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[scoreについて]
第四十八夜


◆COMING-SOON DISC

 7/17発売のHiVi8月号の「映画HAKKEN伝」NEWSで、オーストラリア盤「マトリックス:Ultimate Collection」の紹介をしていますが、その後(7/8)UK盤の情報が届きました。オーストラリア盤は“9枚組”とアナウンスされていますが、UK盤は“10枚組”仕様となっています。リージョンコード4を有するオーストラリア盤は、作品によってはその他PAL盤や米国盤とは異なる仕様のDVDを発売してきましたが、今回はどうなるのでしょう?(※今回は、最終的にUK盤仕様に統一されそうな気がしますが)
 「米国盤:番外地」でPAL盤の話題というのもコーナー違いのようなのですが、「マトリックス」と言えばワーナー印。現時点でオフィシャル・アナウンスはありませんが、同時期に(おそらくUKと同仕様で)米国盤が登場する可能性も大です。
 UK盤のリリースは12/6。価格はEUR 44.99。気になる仕様は以下の通り。

DISC-1;THE MATRIX
■All-new transfer supervised by the Wachowskis, and director of photography (DP)Bill Pope.
■Audio commentary by Keanu Reeves, Carrie Anne Moss, Laurence Fishburne, DP Bill Pope and other cast and crew

DISC-2;THE MATRIX REVISITED (180 Minutes)
■Same special features as previous release
■Offers comprehensive behind-the-scenes look at the first film in the trilogy

DISC-3;MATRIX RELOADED EXTENDED VERSION (190 Minutes)
■New cut incorporating 55 minutes of footage shot for the 'Enter The Matrix' game
■Audio commentaries by Keanu Reeves, Carrie-Anne Moss, Laurence Fishburne, Jada Pinkett-Smith, Production Designer Owen Paterson, 2nd Unit Directors David Ellis and Kimble Rendall and other cast and crew

DISC-4;MATRIX RELOADED REVISITED:Special Features (180 Minutes)
■Includes all new footage including dozens of never-before-seen cast and crew interviews, scene dissections, explorations of the production design and special effects, and more

DISC-5;MATRIX REVOLUIONS
■Audio commentaries by Keanu Reeves, Carrie-Anne Moss, Laurence Fishburne, Special Effects Supervisor, John Gaeta; editor, Zach Staenberg and other cast and crew

DISC-6;MATRIX REVOLUIONS REVISITED:Special Features (180 Minutes)
■Includes all new footage including dozens of never-before-seen cast and crew interviews, scene dissections, explorations of the production design and special effects, and more

DISC-7;THE ANIMATRIX
■Same special features as previous release

DISC-8;THE ROOTS OF THE MATRIX:Special Features (180 Minutes)
■The Matrix and the History of the Action Genre - Examines the many influences of action cinema that make up The Matrix
■Brainiacs' Revenge - Scholars, Philosophers, Theorists, and Charlatans deconstruct the intellectual underpinnings of the trilogy
■The Science Behind the Fiction - Is the notion of a real Matrix plausible? An investigation of the technologies that inspire the metaphor of The Matrix

DISC-9;THE BURLEY MAN CHRONICLES:Special Features (75 Minutes)
■The Burley Man Chronicles - The "Human" story of the making of the Matrix, as well as the game Enter the Matrix
■Rave Reel- A club-oriented montage of unused and newly edited footage from Reloaded
■ Spoofs of the Matrix -The "Best-Of" these various clips

DISC-10;THE ZION ARCHIVE:Special Features
■Zion Archive - Production assets developed for the Matrix universe, including concept artwork, storyboards, drawings, etc
■Basic ROM Features
20-page soft cover MATRIX booklet
 国内盤の登場を待つ方も多いかと思いますが、冷静に考えると「DISC-3」だけ欲しい、なんて人も多いんじゃないでしょうか?
 さて、それでは「PICK-UP DISC」のコーナーに移りましょう。今夜お届けするDISCはこの1枚。
◆PICK-UP DISC
TITLE:THE GODFATHER:Widescreen Collection



Studio Paramount
Year 1972
Running Time 2:55:18
Aspect Ratio 16x9 encoded 1.78:1
Audio 5.1 DD English,2.0 DD French
Subtitle ENGLISH and NONE
Special Features ■Commentary by Francis Ford Coppola
■Chapters 23
Release Date 2004.05.11


THE MOVIE
 
 邦題「ゴッドファーザー」。
 この作品で複雑な人間像を見事に表現したマーロン・ブランドですが、この7月1日に天寿を全うしました。享年80歳。
 彼が47歳の時に完成した「ゴッドファーザー」ですが、この映画で「欲望という名の電車(51)」や「波止場(54)」といった作品で名声を確立した、50年代の“ブランド・アクト”の完成度を取り戻しました(※およそ20年という時間が流れました)。
 結婚式。牛の頭。未遂に終わるドン暗殺。堅気の末弟の復讐。長兄ソニーの死のトンプソン・ダンス。凄絶な抗争。そして、陽光さす庭で孫と戯れ、やがて喘ぎながら倒れるドン・コルレオーネ。もはやこれは、偉大なシーンの百科事典。その一瞬一瞬が、驚くほど力強い。しかし想い浮べて欲しい。あの静かな開幕を。
 黒味の映像。マリー・プーゾの悲しげな主題曲が静かに流れ出す。遠慮がちに浮かび上がるタイプ−Paramount Presents。それがそっと消えていき、同時に静かに浮かび上がってくるタイトル−MARIO PUZO'S The Godfather。この静寂なるフェードイン、フェードアウトが、この映画のテーマ。結局ははかなく消えていく人の命。それは、静かに消え行く蝋燭の炎のよう...。
 現在、限定公開中(デジタル・リマスター版)の本作ですが、映画館でも、家庭劇場でも、まずはこの黒味に注目です。ここから総てが始まり、後は“あっという間の”3時間の極上に身を任せればいいのです。

■score;A+

IMAGE-TRANSFER QUALITY
  
 愛すべきゴードン・ウィリスの撮影絵画。このカメラ美術の極上を観るだけでも、お釣りはたっぷり戻ってきます。とりわけ金粉を塗したかのような琥珀色に耀くルックス。低色温度のライトを用いたトップ(頭上)からのライティングに唸り、ロー・ライトレベルにもかかわらず、しっかりと被写界深度が確保されている魔術に仰け反ってしまいます。いやぁ、凄いわ、これは。
 昨年から今年初めにかけて制作されたデジタル・マスターは、その段階で劇場限定公開プリントとDVD制作のマスターとしてフル稼働することとなります。「ゴッドファーザー」の映像アーカイヴにおいて、コッポラは2つのプレゼンテーションの並行作業を念頭に入れていたわけです。ここにコッポラの凄さがあるのですが、今年登場した「ワン・フロム・ザ・ハート」に至っては、劇場限定公開プリントとDVD制作、そしてD-THEATER(しかもR-1〜4仕様)制作をも同時ターゲットに入れています。
 本作のレストレーション担当したのは、「北北西に進路を取れ」「白雪姫」「サンセット大通り」「カサブランカ:公開60周年記念版」「インディ・ジョーンズ:トリロジー」等々の修復美術画で俄然注目のローリー・デジタルイメージ。
 映像傷痕の補正をリアルタイム処理する「オリバー」機能、ガンマ補正機能を飛躍的に向上させたダビンチ2Kプラス採用のカラーコレクションを備えた、HDテレシネ「CINTEL C-REALITY/DSX」によるアーカイヴ絵画は、“あらゆるタイプのフィルムにおいても柔和なルックスが可能で、細密な暗部階調を再現する”という謳い文句を実証して魅せてくれます。静かなる絵と音の凄味、これが滲み出す妙味は「HiVi-SHOWCASE」で。
 さて同様のお色直しを施されたPart2、そしてPartの登場は10月の予定。いやはや、これまた楽しみですなぁ。

■score;A

AUDIO-TRANSFER QUALITY
  
 コッポラ映画の編集&音響編集の“顔”ウォルター・マーチ(「地獄の黙示録」「タッカー」等でコンビを組む)が本作の音響担当と思われている方もいるようだが、彼は本作ではポスト・プロダクション・コンサルタントとしての参加。本作の音響デザインの中心人物は、同時録音の魔術師クリス(クリストファー)・ニューマン。「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」から、全編同時録音を敢行した「羊たちの沈黙」と、マーチからも尊敬を受ける職人肌の音響デザイナーです。
 本作でも彼の同録マジックは全開。なんせコッポラの即興演出がいつ飛び出すかわからない現場ですから、アドリブの完全収録は必須項目。このダイアローグの明快さにおいて、明らかに今回登場の本盤の方が「TORILOGY-DVD」を上回ります。巧妙なトリートメントにより、ダイアローグに明快さが蘇ったシークエンスが多々あるのがわかるはず。
 オリジナルはモノーラル。97年に全米限定公開された時点で、ドルビーデジタル・サウンドトラックとDTSサウンドトラックをリミックス、劇場で初披露されました。本盤では(「TORILOGY-DVD」同様に)DTSトラックは未収録。コレはちと残念でもありますが、ダイアローグ、SE、スコアに鮮度をもたらしたサウンド・プレゼンテーション、そのトリートメントに拍手です。30年以上の時間の溝。そこに息づく音の魂。最新映画のそれとは一線を画す、時代の音が魅せる極上がここにあります。

■score;A−

HiVi-SHOWCASE
  
本盤の平均転送レートは、Average Bitrate:5.96Mbps。

 「HiVi-SHOWCASE」では、2001年10月に登場した5枚組「ゴッドファーザー:トリロジーBOX-SET」に収まったPart1との比較を行ってみましょう。DVD-SHOTを使用して詳細をご紹介いたしますが、その前に前述のHDテレシネ「CINTEL C-REALITY/DSX」の詳細、ならびにダビンチ2Kプラス採用のカラーコレクションのデモンストレーションをご覧下さい。「ゴッドファーザー」をより愉しむための「HiVi-SHOWCASE」、その基礎知識です。下の写真をクリックして下さい。





 ちなみに「CINTEL C-REALITY/DSX」が対応する2k(2048x1556)スキャニング、4K(4096x3112)スキャニングの差異はどのようなものなのでしょう。参考までに下の写真をクリックして下さい。



 「ゴッドファーザー」は2KスキャンされたDVDですが、CCD方式でスキャンされた「トリロジーBOX-SET」と、C-REALY(光電素子方式)でスキャンされたNEW「ゴッドファーザー」とでは、その後の工程を含めて下記のような差異が表出します。
 ここでは終幕近くのカットを使って、その差異を確認してみましょう。上が04年版=SINGLE-DVD、下が01年版=TORILOGY-DVDになります。

 比較的平均輝度が低く、手前と奥に人物が配置され、部屋も別の部屋になるという映像再現の難しいカットです。このカットを拡大してポイント・ヴューしてみましょう。
 まずは手前の壁の模様です。ローライトレベルでのディテイル再現は、とりわけ大画面再生ではとりわけ大きな差異となって現れます。
比較画面その1

 続いて手前の人物=ダイアン・キートン。アウトフォーカスですが、当然解像感が違えば、ボケ方のニュアンスも違ってきます。こうした再現は非常に重要です。
比較画面その2

 最後に奥の人物=アル・パチーノ。ライティングの異なる奥の部屋で、人物がどのように浮かび上がるか。新しいドンとなったパチーノの無気味。ヤクザと堅気の世界を部屋を2分することで表現した素晴らしいショットだけに、Film-to-Tape転送における映像情報の欠如を最小にとどめねばなりません。逆光の窓、カーペットの映像情報の差異にも注目してください。
比較画面その3

 今夜の「ゴッドファーザー」夜話、いかがでしたでしょうか? 10月に登場予定のPart2、そしてPart3がどんなお色直しで登場するか、楽しみなところです。
 さて気がつけば、終演のお時間。
それでは次夜まで、おやすみなさいませ。よい夢を。

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