観たい映画を観たいように テレビの鉄人
Photo:Takayuki Kono
Illurstlation:Ryugo Ito

 現行のシャープ液晶テレビ群のトップグレードが、このLシリーズだ。AQUOS PHONEやAQUOSブルーレイとの連携強化、さらには新ネットサービス「AQUOS City」の対応など、機能面の充実ぶりが目を引くが、3D対応を始めとしたAQUOSクアトロンの技術熟成も見逃せない。

 今回は、人気アメコミ・シリーズの映画化で、1978年に大ヒットした「スーパーマン」のディレクターズカット版を使い、LC-46L5に搭載された<映画クラシック>モードをとことん味わい尽くしたいと思う。
第9回 SHARP AQUOS LC-46L5 × スーパーマン ディレクターズカット版アメコミ・ヒーローらしい濃密感、力強さを堪能するためのイコライジング術
●LC-46L5に大接近!
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スタイリッシュな外観側面に配備された接続端子類。4系統のHDMI端子のうち、入力1はオーディオ・リターンチャンネルに対応している。また、注目したいのはさらに充実したUSB接続による外付けハードディスク録画。今回搭載された3つの地デジチューナーを活用することによって、ハードディスクへの2番組同時録画をしながらも、別の地デジの番組を視聴することが可能となっている
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今回の視聴に際し小原鉄人が持ち込んだアイテムが、なんと作品の上映当時の劇場パンフレット。当時中学生だった鉄人が、新宿プラザにて入手した物である。350円という定価も時代を感じさせる部分ではあるものの、当時から注目の作品は、当然の如く少しでも画質・音質の優れた劇場を選んで鑑賞していたという。まさに鉄人への道は当時から始まっていた……
LC-46L5のここがすごい!
  • R,G,Bに加えてY:黄色のサブ画素を追加し、色再現範囲を大幅に拡大した
  • LEDバックライトの高効率利用に貢献するUV²A技術を改善。さらに高速化したハイスピードUV²A技術採用
  • 「240Hzスキャン」で瞬間的にバックライトを消灯してクロストークの発生を低減。3Dはもちろん、2Dでも動きの速い映像がくっきり!
  • 画面の明るさを控えめにして、消費電力を約15%抑制する「セーブモード」機能を搭載
  • THX 3D認定ディスプレイ規格を取得
  • 「クラシックモード」で、ノスタルジックに映画を楽しめる!
  • 外付けのUSBハードディスクにテレビ番組を保存できる
  • 「スマートファミリンク」を搭載し、Wi-FiでAQUOS PHONEとつながる
  • 新ネットサービス「AQUOS City」で、ウェブサイトやVODサービスが楽しめる。お天気やおすすめ番組情報も提供!
  • メールの着信をテレビ画面でお知らせ
  • 音声入力で番組をスマートに検索できる(L5以降の液晶テレビおよびAQUOS PHONEとの組み合せによる)

 4原色技術「AQUOSクアトロン」、240Hzスキャン、THX 3D認証など、近年のAQUOSの要素技術を集大成した感のあるL5シリーズ。高画質マスターエンジンのブラッシュアップにより、一段と熟れたピクチャークォリティを実現しているが、今回はそうしたキーテクノロジーがアメコミ・ヒーローの世界観をどう表現してくれるかを、LC-46L5を使って探ってみたい。

 視聴コンテンツ「スーパーマン ディレクターズカット版」は、クリストファー・リーヴの主演シリーズ第1作、先頃BD化された1978年作品だ。同年度の全米年間興行収入で第1位となり、79年の日本での洋画配給収入も1位となっている。日本公開時、筆者は新宿コマ劇場に隣接していた新宿プラザ劇場に観に行って大いに興奮した覚えがある。写真に映っているのは、その際に購入したパンフレットで、時代を感じさせるレイアウトや構成に懐かしさと思い出が蘇り、感慨も一入だった(ジョン・ウィリアムズ作曲のテーマが流れた時、今でもワクワクできた自分にビックリ!?)。

 主演のリーヴは、本作出演以前は端役の経験があった程度で、父親役のマーロン・ブランド、敵役のジーン・ハックマンに次いで、オープニングロールは3番目の登場と、ほとんど新人扱い。しかし本作以降、スーパーマンはリーヴの代表作となり、4作品が製作されるが、95年5月に乗馬中の事故がきっかけで半身不随となり、04年10月に52歳で生涯を閉じている。

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BDで蘇った思い出のコンテンツに挑む小原鉄人。作品自体は登場から時間が経過しているため(1979年日本公開作品)、自身が持っていたイメージと実際に映し出される画像のバランスをうまく取りながらの調整が、鉄人ならではの腕の見せ所

 さて、今回は30年以上前の作品なので、どれほどの映像品質がキープされているか、いささか気になったものだが、事前に全編を通して観たところ、概ね良好な画質を確認した。他方、フィルムグレインや色合い等の質感から、ちょっと懐かしい雰囲気を醸し出してもいたので、今回はL5シリーズに搭載されている<映画(クラシック)>モードで視聴してみることにした。

 例えば、ヌードルスのマフラーは、フランネルのような滑らかな生地だ。ごく短いその毛足の質感に注意しながら、やや朱に近い赤の色合いをうまく引き出したい。

 同モードは、往年のハリウッド名画等をノスタルジックなイメージで演出するべく、周期的なフリッカーを意図的に挿入することで古い味わいを巧みに引き出そうとしている。初搭載のモデルでは、その特徴をアピールし過ぎていたように感じられ、チラつきが少々目立っていたのだが、最新の本L5シリーズでは、その辺りが周到に改善され、違和感はない。むしろ、とても味のあるモードになった。


 この<映画(クラシック)>モードの印象を司るのは、映像調整メニュー内の「シャッター効果」だ。デフォルトは+3。プラス方向でフリッカーの強度が強まり、マイナスでは和らぐ方向となる。今回は+4とし、わず かに強調する味付けとした。それでも違和感はなく、古色蒼然としたムードになり過ぎない、何といっても郷愁感のある雰囲気が出せたと思う。

 画質面で気になった点といえば、冒頭の惑星クリプトンのシーン、Ch(チャプター).5で若干黒浮きが感じられたこと。そこで「明るさ」を-3、「黒レベル」を-2とした(AQUOSでは、「黒レベル」が一般的なブライトネスに相当し、「明るさ」が液晶のバックライト調整に当たる)。また、マーロン・ブランド扮する父親、ジョー=エルたちが着用している服の輝かしさ、クリスタルのパイプを多用したセットの眩しさなど、“光モノ”に注意しながら画質を追い込んでいった結果、「映像」(コントラストに相当)は、デフォルトの+30から+22に下げている。

 「スーパーマン」観賞時のもうひとつのポイントは、スーパーマンのユニフォームの色再現だ。アメコミ・ヒーローの象徴的色使いと言ってもよい、赤いマントや赤いブーツ、青のボディスーツは、おそらく強い国アメリカのシンボリックな存在である星条旗をモチーフにしているのではなかろうか。その鮮やかさと濃厚さを嫌味な派手さにならないギリギリのところで豊かに出したい。そこで、映像調整メニューの<プロ設定>から、「カラーマネージメント(彩度)」と「カラーマネージメント(明度)」を動かした。赤については、Lシリーズはもともと濃厚なタッチを見せていたので、「彩度/青」を+7、「明度/青」を+2とした。こうすることで、スーパーマンの筋骨隆々なボディのマッチョぶりがさらに強化された印象となった。 〈右下へ続く〉


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小原鉄人がこだわったのは“スーパーマンのユニフォームの色再現”。「カラーマネージメント」の彩度と明度を調整することで、赤いマントや青のボディスーツを“いかに鮮やかに、かつ濃厚に”、とはいえ“嫌味にならないように”するかに挑んだ

〈左上より続く〉
 Ch.13に至るまでは、スーパーマンの少年期の成長過程を描いているが、Ch.14以降の 展開は、デイリー・プラネット社に入社したクラーク・ケント(スーパーマンの日常の姿)の恋物語を絡めつつ、宿敵レックス・ルーサーとの攻防の度合いを深めていく。要所の合成映像やミニチュアセットでの撮影は、CG/VFXがまだ発展途上にあった往時の様子が忍ばれ、今観ると時代の趨勢を感じさせるのだが、その分、役者たちの高い演技力が展開を盤石なものにしている。特にレックス・ルーサー役のジーン・ハックマンが醸し出すズル賢さ、そのルーサーのヒモ役のバレリー・ペリンのオバカ振りが白眉だ。

 最もロマンチックなシーンは、後に恋人となるロイス・レイン(マーゴット・キダー)との夜の空中飛行シーン、Ch.25のランデヴーだ。暗い場面が続き、時折ノイズも散見されるが、シースルーのドレスを来たロイスの美しさ、あるいは夜景の遠近感や奥深さの再現は、LC-46L5のS/Nの高さと緻密な分解能の賜物。そしてスーパーマンの赤/青の純粋さが、この作品のエンタテインメント性を一段と色濃く引き出してくれたのだ。


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アメリカで1978年度の年間興行収入第1位、日本で1979年度の洋画配給収入第1位を獲得するなど、世界中で大ヒットを記録した「スーパーマン」。今回の取材時におけるテーマは、L5シリーズの<映画(クラシック)>モードで「いかに“スーパーマンらしく”観るか」だ。少年時代に目を輝かせて観た作品だけに、小原鉄人の腕も鳴る!
BD「スーパーマン ディレクターズカット版」¥2,500

●発売日:2010年4月21日
●製作年度:1978年(COLOR)
●本編:約151分 映像特典:約71分
●映像仕様:シネマスコープサイズ スクイーズ
●BD音声仕様:ドルビーデジタル5.1(英語)
●字幕:日本語,英語
●ディスク:1枚 (片面2層)

〈スタッフ〉
●監督:リチャード・ドナー
●製作:ピエール・スペングラー
●脚本:マリオ・プーゾ
●音楽:ジョン・ウィリアムズ

〈キャスト〉
●スーパーマン/クラーク・ケント:クリストファー・リーヴ
●ジョー=エル:マーロン・ブランド
●レックス・ルーサー:ジーン・ハックマン
●ロイス・レイン:マーゴット・キダー

●公式サイト:
http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&num=10625&UserNum=&Pass=&AdminPass=&dp=

●鉄人の調整大公開
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クラシックと呼ぶにはまだ早い作品ではあるが、今回の主題は「クラシックな作品を如何に上手にイコライジングしていくか」。よって、LC-46L5のAVポジションは迷うことなく「映画(クラシック)」を選定した
鉄人が今回「スーパーマン ディレクターズカット版」を観て実際に調整した数値。今回は明るさを抑え気味にしつつ、映像の強弱を若干強めに振ってバランスを調整。シルバー調の宇宙服(?)を着た人物の登場シーンなど、不自然に顔だけが浮いて見えてしまわない様に追い込むのがポイント
今回の調整の隠し味として有効だった「シャッター効果」の調整。シャッター効果とはその名の通りフィルム的なシャッター効果を調整するモード。AVポジションを「映画(クラシック)」に選択した場合のみ調整が可能で、24Pの信号が表示された時だけその効果を確認できるというもの。今回鉄人は+4の数値を選択されていた
色の構成要素となる6つの系統色を調整し、色相・彩度・明度を変化させる「カラーマネージメント」を調整。今回は彩度と明度のB(青)を調整することによって、スーパーマンの象徴でもあるコスチュームのブルーを上手く表現するべく設定を追い込んだ
オーディオビジュアル評論家 小原由夫先生
小原由夫
おばらよしお・電気測定機メーカーのエンジニアから、オーディオビジュアル専門誌の編集者を経て、フリーライターへ。親しみやすい語り口と素朴なテーマで多くの読者をひきつけた連載「AV奮闘記」で一躍スター(!)の座を築く。近年はそんなスターの座にも飽き足らず(?)、気持ちは既に超人(SUPERMAN)の域へシフト中
SHARP AQUOS LC-46L5
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■第1巻 SHARP AQUOS LC-46DX2×GOEMON
■第2巻 SHARP AQUOS LC-46DX2×ココ・アヴァン・シャネル
■第3巻 SHARP AQUOS LC-46DX2×グッド・バッド・ウィアード
■第4巻 SHARP AQUOS LC-52LX3×シャーロック・ホームズ
■第5巻 SHARP AQUOS LC-46LV3×タイタンの戦い【3D】
■第6巻 SHARP AQUOS LC-52LX3×かいじゅうたちのいるところ
■第7巻 SHARP AQUOS LC-52LB3×インセプション
■第8回 SHARP AQUOS LC-46Z5 × ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

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