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HOME> 東映のテレビ・ドラマ収録で活躍するローランド V-Mixer M-200i

prosound
東映のテレビ・ドラマ収録で活躍するローランド V-Mixer M-200i
テレビ・ドラマの収録現場では、いまだにアナログ・ミキサーが主流だ。すべての操作子が表に出ている直感的な操作性、
決して音が瞬断することのない高い信頼性、過酷な現場でもビクともしない優れた堅牢性など、
様々な理由から業務用のアナログ・ミキサーが選ばれている。
そんな中、「東映テレビ・プロダクション」は先頃、長らく使われてきたアナログ・ミキサーをデジタル・ミキサーに更新。
iPadをタッチ・スクリーンとして利用した「ローランド」の「V-Mixer M-200i」を導入し、
収録用ミキサーとして活用しているという。テレビ・ドラマの収録現場で、
このクラスのデジタル・ミキサーが使用されるのはとても珍しいと言えるが、
なぜ「東映テレビ・プロダクション」はミキサーをデジタル化し、数ある製品の中から「V-Mixer M-200i」を選定したのか。
人気ドラマ撮影中の「東映東京撮影所」にお邪魔し、「東映テレビ・プロダクション」技術運営部部長の八木明広氏、
現場での収録を手がける「ブル」制作技術部録音課長の伝田直樹氏、
同じく「ブル」制作技術部ドラマ課専門職課長の福部博国氏の3氏に話を訊いた。
取材協力:東映テレビ・プロダクション、ブル、ローランド
写真:辻内真理
photo
長らく使用してきたアナログ・ミキサーに替えて「ローランド V-Mixer M-200i」を導入
―― 「東映」さんでは先頃、テレビ・ドラマ収録用のミキサーをアナログからデジタルに更新されたそうですが、まずはその理由からおしえていただけますか?
八木 テレビ・ドラマの撮影現場では長年、8ch入力のコンパクトなアナログ・ミキサーをメインで使用してきたんです。しかし最近は役者さん全員にワイヤレス・マイクを付けるようになり、8ch入力ではチャンネル数が足りなくなっていました。我々的にはこのチャンネル数の問題がずっと悩みの種で、何か良い機材はないか、事あるごとに調べていたんですが、収録で使えるような多チャンネル入力のアナログ・ミキサーというのは、そんなにあるわけではありません。現場の技師の方々、特にキャリアが長い人はアナログ・ミキサーを好む傾向にあるんですが、補修の期限が切れたアナログ・ミキサーを騙し騙し使い続けるのも限界に来ており、デジタル・ミキサーの導入を検討することにしたんです。

「東映テレビ・プロダクション」が、テレビ・ドラマの収録用に新たに導入したデジタル・ミキサー、「ローランド V-Mixer M-200i」
「東映テレビ・プロダクション」が、テレビ・ドラマの収録用に新たに導入したデジタル・ミキサー、「ローランド V-Mixer M-200i」
伝田 最近のテレビ・ドラマは、役者さんの数が昔より増えているんですよ。同時に8人くらい登場して、全員が一度に喋るシーンも珍しくないですからね。

福部 私が手がけている刑事ドラマなどでは、そういうシーンが特に多いんです。そして役者さん全員にワイヤレス・マイクを付け、さらにはブーム・マイクもありますから、チャンネルはかなりの数になります。昔はブーム・マイク1本でモノラル・ミックスした音声だけを録音すれば良かったんですが、最近はカメラがマルチで回っていますし、MAでの後処理のために出来る限りチャンネルは分けて録っておきたいという編集上の事情もあります。そんな感じで、自然とチャンネル数が増えていってしまったんですよ。

八木 でも、業務用のコンパクトなアナログ・ミキサーの入力は、大抵6chか8chですからね。 必要の度々に機材をカスケード運用は機動力も含め不合理ですね。

―― 収録用ミキサーをアナログからデジタルに更新する上で、不安だった点はありますか?

「東映テレビ・プロダクション」技術運営部部長の八木明広氏
「東映テレビ・プロダクション」技術運営部部長の八木明広氏
「ブル」制作技術部録音課長の伝田直樹氏
「ブル」制作技術部録音課長の伝田直樹氏
「ブル」制作技術部ドラマ課専門職課長の福部博国氏
「ブル」制作技術部ドラマ課専門職課長の福部博国氏
伝田 一番は電源ですね。カートに積むにはバッテリーで駆動させなければならない。しかしデジタル機材って、電源が不安定だと動作も不安定になったりするじゃないですか。その辺りの安定性に関しては不安でした。

福部 あとはケーブル周りに関してもそうですね。ケーブル1本でのデジタル伝送は、セットアップという点では便利だと思うんですが、トラブルが起きたら全チャンネル一気にダメになってしまうんじゃないかと。そう考えると、アナログ接続の方が安心感はありました。

伝田 ぼく個人はいろいろデジタル・ミキサーを使ってきたのでそんなに不安は無かったんですが、ヘッドアンプの強さ。収録で使うものなので、すぐに歪んでしまうものはダメだなと思っていました。

―― そして新しいミキサーとして、「ローランド」の「V-Mixer M-200i」を導入されたそうですが、その選定理由についておしえてください。

八木 たまたま『プロサウンド』の広告で見かけたんです(笑)。写真を見て、筐体は小さそうなのにフェーダーがしっかり16本備わっていて、iPadを利用した画面も大きくて使いやすそうだなと。それで調べてみたら電源が24Vで、工夫すればバッテリー駆動でもいける。と思ったんです。早速デモ機をお借りして試してみたところ、問題なく使えたので導入を決めました。デジタル・ミキサーは各社からいろいろ出ていますが、「M-200i」のようにコンパクトで、テレビ・ドラマの収録にフイットするスペックのものってなかなか無いんですが、弊社で使用中のロケカートへも大幅変更する事無く搭載出来ましたので、決めました。

福部 「ローランド」のミキサーは、こういった現場ではほとんど使用されていないため、最初は不安だったのも事実です。世界的なメーカーではあるんですが、テレビ・ドラマの現場の人間からすると“畑違いのブランド”というイメージがあり、業務機としての音質や入力の強さは大丈夫なのかという意見もありました。しかしよくよく考えてみれば、音楽をきれいに録れる製品を出しているメーカーが、台詞をきれいに録れる製品を作れないわけがない。台詞よりもドラムの方がよっぽど歪みやすいわけですからね(笑)。だから絶対に大丈夫だろうと思いました。

伝田 それと本来PA用の製品なので、安定性の面でも心配ないだろうと思いました。PAの現場で落ちてしまったら大変ですからね。

―― 現場で使い始めたのはいつ頃からですか?

伝田 導入は昨年の暮れのことで、2月の終わり頃から撮影で使い始めました。前クールに放送されたテレビ・ドラマの撮影ですね。ですからもう半年くらい使用していることになります。

八木 先ず運用検証として、1月17日公開の『列車戦隊トッキュウジャーvsキョウリュウジャー The Movie』にて伝田氏が現場検証を実施しました。そして問題点を詰め、TVレギュラーものとして『警視庁捜査一課9係season9』 全10話(4月22日〜7月1日毎週水曜夜9時枠、テレビ朝日系列全国ネットにて放送)で実運用し、引き続き現在、『刑事7人』全9話(7月15日〜9月9日毎週水曜夜9時枠、テレビ朝日系列全国ネットにて放送)で実運用しております。今回、取材に来ていただいたときは、ちょうど『刑事7人』の撮影中でした。


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