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真の4K対応を果たすための圧倒的ブレイクスルーオーエスから4K対応新型スクリーン「ピュアマットIII」デビュー 山本浩司
¥304,500(PA-120H-02[16対9、120インチ、張り込み式])
●ゲイン:1.0±1.0%(3度)
●半値角:60度以上
●備考:DCI対応のビスタ(17:9)、シネスコ(2.35:1)などの特別注文にも対応(受注生産)
●問合せ先:㈱オーエスプラスe コンタクトセンター fd.jpg0120-380-495
ピュアマットといえば、オーエスを代表するホームシアター用旗艦スクリーン。そのラインナップにこの夏、4Kプロジェクターに照準を合わせたピュアマットIII(型式はWF301)が加わる。織糸を改良することで4K高解像度に対応しながら、拡散型マットスクリーンの理想であるゲイン1(3度±1.0%)をついに実現した注目のハイエンド・スクリーンである。東京・綾瀬にある㈱オーエスプラスe 本社を訪ね、このスクリーンの誕生秘話を訊いた。
尖鋭度が高くて、ナチュラルな4K映像に目が奪われた!
ピュアマットスクリーンの進化
昨年7月号でピュアマットⅡEXの開発ストーリーを取材したが、ピュアマットⅢは、それに続くオーエスのホームシアター用フラッグシップ・スクリーンということになる。ピュアマットⅡEXは3D映像が快適に楽しめるスクリーンを目指して開発されたが、今回のピュアマットⅢの開発目的は、4Kプロジェクター対応。ハイビジョンの4倍の解像度を持つプロジェクターならではのハイフォーカス性能を十全に発揮させながら、高解像度投写による干渉(モアレ)やホットスポット(プロジェクターの光軸周辺のギラつき)を排除することを目的に開発されたという。
120インチタイプの完成品に、HiVi視聴室に常設されたソニーのリアル4KプロジェクターVPL‐VW1000ESの映像を映し出してみたが、ピュアマットⅡEX以上に尖鋭度の高い映像が味わえ、そのヌケのよいナチュラルな画質に目を奪われながら「次に導入するわが家のスクリーンはもう絶対コレだな……」と一人つぶやいたのだった。
その画質チェックから数日後、オーエスプラスe本社でオーエスエム生産管理チーム・リーダーの井口清之さん、知財開発グループの前田和則さん、オーエスプラスe営業チームリーダーの神崎健太朗さん、オーエス営業戦略グループの竹内宏顕さんの4人に、このピュアマットⅢ誕生までの経緯を訊く機会を得た。井口さんと前田さんはテレビ会議システムを使って兵庫工場からの参加だ。
まずスクリーンを4K対応させようという発想はどこから出てきたのか、ピュアマットⅡEXでもイケるのでは? という思いはなかったのだろうか。そのあたりから訊いてみよう。
「ええ、実は当初ピュアマットⅡEXでも充分に4K対応できているんじゃないかと考えていたんです。しかし、昨年5月にソニーの4Kプロジェクター、VPL‐VW1000ESとの組合せ評価を行なう機会を得て、懸念されたモアレの問題は顕在化しませんでしたが、幕面の凸凹を今以上細かくすれば、4Kプロジェクターからもっと繊細な表情を引き出せそうだという感触を得たのです。そこから開発はスタートしました」と前田さんは言う。
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↑バックコートで映像の印象は大きく異なる。写真は右から①初代ピュアマット、②ピュアマットⅡplus、③ピュアマットⅢ開発初期のサンプル、④ピュアマットⅢの生地の裏面。③のグレー色では、背後が透けて期待するコントラストが確保できなったため、最終的に表面のチタン塗付量を増やしつつブラックコート仕様になった
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↑張り込み型スクリーンに使われるフレームの断面。細かい繊維を表面に植毛したフロッキー加工を施し、徹底的に迷光を対策している
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ピュアマットは、ポリエステル繊維を織り上げた布地タイプの拡散型マットスクリーンである。4K対応スクリーンを開発するにあたって、まず織物が最適かどうかから開発陣は考え直したそうだが、焼却時に有害物質が発生する環境負荷の大きい塩化ビニールや表面がまっ平らでホットスポットの排除が難しい安価なPETなどは問題外、やはりここはオーエスの高級スクリーンとして高い支持を得ているピュアマットのファブリック素材でいこうと早い段階で意志決定されたそうだ。
 井口さんは言う。
「4Kプロジェクターの画素数はハイビジョンの4倍。その高解像度を活かすため、前田が言うようにスクリーン表面の凸凹をもっと小さくしたいと考えました。凸凹の手前と奥の映像光の距離差を小さくしてハイフォーカスを狙うという作戦です。
そこで従来よりも糸の径を細くすることにし、ピュアマットⅡEXから繊維の数を減らして半分にしました。この糸で縦・横を織り上げ、織り目を約4分の1にしたわけです。糸が細くなるとほつれやすくなりますから、安定して製造するのは難しいのですが、加工工場の機械調整を時間をかけて最適化することで、この問題に対処しました」
なるほど、ピュアマットⅡEXとピュアマットⅢの織り目を画素に見立てると、ハイビジョンと4Kの関係にピッタリ合致するではないか。これは興味深いアプローチだ。ちなみにピュアマットは初代製品から表面はランダムな梨地織り、裏面は規則的パターンの朱子(しゅす)織りを採っている。つまり、梨地織りで画素固定型プロジェクターから投写される規則的な画素の並びとの干渉を防いでモアレの発生を抑え、強度を高める朱子織りでスクリーンの平面性を向上させようというわけだ。この梨地織りと朱子織りを同時に織り上げる、きわめて高度な製法をオーエスは確立しており、もちろん今回のピュアマットⅢでもこの手法が採用されている。
実際に先述の4Kプロジェクターを用いてピュアマットⅡEXとピュアマットⅢの画質を比較してみると、スクリーン表面の凸凹の細かさによって映像の尖鋭感に違いが出ることが実感できる。ソニーVPL‐VW1000ESとの組合せでは、明らかに凸凹が細かいピュアマットⅢのほうが解像感が高く見えるのである。しかもいっそうシャープなハイコントラスト感が得られる印象もある。話を聞いてみると、ピュアマットⅢは拡散型ホワイトマットの理想値であるゲイン(利得/反射率)1をついに達成したとのこと(3度ゲイン。ちなみにピュアマットⅡEXは0・97)。快挙というべきこの値を達成するには、どんな苦労があったのだろうか。
ゲイン1・0を達成するために新たな構造に到達した
「カット&トライの繰り返しでした。スクリーン表面のコーティング材に、白の顔料の基本となる化合物の配合を増やすことでゲイン向上を図るわけですが、それがどうもうまくいかない。原因を探ると、バックコートの黒の顔料が細かくなった繊維の編み目に入り込んでしまって、ゲインを下げていることがわかったんです。そこでバックコートを黒からグレーに変更してゲインを上げてみようと試作したところ、今度は裏が透けて見えてしまい、使いものにならない。
そんなドタバタを経て、バックコートの顔料を黒に戻し、そのバックコートと織物の間にコーティング層を厚く――と言ってもコンマミリメートルの話ですが――、挟み込む手法を確立してゲインを稼げるようにしたんです。この手法を採ることで拡散型ホワイトマットの理想値であるゲイン1・0を達成することができました」(井口さん)
しかも、この新構造を採ることによって、スクリーン強度を向上させるという副産物も手にしたという。織り上げる糸の径がピュアマットⅡEXの半分となるピュアマットⅢは、スクリーン自体が薄くなり、強度が心許なくなることが想定されたが、バックコートと織物の間に層を厚くコーティングする手法を採ることでしなやかで腰のある仕上げとなり、平面性が確保でき、巻き皺の問題から逃れられる強度が得られたというわけだ。ゲインアップと強度の向上というスクリーンにとって重要な課題を同時に解決する手法を考案した同社技術陣の炯眼に感服だ。
「コーティング量を変えながら、同時に基準色温度D65からの偏差を極小化することにも留意しました。理想値のゲインが達成できたとしても、ホワイトバランスが偏っていては、安心してお使いいただくことはできませんから」と前田さんは言うが、確かにクセの少ない発色を実現するには、スクリーンの色温度偏差は重要なファクターだ。測定結果を見ると、D65の白に対してピュアマットⅢはピュアマットⅡEX同様、ほぼ誤差の範囲に収まっていることがわかる。
実際にテスト信号が記録されたブルーレイ「スーパーHiViCAST」を用いて、色相・彩度のチェックを行なってみたが、VPL‐VW1000の『リファレンス』モードのほぼセンター(50近辺)で最適値に収まることが確認できた。この事実もピュアマットⅢの性能の高さを物語る重要なポイントだ。
平面性の高い張り込み式で登場。気になる電動昇降式も開発中
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↑取材は、㈱オーエスプラスeの本社で実施した。写真左から山本さん、㈱オーエスエム 生産管理チーム リーダーの井口清之さんと同知財開発グループの前田和則さん、㈱オーエス 営業戦略チームの竹内宏顕さん、㈱オーエスプラスe 営業チームリーダーの神崎健太朗さん。井口さんと前田さんはテレビ会議システムで参加していただいた
ピュアマットⅢは、当初は張り込み式のPAタイプのみの発売となる。スプリングによって周囲からテンションをかけ、理想的な平面性を実現できるこのスクリーンで、まずはピュアマットⅢのよさを味わっていただきたいと神崎さんと竹内さんは声を揃える。スクリーン周りには艶消しのベロアがあしらわれており、じつに高級感のある仕上げだ。通常のアルミ塗装だと反射を完全に抑えることができないので、フロッキー加工による高級ベロア仕様にこだわったと竹内さんは付け加えた。
規格品としては、100/120/150インチ(16対9)がラインナップされるが、もちろんミリ単位での特注が可能。シネスコサイズ、VPL‐VW1000ESの4Kビスタサイズ(17対9)の特注にも対応してくれるという。また、市場からリクエストの多いサイドテンション付電動昇降式タイプもこの秋の発売を目指して現在評価テストを行なっているところだそうだ。
4Kプロジェクターの高解像度映像の魅力を引き出すべく真摯に開発されたピュアマットⅢ。スクリーンの新規購入、新調をお考えの方はぜひとも早くその魅力に触れていただきたいと思う。


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