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HOME> 音楽プロデューサー、佐久間正英氏が立ち上げたライブ録音/配信事業「Sound Recording and Streaming Services」

中新田バッハホール
リハーサル時の音をR-1000で収録して、本番までに仮ミックスを作成
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去る5月、下北沢のシェルターで行なわれたTAKUYA and the Cloud Collectorsのライブでのステージ袖の様子。入出力ユニットとなる「Digital Snake S-0808」が3台設置され、それぞれのREAC回線は「S-4000M」でマージされて「V-Mixer M-200i」へと送られる。佐久間氏は「S-0808」を4台導入しているが(計32ch入出力)、この日は3台使用された(計24ch入出力)
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48トラック・レコーダー「ローランドR-1000」。「V-Mixer M-200i」とREAC 接続するだけで、マルチ収録を実現。佐久間氏はライブ会場での振動によるト ラブルを考慮し、ストレージとしてSSDを使用
――― 実際に現場で初めて使われたのは?

佐久間 4月に渋谷のeggmanで、いつも一緒にやっている映像の人の知り合いのバンドが出演するということで、そこで試してみました。

実際に現場で使ってみて大変だったのは、爆音の中でミックスしなければならないということ。普通のライブ・ハウスには配信用の部屋が用意されているわけではないので、我々も機材をPAブースの脇とかにセッティングしなければならない。そうなると、必然的に爆音の中でミックスすることになってしまうんですよ。

中崎 eggmanのときはPAブースの手前に機材をセッティングしてミックスしたんですが、これは無理だと思って「Bose」のノイズ・キャンセリング・ヘッドフォンを試したりしました(笑)。でも、空気の振動が凄くて、低音も相殺されて聴こえなかったり、ほとんど意味がなかったですね。結局、普通のヘッドフォンに戻りました。

佐久間 それで、これはリハーサルと本番の間の静かな時間に、ある程度ミックスをつくっておかなければダメだなと。そのときに活躍するのが「R-1000」で、リハーサルのときの音を録っておけば、それを使って本番までの間にミックスをつくることができるんです。「R-1000」は、ライブ収録だけでなく、こういった使い方もできるなと思って導入したんですよ。

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佐久間正英氏。四人囃子、プラスチックスの活動を経て、ソロアーティスト/プロデューサーに。TH ESTREET SLIDERS、BOφWY、GLAY、JUDY AND MARYなどのプロデュースを手がける。4枚のソロアルバムをリリースするほか、YUKIなどとのユニットNiNaなど、他アーティストとのコラボレーションも積極的に行なってきた。2013年5月24日に著書『直伝指導! 実力派プレイヤーへの指標』(リットーミュージック)を出版した
――― 現場で使用されていかがでしたか?

佐久間 大体イメージしていたとおりのことが出来ていますね。「V-Mixing System」は試さずに買ってしまったんですけど、思っていたよりも使いやすくてよかったです。音質に関しても十分ですね。「R-1000」で収録したサウンドを「Pro Tools」に移して聴いてもまったく問題ありません。

中崎 「M-200i」はとても使いやすいです。iPadの大きな画面も見やすいですし、操作も直感的にできる。階層をもぐらずに操作できるのがいいですね。やりたいことがパッパッとできるんです。今は「M-200i」に慣れてしまったので、普通の操作子でやるよりもiPadでやる方が使いやすいですね(笑)。

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アンビエンス収録用マイクには、ロシア製の「Oktava Mk-319」を使用しているとのこと
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佐久間氏の片腕的な存在、サウンド・エンジニアの中崎文恵氏
音質に関しての課題は、機材というよりマイキングです。基本的にPAの人が立てたマイクを使わさせてもらうので、自分たちで思うようなマイキングができないのがもどかしいですね。こちらからPAの人に“こうしてほしい”とはリクエストできませんから。

佐久間 PAも含めてぼくらでやるときはマイキングにもこだわれるんですけど。

―――「S-0808」にはマイクの出力が頭分けで入るんですか?

佐久間 そうです。先日のTAKUYAくんのライブのときはステージ袖に「S-0808」をセッティングして。eggmanのときはPAのすぐ下に設置したんですけど、それはそこにパラ・ボックスがあったからで、基本は頭分けですね。

――― アンビエンス用のマイクに関しては佐久間さん側で立てられると思うのですが、どのようなマイクをお使いですか?

佐久間 最近はロシアの「Oktava Mk-319」というマイクを気に入って使っています。普段のレコーディングではドラムのトップとかアコースティック・ギターに使っているマイクなんですけど、特性がかなりフラットなのでアンビエンスに向いているんですよ。

中崎 それを大体客席のいちばん後ろに立てています。前には立てられないので。

佐久間 安全そうな場所を探して。マイクは2本使うわけですけど、基本的には離しません。離さない方がかえって自然な感じで録れるんです。離すと時間差が出て位相が変な感じになってしまうますからね。

中崎 ライブ・ハウスの形状とかお客さんの入りの状態のことを考えると、あまり左右に振らない方がいいんですよ。

――― 今のところトラブル無く使えてますか?

佐久間 まったく無いです。「V-Mixing System」は、使っていて安心感がありますね。

中崎 あるとすれば人的なミスくらいです(笑)。

佐久間 「R-1000」のストレージに関しては、振動によるトラブルが怖いので、SSDにしてあります。それにしても「R-1000」に関しては、よく開発したと思いますよ。コンピューター全盛の時代にスタンドアローンのレコーダーですからね。しかも潔く“REAC”しか備わっていないという(笑)。

――― 佐久間さんは普段スタジオでは「Pro Tools」を使用されているわけですが、それを現場に持ち込んで収録するという考えは最初から無かったのでしょうか?

佐久間 ぼくは長年「Pro Tools」を使用していて、それなりに信頼しているわけですが、それでもあのシステムをライブの現場に持ち込むというのは考えられないですね。コンピューターなのでやっぱり怖いですし、もし使うのであれば2台は回さないと。でもそうなるとシステムが大きくなってしまいますからね。

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5月に下北沢で行なわれたTAKUYA and the Cloud Collectorsのライブの様子
――― これから、ライブ配信用のミックスとライブ収録を「Sound Recording and Streaming Services」として事業化していくとのことですが。

佐久間 そうですね。今後ちゃんと仕事になっていけばいいと思います。でも課題もあって、一番は人材ですね。システムは想像以上にコンパクトになったので、2人いれば搬入してセッティングできるんですが、ぼくと彼女は普段スタジオで仕事をしているわけですので、これから優秀な人材を育てていかなければならないと思っています。ぼくと彼女のスケジュールが空いていればいいんですけど、現実的には月に1〜2回くらいしかできないと思いますしね。でも、インターネット配信は今後、もっと広がっていくと思っています。ですから我々の「Sound Recording and Streaming Services」も良い方向に進んでいくんじゃないかと期待しているんですよ。この記事を見て興味を持たれた方は、ぜひ連絡してきてほしいですね。

――― 本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

「Sound Recording and Streaming Services」に関するお問合せ
株式会社ビタミン出版 info@vitaminpub.net


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