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ローランド Live Mixing Console O・H・R・C・A M-5000C 取材協力:ローランド株式会社 写真:辻内真理
去る8月、「ローランド」が発表した「M-5000C」は、同社のフラッグシップ・コンソール「M-5000」の音質と機能をコンパクト・ボディに凝縮した新製品だ。ちょうど1年前の Inter BEE で初披露された「M-5000」は、内部仕様を自由に定義できる柔軟性の高さと、96kHz対応/内部処理(サミング・バス)72bitによるピュアな音質、そしてREAC/MADI/Danteなど幅広いフォーマットに対応する優れた拡張性で注目を集めている。今回発表された「M-5000C」は「M-5000」をベースに、チャンネル・フェーダーの数を16+4本(「M-5000」は24+4本)、本体内蔵のアナログ出力を8系統(「M-5000」は16系統)とすることで、横幅をスリムにしたコンパクト・サイズを実現。これにより、コンソールの設置スペースが限られた場所でも、「M-5000」の音質と機能を享受できるようになった。ここではその概要をお伝えすることにしよう。
ローランド O・H・R・C・A M-5000C
最大128chの範囲で内部構成を自由に定義できる O・H・R・C・A
 「ローランド」の業務用コンソールというと「V-Mixer(V-Mixing System)」シリーズが有名だが、昨秋のInter BEEでデビューを果たした「M-5000」は、より規模の大きな現場/アプリケーションに対応するべく新たに開発された同社のフラッグシップ・コンソールである。「V-Mixer(V-Mixing System)」シリーズとは製品ラインナップが異なり、「M-5000」には新たに「O・H・R・C・A(オルカ)」というシリーズ名が付けられた。従って今回発表された「M-5000C」は、「O・H・R・C・A」シリーズの第二弾製品ということになる(以下、「M-5000」と「M-5000C」の両製品のことを「O・H・R・C・A」と呼ぶ)。

 最新鋭のライブ・コンソールとして様々な特徴を備える「O・H・R・C・A」だが、一番のフィーチャーは『コンフィギュラブル・アーキテクチャー』の採用だろう。一般的なコンソールは64ch入力/8系統のAUXバス/2ch出力と、内部構成は“固定の仕様”になっているのが普通だが、「O・H・R・C・A」ではこの内部構成を自由に定義できるのだ。「O・H・R・C・A」には最大128chのチャンネル・ストリップが用意され、インプット・チャンネルやメイン出力、グループ・バスなどに自由に割り振ることが可能。使用現場やアプリケーションに合わせて、ミキサーの仕様を自由に定義できるのである。1,000万円クラスのハイエンド・コンソールの中には『コンフィギュラブル・アーキテクチャー』を採用しているものもあるが、この価格帯のコンソールで内部構成を自由に組み替えらえるのは大変珍しいと言っていいだろう。

「M-5000」(左)と「M-5000C」(右)を横に並べた様子。「M-5000」の右上に載るのは、パーソナル・ミキサーの「M-48」
「M-5000C」のリア・パネル。16系統のアナログ入力(XLR)、8系統のアナログ出力(XLR)、ステレオ2系統のAES/EBUデジタル入出力(XLR)、3系統のREAC端子(A、B、スプリット/バックアップ)、ワード・クロック入出力(BNC)、2基のUSB端子、LAN端子、GPI/O端子、RS-232C端子、MIDI入出力端子、2基のフット・スイッチ端子、2基の拡張スロットを装備。アナログ出力が16系統から8系統になっている点が「M-5000」との違いだ
「M-5000C」のリア・パネル。16系統のアナログ入力(XLR)、8系統のアナログ出力(XLR)、ステレオ2系統のAES/EBUデジタル入出力(XLR)、3系統のREAC端子(A、B、スプリット/バックアップ)、ワード・クロック入出力(BNC)、2基のUSB端子、LAN端子、GPI/O端子、RS-232C端子、MIDI入出力端子、2基のフット・スイッチ端子、2基の拡張スロットを装備。アナログ出力が16系統から8系統になっている点が「M-5000」との違いだ
 例えば入力が多めに欲しいという現場では、90ch程度入力チャンネルに割り当て、残りをメイン出力やAUXバスなどにアサインすることができる。逆にコンサートSRでのモニター・コンソール用途など、出力が多めに欲しいという場合は、入力チャンネルを70ch程度に抑え、残りをメイン出力やAUXバスに割り当てればいい。また、最低限必要となるモニター出力(2ch)とヘッドフォン出力(2ch)以外のチャンネルをすべて、入力チャンネルとマトリクス・バスに均等に割り振れば、62ch入出力を備えた無駄の無いマトリクス・ミキサーとして機能させることも可能だ。

 “内部構成を自由に定義できる”というと、外部にパソコンを繋いで複雑な設定が必要なのではないか…… と思った人もいるかもしれないが、実際のセットアップはとてもシンプルで、「O・H・R・C・A」のサーフェース上から簡単に設定することができる。本番直前に急遽入力チャンネルを増やさなければならないという場合でも十分に対応できるシンプルさだ。ミキサーとしての機能を自由に定義できる“変幻自在のコンソール”、それが「O・H・R・C・A」なのである。

 最大128chのチャンネル・ストリップを利用できる「O・H・R・C・A」だが、実際にスタンバイできる入出力はもっと多い。本体内蔵の入出力やREACポート、オプション・スロットなどをフル活用することで、最大300chの入力と最大296ch(M-5000)/288ch(M-5000C)の出力をスタンバイすることができる。そしてこの入出力を、内部のミキサーに自由にパッチングできるというわけである。

REAC / MADI / Dante など多様なフォーマットに対応
「O・H・R・C・A」ではオプション・スロットに拡張ボードを装着することで、「ローランド」独自のオーディオ伝送規格=REACに加え、MADIやDanteなど、様々な伝送規格に対応する。接続機器に合わせて様々な規格に対応する高い柔軟性、これも「O・H・R・C・A」の大きな特徴だ。

 昨秋の「M-5000」発表時によりも拡張ボードの種類は増え、今後発売されるものを含めると現在5種類の拡張ボードがアナウンスされている。REAC対応の拡張ボード「XI-REAC」、Dante対応の拡張ボード「XI-Dante」MADI対応の拡張ボード「XI-MADI」に加え、「Waves」の「SoundGrid」システムに対応するための「XI-WSG」も発売予定。さらにはSDI入出力を実現する「XI-SDI」などの映像系の拡張ボードも発売される予定だ。「XI-SDI」ボードを使用すれば、映像信号に「O・H・R・C・A」でミックスした音声をエンベデッドして出力するということが可能になる。

 内部構成を自由に定義できる高い柔軟性、様々なフォーマットに対応する優れた拡張性に次ぐ「O・H・R・C・A」の第3の特徴と言えるのが、内部処理96kHz/サミング・バス72bitという高解像度/高分解能による色付けのないクリアな音質だ。96kHz処理によって周波数特性は40kHzまで伸びており、72bitのサミング・バスによって理論上約432dBもの広大なダイナミック・レンジを確保。もちろん、デジタル処理の部分だけでなく、アナログ段の回路構成や電源部の設計にも、音質を最優先した高品位な設計を採用。本体内蔵のマイク・プリアンプ回路には、厳選したパーツを贅沢に使用したディスクリート回路を採用し、また電源部はアナログ回路とデジタル回路で完全に分離することで、不要なノイズの混入を極限まで抑えている。

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