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HOME> Panasonic VIERA AX900 Series

4K広色域 IPSパネル×直下型LEDバックライト IPSを活かす最高画質への挑戦
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↑パナソニック独自の色再現技術「ヘキサクロマドライブ」は、映像信号を3原色(RGB)の座標軸に補色3色(CMY)を加えた6軸座標をもとに補正。さらに3次元方式のカラーマネジメント回路により軸と軸の間の多くの中間色もバランスよく補正し、原画に忠実な映像を再現する
 AX900シリーズは語ってみたい項目が実に多い。ポイントは3つ。 IPSパネル採用、 直下型LEDバックライト+ローカルディミング(分割駆動)によるダイナミックレンジ拡大、そして 色再現だ。

 直下型+分割駆動は4Kではパナソニック初だ。他メーカーが先行し、本機でキャッチアップした構図。しかし、単純に他社と比較してよいものでもない。他人がとやかく言えない独特の事情があるからだ。パナソニックの場合は「プラズマ」だ。パナソニックは伝統的に液晶よりプラズマの方が画質的には上という認識を強く持っている。それはコントラスト、視野角、動画応答性についてであり、だから、パナソニックはプラズマを強く推進していたのだ。プラズマテレビの画質に愛着を持つファンも多い(私もそうだ)。

 プラズマテレビが終息後の、パナソニックの液晶テレビ、特に今回の4Kテレビでは、ひじょうにプラズマ画質を意識した。それもコントラスト、視野角でプラズマを凌駕するという大胆な目標を掲げたのである。液晶テレビでのコントラスト向上の決め手は、もちろん「直下型LEDバックライト+ローカルディミング」だ。これまでのパナソニックの4Kテレビはエッジ型バックライトだったから、コントラストについては難しい部分が多かった。私も何度となく、パナソニックの技術者に「なぜ直下型バックライト+ローカルディミングを採用しないのか」と迫った。

 今回ついにその直下型バックライト採用モデルを登場させたわけだが、パナソニックならではの他の追随を許さないふたつの新機軸こそ、注目ポイントだ。ひとつがIPSパネルの搭載だ。直下型バックライト採用の4Kテレビの多くはVA方式で、パネル製造会社をグループにもつ韓国のLGエレクトロニクスの製品以外では実に初めてなのである。

4K大画面化とパネル選択
 なぜ多くの4Kテレビメーカーが高画質をうたうモデルで、VAパネルを選択してきたかというと、パネル・コントラストが圧倒的にIPSパネルを凌駕するからだ。しかし、視野角はたいへん狭い。IPSパネルでも斜め上からの視野角は狭いが、水平視ではVAパネルより圧倒的に広い。このようにVAとIPSではメリット・デメリットが完全に相反するのである。そこで、メーカーとしてはどちらを選ぶかを悩む。

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↑高輝度IPSパネルの明るさを調整するダイナミックレンジリマスター。記録時に失われた「明るさ」と「色」を忠実に復元して、明るいシーンでも色ヌケのない自然な映像を再現
 これまでパナソニックを含めてほとんどVAパネルのみだったということは、視野角よりコントラストを優先した判断の結果であった。しかし、画面が大型化すると斜めからの視野角が問題になるばかりか、真正面に座っていても画面の端は、視野角から外れ、色変化、コントラスト変化が、VAパネルなら必ず起きる。設計リーダーの清水浩文さんが明かす。

 「パナソニックが大切にしている色の再現力にこだわり、視野角を重視しました。せっかく色を忠実に再現するヘキサクロマドライブ(後述)機能を搭載しても、画面正面から見るときれいな色なのに、斜めから見ると色が抜けてしまう。それがとても残念でした。だから今回、あえてIPSパネルに挑戦したのです。以前、大画面サイズのテレビでは、画素単位で自発光するプラズマ方式がデファクトでしたので、視野角が広いプラズマに慣れている方々の買替えにも必ず満足いただける、と考えます」

 視野角を徹底的に追求したひとつの証左が、IPSの弱点とも言える「斜めの視野角」にも、特別な拡散シートを貼ることで対応したことだ。しかし、清水さんの言葉に聞き捨てならない部分がある。
 「今回、あえてIPSパネルに挑戦したのです」
 IPSへの挑戦とは何か。あえて挑戦しなければならないこととは何か。

プラズマ画質を追い越せ!
 それがコントラストだ。前述したようにそもそもIPSパネルは原理的にコントラスト特性が悪い。光を集めて正面に押し出すVAパネルに対し、光を横方向に拡散させる(だから視野角がよい)。IPSはVAパネルの数分の1程度のコントラストしか得られない。だからそれは「挑戦」なのだ。もともとのコントラストの弱さをいかにカバーするか。切り札が「直下型LEDバックライト+ローカルディミング」だった。IPSパネル採用による、原理的なコントラスト低下に対して、パネル直下に配置したLEDの多分割駆動で対処するのである。

 加えて「IPSパネルの素性を知ったうえで、バックライトと信号処理とガンマカーブの相関関係を徹底的にチューニングしました。黒を安定させ明暗や立体感・奥行感をどう出していくか、ひじょうに苦労しました」(清水さん)

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↑画面直下に張りつめたLEDのバックライトをエリアごとに制御。明暗だけでなくその中間の明るさもコントロールすることで、自然なグラデーション表現を可能にした
 リファレンスとして有機ELのフルHDマスターモニターを横に置いて、自発光による際立ったコントラスト感にいかに直下型の液晶パネルで近づけるかの挑戦だった。プラズマを模範にするのでなく、同じ自発光型でも、プラズマをすでに大きく凌駕している有機ELをターゲットに据えたのは偉い。「原画忠実を追い求める中で、映画制作者の意図を表現するには、制作者が確認で使うマスターモニターが最適な目標でした」と清水さんは述懐した。

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↑暗部階調制御技術「エリアガンマ制御」は、映像信号の黒階調を細分化して輝度を調整
 単に直下型+分割駆動を採用しただけではない、業界初の切り口にもトライしたことも注目だ。それがアルゴリズムによるハロー対策だ。ハロー現象とは、直下型+分割駆動において避けられないノイズだ。このやり方でコントラストが強調できるためむやみに黒を沈め、白ピーク感を伸ばすと、黒部に明るい白部があるという絵柄(典型的には闇夜に満月)では黒部に浮きが生じ、違和感のある映像となってしまう。直下型+分割駆動の先発メーカーも対策に苦慮しているが、主にガンマの調整で対応している。

 しかし、パナソニックはもっと根源的に対策した。5×5の25ブロック(分割単位)という広い範囲の単位で制御し、しかもそのエッジ部分を適応的にグレイにすることで、光の段差を滑らかにする。

 「わずかな光にも反応して不用意に光るのがハロー現象です。ここでも有機ELモニターと見比べながら調整しました。なだらかなグラデーションにより、違和感のあるハロー現象を抑えることに成功したとみています」(清水さん)

 このように「プラズマを超える」という目標に向けて着々と仕込んだAX900シリーズだが、絵づくりの方法論をプラズマと同じにしたことも興味深い。それがパナソニック・ハリウッド研究所の活用だ。プラズマ時代、「シネマモード」のパラメーターは最終的にハリウッド研究所でセットしていた。同研究所がエンコードに携わったBDの映画作品を、大きな380インチスクリーンに劇場用プロジェクターで投写し、脇にプラズマの試作機を置き、一体比較でプラズマのシネマモードを絵づくりしていた。

 AX800同様、今回もハリウッド研究所との協業にて、シネマモードを仕上げたという。そのツールが「ヘキサクロマドライブ」という6軸(原色と補色の軸)での色調整機能。6軸というが実際には3次元ルックアップテーブルを使用するため、色数は数千にものぼる。その文脈で新しいトピックスが、誇張を排したモニター調の「シネマプロ」モードを、マスターモニターと同じ輝度に合わせ、従来の「シネマ」モードの2倍とした。冒頭に述べたようにダイナミックレンジの広大化は黒側だけでなく、白側でも追求されるのである

色再現の精巧さに感嘆
 ではインプレッションだ。まずIPSとしての視野角だが、これまでのVAモデルに比べ、横方向に圧倒的な視野角が得られている。横方向なら、相当端に座って観ても充分に色ヌケしない映像として楽しめる。マスターグレードビデオコーディング収録のBD、映画「SHORT PEACE」から『九十九』を再生したが、高彩度にして透明感の高い色調、色数の多さ、そして色の境目の明晰は刮目であった。特に緑の風合いがリアルだった。

 色の安定感が高く、ストーリーの中での色の持つ意味の重さを痛感できるのは、表層的な色再現だけでなく、色の三要素のひとつである輝度(残りは彩度、色相)の安定感が高いことが、総合的に大いに効いている。つまり直下型バックライト+分割駆動による輝度の安定の効用だ。コントラストに関しては、直下型+分割駆動は充分に効き、特にAPL(平均輝度)が高い映像でのレンジ感は広い。

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画面サイズ:65型●画素数:水平3,840×垂直2,160画素●内蔵チューナー:地上デジタル×3、BS/110CS度デジタル×3●接続端子:HDMI入力4系統、Display Port 1系統、色差コンポーネント入力1系統(D4)、コンポジット映像入力1系統、デジタル音声出力1系統、他●寸法/質量:W1457×H863(+H22/カメラUP時)× D356mm/約52kg(スタンド含む)●ラインナップ:TH-85AX900(85型)、TH-55AX900(55型)、スタンド形状の異なるTH-55AX900F(55型)あり●http://viera.jp
 また、シネスコサイズの上下の帯や全黒映像では、極端に黒まで沈み込ませていない。直下型+分割駆動なら、黒発光を完全に止めることも可能だが、ハリウッド研究所と協議した結果、映画館での実際のコントラスト感に照らし合わせ、わずかにセットアップを付ける方針にしたという。

 ハロー削減機能は基本的に有効だ。映画「ビザンチウム」の夜景シーンでは光漏れを効果的に低減させていることがわかった。今後は、さらに動作の精密化を期待したい。

 パナソニック初のIPSパネル+直下型LEDバックライト+分割駆動の4Kテレビは想像どおりの進歩を見せた。特に色再現の精巧さを評価したい。
提供:パナソニック


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