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HOME> Co-Fusion D-5.5/S-3.0

PROSOUND REVIEW Co-Fusion D-5.5/S-3.0 レビュアー:高橋幹弥(ミッキーサウンド)
大阪を拠点に音響、映像および照明機器を取り扱い、ホールやスタジオのプランニング、システム設計・施工そして製造・販売など、プロユースの業務を手広く取り扱う「イースペック」。1990年の創業以来、おもに西日本で活躍するプロフェッショナルたちの機材の導入窓口のみならず、貴重なブレーンとしておよそ四半世紀にわたる実績を持つ。その「イースペック」からパワーアンプがリリースされた。むろんプロユース仕様となっており、ブランド名は「Co-Fusion(コフュージョン)」。同社のオリジナル製品である。プロサウンド編集部に届いたのは2Uサイズながら出力550W(8Ω)を確保する「D-5.5」およびスイッチモード電源の搭載で1Uとコンパクトに収めた「S-3.0(出力300W/8Ω)」の2モデル。「イースペック」からは「ぜひプロサウンドの読者にオススメしたい自信作」とのメッセージ。そのコメントを受け本誌としては、より現場に即した環境での試用が必須と考え、敢えて過酷なフィールドを選んだ。それは、SRでは黒子的な存在になりがちなパワーアンプだが、その実良いサウンドを生み出す要を握るアイテムであると判断したからである。快諾いただいたのは東京・豊島区にあるライヴハウス「池袋Adm(アダム)」。リポートを引き受けてくださるのが、「アダム」で長きに渡り音響に携わる高橋幹弥氏である。本誌SRリポート「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」や「The Birthday」のスタッフとして紹介されたベテランPAマン。早速相談をしたところ、モニターセクションでぜひ試してみたいとのこと。さて日本発のニューフェイスは氏の期待に応えてくれるだろうか。
(編集部)
私にとってのパワーアンプとは
 私は現在さまざまなツアーや現場を受け持ちながら「池袋Adm」では音響管理兼オペレーターとして在籍を続けている。したがってライヴハウスにおけるさまざまな機材事情には少しばかり近い距離にある。そうした経験から、まずSRにおけるパワーアンプについて述べてみたい。

photo
D-5.5 Specification
●電源:AC100V ●入力端子:XLR-オス/メス ●出力端子:NL4スピコン
●出力:8Ω=550W+550W/350W+350W、4Ω=850W+850W/550W+550W、8Ωブリッジ=1650W/1000W ●周波数特性:5kHz〜50kHz±0.5dB ●THD-N:0.05%@8Ω1/3Po ●ダンピングファクター:400 ●クロストーク:65dB@8Ω1kHz ●入力感度:0.8V/1.6V ●入力インピーダンス:20kΩ(バランス)/10kΩ(アンバランス) ●プロテクト機能:オーバーヒート、回路ショート、DC、リミットソフトスタート、リレーゼロカレントスイッチ、クリップリミッター ●外形寸法:W430×H89×W435㎜(2Uサイズ) ●重量:22㎏


 現場でオペレーションをする際、SR会社に例えば同じアンプを用意してもらっても、入力感度の設定やコンソールからの送り込みのレベルにより、同じスピーカーを使った場合でも「鳴り」の差を感じる。ミキサー卓の+4dBの所でアンプがフルスペックになるのか、卓の0dBのところでアンプがフルスペックの音を出すのか、その部分で同じアンプでも出音の質感が変化する。そのためSR会社との打ち合わせの段階でアンプの入力感度を常に確認したものである。





photo
高橋幹弥 (たかはし・みきや)
1987年、都内のプロ用ゲネプロ専用リハーサルスタジオ「芝浦スタジオ」に入社、音響機材のプランや施工、またスタジオスタッフとして働きはじめる。同スタジオのオープンから6年後、1993年12月18日に「池袋Adm」をつくる計画を受け、音響プラン、施工、またオペレーターとして参加。当時は「芝浦スタジオ」の音響部SR事業部の責任者として、ARBのチーフエンジニアなど多くの音響現場の経験を積み、本誌SRリポートにも登場したTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは1996年からバンド解散の2003年まで、続くThe Birthdayも6年に渡りモニターを担当。こうした数々のアーティストと回ったライブハウス・ツアーの経験が現在の機材選びの物差しになっている、と語る
 また、同じ8Ω230Wの出力でも出音に差が出るのがパワーアンプ。さらに同じアンプメーカーでも機種により使用する最終段の素子がトランジスターなのかMOS-FETなのか、あるいは電源部がスイッチングなのかトランス搭載なのかによっても音のカラーが変化する。やはり最も音に影響するのは電源部で、しっかりとしたトランスが搭載されていると安定した音が出る。

 私自身業務用パワーアンプのサウンドを聴いて良いナァと思う音が出るものは従来のトロイダルトランスに加え大容量コンデンサーを搭載、またチャンネルごとに独立電源でパワートランジスターをふんだんに使用したアンプだ。出音の底力が違う。音の押し出し感やスピーカー、特にウーファーの制動力が強い。特に40Hz〜160Hzあたりが充実する情報量の多さである。「ワン・ツー」と声でチューニングをした場合、「ワン」の低音周波数のモリモリ感と減衰のスムーズさ。高域ドライバーからは、クロスオーバー周波数の下限、1kHzあたりからしっかり芯のあるミッドレンジが出力されて聴こえる点だ。ちなみにデータ的にダンピングファクター(10Hz〜400Hz)が1000、スルーレートは13V/μS以上が私の評価に値する数値だ。

アダム・モニターシステム紹介
 試聴環境となるモニター・システムは「ヤマハ S2115H(ウーファーはJBL E140に換装)」および「PEAVEY 2445(12”×2+1”ドライバー+ホーン、ネットワーク仕様)である。「ヤマハ」は「アムクロンMT-600」と「MT-1000」で、「PEAVEY」は「アムクロンMA1201」で駆動。ちなみに「JBL」のスピーカーユニットは、プラスの信号が流れた時にウーファーのコーン紙が前に出るようターミナル部分で接続を変更。これにより「JBL」と「PEAVY」同士は位相整合がしっかりとなされている。

 店内の特徴としては、左右のハウススピーカーから客席最後方のハウスブースまで直線で約7mだが、本番中は約115dBの音量をキープすることが出来る。それは防音扉を閉めるとエントランスで約78dBの遮音性能を持っているからである。「池袋Adm」は地下1階にあり、隣が飲食店、1階フロアが銀行である。音漏れを守ることは、都市部のライズハウスにとっては生命線。付近の店舗や住民に騒音の問題が無いようにきちんと防音施工が施されていなければならない。店の立ち上げ当時、防音工事終了後にスピーカー・システムをフルセットで持ち込み鳴らしたところ満足できず、上記の数値を出すために追加で防音扉をもう1枚加えた経緯もあった。


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