テレビの鉄人 観たい映画を観たいように
Photo:Takayuki Kono
Illurstlation:Ryugo Ito

シャープのアクオスDXシリーズを使い、よりよい映像コンディションで映画を楽しんでいただくご指南をしようというこの短期連載。今回は、何も映画はド派手なドンパチ・ハリウッド系だけじゃないよとばかり、シックでエレガントなフランス映画を採り上げるとしよう。世界的なデザイナーズ・ブランドとして今日知られる「シャネル」。その創業者ココ・シャネルの若き時分を綴った「ココ・アバン・シャネル」だ。今回は特に女性の肌色の再現に着目したので、DXシリーズのみならず、他のアクオスのユーザーにもぜひ参考にしていただきたい。
第1巻 SHARP AQUOS LC-46DX2K×GOEMON 「簡単操作のBD内蔵テレビで、幻想的時代絵巻に紛れ込む」 小原由夫
LC-46DX2のここが使える!
  • 電源オフでも入力を切り替えなくても、ディスクを差し込めばとにかく映る
  • 録画用ディスクだけあれば、即、テレビ番組を録画できる
    《画質劣化を抑えるトランスコーダー方式7倍録り[長時間モード]:最大30時間/枚》
  • フルハイビジョンでテレビコントラスト15,000対1、映画の味が引き出せる
  • 高画質マスターエンジンでいろいろなコンディションの映画ソフトも美しく
  • 白と黒、好みに合せてテレビ本体の色が選べる
〈今回わかったこと〉
  • 全体の色調を変化させずに顔色を調整できる「肌色補正」が使える!
  • 内蔵スピーカーで映画を観る時は「声の聞きやすさ」を調整しよう!

 人間の目がもっとも敏感な色は、一説には肌色といわれている。普段目にする機会が多い色だからそれも納得できるわけだが、一口に肌色といっても、欧米人とわれわれ日本人ではー白色人種と黄色人種で違うわけだしーましてや黒人はまったく違う。また、同じ人物の肌色でもテレビ(ディスプレイ)によって見え方が微妙に異なるのはご承知の通り。言い換えれば、テレビのイコライジングでもっとも難しいのが肌色調整といってもよい。


 そんな悩ましい肌色調整に最適な最新BDソフトが、「ココ・アヴァン・シャネル」だ。ファッションに関心のある人でおよそ知らない者はいないであろうシャネルだが、その創設者ココ・シャネルの生い立ちや半生は意外と知られていない。


 主人公のシャネルには、「アメリ」での眩しくキュートな演技が記憶にまだ新しいオドレイ・トトゥが扮した。「ダ・ヴィンチ・コード」での凛々しい姿を覚えている方も多いのではなかろうか。監督はアンヌ・フォンテーヌ。ここでは脚本も担当している女流ディレクターだ。ストーリーの骨格は、若かりし頃の恋物語。お針子をしながら歌手を目指していたシャネルが、適わぬ恋を経験し、帽子のデザイナーを経て、やがて自身の名を冠したブランドを立ち上げ、コルセットで締め付けられていた女性服の解放を目指して成功するまでを描いている。


 始めに注目したのは、チャプター2の9分20秒頃。しがない歌手時代のココが、酒場の階段に腰掛けて煙草をくゆらせているシーンだ。夜の室内での仕事ゆえ、当然暗い照明下での顔の肌色を見ることになる。


 ここで基本的な明暗の調子を整えてみよう。AVポジションはもちろん「映画」だ。アクオスでは、「黒レベル」が一般のブライトネスに相当し、「明るさ」が液晶のバックライト調整に当たる。「映像」がコントラストだ。


 まず、顔の暗さと背景の暗さがしっかり区別できるよう「黒レベル」を調整する。続いて画面全体が暗く沈み過ぎないように「明るさ」を調節する。この順序でLC−46DX2にて今回実施した調整が右上の写真の値だ。


 孤児院を出て、姉と共に歌手を目指していたシャネルだが、社交性に乏しく、どこか浮かない様子。酔っ払いの男性客に対しておべっかが言えないちょっと生意気な感じが、その凛とした顔立ちに現われている。そうした微かな表情が暗部に埋もれないよう調整したい。



●鉄人の調整大公開
手になじみやすく質感もよいリモコン。黄色ボタンの下「ツール」キーで調整画面へ素早くアクセス
基本5項目の調整は、コントラストをつけたうえで、さらに黒引き締めた状態に。バックライトは標準
今回のハイライトがこの項目。さまざまな表情をみせるオドレイ・トトゥの肌色をきめ細かく制御できた
24p収録のBDソフトを再生するとき、カクカクとした動きを少し補正する「アドバンス(標準)」を選択
音は内蔵スピーカーで。声の聞きやすさを「モード1」とすることで、ソフトによる音のばらつきが減少
いつもの視聴ポイントでLC-46DX2の映像イコライジングを実施中。テレビの背後にBDレコーダー/プレーヤー部が見えている。画面と小原さんのアイポイントとの距離はおよそ3H(=画面高) ご自身の視聴室「開国シアター」でそのパフォーマンスを確認した、シャープのLC-46DX2を前にする小原さん。電源コンセントだけあればBD視聴ができるので「とても使いやすい」と好評だった。ちなみにページトップの写真で、LC-42DX2の両サイドに写っているのはサブウーファー(!)。メインスピーカーの姿は、上の写真、いちばん奥に見えている

肌色に近い淡い色が背景になっても、それとははっきりと異なるトーンで女性のスキントーンを表現したシャープのLC-46DX2。白い洋服の質感の違いにも注目

「ココ・アヴァン・シャネル」は作品全体を通して華美な印象を排した色調が印象的。それでいて色彩感豊かに感じるのは、照明技術の水準が高いからだ

 続いてチャプター9。54分辺りのシーン。喧嘩別れしたものの、朝にはバルサンの屋敷に戻ってきたココ。彼女が恋心を寄せるボーイとの屋外での会話のシーン。しっとりとした柔らかい質感の本作の映像は、近年のハリウッド大作のような硬質な画調とは大きく異なり、とてもナチュラルで繊細な印象を受ける。


 ここで「肌色補正」を動かしてみよう。この柔らかな陽射しのデイライトシーンでのココの顔の肌色は、ひじょうに健康的。いくぶん赤みを帯びているが、化粧はナチュラルメイクという感じだ。必要以上に赤くさせず、すっきりとした印象にしたい。「肌色補正」を選択し、まずは「色相」をマイナス方向にふってみる。わずかにマゼンダ寄りにしたところで、「彩度」と「明度」をプラスに動かし、瑞々しく張りのある質感に仕上げたい。私が施した調整は別掲の通り。ココよりもボーイの方が色白なのがわかったりしておもしろい。


 なお今回は、映像全体の色調には不満を感じなかったので、「色の濃さ」や「色あい」という基本パラメーターは動かしていない。


 ところで、今回は再生音質にもこだわってみた。派手なサラウンドがない分、登場人物たちの声に乗る情緒変化をいかに克明に再現するかという点に注意したが、具体的な調整は、「音声調整」の「声の聞きやすさ」で行なった。フランス語は子音が目立つので、セリフをハッキリクッキリさせる<モード3>は好ましくない。小さなセリフと大きなセリフのレベル差を揃える<モード1>がいい按配に思う。映像ばかりでなく、再生音も好みに合わせてこそ、テレビを使いこなしているといえよう。


映画に描かれたシャネルの肖像、メイキング集(映画化の構想、ココ・スタイルと当時のファッション、驚異の人生、他)など、特典映像を収録
BD「ココ・アヴァン・シャネル」¥4,980
●発売日:2009年1月20日
●製作年度:2009年(COLOR)
●本編:約110分 映像特典:約64分
●映像仕様:1080p MPEG4 AVC シネマスコープ
●音声仕様:ドルビーデジタル 5.1(本編)、ドルビー2.0(音声解説)
●字幕:日本語、英語、日本語吹替え用字幕、音声解説用字幕
●ディスク:1枚 (片面1層)
〈スタッフ〉
●製作:キャロル・スコッタ
●監督:アンヌ・フォンテーヌ
●脚本:アンヌ・フォンテーヌ、カミーユ・フォンテーヌ
●衣装:カトリーヌ・ルテリエ
〈キャスト〉
●ガブリエル・シャネル:オドレイ・トトゥ
●エティエンヌ・バルザン:ブノワ・ポールブールド
●ボーイ・カベル:アレッサンドロ・ニボラ、他
●公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/cocoavantchanel/
LC-46DX2に大接近!
ディスクの読込み中は、テレビ画面に表示が現れる。今、LC-46DX2がどんな状態なのかがひと目でわかるので、あわてなくて済む
テレビの裏側を見ると、わりとコンパクトなユニットが眼に入る。もちろんテレビ本体の厚みのなかに収まっているので、邪魔にならない
外部のBDレコーダーなど、将来の機器追加にも安心な3系統のHDMI入力を持っている

小原由夫
おばらよしお・電気測定機メーカーのエンジニアから、オーディオビジュアル専門誌の編集者を経て、フリーライターへ。アナログレコードや真空管アンプ、デジタルファイルミュージック、そして200インチのサウンドスクリーンなど、チャレンジする分野は多岐におよぶ
ブルーレイ内蔵 液晶テレビ
SHARP AQUOS LC-46DX2 オープン価格(実勢価格 ¥380,000)
http://www.sharp.co.jp/aquos/
■第1巻 SHARP AQUOS LC-46DX2×GOEMON

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