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HOME> ローランド V-Mixing System が導入された名古屋テレビの新中継車

メ〜テレの愛称で知られる名古屋のテレビ朝日系列の放送局「名古屋テレビ」が先頃、中継車を更新。映像/音声の中継用に長らく使用されてきた中継2号車が更新され、新中継車“R-131” が導入された。前の中継2号車と新しいR-131が大きく違うのは、音声用のコンソールが固定されていない点。中継2号車では、「ラムサ」の「WR-DA7」が固定設備として導入されていたが、R-131では新たに導入されたコンソール「ローランド」の「V-Mixing System」が必要に応じて持ち出せるようになっている。軽量・コンパクトな「V-Mixing System」の機動性の良さを活かして、中継車外の現場でも使えるようにした「名古屋テレビ」の新システム。そのコンセプトと新機材の選定理由について、名古屋テレビ放送株式会社 技術局 映像技術部の林和喜(はやし・かずき)氏に話を訊いた。取材場所となったのは、「名古屋テレビ」主催の大型イベント『メ〜テレ秋まつり2014』の会場である。取材協力:名古屋テレビ放送株式会社、ローランド株式会社
シンプルで簡単に扱えるのが「V-Mixing System」の魅力

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「名古屋テレビ」が中継用に新たに導入したコンソール、「ローランド V-Mixing System」。写真はその中核となる「ローランド V-Mixer M-480」
─── 「名古屋テレビ」さんでは先日、中継車を更新されたそうですね。

 映像と音声の中継用に使用していた中継2号車という車を更新して、新たにR-131 という車両を導入しました。弊社では映像用の中継車が1 台、SNG 中継車が4 台、FPU 伝送車が1 台、音声用の中継車が1 台、そして電源車が1 台稼働しているんですが、映像用中継車であるR-131 は、音声システムを搭載しているので映像と音声両方に対応した中継車になります。

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取材時は「名古屋テレビ」主催のイベント『メ〜テレ秋まつり2014』の真っただ中だった。写真は「V-Mixing System」が設置されていた電源車。コンパクトなので、電源車の空きスペースなどに設置できるのが「V-Mixing System」の魅力だという
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『メ〜テレ秋まつり2014』のステージ
─── R-131 の前身となる中継2号車には、音声用のコンソールは何が搭載されていたんですか?

 「ラムサ」の「WR-DA7」です。しかし「WR-DA7」は車の中に固定してあったので、新しいR-131 では同時に新しいコンソールは導入するものの、車の中に固定するのはやめようと思いました。固定してしまうと使い方が限定されてしまいますし、せっかく導入するのであれば持ち出し用コンソールとして様々な用途で活用したいなと。

─── そしてR-131 と同時に導入されたのが「ローランド」の「V-Mixing System」というわけですね。

 そうです。「V-Mixing System」はR-131 の中に固定しておらず、外の現場に自由に持ち出して使えるようにしてあります。たとえば今回の弊社主催のイベント、『メ〜テレ秋まつり』では電源車の空きスペースに積んで使用しています。今回は多数のワイヤレスを繋いで、練り歩き生中継の音声用ミキサーとして活用しています。

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電源車に設置された「ローランド V-Mixer M-480」
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「V-Mixer M-480」の脇には「Neve 33609」などが置かれていた
─── 「名古屋テレビ」さんが導入された「V-Mixing System」のシステム構成をお聞かせください。

 コンソールが「V-Mixer M-480」で、入出力ユニットが「Digital Snake S-1608」が2台と「Digital Snake S-0816」が1台の計40ch 入力/ 32ch 出力という仕様ですね。また、今回の『メ〜テレ秋まつり』では使用していないのですが、REAC 回線のマージ・ユニットである「S-4000M」も導入してあります。「S-1608」と「S-0816」の計3 台の「Digital Snake」をフルにREAC 回線に接続して使用する場合があるのと、たまに100m 以上REAC 回線を引き回さなければならない現場があるので、そういったときに間に「S-4000M」を挟んでREAC回線を100m以上延ばせるようにしてあります。ですから「S-4000M」は、REAC 回線のリピーター的な使い方をするケースもあります。「V-Mixing System」を導入して稼働させ始めたのは、今年の(註:2014 年の)3 月のことです。

─── 合計で40ch 入力/ 32ch 出力というのは、かなりのチャンネル数ですね。

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「V-Mixing System」の入力ユニットとなる「Digital Snake S-1608」。『メ〜テレ秋まつり2014』では、電源車から離れたステージ脇に設置されていた
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同じく「Digital Snake S-1608」。「名古屋テレビ」は、「S-1608」を2 台と「S-0816」を1台、計3台の「Digital Snake」を導入
 今回のようなイベントで使う場合は、マイク入力でかなりのチャンネル数を消費しますし、また野球中継は5.1chサラウンドでミックスしているので、出力もそれなりのチャンネル数が必要になるんですよ。「V- Mixer 」側に8chの入出力も備わっているので、「Digital Snake」は今のところ40ch入力/32ch出力で事足りています。

─── 新しいコンソールの選定ポイントと言うと?

 新たに導入するコンソールに関しては、入出力ユニットを分離して引き回せるものにしようと思いました。以前使用していた「WR-DA7」は初期のデジタル・コンソールでしたので、結局はアナログ・マルチ・ケーブルを引き回さなければならなかったので……。16ch のアナログ・マルチ・ケーブルですと、それだけで20kg くらいの重さがあるんですよ。それをセッティングの度に引き回すのは本当に大変だったので、次に導入するのであればデジタル伝送に対応していることは必須条件でした。それと操作が簡単なものにしようとも思っていましたね。生中継で使用することが多くなるコンソールなので、操作が複雑なものは避けようと。パッパッと操作できるコンソールがいいなと思ったんです。

─── 最終的に「ローランド」の「V-Mixing System」を選定した理由についておしえてください。

 一番はコスト・パフォーマンスの高さですね。今回導入した「V-Mixing System」と同じような規模の他社製コンソールを比較してみたんですが、「V-Mixing System」の方が導入コストが低かったんですよ。あとは「ローランド」さんにお願いしてデモ機を試用させていただいたんですが、シンプルで凄く使いやすかった。何をやるにも簡単に操作できて、これはいいなと思いましたね。あとは「M-480」がフェーダーを24 本備えているのもポイントでした。同クラスのコンソールですと、フェーダー数が少なかったりするんですけど、それだとレイヤーを切り替えなければならないので煩わしいんですよね。24 本フェーダーがあれば、ほとんどのソースを1 面でコントロールできますから。こういった理由から最終的に「V-Mixing System」を選定しました。

野球中継時は「V-Mixing System」で5.1ch ミックスを作成


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─── 今年3 月から稼働させているとのことですが、実際に現場で使用されて「V-Mixing System」はいかがですか?

 何と言っても操作がシンプルで分かりやすいのがいいですね。ほぼすべてのチャンネル・パラメーターが左上に用意されているので、直感的に操作することができるんです。何か操作する度にページを捲るということもないですし、本当に分かりやすいコンソールだと思います。あとはやっぱりフェーダー数が24 本あるのがいいですね。それでいて筐体はコンパクトで軽量なところも気に入っています。

─── 肝心の音質はいかがですか?

 副調整室で使っているような高価な卓と比べてしまうとヘッドアンプの差は感じてしまうんですが、普通に使う分にはまったく問題ないですね。音質的にもなかなか良いコンソールなのではないかと感じています。

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ステージ脇に設置された「ヤマハ DM1000」
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「DM1000」の奥には「ソニー」のワイヤレス・システムが設置
─── 内蔵のエフェクトに関してはいかがですか?

 「SDE-3000」や「SRV-2000」といった使い慣れた「ローランド」製エフェクトが、ユーザー・インターフェースもそのままに内蔵されているのがいいですね。あとは出力部にしっかりグラフィックEQ が搭載されているのも気に入っています。先日もあるイベントでハウス・コンソールとして使用したんですが、そのときはこのグラフィックEQ が活躍しました。普段はスポーツ中継などで使うことが多いんですけど、バンドなどのPA 用としても十分使えますね。

─── 先ほど、野球中継を5.1chでサラウンド・ミックスしているとおっしゃっていましたが、マルチ・チャンネルでの使い勝手はいかがですか?

 送り先を固定で使う分にはまったく問題ないですね。野球中継の場合は、最初に決めてしまったら後でパンニングすることはほとんどないので、「V-Mixing System」でも十分に対応できています。しかし今後ソフトウェアがバージョン・アップするのであれば、ぜひサラウンド・パンナーを搭載してほしいですね。サラウンド・パンナーがあれば、使用できる現場がかなり広がりますから。

─── 野球中継以外ですと、最近ではどんな現場で使用されましたか?

 つい先日、『全日本大学駅伝』の中継で使用しました。駅伝は音声伝送の受信ポイントがたくさんあるので、「V-Mixing System」の入出力の多さは助かりますね。他にもいろいろな現場で使用していますが、今のところノン・トラブルで使用できています。

─── iPad を使ったリモート・コントロールについては?

 興味はあるんですが、私が手がけているような現場ではあまりリモート・コントロールの恩恵を受けられないので、まだ使用したことがないですね。

─── 今後、新しいコンポーネントの追加などは考えていますか?

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名古屋テレビ放送株式会社 技術局 映像技術部の林和喜(はやし・かずき)氏
 今のところ予定は無いんですが、コンポーネントを追加すれば機能を拡張できるのは「V-Mixing System」の大きなメリットですよね。「Digital Snake」がせっかく3 台あるので、機会があれば「V-Mixer」を使用せず、デジタル伝送システムとして使用してみたいと考えています。あと、AES/EBUで多チャンネル取り扱えるコンポーネントが発売されるのであれば、デジタル機器との接続が多いのでぜひ導入したいところです。

─── 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

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