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HOME > ローランド O・H・R・C・A M-5000/M-5000C 導入レポート Vol.2 〜 放送局編 〜

「ローランド」のフラッグシップ・ミキシング・コンソール、「O・H・R・C・A M-5000/M-5000C(以下、M-5000)」。一昨年販売が開始されたこのコンソールの最大の特徴は、何と言っても内部構成を自由に組み替えられる“コンフィギュラブル・アーキテクチャー”が採用されていることだろう。ミキサーとしての機能が固定されていない「M-5000」では、最大128chの範囲で入力/出力/AUXバス/マトリクス・バスなどの数を自由に定義できるのだ。このフレシキビリティの高さが評価され、この1〜2年の間に「M-5000」を導入する放送局が増えている。そこで本誌では「M-5000」を活用している放送局を取材し、その使いこなしについて話を訊いてみることにした。
Case #1 株式会社RBCビジョン
自社所有の初の大型卓としてM-5000を導入
 沖縄県那覇市に本社を置く「RBCビジョン」は1987年、JNNの系列局「琉球放送(RBC)」の出資によって設立された番組制作・放送支援・派遣業務を行う会社だ。「琉球放送」の関連会社だが、他の系列局からの仕事も請け負っており、その技術はキー局からも高く評価されている。

 そんな「RBCビジョン」は昨年5月、中継現場への持ち出し用コンソールとして「M-5000」を導入、音楽番組やスポーツ・イベントなどの中継卓として活用している。「RBCビジョン」事業制作部技術課課長(音声担当)の知花英光氏によれば、同社はこれまで大型の音声卓を所有しておらず、「M-5000」が初めて導入した大型卓になるという。

「もちろん、これまでも大きな現場の仕事はあったんですが、そういうときは他社から機材をレンタルしていました。しかし4〜5年くらい前から、そういった現場もそろそろ自前の機材でこなした方がいいのではないかという話になり、2年くらい前から機材の選定を開始しました」(知花氏)

「RBC ビジョン」が導入した「M-5000」
「RBC ビジョン」が導入した「M-5000」
「XI-REAC」によってREAC ポートを増設
「XI-REAC」によってREAC ポートを増設
 「RBCビジョン」事業制作部技術課の当真嗣聡氏は、これまで様々な卓を使ってきた経験から、導入卓に関してはかなり時間をかけて検討したと語る。

「絶対に外せない選定条件が、いくつかありました。第一に入出力ユニットを100m以上離れた場所に設置できるもの。我々はビーチなどで中継を手がけることも多く、そういった現場は駐車場から離れているので、これまでは卓を中継先まで持って行ったりしていたんですよ。なので、できるだけ長距離伝送が行える卓を導入して、車の中で落ち着いて作業ができればと考えていました。それとなるべくレイヤーを切り替えずに作業したかったので、最低24本は物理フェーダーを備えているもの。将来を見据えてサラウンドと96kHzのハイレゾに対応していることも選定条件で、もちろんトータルでのコスト・パフォーマンスも重視しました」(当真氏)

 当真氏によれば、メーカーや代理店の協力のもと、各社からデモ機を借りて実際にテストを行ったとのこと。そして最終的に選定されたのが、「M-5000」を中心とするREACのシステムというわけである。

「REACのシステムに関しては、「琉球放送」が「V-Mixer」や「Digital Snake」を導入しているので、私も現場で使用したことがあるんですが、非常に利便性の高いシステムだなと感じていたんです。デモ機をお借りして、特に印象に残ったのがその音質の良さ。他社の卓は、音を突っ込んだときに中域がもわっとしてしまう感じがあったんですが、「M-5000」は音の分離/セパレーションが良く、輪郭もくっきりしている印象だったんです。それとミックス・マイナス(マイナス・ワン)など、放送系の機能が充実しているのもいいなと思いました。後発の卓だけあって、他社製品をかなり研究しているなと感じましたね。あとは国内メーカーという安心感もあり、かなり悩んだんですが「M-5000」を導入することに決めました」(当真氏)

長距離伝送用にオプティカル・コンバーターも用意
 「RBCビジョン」が導入したシステムの構成は、コンソールが「M-5000」で、入出力ユニットは「Digital Snake S-4000S-3208」と「Digital Snake S-2416」の2台。「M-5000」は拡張インターフェース「XI-REAC」によってREACポートが増設してあり、オプション・ユニット「S-240P」によって電源の冗長化も図られている。また、100m以上離れた場所に「Digital Snake」を設置できるように「ルミナックス」製のオプティカル・コンバーターも用意された。

「「Digital Snake」に関しては、入力数が欲しかったので「S-4000S-3208」を導入しました。一方「S-2416」は、デジタル入出力が備わっているので、中継車との接続を考えて導入した感じですね。現場に合わせて2種類の「Digital Snake」を使い分けていて、大規模な現場では両方使うこともあります。「M-5000」は拡張インターフェースは、将来的にMADI対応の「XI-MADI」の導入を検討しています。MADIがあれば、PAさんと回線を簡単に共有できるようになるので」(当真氏)

 導入後、既に多くの現場で使用されたという「M-5000」。音質・機能・操作性、すべての面において満足していると語る。
「「M-5000」の大きな特徴である内部構成を自由に組み替えられる点は、実際に使ってみて本当に驚きましたね。これは桁の違うコンソールの考え方だなと。内部構成は現場に合わせて変えていて、基本的には入力に50chくらい、出力に20chくらい割り当てています。

 操作性に関しては、よく使う機能をアサインできるアサイナブル・フェーダーとユーザー・アサイナブル・セクションが特に気に入っています。アサイナブル・フェーダーは、一番右のフェーダーにマスター、他のフェーダーにはDCAやグループをアサインすることが多いですね。エンコーダーにはリバーブ・タイム、スイッチにはオシレーターのオン/オフなどをアサインしています。音楽番組の中継などではアーティストによってリバーブ・タイムを調整しなければならないので、ユーザー・アサイナブル・セクションは本当に重宝していますね。内蔵エフェクトも良くて、リバーブはキメが細かいSRV-2000を使うことが多いです。

 離れた場所から遠隔操作することはないんですが、拡張ディスプレイとしてiPadも使っています。パッチの状況などを常に表示させておけるのは便利ですね。iPadは、万が一サーフェースに問題が生じた際のバックアップ・コントローラーも兼ねています。

 個人的に一番気に入っている機能は、何と言ってもミックス・マイナス(マイナス・ワン)ですね。これまではAUXで作らなければならなかったので、簡単にマイナス・ワンを作れるのは本当に便利です。

 総じて「M-5000」を選定して大正解でしたね。現場で使っていると、よく同業の方に“その卓、どう?”と尋ねられますよ。実際に動いているのを見ると、とても使いやすそうに映るみたいです」(当真氏)
タッチ・ペンで「M-5000」を操作する当真氏
タッチ・ペンで「M-5000」を操作する当真氏
写真左から、「RBCビジョン」事業制作部技術課の当真嗣聡氏、事業制作部技術課の山田光夫氏、事業制作部技術課課長(音声担当)の知花英光氏
写真左から、「RBCビジョン」事業制作部技術課の当真嗣聡氏、事業制作部技術課の山田光夫氏、事業制作部技術課課長(音声担当)の知花英光氏
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