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HOME > AKG C7

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1947年、オーストリアのルドルフ・ゲリケとエンジニアであるエルンスト・プレスによってウィーンで設立された「AKG」。古くは「Telefunken」ブランドの「ELA M-250」をはじめ、「C 12」「C 414」とコンデンサー型マイクロフォンの名機を作ってきた。その「AKG」はこのところ、スタジオ向けマイクロフォンの技術を応用したPA/SR向けマイクロフォンに力を入れている。今回、ご紹介する「C7」もスタジオ用マイクロフォンの技術を活かした、コンデンサー型カプセルを搭載。150dB SPLという驚異的な最大音圧レベルを持ち、大音圧も歪むことなく収音する。さらにオープンスペース・カプセル技術を採用したこの「C7」を、SRエンジニアの井上 朗氏にテストを依頼。そのインプレッションを聞いた。
PS この「C7」はどんな状況でテストしたのでしょうか。

井上 今回は東京・目黒にあるライヴハウス、ブルースアレイジャパンで、2人の女性ヴォーカルに試しました。最初に申し上げておきますが、とても素晴らしい良いマイクでした。
 僕は「AKG」のヴォーカル・マイク「D5」と「D7」を持っているのですが、それらとサイズは同じで、重さの違いもほとんどありませんでした。デザイン的にもほぼ同じですし、これまでの「AKG」のヴォーカル・マイクと見ための印象に違いはありませんでした。

PS 「D5」と「D7」を購入した理由は?

井上 いままでいろんなヴォーカル・マイクを使ってきたのですが、「AKG」から新しいデザインの新型マイクが出たと聞いて、実際に現場で使ってみて使用感や音を知りたかったんですね。決定打は、オペレートしたシンガーソングライターが「D5」を持ち込んで来たのですが、その時の印象がとても良かったんです。

PS 「AKG」の新型ヴォーカル・マイクに対して、良い印象を持っていらっしゃったんですね。

井上 そうですね。ヴォーカル・マイクの選択って難しいのです。人によって声質が違うし、パフォーマンスの内容や場所によって使い勝手も変わります。ヴォーカル・マイク自体が素晴らしい音でも、ハウリングしやすいなどいろいろな特徴がありますので、使う環境によって実力を発揮できないことがあります。でも、普通、ライヴハウス現場ってヴォーカリストと相談しながらマイクを選んでいるような時間はありません。だから、私の方で声質や声量、歌い方、使われる環境を考え、決め打ちして現場に持ち込みます。うまくいかなかったら、だいたいどこでも「SHURE SM58」のようなスタンダードマイクはありますから、それに替えて本番をこなします。

プレゼンス感に優れたとても素直な音質

PS 「C7」の使い勝手はいかがでしたか?

井上 ハウリングがとても起きにくいと感じたマイクでした。コンデンサー型は周波数特性が広いのですが、それだけにハウリングしやすかったりするわけです。「C7」はそういうことがないし、カブリも少ないのでとても使いやすいマイクでした。しかも、プレゼンスが綺麗に出ていました。この高域の感じは、最近の流行りを受けての音かもしれませんが、ハウリングが起きにくいので、これは使えるマイクだと思いました。

PS 周波数特性を見ると、10kHzがけっこう持ち上がっています。また、とても綺麗なポーラーパターンで、全体域がほぼスーパー・カーディオイドの形そのままなんです。

井上 なるほど。だから、プレゼンス感が良く出ているのかもしれません。でも、そういう特性通りの音が、どのマイクでも出せるわけではありません。ハウリングしたらEQで切るしかない。今回試したライヴハウスは、ハウスのスピーカーとヴォーカリストの位置がかなり近いので、いつもヴォーカルのモニターを作るのに苦労するのですが、その苦労は「C7」ではまったくありませんでした。そこは技術力を別にして、マイクに助けられた感覚がありました。
 また、聴こえやすく綺麗な音をヴォーカルに返せたので、ヴォーカルの人にも歌いやすかったとご評価いただきました。しかも、ほぼEQせずにそれができた。そこがこの「C7」の優秀なところと言えるでしょうね。高域に特徴を持たせて、プレゼンス感のある音作りをしているマイクは、他社にもたくさんありますが、そのプレゼンス感を生み出す帯域でハウリングしてしまったら、あまり意味がありません。実際にそういうマイクもありますからね。

PS どの周波数でも綺麗なポーラーパターンになっていることが、「C7」のハウリングが起きにくい要因になっているのでしょうか?

井上 関連性はあると思いますね。

PS 「C7」はどんな音質でしたか?

井上 他社のコンデンサー型ヴォーカル・マイクは、中低域が綺麗に出ていることが多かったのです。だから、その方向性の音なのかなと思っていた訳ですが、予想とかなり違っていました。とても素直な音で、扱いやすくて、しかも高域が綺麗に伸びている感じです。特に10kHzのピーク感は、あまり感じませんでした。
Tester Profile  井上 朗
いのうえ・あきら。音響デザイン会社イノックスサウンドデザインを設立。長年にわたりサウンド・デザイン、サウンド・オペレーションを中心に、レコーディング業務や機材の開発など幅広い業務を行なっている

PS 「C7」はコンデンサー型ですが3万円を切る価格で手に入ります。費用対効果はいかがでしょうか。

井上 抜群のコストパフォーマンスですね。これは欲しいなと思いました。

Specification
●形式:コンデンサー型●指向特性:スーパー・カーディオイド●周波数特性:20Hz〜20kHz●開回路感度:-48dB(1V/Pa)●最大音圧レベル(THD 1%):150dB SPL●等価ノイズレベル: 21dB SPL(Aウェイト)●インピーダンス:600Ω以下●電源:ファンタムDC48V(±4V/3mA)●寸法/質量:φ51×H185mm/346g●付属品:マイクホルダー(SA61)、交換用インナー、専用マイクケース
■価格:オープンプライス(実勢価格¥26,000前後/税抜)
■問合せ先:ヒビノ(株) プロオーディオセールスDiv. TEL:(03)5783-3110
オープンスペース・カプセル技術とは? 「C7」のために新たに開発されたコンデンサー・カプセルと本体を固定している筒状のパーツに3つのポートを設けることで、カプセル背面の気流の流れをスムーズにして指向性の乱れを抑えている。その結果、ポーラーパターン図を見てわかるように125Hzから2kHz、さらに16kHzで、正確にコントロールされた均一なスーパー・カーディオイド特性を実現。ハウリングに対して非常に強くなっている
Reflection free open space
図内で“Reflection free open space”と書かれている空間内の気流をコントロールして正確なスーパー・カーディオイド特性を獲得している
ポップノイズを大幅にカットする“Multi-layer pop noise protection”。外側からスチール製ワイヤーメッシュグリル、高密度フォーム、ダイアフラムを覆うメッシュフィルターの3層構造になっている


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