長澤奈央/世界中の人に見てもらいたい作品になりました

2010年03月21日
↑春めいた衣装もかわいらしい長澤奈央

初主演で、オール海外ロケ、全編英語のセリフと、チャレンジになった作品です
 映画「レオン」の撮影にも使われるなど、いまやニューヨークの名所となっているホテルチェルシーを舞台にしたサスペンス作「ホテルチェルシー」がいよいよ日本でも公開となる。ニューヨークに新婚旅行で訪れた日本人夫婦。新妻が眠りから覚めると、そこには残虐な方法で殺されてしまった夫の死体が・・・・・・。果して誰が、なぜ、夫を殺したのか、さまざまな謎が渦巻く中ストーリーは進行し、やがて予想もつかない結末を迎える。主演には、女優としてドラマ、舞台、映画で活躍している長澤奈央(26)を起用し、オールニューヨークロケを敢行した注目作だ。劇中、新婚の夫を殺されてしまう悲劇のヒロインを熱演した彼女に、初主演の感想や撮影の裏側をインタビューした。

↑インタビュー時間は1時間ほど。初主演作の感想を存分に語ってくれました


――本作はオールニューヨークロケを敢行したそうですね。
長澤奈央(以下、長澤) ニューヨークは初めてで、とても楽しみにしていたんですよ。本当にエネルギッシュな街で、刺激を一杯もらえました。いい意味でお芝居に集中できて、充実した撮影期間を過ごすことができましたね。時期的には、昨年の1月ごろなんですけど、とにかく寒かったですよ。もう、夜の撮影なんて寒すぎて笑っちゃうぐらいでした(笑)。

――劇中では、いろいろと名所を回っていましたね。
長澤 新婚旅行中という設定なので、いろいろと観光名所には行かせてもらいました。だけど、ニューヨークは初めてだったので、どこを見ても“わぁ〜すごぉ〜い”っていう感じで、カメラは回っているんですけど、ほとんど素のリアクションになっちゃいましたね(笑)。そういう意味では、観光しているところは本当に楽しんでやれましたし、だからこそ、ホテルで事件が起こってからの恐怖との落差を、より出せたんじゃないかなって思います。
 ニューヨークロケを行なったことで、行ったことがある人には懐かしんでもらえるだろうし、行ったことがない人には、これがニューヨークなんだって楽しんでもらえると思います。本当にブルックリンブリッジから見る夜景はきれいでしたよ。ただ、残念ながら自由の女神には行けなかったんですけど、ラストシーンの背景にちっちゃく映っていると思うので、探してみてくださいね(笑)。

――ホテルチェルシーは映画「レオン」の舞台としても有名ですね
長澤 その割には、「レオン」っぽいものって、なかったですね。でも、全世界からいろいろなアーティストの方が来て、住み付くようなホテルですから、アートな雰囲気が醸し出されているし、とてもおしゃれな感じでしたね。彫刻や絵画なんかがあちこちに飾ってあるんですよ。そんなに広い! っていう感じではありませんでしたけど、居心地がいいんでしょうね。そうしたいい雰囲気の中で撮影できて、ずっといい気分で過ごせました。

↑かわいらしいカットも撮ってみました(笑)


――そろそろ本題に入りましょうか。まず、出演のオファーを受けてどうでした?
長澤 初め台本を読んだ時に、これってどうなっているんだろうって引き込まれてしまって、素直に面白いなって感じたんですよ。元々、サスペンスもホラーも大好きだし、よくそういった本も読んでいるので、その恐怖をどうやって表現しようかなっていうのをまず考えましたね。初主演で、セリフは全編英語で、しかもオールニューヨークロケですから、ものすごいプレッシャーはありましたし、挑戦でもあったわけですけど、作品が面白いんだから全力でやりたい、やってみたいという思いのほうが強かったですね。
 だからこそ、こうして完成してみて、達成感もたくさんあったし、早く劇場でみなさんに見てもらいたいなという気持ちで一杯なんですよ。

――ストーリーはかなり入り組んでいますよね。
長澤 分かりやすいようでいて、分かりにいんですよね。ざっくり言えばシンプルなんですけど、そのシンプルさを隠すように、いろいろな伏線が張り巡らされているので、自分で観ていても、あれっここどうなっているんだっけ? ってなっちゃうぐらいなんです。そうやって考えさせるような作品って観るのも好きだし、なにより参加できたことが嬉しいですね。本当に。

――演じているほうはたいへんですよね。
長澤 でも、ここはあそこに続くシーン、次はあれと繋がるシーンだなって考えながら演じていたので、楽しかったですよ。

――英語はいかがでしたか?
長澤 英語は上手に話せるほうではないし、しかも英語でお芝居をするのも初めてでしたから、たいへんと言えばたいへんでしたけど、それよりも、言いたいことや細かいニュアンスを伝えられなくて悔しい思いをしたことのほうが覚えていますね。だけど、監督やスタッフもそれを理解しているから、一所懸命私が何を伝えようとしているのか分かろうとしてくれていたし、結果として、より深い関係を築くことができたんじゃないかなって思いますね。
 それにやたらと褒めてくれるんですよ。毎回カットがかかると、「奈央すごいよ」って持ち上げてくれて。きっと向こうではそれが当たり前なのかもしれないけど、そう言われると、こっちはうれしくなっちゃって、もっともっといい顔ができるんですよ。そうやってみんなで褒めあって作品を作っていたので、居心地はよかったし、楽しかったし、本当にいい経験になりましたね。
 英会話というか、セリフについて言えば、英語での細かいニュアンスの伝え方を習うために、日本にいるときから先生についてレッスンを受けていましたね。日本語のように、言葉の抑揚や言い方で、強調したい言葉を的確に伝えられるように努力しました。

――他に、日本と違うところは?
長澤 リハーサルとか、撮影の部分ですね。アメリカでは、演技のリハーサルをしたら、撮影テストとか段取りとかはしないんですよ。日本だと、そこはかっちりしていて、次このセリフを撮るからテストしましょうっていう感じなんですけど、一部分のセリフだけが欲しくても、全部のお芝居をするんですよ。それで、一番いいところを狙っていくという流れでしたから、ある意味舞台のような感覚でした。逆に、柔軟性がありすぎて決められたものがないので、毎回毎回、どうすればいいんだろう、タイミングはどうすればもっとよくなるだろうとか、必死に考えて演技しないといけないので焦りもありましたけど、慣れてしまえば、やりやすかったですね。

↑もう3Dには興味津々という様子。「テストするときには呼んでください」とマジな顔で迫られちゃいました(笑)


――映像的には、指輪をいじっているカットが気になったんですけど
長澤 よく見てますね(笑)。実は、あれはラストへ向けての伏線なんですよ。ネタバレになってしまうのでここでは言いませんけど、そうしたしぐさの細かい部分まで、見ていただきたいですね。

――ちょっとホラー的な要素もありましたね
長澤 ホラーは大好きなので、うれしかったですよ。けど、本場の特殊メイクってすんごくて、レベルが違うんです。フェイクって分かっているんですけど、見ていて恐怖を感じちゃうぐらいなんです。本当に細かい作業をしていて、感動ものでしたね。今回の撮影では、メイクさんと特殊メイクさんがカップルだったんですけど、二人で自主映画を作っていたので、見せてもらったんです。撮影が終わった夜中に一人で見たんですけど、もう怖すぎてたいへんでしたよ(笑)。感想をなんて言おうかと考えて、二人には「ユーアークレイジー」って伝えたら、喜んでいましたよ。そうしたら、血のついたヘアピンをくれて、それは付けると頭に刺さっているようになるんですけど、かわいらしかったですね。

――好きなシーンを教えてもらえますか?
長澤 ストーリーで言うとネタバレになってしまうので、映像について言えば、やはりオールニューヨークロケですので、ニューヨークの町並みを楽しんでもらいたいですね。

――そういえば、この作品は映画祭への出品もされていますね。
長澤 いままで自分が出演した作品がそうした賞レースへのノミネートをされたことがなかったので、やはりうれしいですね。そうした作品に参加できたことも、いい経験になりました。全編英語の作品ですので、世界中の人に見てもらいたいと思います。
 この作品に出演させていただいたことを契機にして、いまは英語の勉強を引き続きしているんですよ。やはり英語のほうが、いろんな国の人とのコミュニケーションもとれるだろうし、届きやすいかなと思いますからね。難しいんですけど。

↑(C)2009Hotel Chelsea Film Partners


――さて、では本題に入りましょうか?
長澤 待ってました!(笑)
 前回、「ケータイ捜査官7」のホームシアター取材の時(2008年10月号)に、BDの画質に感動して、取材のあとすぐにBDレコーダーを購入したんですよ。ハイビジョンって本当にきれいですよね。初めは、DVDとそんなに差があるのかなって思っていたんですけど、もうDVDではもの足りなくなっちゃいました。いまでは完全にBDオンリーですよ。レンタルでもBDしか借りていませんから(笑)。この間借りたアクションものは、炎とか爆破とか、すごくクリアだし、リアルに見えるので、本当にBDにしてよかったなって思いますね。

――そう言っていただくと、こちらも光栄です。
長澤 そこで、質問なんですけど、3Dってどうですか?

――話題が早いですね。
長澤 もうHiViでも、巻頭記事は3Dばっかりじゃないですか(笑)! 自宅に入れようかどうしようか、悩んでいるんですよ。劇場だと、それこそ「アバター」とか「コララインとボタンの魔女」とかを3Dで観ると、立体感がすごいんですけど、家庭でもそれがちゃんと再現できるのかな? って。劇場なら、3D作品は絶対3Dで観るんですけど、果して自宅ではどうなのか、もう、気になって気になって仕方がないんですよ。

――次号の特集で、3D製品のテストも予定しているので、時間が会えば編集部にお越しください。
長澤 本当ですか。楽しみです。どうしよう、よかったら買っちゃおうかな〜。誰か買ってくれないかな〜(笑)。

――では今後の予定を教えてください。
長澤 まず3月21日、28日放送の「仮面ライダーW」にゲスト出演させていただきました。ライダー番組への出演は初めてでしたので、夢が叶ってうれしかったです。ヒロインの山本ひかるちゃんは、かわいらしくて、しかも、しっかりしていていい子でしたね。コミカルな演技もこなしているのを見て、びっくりしました。
 あとは、「大魔神」のテレビドラマ版「大魔神カノン」(4月2日スタート、テレビ東京系列)にも、出演しています。妖怪の役なんですけど、これまでとはメイクから、お芝居の仕方、声のトーンなども変えているので、もしかすると私だって分からないかもしれないです。探してみてくださいね。

――最後に、26歳の抱負を。
長澤 実は26歳になってすごく楽しいんですよ。大人扱いされるし、周りの友達なんかも落ち着いてきたなっていう感じですから。ということで、今年は無理をせず、等身大の自分らしさを出していけたらいいなって思いますね。年齢相応にエンジョイしたいです。

――今日は、ありがとうございました。

(取材・文:ハイヴィ編集部・ヤス)
(写真:ハイヴィ編集部・良)

●映画「ホテルチェルシー」
5月8日(土)より、渋谷シアターTSUTAYAにてレイトショー公開
出演:長澤奈央、鈴木砂羽、ダニエル・ウィルキンソン、アンソニー・ローレンほか
監督:ホルヘ・バルデス・イガ
本編74分、HD
製作:エースデュース、テンダープロ、Ichigo Ichie Films LLC

●長澤奈央
1984年1月5日生れ。東京都出身。ドラマ「忍風戦隊ハリケンジャー」(2002)のハリケンブルー役で人気を博し、以後「Girl\'s BOX ラバーズ☆ハイ」(2008)、「春琴抄」(2008)など出演作も多数。4月2日からは舞台「母の桜が散った夜」(赤坂RED Theater)、および4月9日からは舞台「戦国BASARA〜蒼紅共闘〜」(池袋・サンシャイン劇場)に出演。6月5日には出演作「ムラサキカガミ」も公開予定となっている


(月刊HiVi編集部・ヤス)