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HOME > ABCラジオの中継現場で活躍する ローランド O・H・R・C・A M-5000C

ABCラジオの中継現場で活躍する ローランド O・H・R・C・A M-5000C

取材協力:朝日放送株式会社、ローランド株式会社
“ABC”の愛称で関西の人には馴染み深い「朝日放送」。近畿広域圏を対象に、テレビ放送(ANN系列)とAM放送(JRNとNRNのクロスネット)の両方を行うラテ兼営局だ。テレビ/ラジオともに独自制作の番組が多い同局だが、ラジオの生中継や公開収録の現場でここ数年フル活用されているのが、「ローランド」のREAC機器である。長距離伝送システム「Digital Snake」をはじめ、パーソナル・ミキサー「M-48」、マルチトラック・レコーダー「R-1000」、ミキシング・コンソール「O・H・R・C・A M-5000C」といった多数のREAC機器が、仕事の内容に合わせて使い分けられている。そこで本誌では「朝日放送」にお邪魔し、数多ある長距離伝送規格の中からREACを選定した理由と、その使いこなしについて話を伺ってみることにした。取材に応じてくださったのは、「朝日放送」技術局ラジオ技術部主任の平間淳司氏である。

最初に長距離伝送システムとしてDigital Snakeを導入

PS 「朝日放送」さんのラジオ・セクションでは、様々なREAC機器が活用されているそうですが、そもそものきっかけは何だったのでしょうか。

「ザ・シンフォニーホール」にセッティングされた「朝日放送」の「ローランド M-5000C」
「ザ・シンフォニーホール」にセッティングされた「朝日放送」の「ローランド M-5000C」
平間 一昨年、音楽番組の公開収録で、ステージから収録ブースまで音声を2重化で長距離伝送でき、マルチ収録できるシステムの導入を検討していたのがきっかけです。従来はアナログ・マルチを引き延ばしていたのですが、やはりノイズの問題とかがあるので、そろそろデジタル伝送のシステムを使いたいなと。「ローランド」さんに「Digital Snake」のデモをしてもらったところ、想像以上に便利で音もよかったことから、アナログ32ch入力/8ch出力の「S-4000S-3208」とアナログ8ch入力/32ch出力の「S-4000S-0832」、そしてマルチトラック・レコーダーの「R-1000」の導入を決めました。導入後すぐ、大阪・吹田の「万博記念公園」で毎年秋に開催される『ABCラジオまつり』というイベントがあり、その中で、ステージから100メートルくらい離れたラジオ中継車までマルチで音声をやりとりする必要があったので、早速生放送で使い、安定運用を確認することができました。

PS デジタル伝送システムはDanteを採用したものなどいろいろなありますが、その中から「Digital Snake」を選定されたのはなぜですか?

平間 ネットワーク伝送規格はDante、REAC、他いろいろあります。今回のシステム選定にあたっては、伝送規格の優位性というよりも、低コストで音質がよく、使い勝手が良いことを重視しました。スタジオでピアノや人間の声を通して比較してみたところ、「Digital Snake」(S-4000S)の音が凄く良かった。96kHzに対応しているというのもポイントでしたね。また、社内のラジオエリアには各拠点間や「スタジオ〜サブ」間に、UTP(アンシールデッド・ツイスト・ペア)のLANトランクが数多くあります。「Digital Snake」の伝送規格であるREACは、100Mbpsの帯域が確保できるネットワーク環境とUTPケーブルを推奨していることもあり、有効活用できると思ったんです。Danteは、テストした限りではUTPでも問題無かったのですが、ギガビットのネットワーク環境とSTP(シールデッド・ツイスト・ペア)を推奨しているので、ちょっと活用しにくいなと。こういったことを踏まえ、「Digital Snake」を導入することにしました。

大阪・吹田の「万博記念公園」で行われた『ABCラジオまつり』で会場近くに停められた音声中継車
大阪・吹田の「万博記念公園」で行われた『ABCラジオまつり』で会場近くに停められた音声中継車
長距離伝送システムとして使用された「Digital Snake S-4000S-3208」
長距離伝送システムとして使用された「Digital Snake S-4000S-3208」

音声中継車の中の様子
音声中継車の中の様子
PS 実際の使用感はいかがでしたか?

平間 最初の現場では、マイク入力は「シグマ」のアナログ・コンソール内蔵のものを使用したので、「Digital Snake」のHAは使用しなかったのですが、それでも音の良さは伝わりました。それと「Digital Snake」が良いのは、単純にREACケーブル2本繋げば、回線を冗長化できるところ。セッティングにかかる時間も短くなり、何よりノイズが乗らないという安心感が良かったですね。

PS 「Digital Snake」と一緒にマルチトラック・レコーダーの「R-1000」を導入したのは?

平間 公開収録用ですね。基本的にはミキサーからのミックス・アウトを録るんですが、「R-1000」があればミキサーに入力する前段でマルチで収録できるなと。以前はマルチ収録する際に、ホール常設のDAWを使わさせてもらったりしていたんですが、DAWが無いホールが現場ということもあるので、「R-1000」を導入したんです。さらには、「Digital Snake」と「R-1000」を組み合わせれば、ハイレゾで収録できるというのもポイントでした。

PS 「Digital Snake」が必要になるような現場というのはどのくらいの頻度であるんですか。

平間 そんなに多いわけではなく、月に1〜2回くらいです。なのでせっかく導入した「Digital Snake」をさらに有効活用しようと思い、去年の6月にパーソナル・ミキサーの「M-48」を7台導入したんです。ラジオで使用している一番大きなスタジオのアナログのキューボックスがかなり古く、チャンネル数も少なかったので、「Digital Snake」と「M-48」をデジタル・モニタリング・システムとして使おうと考えたわけです。サブのコンソールは「タムラ製作所」の「AMQ7700」なんですが、そこからAES/EBUで出してステージ・ボックス「S-4000S」のデジタル・インプット・モジュール「SI-AES4」に入力し、LANトランクでスタジオに送り、スタジオの「S-4000D」でREACを分配して7台の「M-48」に接続するスタイルです。最初はここまでREAC機器を導入することは考えてなかったんですが、
「朝日放送」技術局ラジオ技術部主任、平間淳司氏
「朝日放送」技術局ラジオ技術部主任、平間淳司氏
「Digital Snake」を有効活用しようとどんどん増えていった感じですね(笑)。

PS 「M-48」のことはご存じでしたか?

平間 いろいろな放送局が導入しているので、もちろん知っていました。実際に使ってみると、40chを自由にルーティングできるのでとても便利ですね。各「M-48」にはREAC経由で電源が供給されるので、別に電源を用意する必要がないのもいい。動作もまったく問題ありません。

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