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ローランド Live Mixing Console O・H・R・C・A M-5000C 取材協力:ローランド株式会社 写真:辻内真理
豊富なビジュアル・フィードバックによって優れた操作性を実現
 内部構成だけでなく、使い勝手に関しても「O・H・R・C・A」はフレキシブルだ。チャンネル・フェーダーは8本単位でバンクとして取り扱われ、バンクごとに入力チャンネル、DCA/バス、ユーザー1〜3という5種類のレイヤーを切り替えることができる。チャンネル・フェーダーはバンク単位で横にスクロールでき、アンカー機能によって、レイヤーごとに頻繁に使用するフェーダー・スクロールの位置を8つプリセットすることもできる。この機能を使えば、例えば1chから50chにも瞬時に飛ぶことが可能だ。

12インチ/カラー表示の大型タッチ・スクリーンを搭載。指先で快適にコントロールできる
12インチ/カラー表示の大型タッチ・スクリーンを搭載。指先で快適にコントロールできる
チャンネル・フェーダーは8本単位でバンクとして取り扱われ、バンクごとに入力チャンネル、DCA/バス、ユーザー1〜3という5種類のレイヤーを切り替えることが可能
チャンネル・フェーダーは8本単位でバンクとして取り扱われ、バンクごとに入力チャンネル、DCA/バス、ユーザー1〜3という5種類のレイヤーを切り替えることが可能
 フェーダーはチャンネル・フェーダーに加え、右側に4本のアサイナブル・フェーダーも用意されている。このフェーダーは、任意のチャンネルをアサインしておけるというもので、左側のチャンネル・フェーダーとは完全に独立しているため、スクロール操作やレイヤー切り替えの影響を受けない。頻繁に操作するボーカルのフェーダーや、リバーブへの送りのフェーダーなどを常時立ち上げておくことが可能だ。アサイナブル・フェーダーの上部には、4基のエンコーダー、8基のスイッチ、有機ELディスプレイで構成されたユーザー・アサイナブル・セクションも用意されている。このセクションには、頻繁に操作するパラメーター(例えばタップ・ディレイやリバーブ・タイムなど)をアサインすることが可能だ。

 サーフェースの中央部には、12インチ・サイズのカラー・タッチ・スクリーンを装備。下部には16個のエンコーダーを装備しており、タッチ・スクリーン上のパラメーターとエンコーダーのリングの色は連動しているので、どのパラメーターがどのエンコーダーにアサインされているのか一目で分かるのもポイントだ。また、タッチ・スクリーン上で操作したいパラメーターに触れ、エンコーダーで設定するという“タッチ&ターン”オペレーションも搭載されている。

サラウンド対応など、中継/収録向けの機能も充実
 コンサートSR(FOH/モニター)、モバイルPA、ライブ・ハウス/ホール/教会などの設備、中継/収録など、「O・H・R・C・A」は様々な現場/アプリケーションに対応できる機能を備えているが、中でも注目したいのは、中継/収録向けの機能の充実ぶりだ。

 まずメイン出力はステレオだけでなく5.1chやLCRを選択することもでき、サラウンド・パンナーは、ダイバージェンスにも対応。さらにはステレオ・ダウン・ミックス機能を備えているので、5.1chとダウン・ミックスされたステレオを同時に出力することも可能になっている。

PAカンパニー「クレイブ」が導入した「M-5000」。KREVAのコンサート・ツアーで、モニター・コンソールとして活用されている(記事は本誌2015年10月号に掲載)
PAカンパニー「クレイブ」が導入した「M-5000」。KREVAのコンサート・ツアーで、モニター・コンソールとして活用されている(記事は本誌2015年10月号に掲載)
PAカンパニー「ビーフリー」が導入した「M-5000」。天童よしみのコンサート・ツアーで、FOH兼モニター・コンソールとして活用されている(記事は本誌今号に掲載)
PAカンパニー「ビーフリー」が導入した「M-5000」。天童よしみのコンサート・ツアーで、FOH兼モニター・コンソールとして活用されている(記事は本誌190号に掲載)
 そしてメイン出力だけでなくモニター出力(2系統備わっているうちのモニター1)のソースはステレオ、LCR、5.1ch、5.1chのステレオ・ダウン・ミックスの中から選択でき、5.1chでモニターする場合は、L、R、C、LFE、Ls、Rsでそれぞれシグナル・ディレイとレベルを設定することが可能。「O・H・R・C・A」内部でモニター出力を細かく補正することが可能だ。

 また、収録や中継での使用に欠かせないミックス・マイナス(マイナスワン)機能も搭載。最大128chの範囲で必要なだけ使用して、入力チャンネルにアサインすることができる。

 コミュニケーション機能も充実しており、トークバックは3系統の出力先を設定でき、収録現場や中継車など3箇所とのコミュニケーションが可能。トークバック・リターン時は、任意のTALKスイッチを点灯させることができ、またモニター1/モニター2でそれぞれ調整できるトークバック時のモニター・ディマー機能も搭載している。入力8系統(TRSフォーン入力を含む)/出力12系統のGPI/Oも装備しているので、様々な外部機器の制御も可能。I/Oごとにラッチ/モーメンタリーの設定に対応し、GPI/Oによるフェーダー・スタートは、フェーダーごとにタリー出力するフェーダー位置を∞から+10dBの範囲で自由に設定することができる。また、トークバック用のマイクを、GPI/Oを利用してバック・トーク時に点滅させたりといった使い方も可能だ。

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M-5000 の機能はそのままにコンパクト筐体を実現した M-5000C
 そして今回発表された「O・H・R・C・A」の第二弾製品となる「M-5000C」は、「M-5000」をベースに、フェーダー数を16フェーダー+アサイナブル4フェーダーに(「M-5000」は24フェーダー+アサイナブル4フェーダー)、本体内蔵のアナログ出力のチャンネル数を8chに(「M-5000」は16ch)することで、コンパクト・サイズを実現したモデル。奥行き(725mm)と高さ(346mm)は「M-5000」と同じだが、横幅は740mmとかなりスリムになっており(「M-5000」は934mm)、重量も32kgと約4kg軽くなっている。ミキサーとしてのキャパシティや拡張性などは「M-5000」と同一で、フェーダー数とアナログ出力のチャンネル数、そして筐体サイズの3点が2モデルの違いだ。小型筐体により、機動性を向上させた“コンパクトO・H・R・C・A”、それが「M-5000C」なのである。

待望のリモート・コントロール・ソフト、M-5000 RCS が提供開始
 最後に、先日発表されたばかりの最新ファームウェア、「M-5000 Version 1.2」についても紹介しておこう。「M-5000 Version 1.2」では、多くのユーザーが待ち望んでいた機能が追加される。

待望のリモート・コントロール・ソフトウェア「M-5000 RCS」。DAWソフトウェアのように複数のウィンドウを表示させ、「O・H・R・C・A」を完璧にコントロールすることができる
待望のリモート・コントロール・ソフトウェア「M-5000 RCS」。DAWソフトウェアのように複数のウィンドウを表示させ、「O・H・R・C・A」を完璧にコントロールすることができる
 目玉は「M-5000」発表時からアナウンスされていたMac/Windows用リモート・コントロール・ソフトウェア、「M-5000 RCS」の提供(「M-5000/M-5000C」は、Version 1.2で「M-5000 RCS」に対応する)。ユーザーは「ローランド」のWebサイトから無償でダウンロードすることが可能だ。

 「M-5000 RCS」は、単なるリモート・コントロール・ソフトウェア/オフライン・エディターを上回る柔軟性と機能を備えている。「O・H・R・C・A」のタッチ・スクリーン同様、「M-5000 RCS」でもベクター・グラフィックスが採用されており、コンピューターのマルチ・モニターのようなシームレスな表示を実現。表示は自由にカスタマイズすることができ、複数のウィンドウを好きな位置に表示させ、それを“ウィンドウ・セット”として保存/簡単に呼び出すことが可能だ。

 「M-5000 RCS」用のコンピューターと「O・H・R・C・A」は、USBあるいはLAN/ネットワーク経由で接続する。LAN接続なら、離れた場所から「O・H・R・C・A」の完全なコントロールが可能だ。

ローランド O・H・R・C・A M-5000/M-5000C
価格:M-5000    2,500,000円(税別)
   M-5000C  2,100,000円(税別)
        問い合わせ:ローランド株式会社
        Tel:050-3101-2555(お客様相談センター)
        http://www.roland.co.jp/solution/
 その他、リアルタイム・アナライザー、ダイナミクスのディエッサー・オプション、従来の-6dB/-12dBに加え、-18dB/-24dBの4種類のスロープが切り替えられるようになったハイパス・フィルター、大型のメーター・スクリーンなど、数多くの機能が追加された「M-5000 Version 1.2」。「O・H・R・C・A」をより強力なコンソールにする必須のアップデートと言っていいだろう。


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