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HOME> Aston Microphones 現場レポート Vol.2:サンフォニックス

昨年「ローランド」が輸入代理店業務を開始し、大きな注目を集めている英「Aston Microphones」のマイク。同社は「sE Electronics」の共同経営者として数々の製品を世に送り出してきたジェームズ・ヤング(James Young)氏が、2015 年に仲間たちと創業した新興のマイク・メーカーだ。これまで「Origin」、「Spirit」、「Starlight」という3 種類のマイクと、「Halo」と名付けられたリフレクション・フィルターを発売し、いずれも欧米のプロの間で高く評価されている。“Built in Britain” にこだわって生産される、新世代のコンデンサー・マイク「Aston Microphones」。本誌では前号から、同社のマイクを使用しているプロ・ユーザーのインプレッションを紹介しているが、今号は「サンフォニックス」所属のサウンド・エンジニア、安藤拓也氏に話を伺ってみた。

Origin はスピード感のあるサウンドが魅力

サンフォニックス 制作技術本部 音響事業部 主任、安藤拓也氏
サンフォニックス 制作技術本部 音響事業部 主任、安藤拓也氏
PS 安藤さんは最近「Aston Microphones」のマイクを使用されているとのことですが、そもそものきっかけは何だったのでしょうか。

安藤 代理店の方にご紹介いただいたのがきっかけですね。実物を見せてもらったらメッシュのグリル構造が特徴的で、どこまで使えるんだろうと興味を持ったんです。それで早速、『フジロックフェスティバル '17』の某アーティストのライブで使用しました。そうしたらなかなか良かったので、それ以降、いろいろなアーティストのライブで使用しています。新しいマイクではあるんですが、既に使用されている方は多いみたいですね。現場で合うエンジニアさんの中にも使っているという人がいますし、一緒によく仕事をしているエンジニアも海外のエンジニアから勧められたとおっしゃってました。

PS これまでどのような楽器で使用されましたか?

安藤 ドラムやギター・アンプといったバンド系の楽器から、ピアノ、チェロ、アコースティック・ギターといった生楽器に至るまで、いろいろ使いました。やはり実際に使ってみないと分からないですから、とりあえず使ってみて合う楽器を探っているところです。まだボーカルには使ったことがないんですが、いずれ使ってみたいですね。

 最初に試した『フジロックフェスティバル '17』では、ドラムのトップに「Spirit」を使ったんです。位相がズレないように背面から1 本立てたんですが、そのときのドラマーがとても気に入っていました。会場が野外だったのですが吹かれが無かったのが凄いなと思いましたね。さすがはポップ・フィルターを内蔵しているだけはあるなと。

ソウル・シンガー、NaoYoshioka のライブでのセッティング。ドラムのトップ・マイクに「Spirit」が2 本使用されている
ソウル・シンガー、NaoYoshioka のライブでのセッティング。ドラムのトップ・マイクに「Spirit」が2 本使用されている
ソウル・シンガー、NaoYoshioka のライブでのセッティング。ドラムのトップ・マイクに「Spirit」が2 本使用されている

PS 音質的にはどのような印象ですか?

安藤 「Spirit」と「Origin」、両方使っているんですが、「Spirit」の方は音に温かみのあるマイクだなという印象です。低域と8kHz 〜10kHz に特徴がある感じがしました。それと単一指向性のマイクなんですが、指向性は凄く広く感じますね。最初代理店の方からはオンで使う方が合っていると聞いていたんですが、これだけ指向性が広いとオフでもいける。先日もオーケストラのブラスで使用したんですが、オフでも十分拾ってくれる指向性があるという印象です。なのでこの特性をよく理解しないで使ってしまうと、ハウリングしてしまうので注意が必要です(笑)。

 一方、「Origin」はアンプとかバンド系に合うマイクという印象ですね。ギターのスピード感をしっかり捉えてくれる。カッティングとかだと“ 速いな”とスピード感を如実に感じます。ただ低域は粘りがあるので、高域が速く聴こえる感じですね。指向性に関しては、「Spirit」と比べると狭く感じます。

PS 最近ではソウル・シンガーのNaoYoshioka さんのライブで使用されているそうですね。

安藤 はい。彼女の音楽はいわゆるJ-POP ではなく、洋楽的なネオ・ソウルなので、これまでもいろいろなバンドの楽器のマイクを試していて、何か新しいマイクがないか探しているときにちょうど「Aston Microphone」の持つ高域の感じがこのバンドにハマってよかったです。ドラムのトップには「Spirit」を使って、一応タムやフロアにもマイクを立ててはいるんですが、トップとキック、あとはスネアを少し足すだけで十分でしたね。ギター・アンプには「Origin」だけを使いました。2 本立ててはいるんですけど、もう1 本は予備という感じで実際には使ってません。マイキングはアンプにべったり付ける感じで、このマイクはある程度オンで使った方がいいですね。アンプから5cm 以上離してしまうと、音の輪郭が薄まってしまうような感じがします。

PS ミュージシャンの方々は、音に関して何か言っていましたか?

安藤 高域にスピード感があるとみなさん言いますね。普段よりも速く聴こえると。高域にスピード感があるので、レベルをそんなに上げなくても音がしっかり聴こえるんですよ。ドラマーに話を聞くと、激しく叩いている箇所でもイヤモニでしっかり聴こえているみたいなので、やっぱり良いマイクなんだなと。

PS 先ほど野外で使用しても吹かれを感じなかったとおっしゃっていましたが、ポップ・フィルターを内蔵しているのは便利ですか?

同じくNao Yoshioka のライブでのセッティング。ギター・アンプとベース・アンプにはそれぞれ「Origin」を使用
同じくNao Yoshioka のライブでのセッティング。ギター・アンプとベース・アンプにはそれぞれ「Origin」を使用
同じくNao Yoshioka のライブでのセッティング。ギター・アンプとベース・アンプにはそれぞれ「Origin」を使用
安藤 そうですね。多少の風だったら大丈夫なのではないかという印象です。もちろん、真正面から強い風を受けたら厳しいとは思いますが。ポップ・フィルターを内蔵しているのは、レコーディング用途でも便利なのではないかと思います。ノイズにも強そうな印象がありますしね。あと今気になっているのが耐久性です。コンデンサー・マイクですから、湿度、温度に対する耐久性がどれくらいあるのか、単発のライブだと分からないので、これからツアーに持ち出してチェックしていきたと思っています。

PS 最後になりましたが、安藤さんにとって「Aston Microphones」のマイクの魅力と言うと?

安藤 音質の良さもそうですが、コスト・パフォーマンスが圧倒的に高いですよね。外観だけ見ると、凄くお金がかかってそうなのに、実際はかなり安い。このコスト・パフォーマンスの高さは大きな魅力だと思います。「Origin」と「Spirit」、両方とも気に入っているんですが、特に「Origin」はアンプ系には今一番いいかもしれない。ミュージシャンの反応も良いので、ジャズの現場とかにも使ってみたいですね。今日もこれからリハーサルなんですが、トランペットで「Origin」を使ってみようと思っています。特性というか音的に合っているんじゃないかなと。

PS 本日はお忙しい中、ありがとうございました。

Aston Microphonesに関する問い合わせ:
ローランド お客様相談センター
Tel:050-3101-2555 https://www.roland.com/jp/


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