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HOME> 地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.13 「クザリアーナの翼」の音響システム

地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.13 「クザリアーナの翼」の音響システム
――― ハウスのスピーカーは?

武田 ハウス・スピーカーとしては「L-Acoustics」の「KUDO」を持ち込んで使っています。片側6本の「700HP」が2本で、小屋の大きさを考えると少し贅沢な構成かもしれないですね。「KUDO」はずっと気に入っていて、今時のラインアレイだと音が前に出過ぎてしまう傾向があるんですけど、「KUDO」は主張しすぎず、でも出したい時はきちんと聞こえるので気に入っています。また、フロント・フィルに「K-array」の2インチのものを使っていますね。

――― 音響システム的に、普通の演劇のシステムと異なる点はありますか?

武田 まず、音楽に関しては、2ミックスではなく、マルチを再生しています。それは岸谷さんがバランスにとてもこだわられる方で、現場で“あの音をもっと大きくしたい”とかそういうリクエストが頻繁にあったりするので。もちろん、歌が入ると楽器のバランスも変わってきますしね。あとはハットを上げてほしいとか、モニターからの要求に応える上でもパラの方がいい。なので音楽に関しては、ザックリとしたバランスになっているマルチを、現場でミックスしているような感覚ですね。
 それと音圧。岸谷さんは音圧というか、迫力のある音を求められる方なんですよ。しょぼい音だと怒られる(笑)。ですので、モニターを含め、スピーカー・システムはけっこう規模の大きなものになっています。

音楽マルチ再生用にローランド R-1000とV-Mixer M-300を導入
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今回の公演から導入された「ローランド」の「R-1000」。最大48トラックの同時再生に対応したスタンドアローン・レコーダー。今回は音楽の再生用に使用された
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「R-1000」とREACでデジタル接続され、音楽のミックス用に使われた「ローランド」の「V-Mixer M-300」。ここからモニター卓への送りは、REACで接続された「Digital Snake S-0816」によって行なわれた
――― SE再生用の「Ableton Live」と音楽再生用の「ローランド R-1000」、コンピューター・ベースのDAWとハードウェア・レコーダーを併用しているのは?

武田 実はつい最近まで、すべて「Ableton Live」でやっていたんです。SE再生用のものと音楽再生用のものを別個に用意して。しかしネイティブ・ベースのDAWだからか、途中で音が途切れてしまったりといった事故が何度かあったんですよね。それと1台のオーディオ・インターフェースですと、出力数は多くても16chになってしまうので、音楽に関してはもうちょっとパラで出したいなと。あとは音のクオリティも、もう少し上げたいなと思っていて。それでいろいろ物色した中で、「R-1000」と「V-Mixer」の組み合わせが良さそうだったので昨年の秋口に導入したんです。
 実際に現場で使った印象としては、とにかく音が良いですね。その昔、個人的にハードディスク・レコーダーの「VS-1680」を愛用していたことがあって、会社では普段パーソナル・ミキサーの「M-48」を使っているので、最近の「ローランド」製品の音の良さに関してはわかってはいたんですけど。実際に使ってみて、これはオペレートしやすい作りやすい音質だなと感じました。サウンドが音楽的で、個々の楽器の配置がしやすいんですよ。特にボーカルの居所が作りやすいんです。
 それとこれまでは「Ableton Live」の出力を直接「PM5D」に入れていたわけですが、間に「V-Mixer」が入ったことによって、作業が格段にやりやすくなりましたね。「V-Mixer」にはコンプレッサーなどのエフェクトが一通り内蔵されているので、音楽に関してはそこである程度の処理を行なうことができ、その分「PM5D」のエフェクトは他のものに当てられる。そしてその設定は、EQを含めてシーンでどんどん切り替えていけるのでとても使いやすいんです。
 あとは国内のメーカー製というのも大きいですね。現場で使って気付いた点は「ローランド」の担当者さんにフィードバックしているんですが、ファームウェアのアップデートで、かなり早いレスポンスで反映されるんですよ。具体的にはロケート機能がかなり強化されて、リモート・コントロール・ソフトウェアを使った曲の入れ替えなども自由にできるようになりました。「R-1000」に関しては、導入時と比べるとかなり進化していると思います。

――― 「R-1000」で再生する音楽のデータは何トラックくらいになるのですか?

武田 今回は28トラックですね。「R-1000」は、96kHzにも対応しているんですけど、今回は24bit/48kHzです。音楽に関しては、作曲家さんも自分のパソコンを持ち込んでリハーサルから来られるんですよ。岸谷さんの要望に応えて、現場でアレンジがどんどん変わっていく。演劇なので曲のサイズが決まるのもギリギリで、それがシーケンスだったらいいんですが、生演奏もあったりするので録音もギリギリ(笑)。なので今回、仕込み期間は5日間あったんですが、データが出来てきたのが初日の3日前とかでしたね。作曲家さんから上がってくるPro Toolsセッションは完全なマルチというわけではなく、こちらからアコギは分けてほしいとか、ベースはステレオにしてほしいとか要望を伝えて、ある程度まとめてステムでもらう形です。そしてそのデータをぼくの方で頭を切って、「R-1000」のSSDにコピーすると。

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音響システムのプランニングとハウスのオペレーションを担当した「SCアライアンス サウンドクラフトライブデザイン社」の武田安記氏
――― 「R-1000」の再生も「M-Audio」のMIDIキーボードでトリガーしているのですか?

武田 いや、「V-Mixer M-300」にトランスポート・ボタンが備わっているので、それを使ってマニュアルで叩いています。最初はMIDIエクスクルーシブ・データでトリガーしようかなとも考えたんですよ。でも、「Ableton Live」はMIDIエクスクルーシブ・データを出力できないので、「PM5D」から出力してみたんですが、再生タイミングがちょっと遅れてしまうんですよね。シーンによってはアカペラで入って、歌に合わせて出さなければならなかったりするので、再生タイミングが遅れてしまうのは良くないと思い、結局マニュアルでトリガーすることにしました。岸谷さんは、タイミングもシビアな方なので。

――― 音楽の再生システムとして、「R-1000」と「V-Mixer M-300」の組み合わせはいかがですか?

武田 「Ableton Live」からハードウェア・レコーダーに替えようと考えたとき、選択肢は少ないんですが、当然「R-1000」以外の製品も検討したんですよ。しかし現在市場に出回っているハードウェア・レコーダーは、設備用のものだったり、あるいは録音メインのものだったりして、現場でマルチを再生するという用途はあまり考慮されていないんです。その点、「R-1000」はファームウェアのアップデートでロケート機能も強化されましたし、ポン出し用途にも最適なハードウェア・レコーダーだと思いますね。今のところトラブルもまったくありません。
 「V-Mixer M-300」に関しては、音が良いのはもちろんですが、内蔵のエフェクトがいいです。特にコーラス系が良くて、懐かしい「SDD-320」をモデリングしたエフェクトが入っていたり。今回の現場でもかなり多用しています。それと今回、「V-Mixer M-300」からのモニターへの送り用に、「Digital Snake S-0816」を使っているんですよ。「PM5D」の出力とは別に、音楽だけはREACで「M7CL-48」に送っているんです。「Digital Snake」でデジタル伝送が簡単に行なえるのも「V-Mixer」の魅力の一つだと思います。

ダイワハウス Special 地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.13
「クザリアーナの翼」
大阪公演:2014年3月18日(火)〜3月31日(月)(※25日は休演)
梅田芸術劇場 メインホール
問合せ:キョードーインフォメーション
06-7732-8888(全日10:00〜19:00)


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