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HOME> > 琉球放送が導入したV-Mixing System

琉球放送が導入したV-Mixing System 沖縄全域を対象にテレビ(JNN 系列)とラジオ(JRN 系列)の両方の放送を手がける「琉球放送」。地元の人たちの間では“RBC” の愛称で親しまれている放送局である。そんな「琉球放送」が先頃、屋外で使用する新しいミキシング・コンソールとして、「ローランド」の「V-Mixing System」を導入した。同社は純正の48 トラック・レコーダー「R-1000」も一緒に導入することで、マルチ収録システムとして「V-Mixing System」を活用しているという。その導入の経緯と使用感について、「琉球放送」の番組で技術を手がける「RBC ビジョン」の西政信氏に話を訊いた。
「琉球放送」の音声中継車の中にセッティングされた「ローランド」の「V-Mixing System」。ミキシング・コンソールは「V-Mixer M-480」で、入出力ユニットは「Digital SnakeS-4000S-3208」と「Digital Snake S-1608」が2 台という構成。また、48 トラック・レコーダーである「R-1000」もシステムに組み込まれている
V-Mixing System はR-1000 を組み込み、マルチ収録システムとして活用
─── 昨年、「琉球放送」さんは中継収録用のシステムとして「ローランド」の「V-Mixing System」を導入されたそうですが、まずはそのきっかけからおしえていただけますか。

西 我々は、JNN 系列のテレビ(RBC琉球放送)とJRN 系列のラジオ(RBCiラジオ)の両方の制作を手がけていて、スタッフや機材は基本的に一緒なんです。そして普段使用している音声中継車には「Studer」社のアナログ・コンソールが常設してあって、それを使って歌番組やスポーツ中継などの仕事をこなしていたわけですが、かれこれ10年くらい前から機材の更新の話が出ていたんですよね。
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「琉球放送」の音声中継車
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導入された「V-Mixer M-480」
一番のきっかけは伝送で、そろそろデジタルで伝送できるシステムを導入したいなと。これまでは16ch のアナログ・マルチを3 〜4 本引いていたんですが、大きな現場ですとそれを150m くらい引き延ばしていたので、ちょこちょこトラブルが生じていたんです。野外の現場が多いので、電位差によってノイズが発生してしまったり。そういった場合は、ケーブルの這わし方を変えたり、ヘッドアンプをかまりしたりして対処していたんですが、そういうトラブル・シューティングをすると仕込みに時間がかかってしまうんですよ。

─── かなり前から更新の話が持ち上がっていながら、実際に導入されるまでに時間がかかったのはなぜですか?

西 これという機材が無かったからです。この10 年の間に、デジタル伝送に対応したミキシング・コンソールは各社から登場したんですが、マルチトラック・レコーダーを内包したものというのはほとんど無かったんですよ。どのコンソールもレコーダーはコンピューター・ベースのDAW を併用することを前提としていて、我々としてはここ数年でマルチで録音しなければならない現場が増えていたので、信頼性の高いスタンドアローン・レコーダーを内包しているシステムがいいなと思っていたんです。
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「琉球放送」の番組制作の技術を担当する「RBC ビジョン」所属の西政信氏
そんなときに「ローランド」から「R-1000」という48 トラック・レコーダーが登場して、あの機材は「V-Mixing System」内で使うことを前提に設計されたレコーダーじゃないですか。「V-Mixing System」であればデジタル伝送も「Digital Snake」でカバーしているし、これは我々にピッタリのシステムなんじゃないかと思ったんです。
 それで「TBS」さんが「V-Mixing System」を使っているという話を耳にして、我々も協賛している『那覇祭り』というイベントで試用させてもらったんですよ。確かミキシング・コンソールが「V-Mixer M-400」で、入出力ユニットが「Digital Snake S-4000S-3208」というシステムだと思うんですが、初めて現場で使ったのにとても使いやすかったんですよね。3 日間生放送というけっこう過酷なイベントだったんですけど、まったくトラブル無く作業することができて。それで我々も「V-Mixing System」を導入しようということになったわけです。

─── 「V-Mixing System」導入以前は、どのようにマルチ録音を行っていたのですか?

西 必要に応じて4 トラックの「ローランド R-44」を2 〜3 台同期させて対応する程度で、ちゃんとしたマルチ録音はできてなかったというのが実情だったんです。しかしここ数年、民謡やロック/ポップスなどの歌番組、BJリーグのバスケットボールや高校野球、ラグビー、サッカーといったスポーツ番組の中継が増えていて、しっかりマルチで録音したいという欲求が高まっていたんですよ。

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「V-Mixing System」の入出力を担う「Digital Snake S-4000S-3208」( 写真下)と「Digital Snake S-1608」( 写真上)
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48 トラック・レコーダー「R-1000」
─── 導入された「V-Mixing System」のシステム構成についておしえてください。

西 ミキシング・コンソールは「V-Mixer M-480」で、入出力ユニットとして「Digital Snake S-1608」を2 台と「S-4000S-3208」を導入しました。あとは48 トラック・レコーダーの「R-1000」ですね。入出力ユニットは基本「S-4000S-3208」を使用する感じで、小規模な現場は「S-1608」という使い分けです。大規模な現場では「S-4000S-3208」と「S-1608」を併用することもありますが、「Digital Snake」を3 台同時に使うことはないですね。「Digital Snake」は現在、「M-480」のヘッドとしてしか使っていないんですが、今後は「V-Mixer」無しの純粋な伝送システムとして使用する可能性もあります。

─── 「V-Mixing System」は、音声中継車に常設してあるんですか?

西 いや、普段は倉庫に置いてあって、必要に応じて持ち出して使うという感じになっています。もちろん、音声中継車の中で使うこともありますし、イベント会場の袖に設置して使うこともあります。収録でも生放送でも使いますし、今後は若手を育成するトレーニングでも使用していきたいと考えているんです。

─── トレーニングというと?

西 「R-1000」でリハーサル時の音声を録音しておけば、“ バーチャル・リハーサル” ができるわけでじゃないですか。「R-1000」によって、これまでは現場でしか出来なかったミックスを、後で好きなだけ出来るようになる。これは若手のトレーニングに最高だなと思っていて、今後どんどん活用していきたいと考えているんです。音楽番組に限らず、スポーツ中継のミックスのトレーニングも出来ますしね。



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