今年のホームシアターはこうなる! 麻倉怜士のCES2007リポート No.3
世界最大の液晶テレビ、シャープの108インチを見た

108インチ液晶壁テレビが誘う別世界へのトリップ

 ここ数年、CESの名物だった画面サイズ世界一競争から、今年は韓国勢が手を引き、代わりに、二年連続で、日本メーカーが「世界最大」の座を獲得した。

 ディスプレイの本質のひとつはサイズである。大きければ大きいほど、それをつくれる開発力、生産力が称賛を浴びる。その競技ステージがCESである。そこでは最大サイズの栄冠をどこが獲るか。04年は韓国のサムスン電子が80インチで、05年は同じくサムスン電子が102インチで、世界最大の地位を獲得した。06年は松下電器が、尼崎工場で製造した50インチの四枚取りのマザーガラスをそのまま使った103インチで世界最大になった。これまではいずれもプラズマ・テレビであったが、今回はシャープが108インチで世界最大を獲得。初の液晶テレビでの世界一だ。亀山第二工場の2160mm×2460mmの第八世代のマザーガラスの半分を使うものだ。これまではCESではシャープは中型でしか展示は行っておらず、超大型では出遅れていたが、一気に逆転した。

 108インチはテレビという枠に入るものではそろそろなくなり、「壁」の範疇になる。ハイビジョンテレビは「壁掛けテレビ」のスタイルが、これまでの目標であったが、ここまでサイズが大きくなると、「壁自体が映像を映し出す」ほうが自然になる。もはや「壁掛けテレビ」ではなく、「壁テレビ」--つまり壁自体がテレビであり、テレビが壁になるのである。

 コンテンツ的にも従来のテレビの延長にあるものではなく、壁ディスプレイなら、9面のマルチスクリーンにしたり、ハワイボタンを押すとハワイのシーンに変わるなど、壁に映すにふさわしい新たな映像コンテンツも登場するだろう。壁が別世界に誘ってくれるのである。

 108インチのフルハイビジョンテレビはそんなさまざまな発想を与えてくれる。



2007年1月9日
麻倉怜士

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