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テレビ新時代の幕開け SHARP ICC PURIOS LC-60HQ10 麻倉怜士が語る 話題のシャープ4Kテレビにみる「映像哲学」 photo
光沢パネルの黒の締まる映像と、低反射パネルの映り込みの少なさを両立した「モスアイパネル」の採用が話題となったXL9ライン。その記憶も新しいシャープだが、今回既存のテレビとは次元の異なる「光クリエーション技術」を採用した4Kテレビ『ICC PURIOS』を発表。「CES」で大きな話題となり、1月17日発売号にて発表となった「HiViグランプリ」では栄えあるゴールドアウォードを獲得した。本次世代液晶テレビの“真価”は、一体どこにあるのか。新たなブランド名を冠し、いまだかつてない臨場感と感動を実現した最高級モデルについて、麻倉怜士氏が存分に語った。
映像の未来を切り拓く豊かな可能性を秘めている

麻倉怜士さん本年度の「2013 INTERNATIONAL CES」を取材してもっとも印象的だったこと。それは何と言っても「4Kテレビ」の圧倒的な存在感です。日韓の主要メーカーはもちろん、中国やアジア圏の新興プレーヤーまでがこぞって最新モデルを展示していた。その規模と情熱は予想をはるかに上回り、今や「4K」がグローバルな家電トレンドであることを雄弁に物語っていました。そして、数ある製品の中でもピカイチに輝いていたのが、シャープの新しいプレミアムモデル『ICC PURIOS』です。完全受注生産、販売価格が260万円以上というこの“スーパーカーテレビ”にこそ、映像の未来を切り拓く豊かな可能性があると言い切ってもいい。

では他の製品と比べて、『ICC PURIOS』の何がそれほどスペシャルなのか。抜群の画質性能もさることながら、真に画期的なのは開発の根底に流れるコンセプトだと私は考えます。その核となるのが製品名の由来にもなっている「ICC」技術。これは先ごろソニーを退いたデジタル画像処理の第一人者・近藤哲二郎氏が率いる「I3(アイキューブド)研究所」が開発したテクノロジーで、従来の絵づくりとはまるで異なる発想に基づいています。コンセプトというよりは、むしろ本質的な感動をもたらす新時代の「映像哲学」と言ったほうが正解でしょう。

photoICCについて、もう少し詳しく見てみましょう。正式な呼び方は「Integrated Cognitive Creation」。私なりに訳すと「脳内視覚創造」くらいのニュアンスでしょうか。私たち人間は通常、光の反射により風景やモノを認識しています。ところがテレビでは、この反射光の世界をカメラで撮影した信号が、さまざまな系を通り、放送での圧縮/伸長を経て再生されることになります。その過程で、反射光の情報が矮小になる。そのためどうしても歪みがでる。ICCのすごさは、この根本的矛盾にあえて挑んだことです。これまでの「忠実再生」の考えは、反射光を撮影したカメラから出力される信号を神様として、それをいかに再現するかということですが、ICCではまったく考えが違います。再現すべき神様は「カメラ出力」ではなく、レンズの前の実景なのです。実景は反射光で構成されています。だから「光再現」なのです。I3(アイキューブド)研究所では、長年のデータ蓄積と分析により、人が「外界」を見る仕組みをモデル化。そのメソッドを映像信号に適応することで、私たちが実際見ているのにひじょうに近い映像を二次元ディスプレイ上に創り出している。まさしく光による見え方をクリエイトする技術です。

このような先鋭的なテクノロジーは、いまテレビ業界で流行の「水平分業」で集めたパーツを効率的に組み込む方法論などでは、到底作れません。ICCチップの潜在力を十分引き出すためには、4Kパネルの製造はもちろん、その品質を極限まで究める高い技術力が求められます。本来4Kとは「水平3840×垂直2160」という画素数を表す言葉にすぎない。そこにリアリティーという命を吹き込むのは、あくまで総合的モノ作りの力なのです。

たとえばLEDバックライトの使い方をとってもそう。多くの液晶テレビではコントラストを上げるため、ローカルディビング(部分駆動)という手法を採用しています。画面を細かく分割し、内容に応じてバックライトを点滅させることで、いわば明暗差を強調するわけですね。ところが『ICC PURIOS』では同じ技術を、画面の明るさを均一にするために用いている。ICCの哲学ではそもそも本当の目の前の映像には「ムラ」などないはず、だから画面にムラがあれば臨場感は急激に下落するのです。それはもともとシャープの液晶パネルが持つ“コントラストの地力”が高いからこそ可能になった手法ですが、それにしても非常にチャレンジングな領域に踏み込んでいることは間違いありません。

「ICC PURIOS」で体感した別次元の美しさ

photo今回『ICC PURIOS』の絵づくりを担当されたシャープ株式会社 小池晃さんは、私の取材に対して「ICCの理念を実現するには、まず土壌となるパネル性能を高めなければいけません。油絵でいうと、なるべく真っ白でデコボコの少ないキャンバスを用意する必要がある。そのためパネル内のムラをなくす作業には徹底してこだわりました」と話しました。あえて60インチという4K×2Kにしては比較的小さなサイズを選んだのも、「リアルさを追究するなら、1ミリあたり最低3本の走査線が必要」という近藤氏の持論を追求したから。事実『ICC PURIOS』の画像を精査すると斜め方向のギザギザがほとんど見られず、それが自然な表現力に寄与しています。私が「CES」で体感した『ICC PURIOS』の画質は、どの製品とも別次元の美しさを感じさせました。それもこれも細かいすり合わせとチューニングがあってこそ。その意味でパネル開発から絵づくり、生産工程までを自社で「垂直統合」的に行えるシャープだからこそ、ICCの実力をフルに引き出せたのだと思います。

photo4Kの解像度を持つたコンテンツは、現状まだ多くありません。私たちが4Kテレビを視聴する際には、既存のHDコンテンツをアップコンバートする過程が不可欠になります。しかし、『ICC PURIOS』の真価が発揮されるのはまさにそのケースであり、アップコンバートによる超解像技術で画素を補うだけでなく、「HDモニターでは見えなかったけれど、その被写体が本来持っていた微小信号情報」まで実に無理なく自然に引き出してくれます。驚異的なのは、フォーカス感のナチュラルさでしょう。ディテールの質感を豊かに表現しつつも、アーティフィシャルな強調感を微塵も抱かせない。たとえば風景にしても、「手前はやけにクッキリして奥側がぼけている」という見せ方ではなく、近景から遠景に至るパース感はしっかり再現しつつ、画面全体を気持ちよくパンフォーカスさせています。まさに人が現実世界を視覚で知覚しているのと同じ感覚で、本来的な意味での立体感が楽しめます。特にHiVi的な文脈では、映画でのインフォーカスとアウトフォーカスの使い分けという文法にどう対応したかも興味の的ですが、テレビ設計として映画モードを設け、低周波数帯域では、フォーカスアップを抑える仕様にしたことは、特筆されます。

私自身、『ICC PURIOS』で映画『サウンド・オブ・ミュージック』のBlu-rayリマスター版を視聴した際の新鮮な驚きは今も忘れられません。美しいスイスの風景が再現されるだけでなく、あたかも自分がその場所に居合わせ、主人公や子供たちと同じ空気を吸っているような感覚が得られました。澄み切ったアルプスの青空や、温かい陽光、草木のざわめきまで五感に染みわたり、制作者が伝えたかった情感そのものが伝わってくるという実感──。長いテレビの歴史でも、これほど自然な臨場感が再現できるモデルはありませんでした。それこそまさに『PURIOS』という新しいブランド名に込められたシャープの意思であり、ユーザーが手にする「価値」だと確信いたしました。

圧倒的な臨場感を提供する光クリエーション技術〝ICC(※1)〟を搭載

画像処理の仕組みに、I3研究所(※2)の光クリエーション技術〝ICC (Integrated Cognitive Creation) (※1)〟を搭載。入力された映像信号を解析し、人の視覚が光の反射で風景や物体などを認知する仕組みを利用して、遠近感のある風景や物体の立体感、質感などを映像として再構成する。これにより、実際に、その光景を見ているような映像空間を創出し、圧倒的な臨場感がこれまでにはない感動を生み出す。

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フルHDの4倍(※3)となる約829万画素(3,840×2,160画素)を持つ4K液晶パネルを搭載
高い輝度均一性を持つ高精細液晶パネルを搭載

シャープでは、フルHDの4倍(※3)となる約829万画素(3,840×2,160画素)を持つ4K液晶パネルと、画面の明るさを細かくコントロールするパネル制御技術を開発する事により、高い輝度均一性を実現。さらに、この表示性能を発揮すべく精密な検査工程を導入した。これらにより、高い映像品質が求められる放送局や編集スタジオの業務用マスターモニター規格を超える、ムラの少ない均一な明るさで表示することが可能となった。

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自然で滑らかな階調表現を実現する「平滑化アルゴリズム」を開発

高精細液晶パネルを独自の「平滑化アルゴリズム」で駆動させることで、自然で滑らかな階調表現を実現。これにより、従来の信号処理では難しかった暗部の諧調表現や、微妙な立体感の表現が可能となった。

世界で初めて「THX 4Kディスプレイ規格(※4)」の認証を取得

THX世界で初めて、THX4Kディスプレイ規格(THX 4K Display Certification)(※4)の認証を取得。映画「スター・ウォーズ」の監督として知られるジョージ・ルーカス氏の取り組みから生まれたTHX認証は、400を超える厳格なテスト項目からなり、高解像度ディスプレイに対し、映像品質の高さを保証するプログラムだ。つまりは、映画監督の意図する映像を自宅でも忠実に再現することができるハイエンド機器しか合格することは許されない。本機は4K(3,840×2,160画素)コンテンツでも、鮮明な映像でホームエンターテイメントを提供できるテレビとして認められた。

(※4)THX 4K Certified Display Program, THX 4Kディスプレイ規格で世界初の認証取得(2012年12月13日現在)。THXおよびTHXロゴはTHX.Ltd.の登録商標。無断複写、転載を禁ず。

先進感と上質感を表現する、アルミフレームの新デザイン
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映像鑑賞に集中できる視聴環境を提供するため、外観には外光の反射を抑える艶消しのブラックフレームを採用。また、フレームには質感が高く剛性にも優れるアルミ素材を採用するとともに、アルミの質感やヘアラインの表面加工にも、プレミアムモデルならではの先進性と上質感を表現している。


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