第五十五夜
◆COMING-SOON DISC
来年の1月と2月に登場するDVDの中から、ちょっと気になる作品を2作ご紹介しましょう。

まずはニール・ジョーダンの傑作サスペンス「クライング・ゲーム:コレクターズ・エディション」です。
リリースはライオン・ゲートから05年1月25日の予定。
価格は$19.98。仕様は以下の通りです。
■New Remastered 16:9 Transfer
■New DTS and DD 5.1 Audio
■Audio Commentary with Director Neil Jordan
■Alternate Ending with optional Director Commentary
■「Northern Troubles」:featurette
■「Making Of An American Independent」:featurette
■Trailers


続いてはスタイリッシュなTVシリーズ「マイアミ・バイス:シーズン1」。
リリースはユニバーサルから05年2月8日の予定。
価格は$59.98。ファーストシーズンの21エピソードと、2時間のパイロット版を収録しての登場となります。仕様は以下の通り。
■New Remastered 1.33:1 Full Frame Transfer
■Remixed DD 5.1 Audio
■Series introduction from Michael Mann
■Featurettes:The Vibe of Vice
■Featurettes:Back Story「Miami Vice」
■Featurettes:The Fashion
■Featurettes:The Music
それでは今夜の「PICK-UP DISC」の紹介とまいりましょう。
◆PICK-UP DISC:1 TITLE;HELLBOY:Director's Cut

| Studio |
COLUMBIA TRISTAR HOME VIDEO |
| Year |
2004 |
| Running Time |
2:12:37 |
| Aspect Ratio |
16x9 encoded 1.85:1(Original Aspect Ratio) |
| Audio |
5.1 DD ENGLISH,5.1 DD FRENCH |
| Subtitle |
ENGLISH,FRENCH and NONE |
| Special Features |
DISC-1
■Director's Commentary - new commentary from
Guillermo del Toro, exclusively for the Director's Cut DVD
■Composer's Commentary with isolated score
■Video Introduction to Disc 1 by Guillermo del Toro
■DVD ROM - Director's Notebook, Printable Script and expanded Script Supervisor's Book
■Eight Branching DVD Comics by Mike Mignola - A never-been-done DVD feature containing eight Branching DVD comics by Mike Mignola - an onscreen look at Hellboy comic books with all new expanded text from Guillermo del Toro
■"Right Hand of Doom" Set Visits and Factoids
■Expanded Storyboards:
picture-in-picture storyboard track plays
simultaneously with the film
■Easter Eggs
DISC-2 (Content as Special Edition Bonus Disc)
■"Hellboy: The Seeds of Creation" :
This 2 hour documentary focuses on bringing Hellboy from script to screen
■4-Animatics:
■5 Board-A-Matics:
side-by-side comparison of scenes with the animated storyboards
■Weblink - Hellboy merchandise
■3 deleted scenes with optional commentary
■Scene deconstruction:
Director Guillermo del Toro walks us through the evolution of a scene from his sketches to the storyboards to the finished scene
■Kroenen's Lair:4 storyboard to film comparisons
■Maquette Rotations Gallery
■Poster Explorations for the Hellboy theatrical campaign
■Filmographies
■Previews
DISC-3 (ALL NEW)
■Cast Video Commentary with Ron Perlman, Selma Blair, Jeffrey Tambor and Rupert Evans
■Production Workshop featurettes
■Q&A Archive: Comic Con 2002 featuring
Guillermo del Toro, Ron Perlman and Mike Mignola
■A Quick Guide to Understanding Comics with Scott McCloud
■Video Introduction to Disc 3 by Ron Perlman
■Production Design Photo Gallery
■Mike Mignola Pre-Production Artwork
■Conceptual Art Galleries
■Chapters
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| Release Date |
2004.10.19 |
邦題「ヘルボーイ:ディレクターズ・カット」。
2年後の続編公開も決定している人気アメリカン・コミックの映画化作品。監督は「ブレイド2」のギレルモ・デル・トロ。アナーキーさと紙一重の、彼独特の力強いリアリズムは、活躍の場を聖林に移しても健在です。
HiVi本誌では先行のアメリカ公開・短縮版を紹介しましたが、本盤は長尺ディレクターズ・カット版。しかし日本公開では本版が上映されましたから、劇場に通われた方は体験済みのバージョンです。仕様は掲載写真の通り、3-DISCバージョンと、さらにフィギュアを同梱した限定盤(ディスク仕様は3-DISCバージョンと同じ)がリリース。
3-DISCの外観は写真の通り。なかなかオシャレなデザインとなっています。但しディレクターズ・カット盤に関しては、初めからリリースしてくれればよかったのに、という感想が正直なところ。
■score;A
映像はアスペクト1.85:1のスクイーズ仕様。
COLUMBIA TRISTAR HOME VIDEOは、近作では「ヘルボーイ」と同じような2バージョン・リリースで、「アンダーワールド」の劇場公開盤とエクテンデッド・エディション盤(10月にはスーパービット盤も登場した)を登場させています。「アンダーワールド」はエクテンデッド・エディション盤におけるクォリティ・アップが確認できました、本作では「アンダーワールド」ほどの差異はありません。しかし細かなところに注目すると、暗部におけるS/Nがアップしており、先行盤で時折散見されたエッジエンハンスの弊害が緩和されています。
画面を占めるカラーパレットは、デル・トロが好みとする黒とブルー、そしてゴールデン・アンバーが大半を占めます。とりわけどっぷりと沈んだ黒レベルと、白飛びも辞さないかのようなハイライトが織りなすコントラストが、キャラクターに強烈な存在感を塗布して魅せています。
■score;A
サウンドはオリジナル・ドルビーデジタル(以下DD)-5.1音声を収録。
デビッド・フィンチャー作品や「X-メン」「トゥームレイダー」のスティーブ・ヴォデッカーの音響デザインは、極めつけのマルチチャンネルサウンドを聴かせます。分解能に優れ、ダイアローグも終始明快。音響効果の愉しさに溢れていますが、スクリーン側に重心を置いたデザインとなっているところに好感が持てます。サラウンドは活劇シーンで大活躍。サラウンド側のパンニングも実に滑らかです。LFEは強烈!とりわけ衝撃音は部屋を揺さぶるほどにパワフルですが、重低音が連続しますのでお化けの音_ドロドロドロ〜ンとならないように。
■score;A+
さてギレルモ・デル・トロの監督作といえば、スペイン色たっぷりの傑作ホラーを紹介しなければいけないでしょう。
◆PICK-UP DISC:2 TITLE;THE DEVIL'S BACKBONE:2-Disc Special Edition
| Studio |
COLUMBIA TRISTAR HOME VIDEO |
| Year |
2001 |
| Running Time |
1:47:41 |
| Aspect Ratio |
16x9 encoded 1.85:1(Original Aspect Ratio) |
| Audio |
5.1 DD SPANISH |
| Subtitle |
ENGLISH,and NONE |
| Special Features |
■Director's commentary
■4 Deleted scenes with optional commentary
■6 Behind-the-Scenes featurettes
■Storyboard Thumbnail Comparison
■Photo Gallery
■Chapters 28
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| Release Date |
2004.07.27 |
邦題「デビルズ・バックボーン」。
デル・トロといえば92年の吸血鬼映画「クロノス」で注目され、97年にはバグズ・ホラー「ミミック」で聖林に進出した監督さん。独特な雰囲気のホラーが彼の専売特許です。本作はスペインで撮り上げた01年監督作品。
今回の舞台はスペイン内乱時の孤児院。荒れ果てた土地に根を下ろすようにたたずむ石造りの寄宿舎。これだけでじわりと異様な雰囲気が漂い出します。主人公は12歳の少年カルロス。この孤児院には、幼児を漬けたラム酒を飲む老牧師やら、義足の女院長やら、教育を施すはずの大人たちが何やら不気味。しかもカルロスは奇妙な囁き声や物音に悩まされるようになり、ある夜、ついに見てしまいます、青白き少年の幽霊を...。
映画の前半はテンポよく登場人物を活写していきますが、巧みに観る者を誘い込み、デル・トロ風味の強いホラーの幕開けを予感させる描写が出色です。しかし本作はスプラッター色の強いホラーと言うよりも、悲しみに満ちた怪奇譚として楽しんで頂きたいもの。しかも映画全体に催眠術的なトーンが漂っていて、これがまた美味しいのだ。国内盤は12/10登場予定。
■score;A
映像はアスペクト1.85:1のスクイーズ仕様。
本作でも“デル・トロ色”である黒、ブルー、ゴールデン・アンバーの魅力がたっぷりです。とりわけ、ねっとりとした暖色系色のレイアウトが素晴らしい。Film-to-Tape転送の仕上がりは見事。スーパービット・タイトルを観るような鮮鋭さを持っています。黒レベルも重心が低く、階調表現もリニアに推移します。きめ細かなテクスチャーが目に飛び込んでくるカイカンに酔い痴れてください。
撮影は「ヘルボーイ」のギレルモ・ナヴァロ。光が潜在的に所有する豊穣さをより効果的に表現するために、ナヴァロはさらに光の濃度を上げてきます。ゆえに色彩はこってりと、艶やかに再現されることになるわけです。彼の代表作―「デスペラード」「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「ジャッキー・ブラウン」「スチュワート・リトル」「スパイキッズ」という作品群をみても、そのルックスは一貫しているのがわかるはず。
■score;A
サウンドはオリジナル・スペイン語DD-5.1音声を収録。ON/OFF可の英語字幕は収録されておりますが、まずは物語をきっちり把握したい方は国内盤がお薦めでしょう(絵と音のクォリティは別ですが)。さすがにスペイン語は、わからないものなぁ。しかしそのダイアローグの一節一節は明快に粒立ちます。
音響効果は派手さこそありませんが、この特異な映画の雰囲気を根底で支えています。常に不安と恐怖を演出する低音デザイン。サラウンドは視聴位置後方の演出が見事。DD-EXデコードされた作品ではありませんが、バックサラウンドのパンニングや包囲感はEX作品を視聴しているかのようです。ハビエル・ナバレテのスコアも不気味に響きます。
■score;A
それでは拡大DVD-SHOTをご覧ください。
聖林における怨霊、幽霊といった恐怖映画の近年の火付け役は「リング」ですが、ギレルモ・デル・トロのホラー作品からも固有の文化の匂いが漂います。極度な残銀処理を好む聖林ホラーと一線を画すのは、デイライト・シーンがたっぷりのコントラスト感で描かれていることです。スキントーンはオレンジ系に傾き、しかし空や雲は明快な配色となっています。色彩が艶めいているにもかかわらず、空気の乾燥感が描かれているところに本作の映像デザインの素晴らしさが見て取れます。
こうしたデイライト・シーンを目に沁み込ませていますから、続くナイト・シーンのショットが生きてきます。さぁ、この青白き少年の霊。黒はたっぷりと沈み込み、青白く浮かぶスキントーンの不気味さが際立ちます。押したり引いたりの映像のリズム。この作品はとかく単調になりがちなホラー作品とは、ひと味もふた味も違った味わいを魅せているのがわかります。
恐怖映画は、やはり映画のタッチ。デル・トロはこのあたりが実にうまい。「デビルズ・バックボーン」は、恐怖映画の大きな才能と出会えたことを喜ばせてくれる傑作です。
それでは次夜まで、おやすみなさいませ。良い夢を。
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