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in pursuit of purity マランツが目指す“純粋な”AV  SR8012

純粋さを追求するがゆえの全ch同一クォリティの実現

 たっぷり時間を要して誕生したSR8012が、開発過程でもっとも苦労したのは温度管理・熱設計だったと、エンジニアの高仲渉さんは振り返る。

 「SR8012はマランツ初の11chアンプになり、セット内で11chのパワーアンプがきちんと動作するための検証にかなりの時間をかけました。要求された横幅と奥行の中で、空冷ファンの取付け位置やブレード等のサイズ、個数の検討をしていきました。それは開発の初期というよりも、事前検討という段階からです。温度試験のために新規に試験装置も導入したくらいですから。ここにファンを置きたいので穴を開けてほしいと私からお願いしても、強度が落ちるのでダメと構造の責任者から突っぱねられました。あーでもないこーでもないと、機構設計者と半年くらい掛かりっきりでしたね」

シールドに封入されたトロイダルコアトランスは、これだけで5.8kgの重量。こうしたパーツを支えるシャーシ剛性と放熱のバランスをとるために苦心したというわけだ
▲シールドに封入されたトロイダルコアトランスは、これだけで5.8kgの重量。こうしたパーツを支えるシャーシ剛性と放熱のバランスをとるために苦心したというわけだ
樹脂製のフットは微妙に楕円を描くリブで補強されている。裏に貼られているスリット入りの布もポイントで、音質を考慮した上での形状だ。人工皮革のような肌触りで、ひじょうにコストがかかっているという
▲樹脂製のフットは微妙に楕円を描くリブで補強されている。裏に貼られているスリット入りの布もポイントで、音質を考慮した上での形状だ。人工皮革のような肌触りで、ひじょうにコストがかかっているという
 開口率を上げるのと強度を上げるのは、いわばトレードオフの関係。電気担当と機械担当のまさしくせめぎ合いだ。エアーフローテスターを使った、ファンの取付けスペースや位置の吟味によって風の流れは最適化され、静音性は先代機に比べて少なくとも5dBは向上したという。そうした“見えない部分の苦労”がかなりあると高仲さんは苦笑いする。

ネットワークオーディオ機能のための基板は別建てになっている。ディーアンドエムホールディングスが推進する独自ネットワーク機能「HEOS」(ヒオス)の専用モジュールだ
フロントパネル内にメイン表示窓を備えるのもマランツ機の特徴のひとつ。音質に対する配慮から、フラップを閉じると自動で消灯される仕組みになっている
▲ネットワークオーディオ機能のための基板は別建てになっている。ディーアンドエムホールディングスが推進する独自ネットワーク機能「HEOS」(ヒオス)の専用モジュールだ

◀フロントパネル内にメイン表示窓を備えるのもマランツ機の特徴のひとつ。音質に対する配慮から、フラップを閉じると自動で消灯される仕組みになっている
 オーロ3D対応も今回のSR8012の大きなフィーチャーのひとつだが、電気担当の高仲さんとしては、そのことが作業に影響したことは特になかったという。アンプとしての体幹性能がしっかり出ていれば、たとえ理想的なスピーカーレイアウト(ドルビーアトモス、DTS:X、オーロ3Dでは推奨されるスピーカー配置が異なる)ではなかったとしても、充分なサウンドパフォーマンスが得られることが確認できたからだ。

 「全チャンネル・イーブン・クォリティというのが当社のポリシーですが、帯域制限があるサブウーファーチャンネルにまでHDAMを積む必要があるのかという議論はありました。しかし、前述したポリシーがある以上、それは外せない要素なのです」

 その言葉を受けて、髙山さんが改めてマランツの今後のAV戦略を解説する。

 「社内でオーソライズしたサウンド・フィロソフィを表す標語に、『イン・パースート・オブ・ピュリティ』というのがあります。これは『純粋さの追求』という意味で、2chでもマルチchでも、元々の音源の情報を純度高く、ストレートにありのまま出すという共通の目線から捉えたものです。それはノイズのコントロールであったり、2chの延長であるマルチchの同一クォリティ実現であったりするのですが、今後もそうした姿勢を一貫していきたいと思っています」

2chとマルチchの垣根をなくす鮮明なサウンドステージ

 SR8012のサラウンドサウンドを聴くと、マランツの言う「2chの延長のマルチch」、「プログラムソースの情報をありのまま再現する」という意味がよくわかる。シームレスな音場のつながりは、隣り合うチャンネル同士ががっちりと連携し、それが数珠つなぎに結び付いて3次元の立体空間を作り出しているのが実感できるからだ。

 シーンのパンニングやスイッチングに合わせて定位位置が切り替わる効果音、その後ろにそっと広がる音楽と、それにマスキングされない微かなサウンドエフェクトの実在感が明瞭に感じ取れるのである。これはS/Nの高さあっての再現であることは言うまでもない。と同時に、効果音にしかるべき硬さや柔らかさ、鈍さや鋭さが伴なっていることも明白だ。サブウーファーの音がすこぶるクリアーな点には、帯域制限があってもサブウーファーチャンネルにまでHDAMを搭載した恩恵が現われたものに違いない。

マランツ・サウンドを体現するプリ&パワーアンプ
プリアンプ部には一般的なオペアンプの10倍のスルーレートを誇るというHDAMを搭載。LFEchを含む全chが同一クォリティで実装されている。プリアンプ部の基本構成はコントロールAVセンターAV8802と同じだという
▲プリアンプ部には一般的なオペアンプの10倍のスルーレートを誇るというHDAMを搭載。LFEchを含む全chが同一クォリティで実装されている。プリアンプ部の基本構成はコントロールAVセンターAV8802と同じだという
▲フルディスクリートパワーアンプをモジュール化し、トロイダルコアトランスを挟むように11ch分を搭載。chごとに独立した基板にマランツのオリジナル部品を多用している
▲フルディスクリートパワーアンプをモジュール化し、トロイダルコアトランスを挟むように11ch分を搭載。chごとに独立した基板にマランツのオリジナル部品を多用している
 CDをステレオで鳴らしても、AVセンターで聴いているという意識がいつのまにかなくなる。克明な音像と、伴奏との立体的な距離感、見通しのよい鮮明なサウンドステージに、ブランドの威信を見た思いだ。

 マランツというブランドのバリューに見合うAVの環境がようやくここ日本でも整い、それにミートしたハイエンド製品を問うことができる素地が固まった。今後もセパレート構成の高級AVセンターの市場導入が予定されているというから、大いに楽しみである。

MARANTZ SR8012
MARANTZ SR8012
¥370,000+税(12月中旬発売)
●定格出力:140W(8Ω、20Hz〜20kHz、0.05% THD)×11ch
●接続端子:HDMI入力8系統、HDMI出力3系統、アナログ音声入力8系統(RCA)、デジタル音声入力4系統(光×2、同軸×2)、USBタイプA 1系統、LAN1系統 他
●消費電力:780W●寸法/質量:W440×H185×D460mm/17.4kg
●問合せ先:デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオお客様相談センター TEL 0570(666)112


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