TD 10TH ANNIVERSARY !! HiVI X HiVi WEB SPECIAL CONTENTS FEATURING. ECLIPSE TD SERIES. TD 10th Campaign
COMMENT from YOUSUKE FUJIWARA ひとたびその魅力に触れると離れられない突出したオリジナリティ――TDシリーズ10周年に寄せて 藤原陽祐
 イクリプスTDシリーズ(以下、TD)は、そのコンセプトそのものが、ひじょうに独特なスピーカーである。スピーカーによる色づけをできるだけ排除し、音源を忠実に再現することを追求する――いわゆる“スピーカー”の設計において独特ともいえるこのコンセプトは、2002年に登場して以来、まったくブレることなく貫かれてきた。時代や流行の変化もスピーディーな昨今にあって、10年というのは短いようで長い。そんななか、“コンセプトや主義・主張を崩さずに進歩してきた”ということに、まずは拍手を送りたい。

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後ろにみえるシルバーのスピーカーはイクリプス TD712z。ほかにも、プリメインアンプとセットで発売されたTD 508PA(ダークブルー)など、藤原さんの「とことんシアター」にはTDの各種モデルが顔を揃える
 いまから10年前のスピーカー市場は、ヨーロッパのブランドの製品たちに勢いがあった時代だったように思う。富士通テンが、TDというブランドを立ち上げ、家庭用スピーカー市場に参入したのは、まさにそんな時代だった。スピーカーを含め、オーディオビジネスというのは熟するまでに時間がかかる――開発はもちろんのこと、製品やブランドが立ち上がり認知され、浸透するまでには相当の時間がかかるものだ。また、やっとの思いで立ち上げてみても、認知されるまでに息切れしてしまうケースもあるだろう。そんななか、TDという、まったく独自のコンセプトと技術をもって参入した同社のチャレンジは、10年という時間を経て確実に実を結び、熱烈なファンを醸成しつつある。

 独特のフォルムも、一度見たら忘れられないインパクトと強烈な個性を持っている。エッグシェル(卵殻)というこの形状は、“元々の音が持つ波形をそのまま再現する”というTDのコンセプトを具体化したもの。“スピーカーはあくまで黒子に徹するべき”という考えのもと、スピーカー自身が発する余計な共振や振動を極限まで抑え、元々の音の波形をきれいに鳴らす。うまく鳴ったときには“まるでスピーカーから音が鳴っている気がしない”という感じを抱かせるほどだ。

 一度、この魅力を知ってしまうと、なかなか離れられない。スピーカーと一口にいっても、さまざまなブランドがあり、それぞれに個性があるものだが、TDほど強烈で、突出した個性をもつブランドは他にないように思う。こうした“音源に対する忠実さ”という独特のコンセプトやクォリティはもちろんのこと、その独自性を一貫する“ひたむきさ”や“一途さ”に惹かれているファンも多い。僕自身も、そのひとりだ。

 すでにTDを使っている人には、ぜひこれからも、さらにその魅力とつきあってみてほしい。そのラインナップのフレキシビリティも、またTD“らしさ”といえるだろう。たとえば、設置スペースに限りがあり、サイズの大きなスピーカーの導入を迷ってしまう場合など――上から下までのラインナップでコンセプトが統一されているTDなら、コンパクトなモデルをリア用に、と、組み替えて設置してもバランスが取りやすく、音色や印象に大きな変化がない。その音の特性にクセっぽさがないためだ。また、コンパクトな下位モデルでも、音量を下げたときにありがちな“音がやせる感じ”がない。小音量でイメージのいい音が出せるのもTDの良さのひとつだ。また、人の声、台詞などが聴きやすいという特長を活かし、ピュアオーディオだけでなく、テレビとの組合せやホームシアターにもおすすめだ。まだTDの音の世界を体験したことのない人にも、こうした良さをイメージしてもらい、機会があればぜひ試聴してみてほしいと思う。

 スピーカーとしてはひじょうに個性があるが、音はとてもニュートラル。そんなTDの、これからの10年、この先にも、もちろん期するところは大きい。個人的には、コンパクトな筐体に上位モデル並みのスペックを擁した“コンパクトなのに中身はハイエンド”というモデルの登場を期待したい。そんな製品が登場を心待ちにしていいるTDファンは少なくないと思う。

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藤原陽祐さんも選考委員を務める「HiViグランプリ」をはじめとするアワードに輝いたTD製品たちをご紹介します。