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HOME > ヘッドホンでスピーカーの音場を再現するビクター WiZMUSIC90

このビクタースタジオを持ち歩いてヘッドホンで聴く、なんて贅沢で楽しいんだ。

構成=伊藤隆剛、写真=村上宗一郎
ヘッドホンでスピーカーの音場を再現するビクター WiZMUSIC90
オーディオ評論家3名が一斉体験&魅力を語る【後編】


WiZMUSIC90 ¥900,000(税込)
WiZMUSICの紹介ページ
Stereo Sound ONLINEの発表会レポート
スピーカーで聴いた音場をそのままヘッドホンで再現する、そんな夢のような製品が誕生した。ビクターの「WiZMUSIC」だ。これまでも、同様のコンセプトの製品はあったが、再現しているとは言い難かったため、にわかには信じられない人も多いだろう。そこで、スピーカーとヘッドホン、両方のリスニングに精通するオーディオ評論家の小原由夫さん、藤原陽祐さん、山本浩司さんの3名に、ビクタースタジオの音場を再現する「WiZMUSIC90」を一斉体験してもらい、その真価と魅力を存分に語ってもらった。後編は、オーディオ評論家3氏による座談会形式でお届けする。WiZMUSIC90を聴いた彼らの話は尽きなかったようだが、どのような印象を持ったのだろうか。(Stereo Sound ONLINE 編集部)

<<【前編】WiZMUSICの詳細/個人測定/ ファーストインプレッションはこちら

WiZMUSIC90の極めて高い音質に驚愕

WiZMUSIC90について説明をしてくれたJVCケンウッド メディア事業部 プロダクツ事業統括部 プロダクツ・マネージメント部 シニアスペシャリストの斉藤靖之さん(左)と、ビクタースタジオ 副部長 エンジニアグループ ゼネラルマネージャー FLAIR長の秋元秀之さん(右)
WiZMUSICはルームアコースティックを含めた個人特性測定=“コト”と、専用ヘッドホン、ヘッドホンアンプ、再生用スマホアプリなど=“モノ”のトータルパッケージ。その内容によって、限定300セットのプレミアムパッケージWiZMUSIC90とスタンダードパッケージのWiZMUSIC30がある。詳しくは左下の表を参照いただきたい。写真のヘッドホンHA-WM90は両パッケージ共通、ヘッドホンアンプSU-AX01はWiZMUSIC90に含まれるアイテム
――ここからは、前編でご体験いただいたWiZMUSIC90の印象について、お三方でお話しいただきたいと思います。みなさんはEXOFIELDを開発途中の段階で一度体験されているとのことですが、その時と比べて今日のWiZMUSIC90の印象はいかがでしたか?

藤原 以前に聴かせてもらったのは、横浜・子安にあるJVCケンウッド本社内のオーディオルームだったのですが、その時の音は今日ほどクォリティの高いものではありませんでした。測定場所もスピーカーもヘッドホンも今日とはまるで違うので一概には言えないけれども、「その部屋で鳴っているスピーカーと同じ音が、ヘッドホンで体感できる」というWiZMUSICのコンセプトとメリットは、今回の方が断然よく実感できた。ひじょうに価値のある、先進的なパッケージサービスだと思いました。

WiZMUSIC90
¥900,000(税込)※限定300セット
モノ
  • ・HA-WM90(ヘッドホン)
  • ・SU-AX01(バランス接続対応ヘッドホンアンプ)
  • ・アンバランスリケーブル
  • ・バランスリケーブル
  • ・キャリングケース
  • ・WiZMUSIC音楽再生アプリ
  • ・計測データ(最大4名分)
  • ・ハイレゾ楽曲(200曲分相当のフリークーポン)
コト
  • ・ビクタースタジオ「EX Room」にて個人特性測定
  • ・スタジオエンジニアによるチューニング
  • ・本人含む家族最大4名まで測定可能
  • ・スタジオ見学体験
WiZMUSIC30
¥300,000(税込)
モノ
  • ・HA-WM90(ヘッドホン)
  • ・SU-AX7(ヘッドホンアンプ)
  • ・アンバランスリケーブル
  • ・キャリングケース
  • ・WiZMUSIC音楽再生アプリ
  • ・計測データ(1名分)
コト
  • ・JVCマスタリングセンター赤坂スタジオにて個人特性測定
  • ・本人1名の測定
小原 私も同感です。子安のオーディオルームはラボ的な空間で、ヘッドホンも試作段階のものでした。すべての条件がきっちり追い込まれ、サンプリング周波数も48kHzから96kHzに引き上げられた今日の音の方が高品質なのは、当然と言えば当然のことです。しかし正直なところ、ここまでよくなっているとは思いませんでした。本当にすごい音だったと思います。

山本 「目の前にステージがあり、そこに演奏者が並んだ様子を再現する」というのがステレオフォニック再生本来の目的であり、鉄則です。ヘッドホンリスニングは、それを半ば強引に、頭内定位という形で実現しようとしたもの。その頭内定位の重苦しさを取り除くべく、これまでさまざまな技術が提案されてきましたが、このWiZMUSICはそれらをはるかに凌ぐ本格的なサウンドを聴かせてくれました。前編でも触れたように、EXOFIELDのオン/オフを聴き比べると、オン時は音場の前方定位にとどまらず、音質そのものが大きく向上している。具体的に言えば、音が全体的に明るくなるんです。これには驚かされました。

ヘッドホンとスピーカー、それぞれの利点を併せ持つ


WiZMUSIC90を体験してくれたオーディオ評論家3名。左から山本浩司さん、小原由夫さん、藤原陽祐さん。WiZMUSICの魅力の虜になったようで、話が尽きなかった
WiZMUSIC90を体験してくれたオーディオ評論家3名。左から小原由夫さん、山本浩司さん、藤原陽祐さん。スピーカーと同じ音場感を楽しんでいるようだった
小原 スピーカーに対峙して音楽を聴くことを日常とし、そのスタイルへの愛着が強い人ほどヘッドホンの頭内定位を嫌う傾向がありますが、もちろんヘッドホンリスニングにも長所はいろいろあります。ひとつは耳のすぐそばで音が鳴らされるため、細かな音を隅々まで味わえること。そしてもうひとつは、ルームアコースティックに影響されない音を聴けることです。頭内定位は、いわばルームアコースティックから解放されるための代償と言っていい。EXOFIELDは、ルームアコースティックを活かしながら前方定位も実現させるというという意味でアクロバティックな技術に思えますが、音そのものに不自然なところはありませんでした。私が一番すごいと思ったのはそこです。

藤原陽祐さんは、ヘッドホンの音の良さに感心しきりの様子。音場補正機能にありがちなブーミーさや不自然さがないのは、再生能力が高いことが大きいと分析していた
藤原陽祐さんは、ヘッドホンの音の良さに感心しきりの様子。音場補正機能にありがちなブーミーさや不自然さがないのは、再生能力が高いことが大きいと分析していた
藤原 確かにヘッドホンは、音源と耳の距離がスピーカーよりもずっと聴き手に近い。だから作り手の意図をよりダイレクトに受け止めることができます。EXOFIELDはそういったヘッドホンの優位性を残しながら、ルームアコースティックを含めたカスタマイズを行ない、環境による音の変化を極限まで取り払う。とにかく画期的で、いろいろと期待が膨らみます。

山本 ぼくはルームアコースティックの影響を受けないダイレクトなヘッドホンの音が、必ずしも「正しい再生音」だとは思いません。やはり、2本のスピーカーを鳴らすことで生まれるステレオフォニック効果の中で適切にチューニングされた音をリファレンスにすべきだと考えています。しかし今日聴いたWiZMUSICの音は、まったくの別物。従来のヘッドホンリスニングに「日本最高レベルの環境でチューニングされた音場特性」を加えることで、まるで聴いたことのないようなサウンドを提示してくれました。
1:WiZMUSICの音質 2:WiZMUSICの可能性

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