本作が“世紀の巨篇”というのはオーバーではない
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↑イーストマンカラー 総天然色の文字が躍るDVDのジャケット。公開当時のポスター、あるいはチラシをもとに製作したものだろう。「歌の中から飛んで出た七色の甘い恋」「二度とない張りきり3人娘の顔合せ」など、あらんばかりのキャッチコピーが並ぶ。この3人の組合せがいかに話題を集めるものだったかがうかがわれる
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1955年といえば、すでにテレビ受像機は登場していたけれど、まだまだ高価すぎて一般家庭にまでは普及していなかった。映画スターの立ち振る舞いはスクリーンで接することが出来たけれど、歌手となると劇場での歌謡ショウでも見ないかぎり“動くお姿”は拝めなかった。SP盤のレコードやラジオの歌謡番組から流れてくる歌手の顔を知るのは、もっぱら「平凡」「明星」等の芸能月刊誌。両誌は床屋(理容室)や美容院や銭湯や医院の待合室に必ず置かれていた。そんな時代に美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの3人娘が映画で初顔合わせ。ヒットして当然だった。ひばり、チエミ、いづみは3人娘の元祖的存在。2代目は中尾ミエ、伊東ゆかり、園まり。山口百恵、桜田淳子、森昌子が3代目。ぼくの年齢に近いのは2代目だった。
一般的な認識でいうと、ひばりは歌謡曲、チエミはジャズ、いづみはポピュラーを得意としていた。もっとも、それはあくまでも出自であって、歌唱力のある3人はジャンルにとらわれない数々のヒットを飛ばした。そういえば、ひばりの復刻LPや紙ジャケット仕様のCDは、昨今、ひばりを知らぬ世代もターゲットであるとか。ひばりのジャズの巧さは知る人ぞ知るところだ。3大スターの共演映画ともなれば、その扱いに脚本家はアタマを悩ますはず。でも「ジャンケン娘」は巧みに3人の均衡を保っている。理由のひとつは持ち歌にあると思う。3人は劇中で自分の曲を唄うが、その曲数は同数。それぞれにヒット曲があるというのは、さすがビッグ・スターだ。
今回、あらためて観て笑ったのは、ひばりの役名が「ルリ」であること。だって片仮名ですよ。雰囲気からすると、いづみのほうが似合いそう。いづみは舞妓で「雛菊」、チエミは「由美」。しかし、まあ、いづみに舞妓役とはスゴイ発想だ。それはさておき、グループならまだしもスターの共演による映画なんて現在では不可能に近いだろうね。その意味では、謳い文句にもあるように本作が“世紀の巨篇”というのはオーバーではない。懐かしき哉、昭和。懐かしき哉、スター。本作がBDのパッケージソフトで登場するのは、いつのことやら。だから、貴重なDVDといえるかもしれない。キミのシステムで、昭和のスターを訪ねてみるのも楽しいと思うよ。
「もう一度たまさんの頭の中に戻る」 |