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Prosound Feature O·H·R·C·A M-5000
製品コンセプト #3REACだけでなくDanteやMADIにも対応するオープンな拡張性
─── 他に考えたことというと?

辰井 さまざまなフォーマットに対応する拡張性の高さですね。これまでローランドのコンソールと言うと、我々の独自規格であるREACをベースにした製品というイメージがあったと思うのですが、O·H·R·C·AはREACだけでなく、DanteやMADI、SoundGridといったさまざまなフォーマットに対応します。本体にはA/B/スプリットと3系統のREACポートを標準搭載し、さらに2基の拡張スロットにオプション・カードを装着することで他のフォーマットにも対応します。

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2基の拡張スロットを装備。1スロットあたり最大80chの入出力が可能(96kHz時)。REACモジュール(40ch入出力)、Danteモジュール(96kHz時:32ch入出力、48kHz時:64ch入出力)、MADIモジュール(96kHz時:32ch入出力、48kHz時:64ch入出力)、Waves SoundGridモジュール、SDIモジュールといったオプションが用意される
野中 O·H·R·C·Aの拡張スロットは、かなり豪華な仕様になっているのも注目していただきたい点で、96kHz時で1スロットあたり80ch入出力が可能になっているんです。2基合計すると、96kHz時で160ch入出力。実際の入出力数はオプション・カードの仕様によって変わってくるんですが、96kHz時で最大300chの入力と296chの出力をスタンバイさせておくことができます。この膨大な数の入出力を、128chのシグナル・パスで構成したミキサーに自由にパッチできるというわけです。

─── オプション・カードによってDanteやMADI、SoundGridに対応するということは、O·H·R·C·AのフロントエンドとなるのはDigital Snakeでなくてもよいということでしょうか?

辰井 そうですね。DanteやMADIに対応した機器の内蔵HAをO·H·R·C·Aからコントロールすることは現状できないので、基本となるのはDigital Snakeとの組み合わせだと思います。しかしながら、DanteやMADI機器と組み合わせてもコントローラーやパソコンを使えばHAをコントロールすることができますし、ヘッドを他の卓と共有するような現場でO·H·R·C·AからHAをコントロールする必要がない場合は、Digital Snakeは必須ではないと思います。既存の設備に導入する場合は、入出力ともDanteということもあるでしょうしね。ですから、これまでのV-Mixing Systemのように必ずしもDigital Snakeが必要になるというわけではありません。
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野中 しかし普通にO·H·R·C·Aをメイン卓として使うのであれば、引き続きDigital Snakeがベストな組み合わせになると思います。24bit/96kHzの音声を非圧縮で劣化なく伝送できますし、100Base-TXをベースにした規格なのでひじょうに動作が安定している。かなり実績のある入出力ユニットですし、O·H·R·C·AとDigital Snakeはベスト・コンビになると思います。コスト・パフォーマンスも高いですしね。

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透明度が高く、乱反射が少ない高性能タッチ・スクリーンを採用。
明るい現場でも視認性に優れている
─── オプション・カードはどんな種類のものが用意されるのですか?

辰井 REAC、Dante、MADIの各フォーマットに対応したものに加え、WavesのSoundGridカードもリリース予定です。これにより、O·H·R·C·AでWavesのプラグイン・エフェクトを使用することが可能になります。また、SDIカードもリリース予定です。

─── 96kHz対応と高精度なアルゴリズムによる優れた音質、内部構成を自由に定義できる柔軟な設計、そして幅広いフォーマットに対応する高い拡張性。この3つがO·H·R·C·Aの基本コンセプトという感じでしょうか。

辰井 そうですね。今回、新たにO·H·R·C·Aという名前を付けたわけですが、これは“Open High Resolution Configurable Architecture”の略なんです。あらゆるフォーマットに対応する“オープン”、96kHz対応による“ハイ・レゾリューション”、そして内部構成を自由に定義できる“コンフィギュラブル”。この3つがO·H·R·C·Aの基本コンセプトとなります。

サーフェース・デザイン

─── サーフェース・デザインについてもおしえてください。

野中 内部構成が変化するというコンソールということで、サーフェース・デザインにもいろいろと工夫を凝らしています。まずフェーダーは、8本のフェーダーを備えるバンクを3組と、4本のフェーダーを備えるアサイナブル・フェーダー・バンクを1組、計28本装備しています。3組のフェーダー・バンクは、連携させて使用するだけでなく、独立させて使うこともでき、左側のバンクはインプット・フェーダー、中央のバンクはDCAフェーダー、右側のバンクはAUXフェーダーという感じで、3つのバンクを完全に分離させて使うこともできます。各バンクは左右にスクロールさせることができ、連携させているバンクは当然、スクロールも連動します。アンカー機能を使えば、プリセットしたスクロールの位置を瞬時に呼び出すことも可能です。

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辰井 フェーダーのレイアウトは、あらかじめパソコンなどを使って仕込むのではなく、現場でその時々の状況に合わせてダイナミックに変えられるのもポイントですね。

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右上に用意されたユーザー・アサイナブル・セクション。
エフェクトのパラメーターなど、頻繁に操作するものを常時表に出しておける。パラメーターのアサインも非常に簡単だ
野中 そして一番右側のアサイナブル・フェーダー・バンクには、常に表に出しておきたいフェーダーをアサインしておくことができます。ボーカルやリバーブ送りのフェーダーなど、重要なフェーダーを常に表に出しておけるというわけです。

─── フェーダーの上部にはカラフルなディスプレイが備わっていますね。

辰井 発色のよい有機ELのフル・カラー・ディスプレイが備わっています。ここにはチャンネル・ネームを表示させることができ、また自由に色を付けられるので、フェーダーの機能が瞬時に判別できると思います。

─── そして中央には大型のタッチ・スクリーンと16基のエンコーダーが備わっています。

辰井 12インチのフル・カラー・タッチ・スクリーンと16基のエンコーダーによって、指先でパラメーターを選んでエンコーダーで操作するという“タッチ&ターン”オペレーションが可能になっています。操作対象となるパラメーターの色に合わせて、エンコーダーのリングの色が変化するのもポイントです。

野中 タッチ・スクリーンは透明度が高く、乱反射が少ないタイプのものを厳選して使用しています。普通のタッチ・スクリーンって、明るいところでは白く濁ったような感じになってしまって、視認性が悪くなってしまうんですよね。少々値段は張りましたが、明るいところでも視認性に優れたタッチ・スクリーンを採用しました。やはり視覚情報というのは、こういうデジタル・コンソールにとってはとても重要なファクターになってくるので、サーフェースには贅沢な部材をふんだんに使っています。

辰井 フェーダー・キャップも新デザインのものを採用していますしね。フェーダーのムービング回路も改善していて、M-480と比べると動作音がかなり静かになっています。

─── アサイナブル・フェーダー・バンクの上部にもディスプレイとエンコーダー類が備わっていますね。

野中 ここはユーザー・アサイナブル・セクションというパネルで、エフェクトのパラメーターなど、好きな機能を自由に割り当てておくことができます。パラメーターの割り当ては、あっという間に行なえるので、“次の曲ではこのパラメーターを表に出しておこうかな”と、現場でどんどん機能を変えることができる。本当に使いでのあるセクションですね。
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O·H·R·C·Aは、USBオーディオ・インターフェース機能を搭載。背面のUSB端子にパソコンを接続することにより、最大16chのレコーディング/プレイバックが可能になっている。また、前面のUSB端子にUSBメモリーを装着すれば、簡単に2chのレコーディング/プレイバックが可能
辰井 下のアサイナブル・フェーダー・パネルと一緒に使っても便利です。例えばフェーダーにはボーカル、その上のエンコーダーにはリバーブの送りをアサインしておけば、常にボーカルのバランスを調整できるようになります。  また、O·H·R·C·AではパソコンやiPadを拡張ディスプレイ的に使用できるというのもポイントです。本体のタッチ・スクリーンのエクステンションという感じで、違和感なく表示を増やすことができる。外付けのメーターが欲しければ、パソコンでもiPadでも好きな方に表示させることができるんです。つまりO·H·R·C·Aは、表示もある意味コンフィギュラブルなんですよ。

─── サーフェース左上はiPadなどのタブレットを載せておくのに最適なスペースという感じですが、右上のスペースはどんな使われ方を想定しているのですか?

辰井 モニター・コンソールとして使う場合は、M-48を載せておくとプレイヤーが聴いている音をそのままモニターできて便利ですし、ノート・パソコンを開いた状態で載せることもできます。また、台本や進行表を表示させた2台目のタブレットを載せるなど、便利にお使いいただければと思います。

その他の機能

─── M-480と比較して、機能面で大きく変わった点はありますか?

野中 いろいろあるんですが、メイン出力がLR/LCRに加えて5.1chのサラウンドにも対応しました。これはスポーツの中継などを行なう放送局さんから要望が多かった機能ですね。サラウンド・パンナーはダイバージェンスにも対応していますし、5.1chで出力するのと同時にステレオのダウン・ミックスもつくることができます。5.1chミックスでは、チャンネルもそれなりに消費してしまうんですが、O·H·R·C·Aは内部構成を自由に定義できるため、内部のリソースを無駄なく使えるようになっています。

辰井 また、これも放送局から要望の多かったミックス・マイナス機能、ミックス・マイナス出力の数も自由に設定することができます。

野中 あとはSOLO出力もステレオ2系統装備しています。しかもSOLO出力はチャンネル・リソースを消費しないため、128chのシグナル・パスとは別に使用できるというのもポイントです。

─── 本体の入出力もかなり充実しているようですね。

辰井 外部アウトボードやプレーヤー類を接続するのに便利なアナログ入出力をXLR端子で16ch、AES/EBU入出力もステレオ2系統装備しています。また、RS-232C端子やMIDI入出力に加えてGP I/Oも搭載しました。これによりフェーダー・スタートなど外部機器への制御や、モニターへの割り込みを受けることも可能になります。それとV-Mixerには無かったワード・クロック入出力も装備しました。

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ローランド O·H·R·C·A M-5000の問合せ
Tel:050-3101-2555(お客様相談センター)
http://www.roland.co.jp/solution/
野中 USBオーディオ・インターフェース機能も搭載しているので、DAWをインストールしたパソコンをUSBで接続すれば、最大16chのレコーディングが可能です。USBメモリを使った2chのレコーディング/プレイバックもでき、DanteやMADIの拡張ボードを装着すれば、より大規模なレコーディングにも対応します。

─── 長いインタビューになってしまいましたが、開発側としてもかなりの自信作なのではないでしょうか。

辰井 そうですね。内部構成を自由に定義できるコンソールというのは、最も安価なものでも1千万円くらいしますから、それを普及価格帯でご提供できるということで、我々もひじょうに興奮しています。コンフィギュラブル・コンソール、イコールO·H·R·C·Aというイメージになってくれたら嬉しいですね。

内山 内部的にはまだまだ進化できる余裕があるので、発売後もお客様の声に耳を傾けて機能をどんどん追加していきたいと思っています。

─── 本日はお忙しい中、ありがとうございました。

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