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クレイブが導入したローランド O・H・R・C・A M-5000
昨秋のInter BEEで発表された「ローランド」初のミドル・クラス・コンソール、「O・H・R・C・A M-5000」。
内部構成を自由に定義できるフレキシビリティの高さと、内部処理96kHz/72bitサミング・バスによる高音質、
そしてREAC/Dante/MADIなど様々なフォーマットに対応する優れた拡張性で、
大きな注目を集めたのはご存じのとおりだ。今春出荷が開始され、複数のPAカンパニー/制作プロダクションが導入、 現場で稼働させている。ここで紹介する「クレイブ」もいち早く「O・H・R・C・A M-5000」を導入した会社の1つで、
6月初旬から始まった KREVA のコンサート・ツアー『UNDER THE MOON』後半戦 with BAND STYLE において、
モニター・コンソールとしてフル活用中。
そこで本誌では、7月26日に行われた中野サンプラザ公演の現場にお邪魔し、
オペレーターを務める「クレイブ」代表の森下浩史氏に、「O・H・R・C・A M-5000」の使用感について話を伺ってみた。
取材協力:有限会社エレメンツ、合同会社クレイブ、ローランド株式会社
写真:辻内真理
7月26日、中野サンプラザで行われたKREVAのライブにおけるモニター周りのセットアップ。ステージ上手に設置されている。モニター・コンソールとして、導入されたばかりの「ローランド O・H・R・C・A M-5000」を使用。通常、iPadなどのタブレット端末が置かれることが多い左上のスペースは、「Pro Tools」用のMIDIコントローラー置き場として活用されていた
7月26日、中野サンプラザで行われたKREVAのライブにおけるモニター周りのセットアップ。ステージ上手に設置されている。モニター・コンソールとして、導入されたばかりの「ローランド O・H・R・C・A M-5000」を使用。通常、iPadなどのタブレット端末が置かれることが多い左上のスペースは、「Pro Tools」用のMIDIコントローラー置き場として活用されていた
入出力の縛りがなく、128chの範囲であれば自由にミキサーの仕様が組めるというのは、想像以上に便利
―― 「クレイブ」さんは、KREVAさんのライブ・ツアーのモニター周りのオペレートを長年手がけられているそうですね。

森下 そうですね。2008年からですので、もう7年やっていることになります。ぼくらはモニター/ステージ系の担当で、ハウスは「ワイヤード」さんが手がけています。KREVAさんのライブの編成はツアーごとに変わる感じで、ここ3年くらいは生楽器が入ったバンド形態になっていますね。

―― 今回のツアーから、モニター・コンソールとして「ローランド」の新製品、「O・H・R・C・A M-5000」を使用されているとのことですが、まずは導入のきっかけからおしえてください。

森下 前回のツアーで使用していた「Midas Pro2」が諸事情で使えなくなってしまったので、新しいコンソールを探していたんですよ。そんなときに発表されたのが「M-5000」で、昨年のInter BEEで実機を見て、一目惚れしてしまいました。でも、発売が今年の春ということを聞いて、正直少し迷ったんですよ。発売から1ヶ月くらいでツアーに持って出なければならなかったので……。他のスタッフからも“新製品はちょっと不安じゃない?”なんて言われたりして、とりあえずデモ機を試してから決めようかなと思ったんですが、どっちにしろ新しいコンソールを入れなければならないタイミングだったので、思い切って導入してしまいました。まぁ、何かあったとしても、「ローランド」さんだったら対応してくれるんじゃないかと(笑)。

―― 森下さんが新しいコンソールに求めていたものというと?

森下 インプットはミニマムでも48ch入って、アウトプットは24ch。それが最低限の条件でしたね。あとはサーフェースのサイズができるだけコンパクトなもので、フェーダー数に関しては24本あればいいと思っていました。16フェーダーだと、サイズがコンパクトになるのはいいんですが、やっぱりモニター・コンソールとしては使いづらいんですよ。前回のツアーで使用していた「Pro2」も良いコンソールだったので、音質的にも機能的にもそこからクオリティを下げたくないというのもありましたね。

―― いろいろ選択肢はあったと思うのですが、「M-5000」導入の決め手となったのは?

ケーブルで見えづらいが、「O・H・R・C・A M-5000」の入出力としてはREAC接続の「ローランド Digital Snake S-2416」を2台使用。これによってアナログ48ch入力/32ch出力をスタンバイしている
ケーブルで見えづらいが、「O・H・R・C・A M-5000」の入出力としてはREAC接続の「ローランド Digital Snake S-2416」を2台使用。これによってアナログ48ch入力/32ch出力をスタンバイしている
森下 価格は、他のコンソールとそんなに変わらなかったんですけど、一番の決め手となってのは最後発のコンソールということですかね。後発機ということで、機能面が非常に充実している印象で、他のコンソールの“いいとこ取り”をした製品なんじゃないかと思ったんですよ。それと個人的に「ローランド」の業務用製品に良い印象を持っていたというのもあります。「V-Mixer」や「Digital Snake」を式典系のイベントで使用したことがあったんですが、そのときにREACの便利さに感動したんですよね。煩わしい設定が不要で、セットアップがとにかく簡単なんです。それまで伝送系ではEtherSoundを使ったことがあったんですが、あのフォーマットは音質的にも取り扱いの面でもストレスがあって。それに比べるとREACは何の不満も無く、好印象だった「ローランド」がようやくこのサイズのものを出してくれたので、発表されたときから魅力的だなと思っていました。

―― 「クレイブ」さんの「M-5000」のシステム構成についておしえてください。

森下 「M-5000」と、入出力は「Digital Snake S-2416」が2台で、計48ch入力/32ch出力という仕様ですね。入出力は基本「S-2416」に任せる感じで、「M-5000」内蔵の入出力は使ってないです。とてもシンプルというかベーシックなシステムで、今のところカード類も入れてないですね。会社に納品されたのが5月の終わりのことで、6月の頭からツアーに出て今日が17本目ですが、トラブルはまったく無いです。

―― 実際に現場で使用されて、「M-5000」はいかがですか?

森下 ものすごく使いやすいです。触りたいと思ったところにすぐにいける。何かやりたいと思ったときに、二手間、三手間かからないのは本当にいいですね。こういうデジタル・コンソールですと、何かやる度にホーム画面に戻らなければならなかったり、ページを何度かめくらなければならないものも多いじゃないですか。「M-5000」にそういう煩わしい感じはなく、あらゆることが直感的に操作できるんです。タッチ・スクリーンの反応も良く、サイズが大きいところもいいですね。フェーダー・タッチも快適で、有機ELディスプレイの表示がうるさくないのもいいです。

―― 右端の4本のフェーダーは『アサイナブル・フェーダー』、その上のエンコーダー/スイッチ類は『ユーザー・アサイナブル・セクション』として、割り当てる機能やチャンネルを固定できる点は「M-5000」の特徴の一つです。森下さんは、どんなチャンネルや機能をアサインしていますか?

森下 『アサイナブル・フェーダー』には、メインのボーカル、オーディエンス、そしてモニモニのマスター・フェーダーをアサインしています。頻繁に操作するフェーダーを常に表に出しておけるというのはとても便利ですね。また、『ユーザー・アサイナブル・セクション』には、チャンネル・ミュートをアサインして、エマージェンシー用スイッチとして活用しています。

―― 肝心の音質に関してはいかがですか?

森下 クセがなくてクリアですね。これはミュージシャンにも言われました。最近のミュージシャンは、「M-48」(註:「ローランド」のパーソナル・ミキサー)で「ローランド」の音に馴れていますから、初日からみんなに“いいっすね”と言われましたよ。

―― 内蔵エフェクトに関しては?

森下 モニター・コンソールなので、エフェクトはほとんど使ってないんですけど、少し試した限りではきれいなかかりで好印象です。今回、グラフィックEQはウェッジ系にインサートして使っています。フェーダーで操作できるのでとても便利ですね。

―― 最大128chの範囲で、内部ミキサーの仕様を自由に組み替えられる点は「M-5000」の大きなフィーチャーですが、今回のツアーではどのようなセットアップになっていますか?

「クレイブ」代表の森下浩史氏。「O・H・R・C・A M-5000」に関しては、昨秋のInter BEEで実機を見て一目惚れだったそうだ
「クレイブ」代表の森下浩史氏。「O・H・R・C・A M-5000」に関しては、昨秋のInter BEEで実機を見て一目惚れだったそうだ
森下 入力が64chで、AUXバスが43系統という仕様です。入出力の縛りがなく、128chの範囲であれば自由に組めるというのは、想像以上に便利ですね。この後『KREVAフェス』というイベントがあって、そこではゲストが増える予定なんですけど、その場合も余裕で対応することができますから。モノをステレオにしたいという変更も簡単にできますし、他の設定はキープできて、単純にチャンネル数だけ変えられるというのがいいですね。

―― かなり満足されている様子ですね。

森下 本当に今のところ不満はないです。あとはこのコンソールが普及して、乗り込みのオペレーターが使い慣れてくれれば言うことはありません(笑)。地方に行くと、ホールの音響さんが興味津々で見に来るので、「ローランド」さんにはぜひ頑張っていただきたいですね。まだ僕も6割くらいの性能しか引き出せてないと思うので、これから他のアーティストの仕事でもどんどん使っていきたいと思っています。



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