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Prosound Feature 宝塚大劇場・東京宝塚劇場の音響システム
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ハウス・コンソールとして新たに導入された「Stagetec Aurus」モニター・コンソールとして導入された「ローランド」の「V-Mixing System」。写真はミキサーの「V-Mixer M-480」
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「Aurus」の入出力を担う「Stagetec Nexus」
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SE卓/マトリクス卓として導入された「Meyer Sound D-Mitri」
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ステージ手前に設けられたオーケストラ・ピット

─── 2台の「D-Mitri」をSE用とマトリクス用で使っているというのはユニークですね。

清山 以前にコンソールが故障して公演が中止になったことがあったのですが、公演を中止したのは災害以外ではこの1件だけという辛い経験があります。それもあり、とにかく絶対に公演を止めてはいけないという思いから、「D-Mitri」を2台用意して役割を分担させることにしました。SEとマトリクスで卓を分ければ負担も軽くなりますし。また、SE卓に関しては「D-Mitri」だけでなく予備のシステムも用意してあり、「D-Mitri」に何か問題が生じても公演ができる状態にしています。「Aurus」もリダンダントして使用しています。

───「Aurus」の入力はどのような仕様ですか?

清山 ワイヤレス・マイクが25本、オケが約60本、他に、コーラス、フット・マイク、エレベーター・マイク、エフェクター関係等を繋ぐ必要があるので、全部で約130本の入力があります。

───「Aurus」の使い勝手はいかがですか?

清山 世界で屈指のコンソールと言われていますが、さすがに使い勝手は間違いないですね。曲ごとにシーンを切り替えているのですが、その叩きもやりやすい。レイヤー機能もこちらの要求を満たしてくれています。例えばここでは、ワイヤレス・マイクのEQを触ることができるレイヤー設定にしていたりします。

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「V-Mixing System」の入出力を担う「Digital Snake S-4000S」が2台。どちらも4chのAES/EBUデジタル入力モジュール「SI-AES4」が6基、4chのアナログ出力モジュールが5基装着してあり、デジタル24ch入力/アナログ20ch出力という仕様。「Nexus」とはAES/EBUで接続されている
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「ローランド M-48」
─── スピーカー・システムについておしえてください。

清山 「Meyer Sound MICA」を全部で40本導入しました。選定理由は、音作りのしやすさ。また、音響監督さんたちの使い勝手も考えて決定しました。
 導入後の感想としては、ライン・アレイなので当然ですけど、以前のスピーカーとは比べものにならないくらい良くなりましたね。前のスピーカーはかなりヘタっていて、重い音になってしまっていましたが、それが一気にカラっと健やかな音になりました。ちょっときつめに感じる部分もありますが、調整しながら使っているところです。

パーソナル・モニターM-48の存在が決め手となり、モニター・コンソールとしてV-Mixing Systemを導入

─── 新しいモニター・コンソールとして、「ローランド」の「VMixing System」が導入されていますね。

清山 これまでモニター・コンソールとしては「Midas」社のものを10年くらい使っていましたが、今回ハウス・コンソールと一緒に入れ替えました。
 新しいモニター・コンソールを選定するにあたっては、プレーヤーさんたちからの要望に出来る限り応えたいということを考えました。リズム・セクションでは自分たちでモニター・バランスを調整したいという要望がありますが、ストリングス・セクションではモニター・バランスの調整を要望しない人が多いなど、プレーヤーによってモニターに対する要望は様々なので、各人に細かく対応できるシステムを導入したいと思いました。
 いくつか候補が上がった中で、最終的に「ローランド」の「V-Mixing System」を選定したのは、REACで接続できるパーソナル・ミキサー「M-48」の存在が大きいですね。「M-48」があれば、プレーヤーさんたちの様々な要望に応えることができる。一番理想に近いモニター・コンソールが「V-Mixing System」でした。

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─── 導入された「V-Mixing System」のシステム構成についておしえてください。

清山 ミキサーは「V-Mixer M-480」で、入出力ユニットは「Digital Snake S-4000S」が2台です。2台の「S-4000S」は同じモジュール構成で、4chのAES/EBUデジタル入力モジュール「SI-AES4」が6基、4chのアナログ出力モジュールが5基装着してあり、デジタル24ch入力/アナログ20 ch出力という仕様になっています。従って2台合わせると、デジタル48ch入力/アナログ40ch出力という仕様ですね。そしてモニター・コンソールの「Aurus」とは「Nexus」経由で48 chのAES/EBU出力が繋がっています。
 そしてプレーヤー用のパーソナル・ミキサー「M-48」は計12台導入してあり、「M-480」とはREACスプリッターの「S-4000D」を使って接続しています。

─── 通常の公演では、オーケストラは何人編成ですか?

清山 基本は21人です。東京では3団体のオーケストラが公演ごとに入れ替わりで演奏しています。

─── 21人ということは、全員が「M-48」を使ってモニターしているわけではないのですね。

清山 現在はギター、ベース、ドラム、パーカッション、そして指揮者が「M-48」を使用しているので、12台のうち5台を使用している形です。それ以外の人たちは、「M-480」からAUXで出して、こちらで要望に応えて作ったバランスでモニターしてもらっています。現在「M-48」を使用しているのは、自分たちでモニター・バランスを調整したいというセクションですね。12台あるので、今後もそういうプレーヤーさんがいれば、いつでも使っていただくことは可能になっています。

───実際に現場で使用されて「V-Mixing System」はいかがですか?

清山 細かくモニター・バランスが調整できるのがいいですね。プレイヤーごとにそれぞれのモニター・バランスを調整できるのは大きいです。そして「M-48」を使用する人には、インプット・バランスだけでなくグループ組みもそれぞれに対して行なうことができる。普段の公演では指揮者は2人いるのですが、それぞれに別のシーンを作成しておいて、出番のときに自分で呼び出したりしてもらっています。

───「M-48」について、プレーヤーの反応はいかがですか?

清山 自分で好きなようにモニター・バランスを調整でき、EQも自由に使えるので、みなさん満足している様子です。オペレーターとしては、使い方がとてもシンプルなので、プレーヤーさんたちへの説明が1回で済んだのが良かったですね(笑)。

─── 最後に、今回のシステム更新については満足されていますか?

清山 非常に満足しています。これだけのシステムを構築できたのは多くの人たちの協力のおかげです。システム更新にあたって、様々な意見をくださった音響監督の大坪さん、加門さん、実吉さん、切江さんには心から感謝しています。また、「東京宝塚劇場」の施工を手がけていただいた「ジャトー」の宮崎さんと西村さん、「宝塚大劇場」の施工を手がけていただいた同じく「ジャトー」の川本さんと森山さんには様々な提案をしていただき、本当に尽力していただきました。多くの方々の協力のおかげでこれだけ素晴らしいシステムになったと思いますので、末永く大切に使っていきたいと思っています。



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