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HOME> PANASONIC VIERA TH-65EZ1000

 パナソニックの有機EL発進モデル、65EZ1000を視て、ひじょうに印象的だったのは、有機ELなのだから、黒がしっかりと締まるのは当然のこととして、暗黒から光り出す部分の微細な黒階調が、予想以上にきれいな(ノイズがたいへん少ない)ステップを描いていたことだ。夜の武家屋敷街に黒装束の忍者が忍び込む4K&HDR映像では、漆黒を背景にする黒い忍者の様相がわずかな黒階調の差しかないのに、正しく認識できる。暗部のわずかな着色感も分かる。同時に、街路灯や提灯は尖鋭に輝き、同一画面での黒と白の対比感は鮮やかだ。
 私はパナソニックの有機ELを2014年の試作機の段階から深く観続けているが、代を追うごとに、 確実に階調描写性が上がっていることが、EZ1000で確認できた。この刮目すべき階調性は、一朝一夕に成ったわけでは、ない。そもそもかつてのプラズマでは、階調を1から、ディスプレイ内部で生成しなければならなかった。プラズマ動作は0(オフ)か、1(プラズマ放電での蛍光体励起発光)か......だ。階調は信号処理と発光制御、そしてディザー(ノイズ)加味で創造しなければならない。最初の段階では画面はノイズの塊だったが、撤退を余儀なくされる2009年頃の製品は、素晴らしい階調性を獲得していた。パナソニックの有機ELにはこの経験が活かされているのだ。

 プラズマからの撤退後、有機ELの戦略性に目覚めたのが、2014年のIFAショーだった。ヨーロッパビジネスにおいて、高らかに「自発光の復活」を喧伝したのが、同地で15年に発売したCZ950(曲面パネル)だった。この時、有機ELの画質が「戦略」になったのである。

有機ELパネルの性能を最適に引き出す高画質技術
「ヘキサクロマドライブPLUS」

暗部で発生しやすいノイズの発生を抑え、暗いシーンの微妙な差異までしっかりと描ききる
 パナソニックはその前年、14年のIFAにおいて、初めてブースに有機ELテレビの試作機を展示した。この時に自社製でなく、LGディスプレイの白色有機EL+カラーフィルター方式の有機ELパネルを採用。当時、同じLGの第1世代パネルを使い先行発売していたLGエレクトロニクスの技術者が大挙、パナソニックブースを訪れ、「同じパネルで、ここまでの黒再現ができるのか」と感嘆しながら見つめていたのが、印象的だった。

 黒階調の問題を抱えるパネルを搭載するのだから、その部分をいかに信号処理とパネル制御で是正し、正しい階調を再現できるかは、まさに正しく画質マターであり、同時に戦略マターでもあった。同じパネルを採用するライバルに対して、画質で凌駕できれば、それが最大の差別化になるのだ。

 2015年のCZ950の経験を活かして、16年のIFAで展示された試作機が、今回話題のEZ1000につながる。IFA展示は前年にも増して、暗部階調再現に焦点が置かれた。基本性能が上がった新世代パネルとはいえ、まだまだ、階調の課題は残っている。さらに腕を磨き、階調再現性の向上に努めたのである。APL(平均輝度)がきわめて低い場面で、1と2パーセントのわずかな階調の違いを表現することにこだわった。私はCZ950との比較で、確実な前進があったことを確認した。

数十年にわたる技術開発の集大成。シーンを牽引する画質戦略モデル

 そして迎えたEZ1000の正式な製品化。冒頭書いたパフォーマンスをいかに出したか。パネルの特性を徹底的に分析し、その結果に基づき、メリットの部分は活かし、デメリットの部分の影響を最小に抑えるよう、ヘキサクロマドライブPLUSにて、ノンリニアなガンマ補正をかけるのである。

 UHDブルーレイなどの4K&HDR信号の場合、オリジナルの入力信号は10ビットだが、エンジンは16ビット処理だ。10ビットパネル上で、最大限に階調情報が表現されるように、緻密な階調情報を生成して、パネルに送るのである。

 具体的には難しい黒からの立ち上がりの部分は、パネルが持つ黒の光り出しの光学的な変動特性を条件に応じて緻密に信号制御することにより、安定した黒の光り出しからの黒の階調表現を実現した。当然明部にも工夫がある。白部も階調に歪みがあると、ノイズが発生する。
4K OLED DISPLAY PANASONIC TH-65EZ1000 オープン価格
●画面サイズ:65型●パネル:有機EL●解像度:水平3840画素× 垂直2160画素●内蔵チューナー:地上デジタル×3、BS/110度 CSデジタル×3●音声実用最大出力:80W●接続端子:HDMI入力 4系統、コンポーネント1系統/ビデオ入力1系統(兼用)、光デジタル 音声出力、USB3系統●定格消費電力:518W●寸法/質量: W1452×H918×D330mm/約27.0kg(スタンド含) ●http://viera.jp
パナソニックの技術陣は白側階調の段差を徹底的に追放し、リニアなステップを獲得した。パネルのRGBフィルター+W(白)という構成に起因する色ズレの問題に対しては、6軸色補正と3D-LUT(ルックアップテーブル)にて補正する。

 自発光デバイスにおける階調制御という観点で、プラズマの開発以来の数十年にわたる技術開発の集大成であるEZ1000は、今後のディスプレイシーンを牽引する「画質戦略モデル」である。私は特に有機ELだからこその表現力に熱い視線を送りたい。

 パナソニックには、有機ELからさらなる感動を引き出す努力を今後も期待したい。
提供:パナソニック



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