さて、そんなブルーオーシャンの特性を活かしたホームシアターの新提案を始めたのでぜひ見学に、と同社社長・樋口榮三郎さんのお誘いを受け、別荘地として有名な静岡県城ヶ崎海岸にあるリフォームしたばかりの同社ショールームへと出かけた。 典型的なリゾートハウス・スタイルの大きな家の中に、そのショールームはあった。玄関先で靴を脱ぎ、10帖ほどの畳敷きの和室に足を踏み入れる。座椅子に腰掛け、出された冷たい麦茶で喉を潤していると、アコースティックギターの涼しげな美しい音色がどこからともなく聴こえてくる。驚くほど本格的なサウンドだ。 目を凝らすと、この和室の天井にJBLのインウォールスピーカーがビルトインされていることがわかる。畳に座椅子、麦茶にいい音楽。うん、やっぱり和室はいいなあと和んでいると、樋口さんが立ち上がり、隣のリビングとの間を遮る戸袋からするすると襖を引き出した。そう、そこに80インチの反射型ブルーオーシャンが組み込まれていたのである。対向面の天袋にパナソニックの液晶プロジェクターTH-AE2000が収められ、そこからの投写映像を映し出す仕掛けだ。
スクリーン左側の障子越しに光が降り注ぐシチュエーションだが、映し出された映像はさすがに鮮明で、ヌケのよい白と粘りのある黒がとてもリアル。以前見たものより、しっとりとした質感も感じられる。樋口さんに聞くと、このブルーオーシャンは4世代目にあたるとのことで、シンチレーション(スクリーン上のギラつき)を大きく改善したものだそうだ。 先述したJBLのインウォールスピーカーと作り付けの家具の中に隠されたリンのサブウーファーで5・1chシステムが組まれており、まったくのインビジブルシアターながら、そのサウンドも迫力満点だ。和室を貫くべきは「引き算の美学」。モノを見せないインビジブル思想は、和室にこそふさわしい。 また和室は、高画質・高音質を追求するうえで洋室以上に好適な空間である。和室の内装色として使われることが多いベージュやグレーは、光の反射率が40〜50%。100%近い白壁白天井が基本の洋室に比べて、スクリーンの反射光を上手に吸収してくれて画質に悪影響を及ぼさないのだ。また、和室の襖や障子は、音をほとんど反射しないので音がこもらないという音質上のメリットもある。 B. 美しい木目の天井には、JBLのインウォール・スピーカー(フロントL/C/R、リアL/R)と、照明、エアコンが凹凸なく組み込まれ、和室空間に違和感を与えることなく存在している C. 和室のたたずまいを活かし、プロジェクターは天袋、AVセンター、BD/HDDレコーダー、TVチューナーは押入れにセッティング。襖を閉めると機器類の存在が一切ないインビジブルシアターである D. 改造された出書院地袋につけられたサランネットを外すと、英国製のサブウーファー、LINN SUZMIK KUSTOMが鎮座。和室に同化したベージュ色のサランネットは、存在していることすらわからない造りだ
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