescreen Letterbox encoded 1.89:1
■Audio=MONO DD ENGLISH
■Subtitle:ENGLISH,FRENCH and NONE
Edition Details は、以下の通りです。
■Commentary by director Stanley Donen and screenwriter Peter Stone
■Theatrical trailer
■The Films of Stanley Donen: a selected filmography with an introduction by Donen biographer Stephen M. Silverman, plus Peter Stone career highlights
■DVD Release Date: 1999.11.02
■Chapters 22
フィルム・リソースの差異と同様に、FILM-to-TAPE変換工程にも5年の歳月の差異があり、テレシネ機器の進歩に依存するクォリティ差も大きいことがわかります。これは大画面再生すればするほど表出してきます。
転送レートは、旧盤=Average Bitrate:7.43 Mbps、新盤=Average Bitrate:8.7 Mbpsとなっています。

MENU画面比較です。下記のDVDジャケット写真をクリックして下さい。
OLD

NEW

次はDVD-SHOTを比較してみましょう(上=旧盤、下=新盤)。青い文字をクリックしてください。
カラーコレクションがなされています。RGB彩色におけるG色系に色相が寄っていた旧盤に対して、新盤ではR色系を補正しています。
比較画面その1
コントラストとガンマカーブの見直しによって、階調表現が豊かになり、映像に立体感がプラスされます。グレースケールで20%以下の階調が暗部に引き込まれやすかった旧盤(黒の引込みが早いルックス)に対して、新盤は微妙な階調を描写します。紙面の文字の描写にも注目。
比較画面その2
細部に渡るトリートメントによって微妙な奥行感が描写され、構図の中に収まるさまざまな被写体のディテイルが浮かび上がるのがわかるはずです。フィルター処理やライティング・デザイン、その後の現像処理によって、軟調で柔和なルックスを醸し出すショットも随所に見られますので、美味な聖林タッチな映像を上手に引き出してください。
比較画面その3
旧盤、新盤共にオリジナル・アスペクトに準じています。旧盤=1.89:1、新盤=1.82:1というアスペクトの差異は公開マスターに起因するもの(初公開アスペクト比に忠実という意味では、旧盤の収録映像比率が正解)。また、この2バージョンには画面表示にも微妙な違いがあります。アスペクトの差異を比較してみましょう(上=旧盤、下=新盤)。青い文字をクリックしてください。
比較画面その4
さて前述した02年版「The Truth About Charlie」、そのDVDコレクターズ限定盤/ユニバーサル盤には63年版「シャレード」が同梱されています。ユニバーサル盤もスクイーズ仕様。これに歓喜した映画ファンも多かったのですが、実はユニバーサル盤とクライテリオン新盤との間にもクォリティの若干の差異があります。
ユニバーサル盤の転送レートは下記の通り。
Average Bitrate:5.15 Mbps

アスペクト比は1.82:1と共通ですが(クライテリオンと同じく、02年限定公開/ニュープリント・マスターからのFILM-to-TAPE変換)、MENU画面が異なります。平均転送レートがクライテリオン盤=8.7 Mbpsに対し、ユニバーサル盤は5.15 Mbps。
数値ほどの明らかな差異はないのですが(フィルム・リソースの優秀さを物語ります)、大画面再生では解像感、S/N感、黒レベル、カラーパレットの差異が表出します。
写真では微妙な違いがきっちりとお伝えできないかもしれませんが、2バージョンの画面比較=DVD-SHOT(Largeサイズ)をお届けしましょう(上=ユニバーサル盤、下=クライテリオン盤)。青い文字をクリックしてください。
比較画面その5
そんなわけで、新しく登場した「マイ・フェア・レディ」、立派なお色直しとなっていますよ。前作をお持ちでない方は、是非本盤をご購入ください。当然、4月登場の国内盤にもこのようなクォリティの差異が確認できるはずです。
ところで新作が続々リリースされるCRI-DVDですが、発売中の季刊「ホームシアター」Vol.26/2004年夏号にて「クライテリオン-DVD:Vol.4」を特集しています。こちらも併せてご覧下さい。
|