本田雅一のオレ的アメリカリポート〜モニターオーディオ・プラチナム。
CESで聴いた直近のサウンドは、見事な音の表現力を持っていた

待ちに待ったプラチナムシリーズ。CESで正式デビュー

 既報の通り、何度も延期を繰り返しながらも発売が待たれていた英モニタオーディオのハイエンドスピーカー「Platinum」ラインが、米ラスベガスで開催されたInternational CES 2007で正式発表。5年という長期にわたる開発を経て、今年5月にいよいよ市場に投入される。

 Platinumラインには、18ミリグラムという薄膜リボン型ダイアフラムとして用いたツイータを採用。ミッドレンジおよびウーファーには、軽量の高剛性樹脂Nomexをハニカムコアに整形し、それを200ミクロンという極薄のC-CAM(アルミとマグネシウムの合金をセラミックコーティングした素材)でサンドイッチしたRDTというダイアフラムを用いる。

凝ったエンクージャー。ピアノフィニッシュも美しい

 エンクロージャも凝った作りだ。曲面を多用した外形は内部定在波の発生を防ぐため。内部に強化を目的とした梁が配されているのはもちろんだが、ユニットの上下にエンクロージャを貫通するボルト取り付けられ剛性強化するとともに、音質チューニングにも活かしている。またミッドレンジユニットは、エンクロージャ内部に配された水滴を横に倒したような形状のARC材サブチャンバーでアイソレートされている。

 やはりラウンドした前面バッフルは天然革素材を貼り付けているが、これは高級感を狙うだけでなく、バッフルに回り込む音の反射を和らげるためのもの。ピアノラッカー仕上げの外観も大変に美しいものだ。

最上位モデルはPL300。素直に立ち上がる低域が心地よい

 さて、肝心の音質だが、4インチミッドレンジと8インチウーファー2発を並べた最上位モデルPL300(写真中央)の音は実に濃厚。中域から低域にかけてのギッシリと中身が詰まったフルボディのテイストが印象的だ。クセが少なく超高域までよく伸びたトゥイーターは、歪み感が少なくさらりと耳当たりよく聞かせ、強い方向感や指向性を感じさせない自然な広がり感がある。

 Gold Signatureシリーズの最上位モデルであるGS60が備えていた、軽やかさを感じるキャラクタとはやや異なる傾向である。しかしPL300の低域は、中身は詰まっているものの重苦しさはなく、スッと素直に立ち上がる独特の低域は同じ。ウッドベースの胴鳴り、ティンパニーの鼓動において、その表情を見事に描く低域の表現力を高く感じる。

 なお、サウンドキャラクターだけで言えば、6.5インチミッドバスドライバー採用で重心がやや上がる2ウェイブックシェルフのPL100(写真右)の方が、GS60の印象に近い音を出す。中高域から高域にかけての繊細な質感はGSシリーズにはないものであり、GS60を検討していた方は、PL100とGS60との選択で頭を悩ますことになるかもしれない。

 気になる価格はPL300が米国で8999ドル。なにはともあれ、発売予定から3年以上も遅れた待望のPlatinumラインだけに、日本での価格と発売日発表が待たれる。


2007年1月15日
本田雅一

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最終更新 11.12.20 15:43

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