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HOME > ローランド M-5000 + Waves SoundGrid 導入レポート Vol.1:株式会社ワンツー

最高96kHz/内部72bitサミング・バスによる卓越した音質と、128本のチャンネル・ストリップを入力・出力・バスなどに自由にアサインできる圧倒的なフレキシビリティで、世界中で高く評価されている「O・H・R・C・A M-5000/M-5000C(以下、M-5000)」。コンサートSR(FOH/モニター)、中継収録、設備音響など、あらゆる現場に対応する「ローランド」のフラッグシップ・コンソールだ。
「M-5000」は、2基のオプション・スロットに、“拡張インターフェース”と呼ばれるカードを装着することによって、様々な伝送フォーマットに対応できる点も大きな特徴の一つ。REAC対応の「XI-REAC」、Dante対応の「XI-Dante」、MADI対応の「XI-MADI」、SDI対応の「XI-SDI」など、様々な拡張インターフェースが用意されており、必要に応じてREAC回線を二重化したり、DanteやMADI対応機器とダイレクトに接続することが可能になっている。
そして昨年、「Waves」の伝送フォーマット「SoundGrid」に対応した拡張インターフェース、「XI-WSG」も新たにラインナップに加わった。この拡張インターフェースを「M-5000」に装着し、SoundGridサーバーやコンピューターと接続することで、業界標準の「Waves」製プラグイン「M-5000」でも使用可能になる。これは「M-5000」を導入している会社にとって大きな魅力だろう。そこで本誌では、いち早く「M-5000」で「Waves」製プラグインを活用しているPAカンパニー、株式会社ワンツーの幸田和真氏にインタビュー。ホール・コンサートの現場にお邪魔し、その使用感について話を訊いてみることにした。

音質の良さとSoundGrid対応が決め手となり昨年末にM-5000を導入

PS 「ワンツー」さんは、現在手がけられているコンサート・ツアーのために「M-5000」を導入されたそうですね。

幸田  そうです。去年から始まった今回の現場はホール・ツアーなので客席の中にFOHを組むため、場所が限られていることもあり、コンパクトで音の良いコンソールを使いたいなと思ったんです。それで何度か現場で使ったことある「M-5000」をこの機会に導入することにしました。実際に導入したのは去年の終わりのことです。

現在手がけているコンサート・ツアーのFOH卓としてフル活用されているという「ローランド O・H・R・C・A M-5000」
現在手がけているコンサート・ツアーのFOH卓としてフル活用されているという「ローランド O・H・R・C・A M-5000」
PS これまで「ローランド」のコンソールはお持ちだったんですか?

幸田  ちょっとしたイベントへの持ち出し用に「V-Mixer M-200i」を買って活用しています。導入したのは確か発売から1年後くらいだったので、もうかなり使い込んでいますね。「M-200i」に関しては、小さいのに本体に入出力がたくさん備わっているところと、コスト・パフォーマンスの高さから選定しました。同じクラスの他社のコンソールと比べると、めちゃくちゃ安いですからね。それとiPadですべての操作ができるというのも惹かれたポイントです。
 しばらくは「M-200i」単体で使っていたんですが、せっかくREACが付いているんだからということで、後から「Digital Snake S-2416」を買い足しました。当たり前ですが、「M-200i」は「Digital Snake」と組み合わせるだけで、音がまるで変わってしまう。一気に音質がグレード・アップするというか、違うコンソールになってしまいますね(笑)。でも「M-200i」本体内蔵の入出力も抜けが良く、とても使いやすいサウンドで悪くはないですよ。

PS 今回のホール・ツアー用にコンソールを導入するにあたっての選定ポイントをおしえてください。

幸田  一番は音質で、具体的に言うと96kHzに対応していること。あとはサイズ感プラス、「Waves」のSoundGrid対応ですね。これらの条件を満たしたコンソールは、もちろん1,000万円以上のものだといくつかありましたが、私が考えていた予算の中では「M-5000」しかありませんでした。この価格帯の他社製コンソールは大抵、48kHzまでしか対応していませんから。「M-5000C」もコンパクトでいいなと思ったんですが、やはりフェーダーは24本以上欲しかったので、最終的に「M-5000」の導入を決めました。

PS 導入されたシステムの構成をおしえてください。

幸田  「M-5000」に加えて入出力ユニットは「Digital Snake S-4000S-3208」を2台導入し、アナログで64ch入力できる構成にしました。REAC端子を追加するため、「M-5000」には拡張インターフェースの「XI-REAC」を装着してあります。「S-4000S-3208」は、「Digital Snake」のフラッグシップ・モデルだけあって、「S-2416」や「S-1608」とは違う質感を持っていますね。何て言うか、とてもアナログ的な音質なんです。「M-5000」が96kHzの色付けの無い音質なので、その組み合わせがいいんじゃないかと思っています。

内部の構成を自由に組み替えられるのは便利

128chのチャンネル・ストリップを、インプットやメイン出力、サブ・グループ、AUXなどに自由に割り振れるのは「M-5000」の大きな特徴
128chのチャンネル・ストリップを、インプットやメイン出力、サブ・グループ、AUXなどに自由に割り振れるのは「M-5000」の大きな特徴
もちろんアウトプット・マトリクスも自由に組むことができる
もちろんアウトプット・マトリクスも自由に組むことができる
内蔵のエフェクトの中では「SDE-3000」が特にお気に入りと語る幸田氏
内蔵のエフェクトの中では「SDE-3000」が特にお気に入りと語る幸田氏
PS 昨年末にスタートしたホール・ツアーも既に終盤とのことですが、現場での「M-5000」の使用感はいかがですか?

幸田  サウンドに関しては素晴らしいの一言ですね。個人的にきれいな音が好みなんですが、「M-5000」はハイが澄んだ96kHzらしい透明感のあるサウンドで、解像度と分離の良さはこの価格帯のコンソールの中ではズバ抜けて良いと思います。解像度の高さは卓のヘッドフォン・アウトからイヤフォンで聴いていてもハッキリ分かりますね。48kHzのコンソールとはまるで違う。今回のツアーは、生バンドと同期モノが混ざっているんですけど、そういう音楽だと「M-5000」の分離の良さが生きてくる。音が見えやすいので、凄くミックスがやりやすいんです。それと今回、マスター・クロックとして「Antelope Audio」の「LiveClock」を使用しているんですが、これによって低域の締まりと解像度がさらに良くなりました。これまでマスター・クロックってほとんど使ったことがなかったんですが、96kHzのコンソールということで試しに使ってみたら、思っていた以上に良かったんです。
 それと128chのチャンネル・ストリップを自由に組み替えられるのも凄く便利ですね。私はレコーディングのようにステムにまとめてバランスを取っていくのが好きなんですが、そういったやり方ですとバスの数が必要になる。その点、「M-5000」ならば128chの範囲で自由に割り振ることができますからね。今回のツアーはメンバーの人数が多いので突然マイクの数が増えたり収録が入ったり、そういった状況になっても「M-5000」なら対応することができます。私の会社は、コンサートだけでなくスポーツや企業系のイベントを手がけることも多いんですが、そういう現場でもイベントの内容に合わせて自由に組み替えられるというのは大きな強みになると思います。何と言っても自分がやりやすいようにできるわけですからね。ちなみに今回のツアーでは、入力で81ch、サブ・グループは11系統使用しています。
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