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HOME > PANASONIC VIERA TH-65FZ1000

パナソニックの有機ELテレビが、約1年の歳月を経て生まれ変わった。有機ELの最大の強みとなる画質に磨きをかけながら、その映像美に相応しい音質を追求した意欲作であり、テレビとしての価値をしっかりと押し上げている。ここでは上級ラインとなる65FZ1000にスポットをあてる。
藤原陽祐
 いまから約3年前、パナソニックは国内他社に先駆けて欧州市場向けの有機ELテレビを製品化している。日本では昨年発売のEZ950、EZ1000の両シリーズがデビュー作となるが、実はこの画質に欧州モデル開発の経験が少なからず影響を与えていた。

 もっとも顕著なのが、グレインノイズの対策だ。現行の有機ELパネルの場合、独特の画素構造を持ち、同時に白ピークを際立たせるような補正が入るという。このためそのまま絵づくりを進めていくと、小面積の白が気持ちよく伸びる反面、どうしても白側のノイズ、とりわけフィルム収録作品に伴なうグレインノイズが強調されやすい。

 前々からこのパネルの特性に気づいていたパナソニックの開発陣は、フィルムグレインが自然に見えるようなガンマの補正カーブを見いだし、EZ950、EZ1000の両モデルに採用。NRに頼ることなく、自然なトーンの稠密なフィルム画質を完成させたのである。

本機の画質の注目点は色再現の向上。カラーマネジメント回路「ヘキサクロマドライブ プラス」を進化させ、心臓部である「ダイナミック 3D-LUT(ルックアップテーブル)」の暗部側の補正ポイントを従来の1.6倍に拡大。明るさの変化に応じた補正で階調表現力をさらに向上させている
↑本機の画質の注目点は色再現の向上。カラーマネジメント回路「ヘキサクロマドライブ プラス」を進化させ、心臓部である「ダイナミック 3D-LUT(ルックアップテーブル)」の暗部側の補正ポイントを従来の1.6倍に拡大。明るさの変化に応じた補正で階調表現力をさらに向上させている
 有機ELに特化した映像エンジン、ヘキサクロマドライブ プラスの投入も見逃せない。これは同社がプラズマテレビの開発で培った色再現技術、カラーリマスターと、高度なカラーマネジメント技術で構成されたもの。そこに有機ELパネルの持ち味をより積極的に引き出せるような独自の技術、工夫を組み込んでいた。

 具体的には、リニアな輝度表現の確保に加えて、そこに忠実な色調を安定して描き上げるというもの。それも3D-LUT(ルックアップ・テーブル)を駆使した独自の測色ツールによって、理想とする数値に合わせ込んでいくという地道な作業を繰り返し、全輝度領域において、不自然な色ズレ、歪みを徹底して排除していった。

 FZ1000でもこの考え方は変わらないが、本機は画面全体の明るさに合わせて参照するテーブルを動的に変化させる独自の技術により、有機ELが得意ではなかった明部での階調/色表現を大幅に進化させた。同時に暗部の補正点数を従来比で約1.6倍にも増強し、前作ではどうしても表現しきれなかったローライトから中間調、ハイライトにかけての発色を強化しているという。

テレビの本質画質、音質が大きく進化

新設計「Tuned by Technics」スピーカーシステム。テクニクス技術者との協業で前モデルに続く第2弾。FZ1000では前モデル比で、キャビネット容量1.4倍、また、ウーファーユニットは40mm×4基から70mm×2基構成となり、パッシブラジエーター振動板面積1.5倍に増強された。低音の音圧感と会話の明瞭感がさらに向上した
↑新設計「Tuned by Technics」スピーカーシステム。テクニクス技術者との協業で前モデルに続く第2弾。FZ1000では前モデル比で、キャビネット容量1.4倍、また、ウーファーユニットは40mm×4基から70mm×2基構成となり、パッシブラジエーター振動板面積1.5倍に増強された。低音の音圧感と会話の明瞭感がさらに向上した


 その威力は実際の映像からもしっかりと観て取れる。まず沖縄特有の強烈な日差しの下で撮影されたUHDブルーレイ『宮古島』の再生。紺碧の空、深いグリーン、そして南国の風薫るハイビスカスと、有機ELならでは力強いタッチの再現性で、色も確実に乗せている。その自信に満ちた描写は前作譲りだが、両者を比較すると、65FZ1000の方がコントラスト感にやや余裕があり、全体に明るさが増している印象を受ける。さらに細部を見ていくと、押し寄せる波の泡、空に漂う雲の陰影といったところでも、描写力が押し上げられているのは明らかだ。

 続いて暗がりでの厳しいシーンが続く映画『ボーダーライン』(米国盤UHDブルーレイ)の再生。自慢の黒をしっかりと表示しながら、微妙なグラデーションを確実なステップで描き上げ、そこに不自然な色が付くようなこともない。

 ローライトの情報をここまで積極的に拾い上げながら、一定のS/N感を確保しているのも立派だが、それ以上に感心させられたのが、暗部の色付きのよさだ。暗がりで安定した色を維持するのは簡単ではないが、65FZ1000の発色は微妙な明るさの変化に影響されることなく、それが自然な空間の拡がり、奥行感につながっている。この落ち着き、安定感は見事だ。

 そしてテクニクス開発チームとのコラボで仕上げられた音質も、しっかりと強化された。スタンド兼用のスピーカーデザインを踏襲しながら、
4K OLED DISPLAY
Panasonic TH-65FZ1000 オープン価格
●画面サイズ:65型●解像度:水平3840×垂直2160画素●内蔵チューナー:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3●音声実用最大出力:80W●接続端子: HDMI入力4系統、色差コンポーネント入力1系統(3RCA、ビデオ入力兼用)、デジタル音声出力1系統(光)、USB タイプA 3系統、LAN 1系統、他●寸法/質量:W1449×H909×D330mm/約36.0kg(スタンド含)●ラインナップ:TH-55FZ1000(55型) ●http://viera.jp
ウーファー容量を1.4倍にアップ。これに合わせてウーファーユニット、パッシブラジエーターを大型化し、駆動するアンプの質も大幅に見直されている。

 実際に試聴すると、低域の量感、分解能に磨きがかかり、質感はきめ細かく繊細。声も男性、女性を問わず、明瞭度が高く、ニュアンスも豊かだ。ジャズトリオの再生はピアノとベースが躍動し、切れ味の鋭いドラムスも聴き応えがある。

 画質、音質という“テレビとしての本質”で、大きな進化を遂げたことを高く評価したい。
提供:パナソニック


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