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第六十五夜
 ■THE DRIVER:Widescreen Edition


◆PICK-UP DISC:1
 THE DRIVER:Widescreen Edition


Studio 20th Century Fox
Year 1978
Running Time 1:29:18
Aspect Ratio 16x9 encoded 1.85:1
Audio 2.0 DD ENGLISH,MONO DD ENGLISH,MONO DD FRENCH
Subtitle ENGLISH,FRENCH,SPANISH and NONE
Special Features ■Alternate Beginning
■Chapters 20
Release Date 2005.06.07


THE MOVIE
 
 邦題『ザ・ドライバー』。

 ウォルター・ヒルの監督第2作。主人公は、ギャングや強盗の逃走を請け負う“逃がし屋”ドライバー。彼の尻尾を掴みながら逮捕できないLA市警。ドライバーの逮捕に異常な執念を燃やす刑事は、スーパーマーケットを襲撃した3人組の1人を捕え、ドランバーに罠をかけるべく取り引きします。しかし事件は、美人女賭博師を巻き込んで思わぬ方向へ進んでいきます。

 主要登場人物達の姓名を一切出さず、呼称は“ドライバー”“刑事”“プレイヤー”といった通称のみ。このあたりがなんとも、監督・脚本を担当したウォルター・ヒル・タッチ。ヒルのオリジナル脚本では、マックイーンを“ゲッタウェイ・ドライバー”に想定して書かれており、“刑事”役もジーン・ハックマンが想定されていました。この2人の降板後にキャスティングされたライアン・オニールでは、いかにも荷が重く映ってしまいます。製作のローレンス・ゴードンによると「結果的にオニールは、マックイーンの雰囲気を意識するしか演技方法がなかったし、ヒルの演出も同様だった。」といいます。

 映画は異様なスピード感と緊張感が全編を貫いているため、骸骨化した“物語”が疾走している感さえあります。このあたりは続くヒルの『ウォリアーズ』も同様。そのストイックなまでの活劇手法に酩酊したことを想い出してください。  

■score;A


IMAGE-TRANSFER QUALITY
 
 映像はアスペクト1.85:1のスクイーズ仕様。撮影は35mm/パナビジョン・アナモフィック。劇場公開時は、ブローアップされたスコープサイズ・プリントも制作されました。
 映画の仕上がりは鋭利な刃物のよう。フジフィルム撮りで艶めくダークブルー・ナイトが冷たく輝き出します。とりわけカー・チェイス・シーンが圧巻!ナイトシーンは若干ザラついた触感ですが、デイライト・シーンは1ランク評価点アップ。およそ30年前の作品ですが、黒諧調もねばります。デイ・ライトシーンのスキントーンは鮮度が高く、ナチュラル。ナイトシーンのそれは、幾分不健康な彩色となるようにデザインされています。 

■score;A−


AUDIO-TRANSFER QUALITY
 
 サウンドはドルビーデジタル(以下DD)2.0音声を収録。
 ダイアローグはクリア。観どころとなるカー・アクション・シーンのサウンドは、やはり年代を感じさせます。Dレンジは詰まり気味。高域はブリキ缶を叩いたように響くことがあります。しかし撮影と編集のインパクトが強烈なため、視聴の気を散らすことはありません。
 音楽はマイケル・スモール。『コールガール』『パララックス・ビュー』といったアラン・J・パクラとのコンビでも知られ、『マラソンマン』も彼の作品。彼のスコアは、映画の流れに寄り添い、決してでしゃばらないのが特長で、本作でも映画音楽の基本を聴かせます。

■score;B



HiVi-SHOWCASE
 
 本作の平均転送レートは、Average Bitrate:4.29 mb/s。
 撮影監督は60年代〜70年代にかけて聖林で活躍したフィリップ・H・ラスロップ。代表作は『酒とバラの日々』『卑怯者の勲章』『夕陽の挽歌』『ハメット』等があり、マックイーンとも『雨の中の兵隊』『シンシナティ・キッド』で顔を合せています。ラスロップはヒルの劇場映画処女作『ストリートファイター』(主演:チャールズ・ブロンソン)の撮影監督でもあり、本作のオファーも早くから受けていました。ヒルはマックイーンを主役に想定していた時、ラスロップに『シンシナティ・キッド』のダークなタッチを希望したといいます。

 逆にラスロップは、本作でフジフィルムでの増感撮影を試そうとしていましたが、結局マックイーンの降板でその試みが実現することとなります。
 「主要出演者は全員が黒のスーツを着ています。ヒルが希望したルックスを追求していたら、ダークなタッチは出るが全体のトーンが硬くなりすぎます。つまり人物に強い光を当て、背景をどっぷり潰すような。しかし私は、カーアクションに限らずナイトシーンでは、背景から被写体が浮かび上がってくるルックスにしたかったのです。フジフィルムを使い、様様な増感、現像のプロセスを使い分けることによって、ナイトシーンにおける光はクールだが、艶やかに表現されているはずです。」
 ラスロップはこのように語っていますが、米国盤ではこのルックスの妙味がたっぷりと目に染み込んできます。とりわけアクションシーン以外の描写、雰囲気に注目です(拡大DVD-SHOT(1))。
 それでは次夜まで、おやすみなさいませ。良い夢を。

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