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HOME> Panasonic VIERA TH-L65WT600

HDMI2.0準拠・4K/60p信号入力対応 4K VIERA 堂々の登場!
おそらくHiViの読者であれば、どうしてパナソニックは4Kディスプレイをリリースしないのか、不思議に思っていたに違いない。同社は、プラズマ、液晶の両方式のパネルを用いた多彩な製品ラインナップを擁することで、クォリティを求めるオーディオビジュアルファンから入門層に至るまで幅広くアピールしている。そんな彼らの姿勢には、誰しも頼もしさを感じてきたはずだ。それだけにパナソニックが作る4Kディスプレイに期待の声が上がっていたことは想像に難くない。
その待望の新星がいよいよ姿を現す。4K画質への仕上がりに徹底してこだわったこと、そして4Kディスプレイとして長く使えるように4K/60pの入力に対応したHDMI2.0の規格制定を待っていたと言うことだろう。
4Kの持つポテンシャルを最大限に発揮するディスプレイ
パネルにはVA方式の新型が採用されている。バックライトは両サイドに配置され、エリア制御技術によって部分駆動を行ないコントラストの豊かな映像表現を可能にしている。加えて本機と同時期に開発された同社の最高峰BD/HDDレコーダー、DMR‐BZT9600との組合せにおいて、4K/60pの4:4:4/24ビットの信号もしくは、4:2:2/36ビットというHDMI2.0規格における最高レベルの信号伝送を行ない、高精細で色解像度の高い映像を再現することができるようになった。
4Kという高解像度信号に加えて映像のビット深度を高めたのは、彼らがMGVC(マスターグレードビデオコーディング)という映像信号の表現力を向上させる新しい方式のブルーレイソフト再生を推し進めているからでもある。
細部まで高精細の4K解像度
↑フルハイビジョンの約4倍の約829万画素という高解像度により、高精細な画質を実現。映像の細部までくっきりと再現する。65型という迫力の大画面でありながらも、リアルできめ細かい映像を味わえる
4K/60p入力対応で動きがなめらか
←解像度4K、フレームレート60pの映像への入力対応を実現。1秒間に60枚のプログレッシブ映像により、速い動きでもブレが少なく、安定したなめらかな映像を楽しめる。さらにHDMI 2.0/DisplayPortTM 1.2a規格に準拠しており、パソコン、ゲーム、ネット動画などからの4K/60p映像を表示することができる


また4Kディスプレイとして、放送やパッケージソフトによる映像再現に力を注ぐことはもちろんだが、彼らはそれだけではよしとしなかった。電子番組表やインターネットブラウザー、ネット動画に対しても、持てるポテンシャルを十全に発揮できるよう文字の高精細化や4K表示での静止画の画質を追い込んだのである。その成果はグーグル・マップを驚くほどの精細さで描写したり、番組表の24時間一覧高密度表示に現われている。
さまざまな映像を高精細に美しく再現する超解像技術「4Kファインリマスターエンジン」
↑SD画質/デジタル放送/BD/静止画それぞれの高解像度画像と低解像度画像の関係を学習した、約12万パターンにおよぶ高画質化用の映像データベースとリアルタイムに照合し、高精細情報を付加。補正に使用されるデータベースはデジタル放送用、ブルーレイソフト用などソース(解像度)ごとに用意されているため、高い精度での補正を行なえるという。
なめらかで美しい動画性能4K/60p入力対応「4Kフレームクリエーション」
↑1秒60コマで構成される動画の映像を解析し、動きを予測して新しいコマを補間する。さらに、バックライト領域を分割。バックライトを順次オフにし、黒挿入を行ない動きの速い映像も残像を抑えた滑らかな動きでクッキリと描写する。このフレームクリエーション回路は、4K/60p入力に対応している。4K/60p の場合は4K/30pよりも補間するコマが減り、精度が高く滑らかな動きの美しい映像が楽しめる。また、4K/30pの映像も1秒120コマに変換可能だ

さらにこのモデルには、家庭用ディスプレイ初となるディスプレイポート1.2aというインテルが規格化したパソコン信号の伝送方式を取り込むことで、4K/60pでのPCゲームソフトが楽しめるなど新しい分野にも積極的に取り組んでいる。
高画質を支える映像信号処理技術に関して触れておくと、「4Kフレームクリエーション」は4K/30p、4K/60pで入力された4K信号を120p表示とバックライトスキャンの組合せで、精度の高い補間映像を作り出し、動きの速い映像の再生時にキレのある滑らかな動きで描写する工夫が凝らされている。
photo
また「4Kファインリマスターエンジン」は、12万パターンのデータベースを基に4Kの高精細情報を復元し、入力映像の精細感と質感を改善。超解像データベースは、4Kオリジナル映像とそれをダウンコンバートした映像の相関関係を予め学習して作成した、数画素×数ラインの大きさを持つ低解像度BMPと4KBMPのペアで構成されている。
なお、「4Kファインリマスターエンジン」は入力映像をリアルタイムでデータベースの低解像度BMPと全画素照合して入力映像にマッチングする低解像度画像を特定し、これに対応する4KBMPの高精細情報を入力映像に付加する。フルHDディスプレイに採用された「リマスターエンジン」のデータベースは3万パターンだったが、本機では4Kオリジナル映像との相関を入力映像の解像度別に個別に学習した12万パターンのデータベースを備えており、豊かな表現力を身につけた。
さらにはハイビジョン放送に対して、映像のきらめく質感をより印象的に補正する「キラメキ復元効果」や暗闇の撮影などでノイズの多いシーンの画質を改善する「ランダム・ノイズリダクション」、情報量が少ないネット動画等で輪郭が崩れてしまっている場合に輪郭をぼかさずに滑らかに補正するネット超解像技術が導入されていることも特徴だ。
薄いメタルフレームを使った65型サイズの大画面に対するデザインの演出も秀逸である。フルHDモデルの47型や55型にも同様のスタイリングが採用されているが、TH‐L65WT600はエッジ部分にマット系の処理を施し、落ち着きのあるデザインに変更されていることも好感が持てる。また、年間消費電力量を251kWh(2010年4月に改正された省エネ法による。スタンダードモードを標準状態として測定)に設定するなど、省エネに関しても配慮している点はいかにもパナソニックらしいきめの細やかさである。
4Kという広大なキャンバスを活かした余裕の表現力
それでは読者がもっとも気になるであろう、このモデルの画質についてお伝えしよう。試作機での視聴ではあったが、ネイティブ4K/60p映像では、高精細感をひけらかすことなくきわめて自然味にあふれるニュートラルな絵づくりが印象的。4Kという広大なキャンバスを活かした余裕の表現力と言い換えてもいいだろう。無理にレンジ感を求めるのではなく、中間調を大切にした映像だ。
またMGVC作品の4:4:4の4K/24pの伝送において、24ビットと36ビット伝送の比較を行なってみると、36ビット伝送の方が、当然ながらS/N感や色の解像度が優れている。視聴はほとんど1Hの距離で行なったが、圧迫感はまったくなく眼前に広がる映像に釘づけになった。
続いてBDの映画ソフト『オズ、はじまりの戦い』から、手品師オズが魔法の世界へワープするチャプターを視聴してみた。原作へのオマージュからモノクロ映像の4対3の画角がシネスコアスペクトの総天然色に変わるシーンを再生すると、「シネマプロ」モードではモノクロ映像部分で雰囲気たっぷりの映像を映し出す。通好みの表現だがカラー映像になるといくぶん控えめな感じに観える。サム・ライミが監督したこの作品は、カラー映像に変わってからキッチュなまでのなまめかしい色遣いに面白味があるが、そのテイストがいくぶんうすめの感じなのだ。
そこで「シネマ」モードを選び同じチャプターを再生すると、映像の観え方がガラッと変わった。守りの画質設計から一気に攻めに転じる。原色系から中間色まで鮮やかに描き出すし、フェイストーンも「シネマプロ」のややおとなしめな色合いから血色のよい健康色に変化した。
おそらくパナソニックの技術陣は新作から旧作までマスターモニター的に再現したいとの意識から、「シネマプロ」にはこうした画質設計を施したのだと思うが、新作映画の再生には、私なら迷わず彼らが作り込んだ「シネマ」モードを選ぶ。とはいえこのふたつのモードはともによく練り上げられているので、好みに応じて使い分ければよいわけだが、要はこのディスプレイにはそれだけのポテンシャルが備わっているからこそ、細やかな画質の追い込みが可能になっているのだ。
いずれのモードでもこのモデルは、ていねいにノイズを抑え込んだ成果として、きわめて落ち着きのある映像を再現してくれた。ともすると私達は4Kという解像度にばかり目が奪われがちになるが、彼らはその特性を充分に理解したうえで、液晶パネルを使いこなしたからこその仕上がりになったのだと思う。パナソニックはこれまでにも4Kディスプレイの先行開発を行なってきたという。設計陣の技術的蓄積がこうした絵づくりに息づいていると彼らは明言する。
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photo●画面サイズ:65型●画素数:水平3840×垂直2160画素●内蔵チューナー:地上デジタル/BS/110度CSデジタル×3●接続端子:HDMI入力4系統(HDMI2.0対応×1)、DisplayPort1系統、AV入力1系統、色差コンポーネント入力1系統(D4)、デジタル音声出力1系統(光)、USB端子3系統ほか●年間消費電力量:251kWh/年●寸法/質量:W1468×H960×D425㎜/約43.0kg(スタンド含)●http://viera.jp




続いて音楽のBDソフトからアリシア・キーズがニューヨークで行なったスタジオライブ作品から1998年のヒット曲である『ノー・ワン』を視聴してみた。映像に若干セットアップが付けられているため黒側が浮き気味になるが、「シネマ」で観ると、そうした部分もほとんど気にならない。暗部の色遣いも充分でブルーやマゼンタ系のライトに照らし出される彼女の表情を実に鮮やかに捉える。
こうしたソフトを視聴しているとつくづく4K収録のパッケージ作品の早期リリースを望みたくなる。環境的には厳しい状況が続いているパナソニックだが、この4Kディスプレイの登場は、そうした話題を跳ね飛ばすだけの力を備えている。パナソニックの4K戦略は始まったばかりだが、今後の展開にも大いなる期待感を与えてくれるディスプレイの誕生である。


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