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HOME> 東映のテレビ・ドラマ収録で活躍するローランド V-Mixer M-200i

Prosound Report 東映のテレビ・ドラマ収録で活躍するローランド V-Mixer M-200i
カートに積載された「M-200i」は、24V出力のバッテリーで駆動
「M-200i」の導入に合わせて、改修された収録用カート。「M-200i」が上手く収まっている
「M-200i」の導入に合わせて、改修された収録用カート。「M-200i」が上手く収まっている
改修されたカートを側面から見たところ
改修されたカートを側面から見たところ
―― 「M-200i」を積載したカートは、新たに製作されたそうですね。

伝田 そうです。システムを組むにあたり、いろいろあったんですが解決し、運用を開始しました。カートに積んである「M-200i」以外の機材は、レコーダーは「タスカム HS-P82」と「ローランド R-44」です。通常は「HS-P82」のみを使用することが多いんですが、「R-44」を併用することで最大12トラックの収録にも対応できるようにしてあります。「 M-200i」単体でも、USBメモリに2トラックの収録が可能ですから、工夫次第で様々なソースが録れるようになりましたね。「M-200i」と「HS-P82」の接続はアナログで、「M-200i」の出力に8系統のAUXバスを割り当てています。監督のスピーカーへの送りや、トークバックの割り込みなどにはマトリックス・バスを活用していますね。そして「M-200i」には、REACで「Digital Snake S-0808」を接続しています。「S-0808」の入力だけでは足りない場合は、「M-200i」本体の入力も併用しています。

―― 「S-0808」にはワイヤレスの出力が入力されるのですか?

福部 そうですね。現場では「Sennheiser」が4波、「RAMSA」が4波、最大8波のワイヤレス・マイクを使用していて、それらの出力を「S-0808」に入力しています。ワイヤレス・マイクの受信機は、「Sennheiser 100」シリーズを導入しました。設備用の受信機なんですが、チャンネル・デバイダーによって4chまで使うことができ、電源もチャンネル・デバイダー経由で送れるのでとても便利なんです。これまではミキサーとワイヤレスを繋ぐケーブルが8本あったわけですが、「M-200i」を導入してからはREACケーブル1本になったので、かなりスッキリしましたね。

伝田 現場ではワイヤレス・マイクに加え、ガン・マイクも使用しています。ガン・マイクは、「Sennheiser MKH416」と「MKH50」をメインで使用しています。

レコーダーは「タスカム HS-P82」と「ローランド R-44」を搭載
レコーダーは「タスカム HS-P82」と「ローランド R-44」を搭載
photo09.jpg
「M-200i」を駆動させるためのバッテリー。「IDX」の12V出力のアダプターに12〜15V仕様のバッテリーを装着し、それを直列で繋ぐことで24Vを実現している
八木 それと「Sennheiser 100」シリーズと「V-Mixer」の導入コストが優しかったお陰で、マイクヘッドの「DPA EMK4071」を追加することができ、入力ヘッドに拘る余裕ができました。入口は優れたアナログで、伝送はデジタル。一つの理想景感が実現できたと思っています。

―― そしてカートに積載された「M-200i」は、バッテリー駆動になっているのが大きなポイントですね。

伝田 そうですね。「M-200i」をバッテリーで動かしている例はほとんど無いのではないかと思います。具体的にはカメラ用のバッテリーを使用して動かしていて、「M-200i」は24V駆動なので、12〜15V仕様のバッテリーを直列で繋いでいます。ただ、単純に直列に繋いだだけでは28Vくらいになってしまうので、電圧を下げるために「IDX」の12V出力のアダプターにバッテリーを装着し、それを直列で繋ぐことで24Vを実現しています。連続駆動時間は大体4時間くらいで、これくらい保てばテレビ・ドラマの収録用としては十分ですね。バッテリー駆動はメーカー推奨の使い方ではないのですが、まったく問題なく動いています。
24Vバッテリーを実現するのには結構苦労しましたよ。最初はインバーターを使ってみたんですが、ノイズだらけになってしまって使いものになりませんでした。次にDC-ACコンバーターも試してみたんですが、バッテリーの消費が激しく1時間くらいしか保たなかったりと、かなり試行錯誤しましたね。
「M-200i」が12V駆動だったらよかったんですけど(笑)、ヘッドアンプなどアナログ系の回路を積んでいるので、24V駆動という仕様は仕方ないでしょうね。フロントの「S-0808」に関しては、ワイヤレスの受信機とともに別のバッテリーで駆動させています。こちらは「S-0808」がファンタム電源を供給していることもあり、駆動時間は大体2時間程度ですね。

「M-200i」の入力となる「Digital Snake S-0808」と、ワイヤレスのレシーバー「Sennheiser 100」シリーズが収納されたケース
「M-200i」の入力となる「Digital Snake S-0808」と、ワイヤレスのレシーバー「Sennheiser 100」シリーズが収納されたケース
―― 実際に現場で「M-200i」を使用されていかがですか?

福部 やっぱり最初はアナログ・ミキサーとは使い勝手が違うので戸惑いました。でも使い始めたらすぐに慣れて、今は前のアナログ・ミキサーよりもかなり操作がラクになったと思います。

伝田 何と言ってもiPadから様々なコントロールができるのがいいですね。普段の収録ではヘッドアンプのパラメーターとEQ、パンなどをコントロールすることが多いんですが、iPadは直感的に操作できるのでとても便利です。ぼくの場合、録りの段階で音の補正を行ってしまうことが多いんですよ。例えば少し音が籠っている場合は、EQでシャキッとした音にしたりとか。iPadではそんな操作が素早くできるのでいいですね。EQの設定のコピー&ペーストやトータル・リコールなどもよく使っています。

伝田 凄く重宝しているのが、ミュート・グループ機能。現場では収録した素材をプレビューするんですが、これまでのアナログ・ミキサーの場合はいちいち手動でフェーダーを下げる必要があったんですよ。それが「M-200i」では、あらかじめミュート・グループを設定しておけば、一発でチャンネル・ミュートが行える。VTRのフェーダーを裏面にアサインしておけば、間違って下げてしまうこともないですし、これは本当に重宝している機能ですね。まぁ、デジタル・ミキサーを使っている方からすれば当たり前の機能なんでしょうけど(笑)、長年アナログ・ミキサーで作業をしてきた我々にとっては本当に便利な機能です。

写真向かって左から、「ブル」福部氏、「東映テレビ・プロダクション」の八木氏、「ブル」伝田氏
写真向かって左から、「ブル」福部氏、「東映テレビ・プロダクション」の八木氏、「ブル」伝田氏
―― ヘッドアンプに関してはいかがですか?

福部 アナログ時代はたまに歪むことがあったんですが、「M-200i」に替えてからは一度も歪んだことはないですね。デジタル・ミキサーということで、意識して少し低めのゲインで録っていますし、今のところまったく問題はありません。音質面もとても気に入っています。アナログ・ミキサーの場合は、機種によって音質差がけっこうあったんですが、「M-200i」は変な癖が無く、とてもナチュラルなサウンドだと思います。

―― アナログ・ミキサーから「M-200i」への更新は大成功という感じでしょうか。

八木 そうですね。おそらくテレビ・ドラマの収録現場でこの卓を使っている環境は未だ少ないと思うんですが、想像以上に便利に使えていますし、導入して良かったと思っています。アナログ構成で現場音声回線を8ch使うとなったらケーブルを8本引き回す必要があったわけですが、REACですと1本のケーブルで多チャンネルI/Oを構築できるわけですから、設置/撤収も短時間で済みます。今後、撮影現場でより積極的に使うべきと考えています。ドラマも音楽も音に変わりはないですから……。収録機材は、音質及び耐久性、運用のし易さが第一条件。善い物は過去のブランド・イメージを超え、垣根なくドンドン採用するべきと考えます。アナログと比べると55%以下の設備投資で倍以上の入力に対応できるデジタル製品は、コスト・パフォーマンスも抜群にいいです。こんなに良い卓を多人数同時出演作品の収録で使わない手はないですよ。音楽収録/PA向けに開発されているデジタル卓は今後も注目していきたいと思っています。


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