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Aston Microphones 現場レポート Vol.1:ヒビノサウンド Div.
昨年「ローランド」が輸入代理店業務を開始し、大きな注目を集めている英「Aston Microphones」のマイク。同社は「sE Electronics」の共同経営者として数々の製品を世に送り出してきたジェームズ・ヤング(James Young)氏が、2015年に仲間たちと創業した新興のマイク・メーカーだ。これまで「Origin」、「Spirit」、「Starlight」という3種類のマイクと、「Halo」と名付けられたリフレクション・フィルターを発売し、いずれも欧米のプロの間で高く評価されている。“Built in Britain ”にこだわって生産される、新世代のコンデンサー・マイク「Aston Microphones」。本誌では今号から何回かに渡って、同社のマイクを早速現場に投入しているプロ・ユーザーに話を伺ってみることにした。第1回目の今回ご登場いただくのは、「ヒビノサウンド Div.」の向中野隆敏氏。向中野氏はウルフルズのライブ・ツアーで、ギター・アンプ用マイクとして「Origin」を2本活用しているとのこと。そのクリアで近接効果に優れたサウンドをかなり気に入っている様子だった。

近接効果に非常に優れたマイク

PS 6月から行われているウルフルズの全国ツアーでは、「Aston Microphones」が使用されているとのことですが、きっかけは何だったのでしょうか。

向中野 会社が「ローランド」さんからデモでお借りしたのがきっかけですね。僕は「Aston Microphones」のことを知らなかったんですが、ちょこっと見せてもらったら、めちゃくちゃ存在感のあるルックスで。凄くゴツいマイクだなという印象で、音はどんな感じなのかなと興味を持ったんです。それでちょうどウルフルズの全国ツアーが決まっていたので、現場で使ってみようかなと。

PS いきなり現場で使用されたんですね。

ヒビノサウンド Div. 東京ブランチPA課 チーフ、向中野隆敏氏
ヒビノサウンド Div. 東京ブランチPA課 チーフ、向中野隆敏氏
向中野 そうです。全国ツアーが始まる前の5月、日比谷野外大音楽堂でフリー・ライブがあったんですが、そこで使用したのが最初でした。前にギター・アンプにコンデンサー・マイクを使ったことがあったので、今回もまずはギター・アンプで使ってみようと。ギターのウルフルケイスケさんとボーカルのトータス松本さん、二人のギター・アンプ用に「Origin」を使ってみることにしたんです。二人ともギター・アンプがそれほど大きいわけではないので、マイクの方が目立っちゃったらどうしようと心配だったんですけど(笑)。

PS これまでのツアーやライブではどのようなマイクを使用されていたのですか?

向中野 いろいろ使いましたね。僕は長くウルフルズの仕事をさせてもらっているんですが、当然キャリアを重ねていくに従って、彼らの音の好みも変わってきますし。その昔「AKG C414」を使ったこともありましたが、最近は「Sennheiser MD 421」と「Shure SM57」の組み合わせが多かったですね。

PS 今回のツアーでは、「Origin」をどのようにセッティングしているんですか?

向中野 ショックマウントを使えばもっと自由にセッティングできると思うんですけど、今回はショックマウントは使用せず、アタッチメントを付けて少し横に立てていますね。位置としては、スピーカーのセンター・キャビネットのエッジを狙って立てています。ヘッドアンプは、コンソールの「Avid VENUE Profile」のステージ・ユニットのものを使っています。

photo02.jpg
PS いきなり現場で使用されたとのことですが、音の印象はいかがでしたか?

向中野 音がとてもしっかりしているマイクだなというのが最初の印象です。ギター・アンプ用のマイクって難しくて、弾き方や使っているエフェクター、会場の違いによって、かなり音が変化してしまうんですよ。良いなと思っていたのに、ある会場ではいきなり音が細く感じてしまったり。しかし「Origin」はそういう変化がほとんど感じられないんですよ。これまで8本くらいツアーをこなしていますが、どの会場も同じ印象なんです。これはツアー用のマイクとしてはいいなと思いましたね。

PS 音質面での特徴は感じますか?

向中野 高域がとても綺麗に出るマイクだなと感じます。あと思ったのは、近接効果に非常に優れたマイクだなということ。アンプにかなり近づけてセッティングしても、綺麗に拾ってくれるんです。その結果、ミックス時に余計なところを削る必要がない。良い意味で存在感が無いというか、マイクで拾っているという感じがしない音ですね。でも、コンソールのフェーダー操作にはしっかり追従してくれるんです。

PS あのマイクに似ているとか、そういう印象はありましたか?

向中野 あまり何々っぽいという感じはないですね。現代的なサウンドだとは思うんですが、音にドライブ感もありますし。「Aston Microphones」オリジナルのキャラクターに仕上がっているんじゃないかなと思います。

PS 「Aston Microphones」のマイクは、カプセルがステンレス・スティール・ウールで覆われたメッシュ・ヘッド構造になっています。それについては、何か感じたことはありましたか?

向中野 メッシュ部分がポップガードの役割を果たしているそうで、確かに日比谷野外大音楽堂のとき、何も無くても吹かれとかを感じなかったんですよ。先日も野外でもライブがあったんですが、まったく問題ありませんでした。ただ、もっと凄い風のときもあると思うので、オプションでウインド・スクリーンがあったらいいなとは思いますね。

PS ツアー・マイクとしての耐久性についてはどのような印象ですか?

「Fender」のギター・アンプにセッティングされた「Origin」
「Fender」のギター・アンプにセッティングされた「Origin」
キャビネットの上部、エッジ部分を狙ってセッティングされたという
キャビネットの上部、エッジ部分を狙ってセッティングされたという
向中野 造りがチャチかったりすると、数本のツアーでも接合部分が外れちゃったりするんですが、「Origin」はまったく問題ないですね。タフそうな見た目ですが、ツアー用マイクとして十分な耐久性があるのではないかと思います。

PS メンバーは「Origin」について何かおっしゃっていますか?

向中野 外観を見て、“古臭い感じがいいですね”と言っていました(笑)。ヴィンテージっぽさがあるなと。

PS 今後も使っていきたいと思いますか?

向中野 そうですね。クリアな感じのサウンドで、とても気に入っています。近接効果が優れているというのも使いやすいですしね。もう1種類の「Spirit」の方もドラムのオーバー・ヘッドで試してみたんですけど、じっくり使う時間が無かったので、機会があればまた試してみたいですね。

PS 本日はお忙しい中、ありがとうございました。
Aston Microphonesに関する問い合わせ:ローランド お客様相談センター
Tel:050-3101-2555 https://www.roland.com/jp/
取材協力:ヒビノ株式会社、ローランド株式会社

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